2022年01月29日 (土) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「習いごとや部活動、サークル活動はしていますか?」
2021年10月5日。 ノーベル物理学賞が、異例の研究に授与される事が発表
されました。
‘賞の半分は、シュクロウ・マナベと、クラウス・ハッセルマンに授与されます。
地球の気候変動を数値化する物理モデルを確立し、温暖化を正確に予測した
功績が評価されました’
“気候変動で物理賞をもらうというのは、今、ビックリしてます。こういう事に
なるとは、夢にも思ってなかったです”
博士の気候モデルが予見した通り今、惑星・地球に異変が生じ始めています。
膨大な観測データから、地球の平均気温は1970年代を境に、急速に上昇して
いる事が確認されています。 それに伴い、地球の天候は激甚化。
深刻な自然災害が世界各地で頻発しています。 気候変動研究の第1人者は
ドミノ倒しのように、温暖化が、更なる温暖化を引き起こすと指摘します。
“気候変動が長期にわたるだけでなく、地球が自己調節機能を失い温暖化が
暴走するリスクが、日に日に強まっているのです”
この先、地球は一体どこへ向かうのか? 温暖化が限界を超えた時、地球は
極めて暑いホットハウス・アース(酷暑の地球)というステージになるといいます。
温室効果ガスの排出が今のペースで続いた時に人類が直面する未来です。
そうした中、地球の危機を回避する取り組みも始まっています。 生命の力で
温室効果ガスを資源に変える試みです。
“シアノバクテリアが酸素に満ちた大気を作り、緑の植物が多様性に満ちた
エコシステムを作って来たのと同じように人類が次の地球のOSをアップデート
して行く”
私たち人類は、その英知を生かし、手遅れになる前に、温暖化を食い止める
事はできるのでしょうか?
生命の惑星、地球の存亡を懸けた、人類の選択に迫ります。
2021年8月。 グリーンランドで、ある異変が起きました。 標高3200メートル
にある研究施設。 ここで、史上初めて、雨が観測されたのです。
雨は氷をとかし、氷河の下の地面で川となって海に流れ出します。 この水の
流れが、氷河を底の方から、むしばんで行きます。 平年の7倍もの量の氷が
海にとけ出しました。 一方、その裏側にある南極でも異変が起きていました。
2020年2月。 南極半島で観測史上最高となる、摂氏18.3度が記録されたの
です。 極地での、こうした異変が突発的なものではない事は、宇宙からの
観測でも明らかになっています。
重力を測定する、NASAの人工衛星 GRACE-FO。 地表の物質による重力の
違いを利用して、氷の量の変化を観測する事ができます。
グリーンランドの氷の量の変化を表したグラフです。 地図は、赤が濃いほど
失われた氷の量が多い事を示しています。
氷の量は、一貫して少なくなっています。 18年間で、およそ5000ギガトン、
5兆トンもの氷が失われました。 同じ事は、南極でも起こっています。
15年余りで、2000ギガトンを超える氷が失われています。 極地の氷が失わ
れると、一体、何が起こるのでしょうか?
雪と氷の世界、雪氷圏(せっぴょうけん)の専門家です。
“極地の雪や氷が、雨でとけるなど、前代未聞です”
雪氷圏が、気候の安定に果たす役割は、極めて大きいといいます。
“最初の役割は、地表や大気の温度を下げる事です。雪や氷は白い色をして
いるので、太陽の光を吸収せずに反射するからです。もう1つは、熱や湿度を
中緯度と交換して平準化する役割です。雪や氷に覆われた極地が、あるおか
げで気候パターンが安定するのです”
極地での異変が世界各地で起こっている気候の不安定化につながっている
のです。 雪氷圏が年々、縮小して行く傾向は今後、ますます強まると博士は
懸念しています。
“雪や氷がとけると気温が上昇し、更なる雨につながります。融解が、更なる
融解を呼ぶ悪循環に陥るのです”
2021年8月。 気候変動に関する政府間パネル、通称、IPCCが発表した評価
報告書です。 このままでは、温暖化が後戻りできない段階に突入する事が
警告されています。
気候システムの一部の領域では、温暖化は、すでに手遅れの段階にまで
進んでいる。 そう警鐘を鳴らす、気候変動研究の第1人者がいます。
ポツダム気候影響研究所の博士です。 2009年、博士は、世界の著名な
科学者28人と共同で、プラネタリー・バウンダリー(惑星・地球の限界)という
概念を打ち出しました。
温暖化が、惑星の限界を超えて悪化すると、何が起こるのでしょうか?
“気候が安定していた時代が終わり地球システムの、たがが外れる。それが
IPCCの結論です。地球の自己調節機能が失われ、温暖化が更なる温暖化を
呼ぶ悪循環に陥ってしまうのです。しかも、それは長い間、続きます”
2018年、博士が、アメリカの科学学会誌に掲載した論文です。
タイトル ‘人新世における地球システムの軌跡’ その中で、温暖化が暴走
するメカニズムが、克明に描かれています。
グリーンランドの氷がとける事で、大西洋の海流が停滞し、海水温が上昇。
それがグリーンランドに再び影響し、氷が、更にとけます。 そして、更なる
海水温の上昇につながります。
大西洋での温暖化は、アマゾンの熱帯雨林にも波及します。 温暖化により、
降水量が減り、森林が減少。 二酸化炭素の吸収量が落ち、温暖化が、更に
進みます。 その影響は、太平洋にも。
南太平洋の海水温が上昇する事で、今度は、南極大陸の氷がとけます。
温暖化は南極の東側にも波及。 同時に大西洋の海流の停滞に、更に拍車
がかかります。地球の気候を形成するサブシステムは、全て連動しています。
一部が限界を超えて悪化すると、次から次へと波及して行くのです。
“アマゾンやシベリアなどで、取り返しのつかない環境破壊が、どんどん進んで
います。海水面は、今世紀中に少なくとも60センチは上昇します。それは、もう
すでに止めようがありません。我々の環境破壊の影響を、子や孫の代にまで
背負わせる事に、すでに、なってしまっているのです”
こうした、連鎖反応の科学的な帰結を、博士らの研究チームが模式化した図
です。 奥から手前に、時間の経過を表しています。
産業革命で化石燃料の使用が始まり、地球は徐々に温暖化し始めます。
現在の地球は、この位置。 黄色い線は、後戻り不能な限界線です。
温室効果ガスの排出が続けば、地球は限界線を突破。 急な坂を転げ落ちる
ように温暖化が加速します。
その行き着く先が、ホットハウス・アース(酷暑の地球)です。
“私たちは、年間400億トンもの二酸化炭素を排出しています。あと10年で、
温暖化の暴走を回避するために許容される限界量を突破します。今すぐに
でも、排出量を削減しない限り10年後には温暖化が暴走を始め、後戻りでき
ない領域に突入してしまうのです”
温室効果ガスの排出を、いつまでに、どの程度、抑えるのか? 世界各国の
首脳が集まり、国際会議が開かれました。しかし、二酸化炭素排出量の多くを
占める、石炭火力発電を完全に廃止するという合意は得られませんでした。
国際会議の開催に合わせ、国連は、異例のメッセージを公開。 人類の無為
無策に業を煮やした、ある生き物が、よみがえります。
恐竜が壇上に立ち… ‘大丈夫か?ちょっと待とうか?よし。聞いてくれ。絶滅
なら知ってる。当然だが絶滅するのは、あまりいいもんじゃない。なのに自滅
へまっしぐらなんてバカげた話は、この7000万年、聞いたことがない。俺たちは
隕石のせいだが、あんたらは何のせいだ?気候破綻に一直線なのに政府は
化石燃料に、とんでもない額の助成金を支払っている。俺たちが膨大な額の
助成金を巨大隕石に払ってるようなもんだぞ!それだけの金があれば何がで
きる?貧困にあえぐ人々が世界中にいる。そういう人たちを助ける方が人類
の破滅に使うより、ずっとマシだろう?現実的な話しをしよう。パンデミックから
立ち直ろうとする君らの前には絶好の機会が横たわっている。ビッグチャンス
だ。俺の言いたい事は、こうだ。絶滅を選ぶな、自らを救え、手遅れになる前
に。言い訳をやめて物事を変えるんだ! 行動するなら、今!’ と演説する。
コズミック・メッセージ
青森県と秋田県にまたがる、白神山地。 縄文時代に遡る昔から、人を寄せ
つけなかっ秘境に、天然のブナの森が残されています。 開発の手を逃れた
奇跡の森を象徴する巨木があります。
“これはね、白神山地の中でも、1番の主のブナだと思います。樹齢は、400年
という風にパンフレットに書いてますが、実際は500年以上は、あるかなと…
日本の巨木百選の中に、白神のシンボルという事でね、名前を頂いてますけ
どね。白神山地の中、世界遺産地域、含めても、いまだ、これ以上のブナは
見つかってません”
ガイドの男性は、白神山地の豊かさの源は、水だといいます。
“腐葉土の森は、こういう森になります。これが、葉っぱを落として堆積されて
中で生き物が、土にかえしてくれる役目をするのですけども。実際にもう、しば
らく雨、降ってないのですけど、こういう水が湧いてきます。たったこれだけで
このくらいの水が出て来る(手ですくった腐葉土をギュッと押すと水が出る)”
白神山地は、周辺の里の貴重な水源です。 森が蓄えた水は湧き水となって
あふれ出します。 そして山を下り、ふもとの里に潤いをもたらして来ました。
人々は、古くから山を崇め、その恵みに感謝をしながら生きて来ました。
“この水がなくなるという事が、1番、心配してた事なのです。ですので、この
森を残してほしいという、その思い、原点は、この水です。常に森に水がある”
白神の由来は、白雪の神。 日本海の冷たい風が、冬に降り積もらせる雪
です。 しかし近年、温暖化によって日本海側の降雪量は減少。 ふもとの里に
流れ出す水は、明らかに少なくなって来ているといいます。
先人たちが守り抜いた天然のブナの森。 ガイドの男性は、今日も山に入り、
その大切さを、次の世代にも伝える活動を続けています。
“私どもの先輩は、もうその時すでに、そういう森を見る目、森の環境を知って
ましたから。この中で、ゆっくり休んだり、きりたんぽ食べたりね。お酒飲んだり
するのが好きな人でもあったのですけどもね。森が、1番、楽しいですね。何か
こう、1番の原点に帰ったような気がしますね。いつ来ても…”
2021年10月5日。 ノーベル物理学賞が、異例の研究に授与される事が発表
されました。
‘賞の半分は、シュクロウ・マナベと、クラウス・ハッセルマンに授与されます。
地球の気候変動を数値化する物理モデルを確立し、温暖化を正確に予測した
功績が評価されました’
“気候変動で物理賞をもらうというのは、今、ビックリしてます。こういう事に
なるとは、夢にも思ってなかったです”
博士の気候モデルが予見した通り今、惑星・地球に異変が生じ始めています。
膨大な観測データから、地球の平均気温は1970年代を境に、急速に上昇して
いる事が確認されています。 それに伴い、地球の天候は激甚化。
深刻な自然災害が世界各地で頻発しています。 気候変動研究の第1人者は
ドミノ倒しのように、温暖化が、更なる温暖化を引き起こすと指摘します。
“気候変動が長期にわたるだけでなく、地球が自己調節機能を失い温暖化が
暴走するリスクが、日に日に強まっているのです”
この先、地球は一体どこへ向かうのか? 温暖化が限界を超えた時、地球は
極めて暑いホットハウス・アース(酷暑の地球)というステージになるといいます。
温室効果ガスの排出が今のペースで続いた時に人類が直面する未来です。
そうした中、地球の危機を回避する取り組みも始まっています。 生命の力で
温室効果ガスを資源に変える試みです。
“シアノバクテリアが酸素に満ちた大気を作り、緑の植物が多様性に満ちた
エコシステムを作って来たのと同じように人類が次の地球のOSをアップデート
して行く”
私たち人類は、その英知を生かし、手遅れになる前に、温暖化を食い止める
事はできるのでしょうか?
生命の惑星、地球の存亡を懸けた、人類の選択に迫ります。
2021年8月。 グリーンランドで、ある異変が起きました。 標高3200メートル
にある研究施設。 ここで、史上初めて、雨が観測されたのです。
雨は氷をとかし、氷河の下の地面で川となって海に流れ出します。 この水の
流れが、氷河を底の方から、むしばんで行きます。 平年の7倍もの量の氷が
海にとけ出しました。 一方、その裏側にある南極でも異変が起きていました。
2020年2月。 南極半島で観測史上最高となる、摂氏18.3度が記録されたの
です。 極地での、こうした異変が突発的なものではない事は、宇宙からの
観測でも明らかになっています。
重力を測定する、NASAの人工衛星 GRACE-FO。 地表の物質による重力の
違いを利用して、氷の量の変化を観測する事ができます。
グリーンランドの氷の量の変化を表したグラフです。 地図は、赤が濃いほど
失われた氷の量が多い事を示しています。
氷の量は、一貫して少なくなっています。 18年間で、およそ5000ギガトン、
5兆トンもの氷が失われました。 同じ事は、南極でも起こっています。
15年余りで、2000ギガトンを超える氷が失われています。 極地の氷が失わ
れると、一体、何が起こるのでしょうか?
雪と氷の世界、雪氷圏(せっぴょうけん)の専門家です。
“極地の雪や氷が、雨でとけるなど、前代未聞です”
雪氷圏が、気候の安定に果たす役割は、極めて大きいといいます。
“最初の役割は、地表や大気の温度を下げる事です。雪や氷は白い色をして
いるので、太陽の光を吸収せずに反射するからです。もう1つは、熱や湿度を
中緯度と交換して平準化する役割です。雪や氷に覆われた極地が、あるおか
げで気候パターンが安定するのです”
極地での異変が世界各地で起こっている気候の不安定化につながっている
のです。 雪氷圏が年々、縮小して行く傾向は今後、ますます強まると博士は
懸念しています。
“雪や氷がとけると気温が上昇し、更なる雨につながります。融解が、更なる
融解を呼ぶ悪循環に陥るのです”
2021年8月。 気候変動に関する政府間パネル、通称、IPCCが発表した評価
報告書です。 このままでは、温暖化が後戻りできない段階に突入する事が
警告されています。
気候システムの一部の領域では、温暖化は、すでに手遅れの段階にまで
進んでいる。 そう警鐘を鳴らす、気候変動研究の第1人者がいます。
ポツダム気候影響研究所の博士です。 2009年、博士は、世界の著名な
科学者28人と共同で、プラネタリー・バウンダリー(惑星・地球の限界)という
概念を打ち出しました。
温暖化が、惑星の限界を超えて悪化すると、何が起こるのでしょうか?
“気候が安定していた時代が終わり地球システムの、たがが外れる。それが
IPCCの結論です。地球の自己調節機能が失われ、温暖化が更なる温暖化を
呼ぶ悪循環に陥ってしまうのです。しかも、それは長い間、続きます”
2018年、博士が、アメリカの科学学会誌に掲載した論文です。
タイトル ‘人新世における地球システムの軌跡’ その中で、温暖化が暴走
するメカニズムが、克明に描かれています。
グリーンランドの氷がとける事で、大西洋の海流が停滞し、海水温が上昇。
それがグリーンランドに再び影響し、氷が、更にとけます。 そして、更なる
海水温の上昇につながります。
大西洋での温暖化は、アマゾンの熱帯雨林にも波及します。 温暖化により、
降水量が減り、森林が減少。 二酸化炭素の吸収量が落ち、温暖化が、更に
進みます。 その影響は、太平洋にも。
南太平洋の海水温が上昇する事で、今度は、南極大陸の氷がとけます。
温暖化は南極の東側にも波及。 同時に大西洋の海流の停滞に、更に拍車
がかかります。地球の気候を形成するサブシステムは、全て連動しています。
一部が限界を超えて悪化すると、次から次へと波及して行くのです。
“アマゾンやシベリアなどで、取り返しのつかない環境破壊が、どんどん進んで
います。海水面は、今世紀中に少なくとも60センチは上昇します。それは、もう
すでに止めようがありません。我々の環境破壊の影響を、子や孫の代にまで
背負わせる事に、すでに、なってしまっているのです”
こうした、連鎖反応の科学的な帰結を、博士らの研究チームが模式化した図
です。 奥から手前に、時間の経過を表しています。
産業革命で化石燃料の使用が始まり、地球は徐々に温暖化し始めます。
現在の地球は、この位置。 黄色い線は、後戻り不能な限界線です。
温室効果ガスの排出が続けば、地球は限界線を突破。 急な坂を転げ落ちる
ように温暖化が加速します。
その行き着く先が、ホットハウス・アース(酷暑の地球)です。
“私たちは、年間400億トンもの二酸化炭素を排出しています。あと10年で、
温暖化の暴走を回避するために許容される限界量を突破します。今すぐに
でも、排出量を削減しない限り10年後には温暖化が暴走を始め、後戻りでき
ない領域に突入してしまうのです”
温室効果ガスの排出を、いつまでに、どの程度、抑えるのか? 世界各国の
首脳が集まり、国際会議が開かれました。しかし、二酸化炭素排出量の多くを
占める、石炭火力発電を完全に廃止するという合意は得られませんでした。
国際会議の開催に合わせ、国連は、異例のメッセージを公開。 人類の無為
無策に業を煮やした、ある生き物が、よみがえります。
恐竜が壇上に立ち… ‘大丈夫か?ちょっと待とうか?よし。聞いてくれ。絶滅
なら知ってる。当然だが絶滅するのは、あまりいいもんじゃない。なのに自滅
へまっしぐらなんてバカげた話は、この7000万年、聞いたことがない。俺たちは
隕石のせいだが、あんたらは何のせいだ?気候破綻に一直線なのに政府は
化石燃料に、とんでもない額の助成金を支払っている。俺たちが膨大な額の
助成金を巨大隕石に払ってるようなもんだぞ!それだけの金があれば何がで
きる?貧困にあえぐ人々が世界中にいる。そういう人たちを助ける方が人類
の破滅に使うより、ずっとマシだろう?現実的な話しをしよう。パンデミックから
立ち直ろうとする君らの前には絶好の機会が横たわっている。ビッグチャンス
だ。俺の言いたい事は、こうだ。絶滅を選ぶな、自らを救え、手遅れになる前
に。言い訳をやめて物事を変えるんだ! 行動するなら、今!’ と演説する。
コズミック・メッセージ
青森県と秋田県にまたがる、白神山地。 縄文時代に遡る昔から、人を寄せ
つけなかっ秘境に、天然のブナの森が残されています。 開発の手を逃れた
奇跡の森を象徴する巨木があります。
“これはね、白神山地の中でも、1番の主のブナだと思います。樹齢は、400年
という風にパンフレットに書いてますが、実際は500年以上は、あるかなと…
日本の巨木百選の中に、白神のシンボルという事でね、名前を頂いてますけ
どね。白神山地の中、世界遺産地域、含めても、いまだ、これ以上のブナは
見つかってません”
ガイドの男性は、白神山地の豊かさの源は、水だといいます。
“腐葉土の森は、こういう森になります。これが、葉っぱを落として堆積されて
中で生き物が、土にかえしてくれる役目をするのですけども。実際にもう、しば
らく雨、降ってないのですけど、こういう水が湧いてきます。たったこれだけで
このくらいの水が出て来る(手ですくった腐葉土をギュッと押すと水が出る)”
白神山地は、周辺の里の貴重な水源です。 森が蓄えた水は湧き水となって
あふれ出します。 そして山を下り、ふもとの里に潤いをもたらして来ました。
人々は、古くから山を崇め、その恵みに感謝をしながら生きて来ました。
“この水がなくなるという事が、1番、心配してた事なのです。ですので、この
森を残してほしいという、その思い、原点は、この水です。常に森に水がある”
白神の由来は、白雪の神。 日本海の冷たい風が、冬に降り積もらせる雪
です。 しかし近年、温暖化によって日本海側の降雪量は減少。 ふもとの里に
流れ出す水は、明らかに少なくなって来ているといいます。
先人たちが守り抜いた天然のブナの森。 ガイドの男性は、今日も山に入り、
その大切さを、次の世代にも伝える活動を続けています。
“私どもの先輩は、もうその時すでに、そういう森を見る目、森の環境を知って
ましたから。この中で、ゆっくり休んだり、きりたんぽ食べたりね。お酒飲んだり
するのが好きな人でもあったのですけどもね。森が、1番、楽しいですね。何か
こう、1番の原点に帰ったような気がしますね。いつ来ても…”
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