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国は違っても愛は愛ドラマの何がこれほどまでに世界中の人々を魅了した
2022年03月08日 (火) | 編集 |
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パラグライダーが竜巻に巻き込まれヒロインが不時着したのは北緯38度線の
北側、北朝鮮だった! 韓国の財閥令嬢と北朝鮮の将校。 分断が続く2つの
国をまたぐ、禁断の愛。 そんなタブーに挑んだドラマ、愛の不時着。

主演女優 “撮影中、ずっと本当に胸が痛かったんです…”

その裏には、70年以上に及ぶ、分断国家ゆえのスタッフの葛藤があった。

監督 “ピョンヤンで撮影ができないか、実は探ってみたんです…悩みは尽き
ませんでした…”

韓国でのテレビ放送後、すぐ、全世界に配信。 世界中が、こドラマに熱狂し、
なんと今や、あの国でも、危険を冒して密かに見られているという。

ジャーナリスト “韓国ドラマを見ただけで、懲役5年になると…”

国境を越え、社会現象となった、愛の不時着。 その知られざる秘密に迫る。

愛の不時着。 私も見始めたら止まらなくなり、全16話、一気に見てしまいまし
た。 運命の分岐点は、2020年2月23日。 愛の不時着が配信された日です。

物語の始まりは、朝鮮半島を南北に分かつ北緯38度線。そこから、韓国から
不時着した財閥令嬢が北朝鮮の軍人と恋に落ちる、禁断のラブストーリーが
始まります。 配信と同時に韓国・アジアを飛び出し、全世界で爆発的人気に。

特に日本では、2020年の流行語大賞にまでノミネートされました。 一体、この
ドラマの何が、これほどまでに、世界中の人々を魅了したのか?

第1の視点は、主人公の1人。 北朝鮮に不時着した韓国の財閥令嬢を演じた
女優。 軍事境界線を越えた不時着という、突飛な状況から始まるドラマを
ラストまで、どう演じるか?

役への緻密な分析と、この作品にかけた覚悟を、今回、特別に明かしてくれ
ました。 世界中が夢中になった愛のドラマ。

その知られざる真実に迫るアナザーストーリー。 韓国・ソウル。 愛の不時着
のヒロイン役を務めた女優。 本作のヒットで、世界的大スターとなった。

“このドラマは、韓国以上に海外の方々が本当に愛してくださいました。これ
まで出演した作品の中でも別格。どうして、この作品が、ここまで人気なのか
最初は不思議で、たまらなくて…”

彼女自身も、ここまでの世界的ヒットは、想定していなかったという。

“それで、理由を考えてみました。皆さん取っかかりは、やっぱり韓国と北朝鮮
の特殊な関係への好奇心でしょう。でも、そんな物珍しさで見ていたら次第に
誰にでも通じる愛の物語になって行く。まるで、ロミオとジュリエットのような
悲しくも美しいラブストーリーに。国は違う文化も違う、けれど愛は同じ。だから
世界の皆さんに愛されたのでしょうね”

愛の不時着とは、どんなドラマか? 1分で、ご紹介しよう!

ヒロイン、ユン・セリは、韓国の財閥令嬢。 不時着した38度線で出会ったのが
北朝鮮の将校、リ・ジョンヒョク。 葛藤の末、彼は自分の村にセリをかくまう
事にする。 正体を隠して暮らすセリ。 勝手の違う北朝鮮の文化に戸惑い、
村人とも対立したが、次第に打ち解け…セリとジョンヒョクは、恋に落ちて行く。
しかし、いつまでも無事でいられるわけがない。 ジョンヒョクは命をかけて、
セリが帰国できるように手を尽くす。 だが、それは、愛し合う2人の別れを
意味していた。

あらすじだけでも、なんとも波乱万丈。 いや、荒唐無稽。 でも、主演女優は
脚本をもらった瞬間、2つ返事で出演を決めたという。

“初めて台本を読んだ時、奇抜なアイデアに驚きました。この設定でラブコメ?
こんなこと思いつくなんて、本当に天才!やらない理由が、何1つなかった”

主演女優が惚れ込んだ脚本。 書いたのは、韓国一のヒットメーカー脚本家。
その、おはこは、あり得ない設定のラブコメ!

宇宙人とトップ女優が恋に落ちたり。 (星から来たあなた)
人魚と詐欺師が恋に落ちたり。 (青い海の伝説)
(プロデューサー/棚ぼたのあなた/逆転の女王/僕の妻はスーパーウーマン)

出会うはずのない2人の恋を、笑いと涙たっぷりに描き、ヒットを連発してきた
脚本家が、満を持して、最も出会うはずのない2人の舞台に選んだのが、
韓国と北朝鮮。 だが、それは、あまりにも禁断の領域だった。

1950年、韓国と北朝鮮の間で起きた朝鮮戦争。 同じ民族が傷つけ合う凄惨
(せいさん)な戦いは、朝鮮半島全土を戦火にさらし、民間人を含め、300万人
以上の犠牲者が出たとされる。

3年後、休戦協定で北緯38度線を境に軍事境界線が定められたが、あくまで
休戦。 両国は今も、国際法上は戦争状態だ。

幾度となく融和の道は探られるも、すぐに緊張状態に逆戻り。 両国の自由な
行き来はできず、北朝鮮から国外に逃れる脱北者も続出している。

そんな緊張状態を、あえてドラマにし、あえて物語の大半を、北朝鮮で繰り広
げる、愛の不時着。 当然、韓国の俳優たちが北朝鮮の人々を演じるのだが
これが一筋縄ではいかなかった。

北朝鮮兵士の中でも、人一倍、愛国心の強いピョ・チスを演じた俳優。最初の
壁となったのは、言葉だったという。

“撮影前に…1カ月半、脱北者の先生に北朝鮮の言葉を、みっちり特訓して
もらいました。移動している時も、ずっと録音したものを聴いて。体は韓国に
いても、耳は北朝鮮に飛ばしていたんです”

文字や文法は同じ韓国と北朝鮮だが、使われる単語は微妙に異なる。
例えば、ピョ・チスが、セリを呼ぶ時に使っていた、この言葉。

小娘を表す単語だが、北朝鮮では、エミナイ。 韓国で、よく使われるのは、
ケジブアイ。 全く異なる。 ドラマ制作にあたっては、脱北者13人をメンバー
とする諮問委員会がつくられ俳優陣には発音・話し方・歩き方まで徹底特訓。

あえて禁断のテーマに踏み込む以上、中途半端ではいけない。 徹底した
リアリティーが求められた。

“先生には言葉だけでなく北朝鮮のあらゆる事を教えてもらいました。例えば
韓国の兵役は2年ですが、北朝鮮では10年以上。だから同じ隊の仲間、戦友
との絆が想像以上に強いとか…知れば知るほど、私が演じる兵士に興味が
深まって自分なりに分析したんです。一見、彼は視野の狭い頑固者に見える
けれど北朝鮮の事を知ってから見ると…軍人としての責任感、国に対する
誇りは人一倍、強いんじゃないかと思って…セリが話す韓国の文化に食って
かかったのも、そのためなんです”

セリ役 “私は、いつも1日2食は、お肉を食べるの”
ピョ・チス役 ‘おい、南朝鮮、ホラをふくな!中隊長、この女は我々を巧みに
惑わせています!1日に2食も肉を食うと、ウソで南を美化しています!’

“物が豊富で、肉を食べるのも当たり前、そんな発言を北朝鮮の兵士が聞い
たら…羨ましいと思うのではなく、すごく拒否感を感じるだろうと思いました。
この拒否感を、まず、きちんと演じなければいけない。韓国で育った私は、北
朝鮮の兵士たちの思想については無知に近いし、そもそも、それを理解しきる
事は、いくら教えてもらっても無理です。でも、それは北朝鮮の側から見ても
同じ。突然、韓国人のセリが不時着して現れたら、彼女の考え方や言葉は、
ピョ・チスにとっては理解しがたいはず。それを明確に表現しました”

劇中、セリが語る韓国の現実を徹底的に拒否し続ける、ピョ・チス。 ドラマの
終盤、韓国に潜入した時でさえも…。

‘俺たちが来ると知って、車をたくさん走らせたな…’  だが、彼が演じる
ピョ・チスが見せたのは、韓国への拒否感だけではない。 セリと時を過ごす
につれ、国家に対する感情は、人に対する親近感へと変化して行く。

あれだけ拒絶していたピョ・チスだが、韓国でセリと久々に再開した時には…
‘見違えたな。別人みたいだ。恥ずかしいじゃないか…’(と、ハグする)

“現実に韓国と北朝鮮は分断されていますから、その分断を強調しすぎない
事も大切でした。私の演技が、視聴者の誤解を招いてはいけない。そもそも
北朝鮮という国は、世界に対して開かれてはいないのですから。分からない
部分の方が多いわけです。分からないと人は先入観を持ってしまう。例えば、
共産主義国家で、人々は絶望のふちにいるんだろうとか、でも北朝鮮であれ
アフリカであれ、人間、誰しも家族や愛する人、守りたい人、友情を持っている
人、それは同じです。国は違っても、人は同じ。違いは、しっかりと見せつつも
同じところ、共感できるところを、しっかりと演じる。それが1番、大事でした”

国の違いは違いとして描きながら、人として同じところも丁寧に描いた本作は
北朝鮮で暮らした人にとっても、心を揺さぶるものとなった。

その1人、作家の男性。 日本で生まれ、1度は北朝鮮に渡ったが、その後、
脱北し、今は韓国で暮らす。

“2回、見ました。今までも、北を素材とした映画なり、ドラマ、結構、出てたん
ですよ。でも、ちょっと現実離れしてるのが多かったわけ。分かるでしょ?
じゃなかったら戦いですよ。南北の戦い。南北の、この、何ですか…情報機関
とか、それとエージェントたちが戦ったり、殺し合ったりっていう。そういうの
ばっかりだったから、今回は、戦いは少しずつありますけども、ほぼリアルで
ユニークなところもあれば、温かみもあれば、恋愛もあれば、何か全てが
揃ってるコラボみたいな感じが。だから…人間味のある作品だったという…”

この人間味を描くうえで何よりも要となったのは、ヒロインのセリと、ジョンヒョク
の愛のドラマ。 見知らぬ国に不時着した人間が、恋に落ちる。 ヒロイン役の
彼女は、ある場面にドラマのカギを見つけた。

“台本を何度も読み直して、私は…ここだ!と思ったのです”

ヒロイン役が、ここだ!と言うシーン。 それは前半のクライマックス、第4話。
不時着してからも、ずっと気丈に振る舞って来たセリだが、日が暮れた市場で
迷子に。 1人、さまよううち、絶望にとらわれて行く。

そこに、突然ともった、1つ明かり。 吸い寄せられるように歩いて行くと…
セリを探すジョンヒョクが、キャンドルを掲げていた。

“見知らぬ土地で、頼れる人もいなくて、泣きたい、もう一歩も進めないという
時に、遠くから光が1つ見える。子供のように、その光を追って行くと、そこに
ジョンヒョクが立っていた。真っ暗だったセリの現実に、一筋の光のように寄り
添ってくれたジョンヒョクを、好きになった瞬間だったと思います”

ヒロイン役は、このシーンをピークとするべく、前半部分の演技を逆算したと
いう。 “物語前半のセリは、とにかく強い人物として演じました。誰にも頼らな
いし、くじけそうな場面でも、自分なら何とかできると思っている。超がつくほど
ポジティブマインド。そうやって強気でやって来たけれど、どうしようもない状況
になった時、ジョンヒョクが心から自分を助けてくれる姿を見て、初めてセリは
本当の愛を知るのです”

最終話。 セリを助けるために韓国に潜入したジョンヒョクが、北朝鮮に送還さ
れる。 最後の別れが訪れる。

“セリフも、その状況自体も悲しくて、撮影中、ずっと本当に胸が痛かった。
どう演じたら、この気持ちが伝わるか、悩みに悩みました”

決して越える事のできない、軍事境界線。 でも… 撃たれる危険を顧みず、
愛のため、境界線をまたぐ。 それでも引き離されてしまう、その時。

“セリがジョンヒョクの手を固く握っていたのに、その手が離されてしまう瞬間
がスローで映し出されるのですが…その演出は、もともと台本にはありません
でした。でも私は、心からジョンヒョクの手を離したくなくて、気付いたら夢中で
手を伸ばしていたんです。2人が引き裂かれてしまうつらさが、にじみ出ていて
いいシーンになったと思います”

2020年、コロナ禍のただなか、世界に向けて配信された、愛の不時着。
分断を超える愛の物語は、先の見えないパンデミック、分断に苦しむ人々の
強い共感を呼んだ。

“人生って予測不可能で、計画通りにはいかないもの。でも、前に進んだら
思わぬ目的地に達する事もある。私自身も、そんな風に思いました”

ドラマの中で、ヒロイン役が最も好きだというセリフ。
‘インドでは、こう言う。間違った電車が時には目的地に運ぶ。今の私を見て。
とんでもない乗り間違いで、なんと38度線を越えちゃった。でも、思い通りに
行かなくても将来を考えてみて、あなたには幸せでいてほしい。どんな列車に
乗っても、必ず目的地に着いてほしい’