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奇妙な形の屈折ピラミッドは謎に満ちた古代エジプトの巨大建造物の1つ
2022年01月15日 (土) | 編集 |
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屈折ピラミッドと呼ばれる、奇妙な形のピラミッド。 謎に満ちた古代エジプトの
巨大建造物の1つです。

当時、エジプトでは、史上最大の建設プロジェクトだったでしょう。

なぜ、斜面の傾斜が変わっているのか? 残された手がかりから謎を解いて
行くしかありません。

考古学者たちは砂を掘り、崩れかけたトンネルをたどり、その秘密に迫ろうと
しています。 上から石が落ちて来るのではないかと、怖かったですよ。

屈折ピラミッドの奇妙な傾斜は意図的なのか、あるいは失敗の結果なのか?
内部に大きなズレが生じている事が、見てとれます。

この謎を解くためにピラミッド内部の構造を徹底調査。 秘められた埋葬室や
ピラミッドにまつわる巨大神殿を探ります。 後世のピラミッド時代を切り開いた
といわれる、屈折ピラミッド。 その誕生の謎に迫ります。

古代エジプトでは、ファラオと呼ばれる王が国を治めていました。 ナイル川の
西に、100以上そびえるピラミッドは、彼らの墓です。 中でも異彩を放つのが
ダハシュールにある屈折ピラミッドです。 こんなピラミッドは、他にありません。

その名の通り、側面が曲がった屈折ピラミッドは、表面を平たんに仕上げた
最初のピラミッドであり、傾斜の角度が途中で変わる唯一のピラミッドです。

私にとって、最も謎めいたピラミッドです。 この風変わりなピラミッドは、後の
ピラミッド建設に、大きな影響を与えたと考えらています。

屈折ピラミッドが、つくられたのは、今から、およそ4600年前。 中には2つの
埋葬室があり、それぞれ入り口とは通廊と呼ばれる廊下で結ばれています。

埋葬室の高さは、どちらも7階建ての建物に匹敵し、300万トンもの石灰岩の
ブロックで覆われています。 屈折ピラミッドの内部構造は、他のピラミッドと、
ほとんど変わりません。

ではなぜ、このピラミッドだけ頂上部分が奇妙に曲がっているのでしょうか?
あえて、そうデザインされたのか? あるいは、失敗作なのか?

屈折ピラミッドは、紀元前2600年頃、古代エジプトの王、スネフェルによって
建てられました。 スネフェルは、3つのピラミッドを建て、3つ目の四角すいの
ピラミッドに埋葬されました。

2番目につくられた屈折ピラミッドは、なぜ、このような形になったのか?
考古学者の彼女は、その手がかりを、周辺の砂の中に探しています。

ピラミッドは宗教建造物の複合体の1つにすぎないという事を、忘れてはいけ
ません。 ピラミッドは、どのような構想のもと、建設されたのでしょうか?
それを探るため彼女は、当時の姿を、よみがえらせようとしています。

この場所に、再び命を吹き込みたいですね。 広大な宗教建造物の複合体、
その中心的存在だった、屈折ピラミッド。 紀元前2600年頃の完成時には、
キレイに磨かれた石材で覆われていました。

南側には高さ、およそ30メートルの小さなピラミッドが添えられ、東側の正面
には、ファラオの名が刻まれた2つの石碑が建っていました。

一帯は分厚い石灰岩の壁で囲われナイル川のほとりまで続く参道の途中には
神殿もありました。彼女のチームは屈折ピラミッドから800メートルほど北東にある
遺跡の発掘調査をしています。 何千年もの間、忘れ去られていた遺跡です。

ここは砂漠の台地で、風がとても強いのです。 何かを掘り出しても急がないと
すぐにまた砂に埋もれてしまいます。

発掘は、まだ、ほんの一部しか進んでいません。 しかしレーダーで探査した
ところ、壮大な建物の痕跡が明らかになりました。

探査の結果、非常に大きな建物などが、建っていた事が明らかになりました。
ピラミッドよりも広い、縦200メートル、横350メートルのエリアです。

この巨大な建物は、一体、何なのでしょうか?

これは、建物の壁です。 泥の層の横に、美しい白漆喰の層があります。
白漆喰は、補強のためではなく、美しく見せるためのものです。 更に砂の中
から、この建物に色鮮やかな部屋が存在していた痕跡を、発見しました。

たくさんのタイルを見つけました。 壁や床の装飾に使われていたのでしょう。
白い壁に、青緑色のタイルが美しく映えた事でしょうね。 彼女は、かつて、
この建物は豪華な邸宅だったと考えます。

砂漠の真ん中にもかかわらず、ここには2つの大きな庭がありました。 庭を
維持するのは、極めて大変だったはずです。 なぜ、ピラミッドの側に豪邸が
つくられ、誰が住んだのでしょうか?

これまでに発見された土器は、全て、スネフェルの時代のものです。 建物の
年代と場所から彼女は、この建物が、屈折ピラミッドの建築家の家であったと
結論づけました。

ピラミッドの建設に関わる人物が、住んでいたと考えるのが自然です。広大な
敷地に建つ邸宅をはじめとする建造物は、まさに王家に仕える高官にふさわ
しいものでした。

当時、ピラミッドの建設がいかに権威あるプロジェクトだったかが分かります。

建設作業を監督し指揮する建築家は、古代エジプトにおける最も重要な役職
の1つでした。 完成までは何十年も、かかります。 そのため、ピラミッドから
近い豪邸に住んだのでしょう。

木々が生い茂るオアシスのような庭で、召し使いたちに囲まれ、事業の進み
具合を監督しました。 豪華な食事も楽しみました。 時にはファラオが訪れる
事もあったかも知れません。

屈折ピラミッドの建設は、ファラオ・スネフェルにとって重要なプロジェクトだった
事は明らかです。 スネフェルは、死後、ここに埋葬されるはずでした。

屈折ピラミッドは、側面を平たんに仕上げた最初のピラミッドであり、大きさも
これまでのものの倍近くありました。 当時、エジプトにおいて屈折ピラミッドは
史上最大の建設プロジェクトだったでしょう。

スネフェルは、ピラミッド建設のための労力を惜しみませんでした。 ではなぜ
ここに埋葬されなかったのか? 奇妙な形をしたピラミッドは、失敗作だった
のでしょうか? 答えを探るために、ピラミッドの内側をのぞきます。

中心部には、粗く削られた石灰岩のブロックが何層も高く積み上がり、隙間
には、粗い石とモルタルが詰め込まれています。 一方、外側のブロックは、
中心部に向かって傾斜をつけて配置されていました。

そうして、斜めにブロックを積み重ねる事で、滑らかな傾斜をつくり出したので
す。 こうした古代の技術の痕跡は、屈折ピラミッドの謎を解く鍵となるので
しょうか? 屈折ピラミッドから北に、10キロに位置する、サッカラ。

ここにエジプト最古のピラミッドがあります。 階段ピラミッドです。 スネフェル
から30年以上前のファラオの墓です。 建築技師の彼は長年、階段ピラミッド
建設の謎に挑んでいます。 4500年も前の建造物が、今なお建っている事に
驚きます。 粗っぽいつくりのように見えますが、紛れもないピラミッドです。

彼は、屈折ピラミッドは、この階段ピラミッドから、ひらめきを得てつくられたと
考えています。 見た目では、2つは、まるで異なります。

階段ピラミッドは、巨大な階段状です。 一方、屈折ピラミッドは側面が平たん
です。 しかし中の石材は、どちらも内側に傾いています。 彼は、これらの
石積みの層から2つのピラミッドには共通の原型が存在すると考えています。

マスタバと呼ばれる墓です。 古代エジプトの初期の支配者たちは、地面に
掘った穴に葬られ、埋葬室は何層もの石のブロックで封印されました。

これがマスタバです。マスタバは、だんだんと大型化し、ついに階段ピラミッド
が登場します。 屈折ピラミッドの内部も、階段ピラミッドと同じような構造で、
つくられている可能性があります。 しかし、この構造には問題がありました。

崩れやすいのです。 屈折ピラミッドが同じ方法でつくられたとしたら、同じ
問題に直面したはずです。 建築技師のチームが、階段ピラミッドの中心部に
通じる、細い通廊を下って行きます。 内部を補強するためです。

28メートル進んだ突き当たりには、今にも崩れ落ちそうな巨大な埋葬室が
あります。 初めて、ここに入った時は、恐怖で身がすくむ思いでした。 天井
から落ちて来そうな石が、いくつもあったのです。 怖かったですね。

チームは埋葬室の天井部分を補強しています。 ブロックにボルトを埋め込み
ブロック同士を固定するのです。 骨の折れる仕事です。

ドリルで穴を開けるのは、プレッシャーです。 何百万トンという石が、頭上に
あるわけですから。 時には、石の重さを考えないようにする事も必要です。
作業をする間は、忘れるようにしなきゃ…。

彼は、階段ピラミッドの埋葬室の天井は、かつては平らで、初期のマスタバと
同じように、木の梁で支えられていたと考えています。 しかし木の梁は、
ピラミッドの重さを持ちこたえるには、強度が足りませんでした。

天井がアーチ型のように見えるのは、途中で崩れたためです。 天井を支えて
いた木の梁は、上にある石の重みに耐えられず、ここから24メートル下にある
石棺の上に落ちました。 階段ピラミッドの建設者は伝統的なマスタバの建築
方法のままで、巨大化を図ったのです。

階段ピラミッドは、マスタバから生まれました。 そして、その階段ピラミッドが
出発点となり、改良を経て、いわゆるピラミッドが形づくられて行ったのです。

屈折ピラミッドも、また、階段ピラミッドから発想を得たはずです。

建設にあたってのアイデアは突然、ひらめくものではなく必ず、もととなる前例
があるものです。 新たな工夫を生み出すためには、前例は欠かせません。

当初は巨大化する事で、崩れるとは考えられていませんでした。

まだピラミッドの時代が、始まる前ですからね。 人々は、試行錯誤しながら、
建設を進めていたのです。 階段ピラミッドは、当時の技術の限界を超えて
いたのです。 屈折ピラミッドも、また、同じだったのでしょうか?

土木地質学者の彼は、屈折ピラミッドが曲がっているのは、古代の建築家が
崩壊を防ごうとした結果ではないかと考えています。 私たちは屈折ピラミッド
の内部に、石の動いた跡や修理の形跡がないかを調査しています。