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毎年のように日本を襲い大きな被害をもたらしている台風予測の難しさ
2021年11月13日 (土) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「子供のころに嵐、大雨、台風が来たときの気持ちは?」
毎年のように日本を襲い、大きな被害をもたらす台風。2019年の台風19号は
急速発達を起こし、中心気圧が 915 hpa (ヘクトパスカル) まで低下。

猛烈な勢力で東日本に大きな被害を、もたらしました。 一方、2020年9月の
台風10号。 2019年の19号に近い中心気圧 920hpa 。 非常に強い勢力で
九州に接近すると予測されました。

気象庁の会見より
‘自分の命、大切な人の命を守るため、早めの対策をお願いします’

鹿児島県の離島では、ヘリコプターによる事前非難など、かつてない対応が
取られました。

ところが、実際に近付いた時には、勢力は大幅に弱まっていたのです。

台風が強まるのか? それとも、弱まるのか? 予測の難しさが、浮き彫りに
なりました。

そこで台風の中心部に突入し直接観測を行う事で予測の精度向上を目指す
挑戦が始まっています。 命懸けにも思える、困難なミッションです。

“台風観測の成否が、かかっています。 とにかく成功させる”

台風予測の科学、その最前線に迫ります。

台風といえば、もう、私たちが付き合って行かなければならない気象です。
予測の精度が高まると命も助かるし、あとは、家屋も対策ができますよね。

台風は温暖化の影響で、今後、ますます強くなるとも言われています。

台風の発生は、まず温かい海の上で、水蒸気が雲になる事から始まります。
これが、まとまって渦を作ると、中心の気圧が下がって行きます。

海から、ますます水蒸気が供給されて、台風の勢力が強くなるという風に
いわれるわけです。

今、台風の予測のうちの進路については近年、精度が上がって来ています。
これは、台風の進路を予測する予報円です。 赤い円は、1997年頃の予報円
です。 そして現在の予報円が、こちら。 大きさが半分以下になっています。
ですから、これくらい精度が向上したという事なのです。 (映像はNHKで!)

ところが… 台風の強さ、中心気圧と風速ですけれども、この予測の精度は、
なかなか向上しない。 ここに課題があると、いう風に考えられています。

進路は読めるけれど… どういう事なのでしょうか?  どういう事なのか?
どうすれば改善できるのか? 新たな研究が始まっています。

国際宇宙ステーションから撮影
‘台風が日本に近付いている。 超巨大なやつだ…’

2020年9月、九州に接近した台風10号。 中心気圧 920hpa という、非常に
強い勢力で接近すると予測されていました。

しかし実際には 945 と、予測よりも大幅に弱まっていたのです。

なぜ、台風は弱くなったのか? これは、スーパーコンピューターで解析した
台風接近時の海面水温です。 九州の南側は、赤からピンクの28度以上と、
台風が発達しやすい高温でした。

ところが、台風10号が接近する3日前、台風9号が北上。 すると海面水温は
27度以下に低下。 台風9号が、海をかき混ぜたのです。

その後、この水温が低下した領域が海流に運ばれ、東に広がって行きます。

台風10号は、偶然にも、この水温が低下した領域の真上を通過したため、
勢力が急激に弱まったと考えられるのです。

九州大学の教授は、言う。  “仮に、台風9号がなかった場合を想像すると、
非常に高い温度の状態のところを、台風10号がやって来るわけで、当初の
気象庁の予測のように、強い勢力を保ったまま台風が来ても、全く、おかくし
ない状態といえますね。逆に、たまたま強くする事もあるでしょうし、なかなか
この予測は、一筋縄ではいかない難しいものですよね”

僅か海の温度差で大きく左右される台風の強さ。 より正確な予測のためには
海面だけでなく、水深100メートルまでの水温を把握する必要がありますが、
観測は困難です。

そこで、ある意外なものから海の中の温度を探り、予測を行う研究が始まって
います。 琉球大学の准教授です。 注目したのは、海の高低差。

琉球大学の准教授は、言う。  “海面のデコボコを見る事で、海の中が
温かいか?冷たいか?を見る事ができます”

これは衛星から捉えた、海面の高低差を示したデータです。 赤いエリアが、
海面が高い場所。 青や紫が、低い場所を示しています。

温かい水は膨張して海面が高く、冷たい水は収縮して海面が低くなります。

そのため、海面の高低差を読む事で、海の中の冷たいエリアと温かいエリアを
推定する事ができるのです。

海の中の温度が高ければ、水蒸気の供給が維持され、台風の勢力は保たれ
ます。 一方、海の中の温度が低いと、水蒸気の供給が減り、台風の勢力が
弱まります。

准教授は、この原理を使って、実際の台風で、勢力の予測シミュレーションを
行いました。 これは、台風の進路となる、日本南西の海面水温。

一面、ほぼ同じ温度に見えます。 ところが、海の高低差を見ると… ご覧の
通り、全く違って見えます。

海面が低い緑の部分に、海の中の冷たい水のエリアが、隠されていることが
分かります。 この冷たい水のエリアを、台風が、ゆっくりと移動。

これを考慮し、計算します。 左のグラフは、時間とともに変化する気圧を計算
したものです。 冷たい水のエリアを通過する時に、勢力が弱まって行くという
結果が、はじき出されました。

こちらは、海の中の温度を使わなかった、従来の予測です。 実際の気圧
変化と、比較します。 比べてみると准教授の予測が、より実際の観測結果に
近い事が分かりました。

琉球大学の准教授は、言う。  “実際に台風が発達すると、海自身も影響を
受けて、更に、その海が、台風に、また影響を与える事が起こりますので、
全体をトータルに考えてあげなければ、いけないと思います。 これを更に今後
進めて行く事によって、予報の精度は、ますます高くなると考えています”

海面に高低差があるという発想は、なかったですね。 ここで、専門家に詳しく
伺って行きましょう。

Q: 海と台風の相互関係というお話しが出ましたが、この辺りは、かなり密接
なのでしょうか?

“海面温度は、台風が、どう将来、変わって行くか?予報の計算には、使われ
ています。ただ、海面温度といっても正確な値を知る事は、なかなか難しい。
実際には雲もありますし、衛星から海が見えないとか、そういった問題が出て
来ますので、例えば台風9号が通った瞬間に海が冷えた、そういった情報を
すぐに取り入れるという事は、まだ難しいというのが現状です。一方で台風の
エネルギーというのは、実は海の中にあるという風に我々は考える。その点
では、准教授の研究というのは非常にユニークで、また有望だと思います”

ただ一方で、その台風の強さの予測を困難にしている、もう1つ大きな問題が
あるのです。 それが、急速発達というものなのです。

これ、文字通り、急速に台風の中心気圧が下がって行って、具体的には、
24時間で、風速15メートル以上も強まってしまうという現象なのです。

Q: 急速発達というのは、どのように起こるのですか?

“台風が急速に発達するのを始める時は、非常に激しい爆発するような積乱
雲が発生する。そういった時に、この急速発達が起こりやすい事が分かって
来ています。まだ今のところ、それを正確に予測する事はできていない。
それが出来るようになれば、台風の強度予測も、もっと良くなって行く”

だからこそ、この急速発達の実態を解き明かそうと、探ろうという研究が進ん
でいます。

ニュースより  ‘愛知・三重・岐阜の各県を中心に、大きな被害を与えました’

1959年、5000人以上の犠牲者を出した、伊勢湾台風。 そして2019年、
東日本を中心に大きな被害を与えた、台風19号。

2つの台風には、共通点があります。 それが、日本に近付いて来る途中で、
急速発達が起きていた事です。 急速発達の謎に挑む教授です。

どのような場合に、急速発達を起こしやすいのか? 教授は、過去37年間、
900個の台風を分析しました。 すると台風の生まれ方によって、急速発達の
しやすさが異なる事が分かって来ました。

最も急速発達しやすいのが、フィリピンの東側で、モンスーンと偏東風が、
ぶつかって生まれるパターンでした。 更に、進路も分析しました。

これは過去の台風の進路。 赤い部分は、その中で急速発達が起きた場所を
示しています。 分析の結果、赤色で囲った部分で急速発達が多く起きている
事が、浮かび上がって来たのです。

“急速発達の全体の80%が、この海域で起きている事が分かりました。
いわば、魔の海域です。 もし台風が、ここを通る事が分かっていれば、急速
発達の可能性が高いと考えながら警戒できると思います”

Q: 原理まで解き明かせなくても、ここを通ると、何%の台風が急速発達する
とか、それが分かって行くようになるのでしょうか?

“それが分かるだけでも、予測という点では非常に大きな進歩である訳です。
この部分を通る台風は危ないとか、こういう時に急速発達する事が、過去に
よくあった。こういった事を積み重ねて行く事によって、急速発達の予測が
かなり改善して行くと思います”

そこで、こちら。 台風ですけれども、その強さの予測に欠かせないのが、
目の中の気圧、中心気圧です。 これが、低ければ低いほど、勢力が強いと
いう事になるのです。

実は、この中心気圧… 正確に測定する事は、非常に難しいのです。

現在、天気予報などで発表されている中心気圧は、実は、推定値なのです。

Q: そうなのですか?中心気圧は、直接測っているわけではないのですか?

“台風がいる海域に、船で行くことは無理です”

Q: では、どうやって、あの数字が出るのですか?

“現在、どのように台風の中心気圧を推定しているかというと、気象衛星から
雲・台風の雲のパターンを見て、この雲のパターンだったら、これぐらいの
中心気圧だろう、あるいは、これぐらいの風速だろうと、そのように推定をして
いるわけです。それほど強くない台風であれば、990や980hpaでも、建物の
被害は、それほど出ない。これを、例えば920なのか?930なのか?10hpaの
差が、非常に強い台風になると大きな問題になって来る”

ちょっとした誤差という言葉は、台風予測においては、ないのだなというのは
分かりました。 となると、やはり、正確な数値が測定したい。 というわけで、
教授たちの研究グループは、実際の台風の直接観測に挑んでいるのです。