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隕石衝突の後、地上の一部の生命は、どのようにして生き延びたのか?
2022年01月22日 (土) | 編集 |
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それは地球上の生命にとって最悪の日でした。 隕石衝突の大惨事によって
恐竜の時代が幕を閉じたのです。

恐竜絶滅が哺乳類の進化のキッカケとなりました。 大惨事を生き延びたグループ
の中から、やがて大きく、俊敏で高い知能を備えたものたちが現れました。
私たち哺乳類です。

恐竜が姿を消した事で、哺乳類は、多様な生態へと進化できたのです。

隕石衝突の後、一体、何が起きたのか? 地上の一部の生命は、どのように
して生き延びたのでしょうか? この時代の地層から、哺乳類の化石を発見
するのは難しいでしょう。 しかし、驚くべき発見が。

拾い上げたものが、大発見だった時の感動といったら。 宝くじみたいだ。
バーン! 大当たりです!

前例のない化石の発見によって生命の歴史の転換点が明らかになりました。
この時代の哺乳類の急速な進化が、人類が、この地球に誕生するキッカケと
なったのです。

2人は、数カ月の間に、コラール・ブラフスで、何千個もの化石を発見しました。
植物・爬虫類、そして哺乳類。 それらは皆、大量絶滅の後、ここで生きていた
ものたちです。 彼らは、ついにカギとなる場所を発見しました。

しかし本当の難題は、これからです。 初期の哺乳類が、どうやって壊滅状態
の環境から立ち上がったのかを、解明しなければなりません。

発掘されたのは一体どんな動物でどの様な世界に生きていたのでしょうか?
そして荒廃した地球で、どのように足場を築いたのでしょうか?

その謎を解き明かすため、各分野の専門家たちが、チームを結成しました。
1つ1つの化石に、膨大な情報が詰まっています。 そこで、分析を始める前に
専門家が岩の中から化石を取り出します。

化石のクリーニング作業は、非常にやり甲斐があります。 中身が分からない
状態の岩石から化石を取り出す作業はアートのようです。 科学的な発見にも
貢献できます。 クリーニング作業を行う私の役割は、化石を分析可能な状態
に整える事です。

1つの化石に何カ月もかかる事さえありますが、この作業で、何百万年も固く
閉ざされていた秘密が、解き明かされるのです。

作業を進めて行くと、この化石が、かつては、命ある生き物だった事を実感し
ます。 いわば、命をよみがえらせるわけです。

1つ1つ化石が現れて行きます。 保存状態は、極めて良好です。 これらは、
一体、何者なのでしょう?哺乳類の台頭について、何を物語るのでしょうか?

彼は、哺乳類を専門とする、古脊椎動物学者です。 発掘した哺乳類が、どの
ような生き物かを知るには、彼の力を借りる必要がありました。

古脊椎動物学者は、それぞれの化石がどの哺乳類の系統に当てはまるかを
分析します。 これらの分類は非常に困難です。 なぜなら、現存する哺乳類
から想像するものとは、かけ離れた形態だった可能性があるからです。

これは、祖先を調べて行く上で、よくぶつかる問題です。 ゾウとハイラックス
(リスのような小動物)そしてマナティーを例に取り上げます。 これらの哺乳類
たちは、見た目が全く異なりますが、DNAを調べると、実は、近縁なのです。

共通の祖先を持つ動物同士でも、似ているとは限りません。 何百万年もの
間に、独自の方向に進化を遂げるからです。 それでも、いくつかの共通の
特徴があります。

そこで発掘された化石が哺乳類の、どの系統に属するかを調べます。 全ての
哺乳類に共通する大きな特徴とは、恒温動物で体毛があり、体に対する脳の
比率が比較的大きいこと。

更には、授乳によって、子供の初期の成長を助ける事です。 しかし、出産に
ついては、哺乳類の中で、次のような違いがあります。

カンガルーやオポッサムなどは、未成熟の胎児を産んで袋の中で育てます。
カモノハシやハリモグラは、卵を産みます。 そして現存する哺乳類の大半は
子供を母親の子宮の中で育てます。 私たち人間を含む有胎盤類と呼ばれる
グループです。

彼は、コラール・ブラフスで見つかった化石に、有胎盤類の特徴を見い出しま
した。 これまで発掘された中で、最古の有胎盤類の化石の1つ、ロクソロフス
と呼ばれる生物です。

現存する子孫がいるかどうかは明らかではありませんが、化石からは極めて
適応力の高い生き物であった事が分かりました。

この哺乳類は、スカンクほどの大きさです。 口の先端にある歯は、肉を引き
ちぎるのに都合よく、奥にある別の歯は、植物をすり潰すのに適しています。
恐らく、雑食だったのでしょう。

こうした特徴は大量絶滅の後、食料が限られていた時期では、有利に働いた
はずです。 更に、化石の内側を解析する事で、動物の生態についての手が
かりを得ます。

哺乳類が今日の姿になるまでの過程を調べると聞いて、化石から何百万年も
前の生物の姿を、どこまで再現できるのかワクワクしました。 CTスキャンを
行えば、化石の内部を解析する事が可能です。

データから、どのような生物だったか想像できます。CTスキャンで調べたところ
この哺乳類には、目の下に穴がありました。 感覚をつかさどるヒゲの神経が
通る道です。 また、嗅覚をつかさどる脳の部分が、大きい事が分かります。

大量絶滅の後の世界では、嗅覚が、生きるための重要なカギだったのかも
知れません。 そして近縁の種から、歩き方についてもヒントが得られました。

恐らく、この動物は、四足歩行するアライグマに近いものだと思われます。

新たな世界に生きた哺乳類について、これほど具体的なことが分かるのは、
驚きです。 コラール・ブラフスでの発見は、更に衝撃の事実を伝えようとして
います。

ここでの発見は、特定の1つの化石にとどまりません。 大量絶滅後の世界で
生態系が回復した証拠でもあるのです。

もし、それぞれの化石の年代を特定できたなら、哺乳類が時代とともに進化
する過程や、地球の生態系が、どのように変化したのかが見えて来ます。

面白い化石を見つけたら、次は何とかして、年代を突き止めようとしますが、
発掘現場の年代の特定は、非常に困難な課題です。

化石の年代を推測するために、2人は地質学者のチームに協力を求めました。
コラール・ブラフスの各地層の年代を割り出し、地質の年表を作成します。
地球の磁場が生み出す証拠が、手がかりとなります。

地球は、北と南の方角を示す磁場に囲まれています。 それらの方向は常に
一定と考えられがちですか、時折、磁場の方向は逆転しているのです。

岩石の中には、形成された時の磁場の方角を示しているものがあります。
そのような岩石の地層には、磁場が逆転した時代の記録が残されています。
つまり、世界中の岩石に逆転の時期が、ハッキリと刻まれているのです。

調査チームは磁場が逆転した地層を見つけるため、コラール・ブラフスの隕石
衝突の境目から徐々に上の層へと調査を進めて行きます。岩石のサンプルを
採取し、研究室で磁場の方向を分析します。

その結果、隕石衝突から、およそ35万年後に磁場が逆転した事を示す層が、
確認されました。 しかし、1つの層を見つけただけでは十分ではありません。

崖の1カ所の年代が特定されても、岩石が、どんな速さで積み重なって行った
のかは分かりません。 短期間で積み上がる場合もあれば、長期間の場合も
あります。

チームが発掘した哺乳類の化石は、磁場の逆転を示している地層よりも上に
ありました。 化石の年代を特定するためには、それより上に2つ目の逆転の
地層を見つける必要があります。

そしてついに、2つ目の磁場の逆転の証拠を見つけました。 発見した化石を
時間軸の中に当てはめる事ができました。 しかも年代順に全部そろっていた
のです。 全ての証拠が出そろうなんて、夢にも思いませんでした。

コラール・ブラフスの地層は、生態系が回復する最初の100万年間を年代順に
記録していました。 発見された全ての化石を、時間軸の中に当てはめる事が
できました。 そこには、どんな物語があったのでしょうか?

また別の化石が、時代の転換点を明らかにします。 中央部のエリアで、ひと
きわ大きな頭蓋骨を発見しました。 大量絶滅から、30万年後に生きていた
生物です。 この化石の興味深い特徴は、非常に大きな歯です。

現在の哺乳類は大きな歯を葉や茎を、すり潰すために使います。 この動物は
主に植物を食べていたと推測されました。 恐竜が絶滅した直後に、哺乳類が
遂げた、最初の大きな特殊化を示す証拠となる化石です。

隕石衝突の後、生き残った哺乳類は、動物の死骸を食料としていました。
そこへ、植物を食べる事に特化した哺乳類が現われます。 恐竜たちがいなく
なり、新たな生態系における地位を得たのです。 それは大きな節目でした。

では、どのようにして実現したのでしょうか? 答えは植物の物語に隠されて
いるかも知れません。 コロラド州の岩石にヒントがありました。

葉が、たくさんあります。 2つの種が確認できます。 植物の化石の中には、
葉の保存状態が良好なものがあります。 しかし肉眼では確認できない植物
の成分もあります。 花粉です。

指先ほどの大きさの石に、10万個もの花粉が、詰まっている事もあります。
植物は、その種類によって、花粉の特徴も異なります。