2022年03月31日 (木) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「あなたにとっての「我が家の定番料理」といえば?」
今回のテーマは、ズバリ、昆虫食! ‘うん、おいしい!’
‘見た目は、ちょっと抵抗ありましたけど、食べられるものだなと思って…’
今、昆虫は世界中が注目する、スーパーフード! アメリカでは、昆虫料理の
パーティーが開かれたり、フランスでは、昆虫をトッピングしたお菓子が発売。
日本でも、ひそかなブームに!
世界が昆虫食に注目するキッカケとなったのは、2013年、国連食糧農業機関
が出した報告書です。 2050年には人口が90億を超え、深刻な食糧不足に
陥り、家畜生産による環境負荷も、大きくなると指摘。
その課題を解決する一手として、昆虫食の可能性を提示したのです。
でも、どうして昆虫なの? 実は、昆虫は栄養価が高く、しかも超エコな方法で
タンパク質を作り出せるのです!
昆虫の持つポテンシャルに、科学者たちも大注目! ゲノム編集による品種
改良や、魚のエサとして利用する研究が始まっています。
“昆虫の可能性は、無限大である。昆虫で地球を救って行く”
もう、ムシできない! 世界の未来を救う、昆虫食の魅力に迫ります!
ムシ… できませんか? アハハハッ。 ええ。 考えていきましょうよ。
ちょっと抵抗あるのですが…。 今回、用意しました。 はい、目の前に、多種
多様な。 こちら側は、もう、ちょっと、形がそのままで…。
これは、スズメバチとコオロギです。 あ~、盛り合わせですね…。 こちらの
お皿は、これも昆虫のものなのですか? こちらのクッキーは、コオロギの
粉末状のものを使っているそうです。
まぁ、ただ、抵抗感というのは、やっぱり、ありますよね? そうですね。
ありますが、世界を救うというところまで、言ってましたからね。
そうなのです。 皆さんもきっと、見え方が変わってきますよ。 そうですかね。
という事で、まずは、食べ物としての驚きの実力から見て行きましょう!
去年、渋谷にオープンしたばかりのフィットネス・スタジオ。 隣に、昆虫食
レストランを併設しています。
‘こちらは、サステナブルプロテインガパオと、スープのセットになります’
カイコのサナギがのった、ガパオライス。 この店、一押しのメニューです。
他にも、乾燥させたコオロギをスープの仕上げに使ったり、スーパーワーム
という昆虫を、サラダにトッピングしたり。
ジムのインストラクターにも好評です。 その理由は?
“タンパク質が多く含まれているので、高タンパク質が食事でとれる”
そう、筋肉作りに不可欠なタンパク質が、しっかり含まれているのです。
例えば、このガパオライスでは、昆虫をトッピングすると、タンパク質がプラス
3グラム。 ハムでいうと、1枚半ほどの量に相当します。
では昆虫たちは、どうやってタンパク質を、作り出しているのでしょう?
その方法は、昆虫によって、実にさまざま。 食用として期待されている、
こちらの昆虫の驚きの戦略を、ご紹介します。
まずは、5000年以上も前から人間に飼育されて来たカイコ。 絹糸を作り出す
昆虫です。 繭を作るために幼虫が吐く糸が、絹糸の原料。 タンパク質で
出来ています。
このカイコ特有のタンパク質が体内で作られる時、力を発揮するのがGOGAT
(ゴーガット/グルタミン酸合成酵素)と呼ばれる酵素です。
食べたものが体内で分解される時、毒素であるアンモニアが発生します。
通常は無毒化され、尿酸となって排出されますが… GOGATが働くと、
アンモニアは姿を変えて、グルタミン酸に。 そこから最終的に、タンパク質が
作られるのです。
このGOGAT、他の昆虫と比べ、カイコには特に多い事が分かって来ました。
それは、人間が太古より大きな繭を作り出すカイコを選び、掛け合わせて来た
結果だと考えられています。
次に紹介するのはシロアリ。木材を食い荒らす害虫として有名ですが地球上に
最も多く生息する昆虫といわれ、動物たちにとっては重要なタンパク源です。
実は、一部のシロアリの仲間は、なんと空気中からタンパク質を作り出せる
のです。 どういう事かというと、シロアリの体内に秘密があります。
腸の一部に共生する原生生物。 更にその中に細菌がいます。 この細菌が
空気中の窒素からアミノ酸を合成しているのです。 それをシロアリが吸収し、
タンパク質を作り出しているというワケ。
シロアリは、このスーパー細菌のおかげで食べ物から摂取しなくてもタンパク
質を作り出せるのです。
最後は、トノサマバッタ。 こちらは打って変わって大胆な方法でタンパク質を
蓄えています。 バッタの身体能力の高さは、昆虫界でも随一。
6センチの体長の20倍もジャンプできるのです。 CTスキャンで体内を見て
みると、赤く見える部分が筋肉。 後ろ脚や、羽のついている胸を中心に、
ぎっしり詰まっています。
これほどの筋肉を作るには、たくさんのタンパク質が必要です。 そこで…。
“これが、トノサマバッタを飼育しているハウスです”
タンパク質の作り方を、トノサマバッタの養殖農園で見せてもらいました。
バッタの戦略は、食べ物からタンパク質を得ること。 しかし、バッタの主食は
イネ科の植物。 タンパク質は、それほど多く含まれていません。
では一体、どのようにタンパク質を蓄えているかというと… 食べて、食べて、
食べまくる! 実はバッタは、超大食漢! 成長期には、1日に自分の体重の
3倍もの量を食べるのです。
いわば、体重50キロの成長期の子が、1日、150キロ食べるようなもの!
バッタは、この大食漢作戦で、タンパク質を蓄えていたのです!
ちょっとバッタちゃんだけ、根性って感じでしたけど…。 シロアリの空気中の
窒素からというのも、スゴイ。 では、その辺り、詳しく聞いていきましょう。
東京農工大学の准教授です。
“私の専門は害虫を寄せつけない、あるいは害虫を駆除するという害虫防除
の研究をしていて、どちらかというと、虫を駆除する方だったのです”
Q: その駆除から食に行く、その変化とは、何なのでしょうか?
“研究仲間が、昆虫の食料利用、昆虫の恵みですね。そういったお話しを頂き
まして、今度は昆虫を生かす、生産して行くという非常に、これは面白いなと。
若手研究者や学生の集まりで、昆虫食の研究を始めたのが、2018年です”
Q: 昆虫によって、あんなにタンパク質の作り方に個性が分かれるのですね。
“はい。ポイントとしては、昆虫自体が非常に多様性に富んだ生き物だという
ところ。さまざまな環境に、それぞれの昆虫が適した戦略を持っている。その
過程で、タンパク質やその原料となるアミノ酸の合成や摂取、さまざまな戦略
が発達して来ました。生の場合であれば牛や豚や鶏と同じくらい、2割くらいの
タンパク質を含んでいます。乾燥させるとタンパク質も濃縮されまして、6~7割
のタンパク質を含んでいます”
Q: タンパク質が、1番、多い栄養素ですか?
“そうですね。基本的には高タンパクではありますけれど、その他にも亜鉛や
鉄分、カルシウムやマグネシウムといったミネラル。そして不飽和脂肪酸、後は
ビダミン。非常に糖質が少なくて、基本的にはヘルシーな食材といえます”
美人が食べている栄養素が、今、いっぱい出て来ましたね。
“例えばトノサマバッタは、不飽和脂肪酸の中でもαリノレン酸と呼ばれる、
いわゆるオメガ3の脂肪酸が豊富です。バッタは長くて1日に100キロメートル
も飛ぶのです。その時、脂肪体と呼ばれる組織に、そういった栄養素を貯蔵
して、それを飛ぶ時に利用する。そういった戦略を持っています”
うわ~。 でも、バッタが1番、抵抗あるかな~。 顔が怖いですよね。
まぁ、でも栄養が、昆虫って豊なのだなという事は、分かって頂けましたか?
栄養満点だからこそ、世界を救う可能性があるわけなのですが… というか、
もう既に、世界を救い始めているのです。
東南アジアの国、ラオス。 農村部で行われた調査では、子供の3分の1が、
栄養不足による低身長でした。 カロリーやタンパク質は足りているものの、
ミネラルやビタミン、脂質が不足していたのです。
そこで提案されたのが、ヤシオオオサゾウムシの養殖。 この幼虫は、6割が
脂肪。 この地域にピッタリの昆虫でした。 飼育も簡単! たらい1つで育て
られ、5週間ほどで食べ頃です。
味もよく、子供たちが、つまみ食いをするほど大人気! 村の中で飼育を完結
できるよう、エサとなる芋の栽培も進んでいます。
養殖する村の住人は、言う。
‘この辺りで昆虫養殖は、新しい試みです。生産量を増やす事で、食べるだけ
でなく、村の新しい収入源にもなると思います’
昆虫の生産効率を高める事で、世界で昆虫養殖を発展させようという研究も
始まっています。 東京農工大学准教授の研究室。 研究に使っているのは
タイワンエンマコオロギです。 そのカギは、与えるエサ。
“キャッサバ(芋)の葉の粉です。こちらは、東南アジアなどで、かなり捨てられ
ている、残渣(ざんさ)になるのですけども、コオロギは雑食性なので動物性の
ものも、植物性のものも食べるのです”
雑食という利点を生かし、食品ロス、つまり本来、食べられるのに捨てられて
いるものを、エサにする事ができるのです。
実は今、東南アジアなどで生産されているコオロギは、養鶏飼料を使った
ものが、ほとんど。 もし、食品ロスで育てられれば、エサを入手するための
費用も抑えられ、廃棄物も減らせます。
研究室では、これらのエサと、養鶏飼料の発育速度を調べています。 食品
ロスでも育ちますが、養鶏飼料に比べ、成長が遅い事が分かりました。
しかし、ぬか・ふすま・おからを3つ同時に与えると、単体で与えるよりも、養鶏
飼料に近づきました。 効率よく生産できる方法を確立し、世界の昆虫養殖に
役立てようとしています。
これは確かに、世界を救うという意味が分かって来ました。
“はい。先ほども、昆虫の多様性と言いましたが、たまたま、あの虫が脂質が
豊富で、あの地域のエサで育つ事ができる。その昆虫が持っている特性が
ラオスのあの地域の人々の栄養改善につながっている”
これ、1カ月くらい芋をあげれば、もう食料になれば、植物より、全然、早い。
“更に、基本的には虫は非常にコンパクトな生き物でして、軽いのです。
そういった意味で、従来の動物生産、家畜と異なって軽労働な産業になるだ
ろうと考えています”
今回のテーマは、ズバリ、昆虫食! ‘うん、おいしい!’
‘見た目は、ちょっと抵抗ありましたけど、食べられるものだなと思って…’
今、昆虫は世界中が注目する、スーパーフード! アメリカでは、昆虫料理の
パーティーが開かれたり、フランスでは、昆虫をトッピングしたお菓子が発売。
日本でも、ひそかなブームに!
世界が昆虫食に注目するキッカケとなったのは、2013年、国連食糧農業機関
が出した報告書です。 2050年には人口が90億を超え、深刻な食糧不足に
陥り、家畜生産による環境負荷も、大きくなると指摘。
その課題を解決する一手として、昆虫食の可能性を提示したのです。
でも、どうして昆虫なの? 実は、昆虫は栄養価が高く、しかも超エコな方法で
タンパク質を作り出せるのです!
昆虫の持つポテンシャルに、科学者たちも大注目! ゲノム編集による品種
改良や、魚のエサとして利用する研究が始まっています。
“昆虫の可能性は、無限大である。昆虫で地球を救って行く”
もう、ムシできない! 世界の未来を救う、昆虫食の魅力に迫ります!
ムシ… できませんか? アハハハッ。 ええ。 考えていきましょうよ。
ちょっと抵抗あるのですが…。 今回、用意しました。 はい、目の前に、多種
多様な。 こちら側は、もう、ちょっと、形がそのままで…。
これは、スズメバチとコオロギです。 あ~、盛り合わせですね…。 こちらの
お皿は、これも昆虫のものなのですか? こちらのクッキーは、コオロギの
粉末状のものを使っているそうです。
まぁ、ただ、抵抗感というのは、やっぱり、ありますよね? そうですね。
ありますが、世界を救うというところまで、言ってましたからね。
そうなのです。 皆さんもきっと、見え方が変わってきますよ。 そうですかね。
という事で、まずは、食べ物としての驚きの実力から見て行きましょう!
去年、渋谷にオープンしたばかりのフィットネス・スタジオ。 隣に、昆虫食
レストランを併設しています。
‘こちらは、サステナブルプロテインガパオと、スープのセットになります’
カイコのサナギがのった、ガパオライス。 この店、一押しのメニューです。
他にも、乾燥させたコオロギをスープの仕上げに使ったり、スーパーワーム
という昆虫を、サラダにトッピングしたり。
ジムのインストラクターにも好評です。 その理由は?
“タンパク質が多く含まれているので、高タンパク質が食事でとれる”
そう、筋肉作りに不可欠なタンパク質が、しっかり含まれているのです。
例えば、このガパオライスでは、昆虫をトッピングすると、タンパク質がプラス
3グラム。 ハムでいうと、1枚半ほどの量に相当します。
では昆虫たちは、どうやってタンパク質を、作り出しているのでしょう?
その方法は、昆虫によって、実にさまざま。 食用として期待されている、
こちらの昆虫の驚きの戦略を、ご紹介します。
まずは、5000年以上も前から人間に飼育されて来たカイコ。 絹糸を作り出す
昆虫です。 繭を作るために幼虫が吐く糸が、絹糸の原料。 タンパク質で
出来ています。
このカイコ特有のタンパク質が体内で作られる時、力を発揮するのがGOGAT
(ゴーガット/グルタミン酸合成酵素)と呼ばれる酵素です。
食べたものが体内で分解される時、毒素であるアンモニアが発生します。
通常は無毒化され、尿酸となって排出されますが… GOGATが働くと、
アンモニアは姿を変えて、グルタミン酸に。 そこから最終的に、タンパク質が
作られるのです。
このGOGAT、他の昆虫と比べ、カイコには特に多い事が分かって来ました。
それは、人間が太古より大きな繭を作り出すカイコを選び、掛け合わせて来た
結果だと考えられています。
次に紹介するのはシロアリ。木材を食い荒らす害虫として有名ですが地球上に
最も多く生息する昆虫といわれ、動物たちにとっては重要なタンパク源です。
実は、一部のシロアリの仲間は、なんと空気中からタンパク質を作り出せる
のです。 どういう事かというと、シロアリの体内に秘密があります。
腸の一部に共生する原生生物。 更にその中に細菌がいます。 この細菌が
空気中の窒素からアミノ酸を合成しているのです。 それをシロアリが吸収し、
タンパク質を作り出しているというワケ。
シロアリは、このスーパー細菌のおかげで食べ物から摂取しなくてもタンパク
質を作り出せるのです。
最後は、トノサマバッタ。 こちらは打って変わって大胆な方法でタンパク質を
蓄えています。 バッタの身体能力の高さは、昆虫界でも随一。
6センチの体長の20倍もジャンプできるのです。 CTスキャンで体内を見て
みると、赤く見える部分が筋肉。 後ろ脚や、羽のついている胸を中心に、
ぎっしり詰まっています。
これほどの筋肉を作るには、たくさんのタンパク質が必要です。 そこで…。
“これが、トノサマバッタを飼育しているハウスです”
タンパク質の作り方を、トノサマバッタの養殖農園で見せてもらいました。
バッタの戦略は、食べ物からタンパク質を得ること。 しかし、バッタの主食は
イネ科の植物。 タンパク質は、それほど多く含まれていません。
では一体、どのようにタンパク質を蓄えているかというと… 食べて、食べて、
食べまくる! 実はバッタは、超大食漢! 成長期には、1日に自分の体重の
3倍もの量を食べるのです。
いわば、体重50キロの成長期の子が、1日、150キロ食べるようなもの!
バッタは、この大食漢作戦で、タンパク質を蓄えていたのです!
ちょっとバッタちゃんだけ、根性って感じでしたけど…。 シロアリの空気中の
窒素からというのも、スゴイ。 では、その辺り、詳しく聞いていきましょう。
東京農工大学の准教授です。
“私の専門は害虫を寄せつけない、あるいは害虫を駆除するという害虫防除
の研究をしていて、どちらかというと、虫を駆除する方だったのです”
Q: その駆除から食に行く、その変化とは、何なのでしょうか?
“研究仲間が、昆虫の食料利用、昆虫の恵みですね。そういったお話しを頂き
まして、今度は昆虫を生かす、生産して行くという非常に、これは面白いなと。
若手研究者や学生の集まりで、昆虫食の研究を始めたのが、2018年です”
Q: 昆虫によって、あんなにタンパク質の作り方に個性が分かれるのですね。
“はい。ポイントとしては、昆虫自体が非常に多様性に富んだ生き物だという
ところ。さまざまな環境に、それぞれの昆虫が適した戦略を持っている。その
過程で、タンパク質やその原料となるアミノ酸の合成や摂取、さまざまな戦略
が発達して来ました。生の場合であれば牛や豚や鶏と同じくらい、2割くらいの
タンパク質を含んでいます。乾燥させるとタンパク質も濃縮されまして、6~7割
のタンパク質を含んでいます”
Q: タンパク質が、1番、多い栄養素ですか?
“そうですね。基本的には高タンパクではありますけれど、その他にも亜鉛や
鉄分、カルシウムやマグネシウムといったミネラル。そして不飽和脂肪酸、後は
ビダミン。非常に糖質が少なくて、基本的にはヘルシーな食材といえます”
美人が食べている栄養素が、今、いっぱい出て来ましたね。
“例えばトノサマバッタは、不飽和脂肪酸の中でもαリノレン酸と呼ばれる、
いわゆるオメガ3の脂肪酸が豊富です。バッタは長くて1日に100キロメートル
も飛ぶのです。その時、脂肪体と呼ばれる組織に、そういった栄養素を貯蔵
して、それを飛ぶ時に利用する。そういった戦略を持っています”
うわ~。 でも、バッタが1番、抵抗あるかな~。 顔が怖いですよね。
まぁ、でも栄養が、昆虫って豊なのだなという事は、分かって頂けましたか?
栄養満点だからこそ、世界を救う可能性があるわけなのですが… というか、
もう既に、世界を救い始めているのです。
東南アジアの国、ラオス。 農村部で行われた調査では、子供の3分の1が、
栄養不足による低身長でした。 カロリーやタンパク質は足りているものの、
ミネラルやビタミン、脂質が不足していたのです。
そこで提案されたのが、ヤシオオオサゾウムシの養殖。 この幼虫は、6割が
脂肪。 この地域にピッタリの昆虫でした。 飼育も簡単! たらい1つで育て
られ、5週間ほどで食べ頃です。
味もよく、子供たちが、つまみ食いをするほど大人気! 村の中で飼育を完結
できるよう、エサとなる芋の栽培も進んでいます。
養殖する村の住人は、言う。
‘この辺りで昆虫養殖は、新しい試みです。生産量を増やす事で、食べるだけ
でなく、村の新しい収入源にもなると思います’
昆虫の生産効率を高める事で、世界で昆虫養殖を発展させようという研究も
始まっています。 東京農工大学准教授の研究室。 研究に使っているのは
タイワンエンマコオロギです。 そのカギは、与えるエサ。
“キャッサバ(芋)の葉の粉です。こちらは、東南アジアなどで、かなり捨てられ
ている、残渣(ざんさ)になるのですけども、コオロギは雑食性なので動物性の
ものも、植物性のものも食べるのです”
雑食という利点を生かし、食品ロス、つまり本来、食べられるのに捨てられて
いるものを、エサにする事ができるのです。
実は今、東南アジアなどで生産されているコオロギは、養鶏飼料を使った
ものが、ほとんど。 もし、食品ロスで育てられれば、エサを入手するための
費用も抑えられ、廃棄物も減らせます。
研究室では、これらのエサと、養鶏飼料の発育速度を調べています。 食品
ロスでも育ちますが、養鶏飼料に比べ、成長が遅い事が分かりました。
しかし、ぬか・ふすま・おからを3つ同時に与えると、単体で与えるよりも、養鶏
飼料に近づきました。 効率よく生産できる方法を確立し、世界の昆虫養殖に
役立てようとしています。
これは確かに、世界を救うという意味が分かって来ました。
“はい。先ほども、昆虫の多様性と言いましたが、たまたま、あの虫が脂質が
豊富で、あの地域のエサで育つ事ができる。その昆虫が持っている特性が
ラオスのあの地域の人々の栄養改善につながっている”
これ、1カ月くらい芋をあげれば、もう食料になれば、植物より、全然、早い。
“更に、基本的には虫は非常にコンパクトな生き物でして、軽いのです。
そういった意味で、従来の動物生産、家畜と異なって軽労働な産業になるだ
ろうと考えています”
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