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自然科学番組を生み出し世界中に大きな影響を与えたアッテンボロー
2021年11月10日 (水) | 編集 |
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‘グレート・バリア・リーフは、危機に瀕しています’

65年以上にわたり、自然の素晴らしさを伝えて来たデビッド・アッテンボロー。
彼は、あらゆる辺境の地に人々をいざない、感動を共有して来ました。 多くの
人から愛される、世界的な番組ナビゲーターです。

アッテンボローの半生は、テレビの世界では、かなり異色です。

彼は、自然科学番組を生み出し、世界中に大きな影響を与えました。 分かり
やすい解説で、視聴者を、驚きに満ちた舞台へ案内します。

‘ガラパゴス諸島は、進化の実験室と呼ばれています’

デビッドに代わる人はいません。 その長いキャリアの中で数々の名場面が
生まれ、さまざまな最先端の技術によって番組に命が吹き込まれて来ました。

‘グレート・バリア・リーフでは、前人未到の深さです’

しかし、アッテンボローの素顔は、あまり知られていません。

‘生命の歴史に興味がないのは、人生に興味がないのと同じだと言う人が
いる。 それは違う。 バカげてる’

撮影の舞台裏や、スタッフとのやり取り、そして、名場面の裏話を通じて、
デビッド・アッテンボローの素顔に迫ります。

デビッド・アッテンボローは、ドキュメンタリー番組の制作者として、人生の大半
をかけて世界中を旅し、自然環境や動物について、独自の見方を培って来ま
した。  ‘私は今、生命の起源を求めて、旅をしています。世界各地を訪ね、
時代をさかのぼり、太古の昔、生物が、どんな姿をしていたのかを探ります’

野生動物の生き生きとした姿を捉えた、その映像は、自然に対する私たちの
認識を変えました。 太平洋の海の中。 うっそうとした熱帯雨林。 時には、
植物や虫の秘密の世界まで。

アッテンボローの番組は、未知の世界へと、いざないます。

‘(ゾウガメは)ほぼ間違いなく、世界一希少な生き物です’

彼の番組は、多くの人々に愛されて来ました。 そして今、アッテンボローは、
かけがえのない地球を救おうと、世界に訴えています。

‘私たちが住める星は、地球だけです! だから、守らなければ…’

デビッド・アッテンボローは自然保護の熱心な活動家としても知られています。
彼は、なぜ、これほど多くの人々から愛され、尊敬を集めるようになったので
しょう?

生き物に対する興味は自宅近くで化石を集めていた幼い頃に芽生えました。

‘ここは、チャーンウッド・フォレスト。 私は、この近くで育ちました’

少年時代、身近な自然に対して抱いた純粋な興味。 それが、生涯にわたる
探究心の原点でした。

“私は、イングランド中央部で育ちました。あの地方の岩や石灰石には魔法が
詰まっていました。割ると、中から美しい巻貝の化石が現れるのです。1億5千
万年もの間、誰の目にも触れなかった宝物です。私は夢中で化石を集めまし
た。まぁ、あの頃のまま、年を取ったとも言えますね”

幼いデビッド・アッテンボローに芽生えた自然への興味は両親によって大切に
育まれました。 デビッドは、3人兄弟の2番目。 兄は、俳優や映画監督として
活躍し、アカデミー賞も受賞した、リチャード・アッテンボローです。

自然科学に高い関心を持ったデビッドは、ケンブリッジ大学の奨学金を得て、
勉学に励みます。 のちに、番組ナビゲーターとして、その名をはせる事になり
ますが、テレビの世界に飛び込んだのは、ほんの偶然からでした。

“新聞で、ラジオの求人広告を見かけて応募したのです。 でも、ダメでした。
その後、知り合いが、テレビジョンという新しい仕事があると教えてくれました。
見習い期間でも、1000ボンド出ると。当時、出版社から貰っていた給料の3倍
だったので、飛びつきました”

1950年代のテレビ放送は、まだ始まったばかりの段階でした。アッテンボローは
テレビ番組を見た事すらありませんでしたが、アシスタントとして働き始めます。

BBCに入って数年後、彼は、自然科学を扱うシリーズ番組、ズー・クエストの
立ち上げに加わります。 彼にとっては、絶好のチャンスでした。

“ロンドン動物園で働く友人と2人で、辺境の地に野生動物を捕獲しに行くと
いう企画を考えました。 今じゃ、考えられない話しですがね! 友人はヘビが
専門だったので私が同行して、彼が蛇を捕まえるところを撮影します。そして
スタジオで、ヘビを見せながら解説をするというものでした。これが、ズー・クエ
ストの原案です”

当初、アッテンボローは、司会を務める予定ではありませんでした。 しかし、
予想外の事態が起こります。

“司会に決まっていたロンドン動物園の専門家が、初回放送のあと、熱帯の
病気で倒れてしまったのです。それで上司が言いました。彼が出来ないなら、
代わりはアッテンボローしかいない。 カメラの前に立たせて、やらせろとね”

ズー・クエストは私も子供の頃、大好きで、いつも楽しく見ていました。アッテン
ボローに夢中だったのです。 彼には、天性の魅力に加えて、動物に関する
深い知識があります。彼のファンは年々、増えて行きますが、ズー・クエストが
その始まりでした。  ‘初のパラグアイへの旅です’

デビッド・アッテンボローは、ナビゲーターとして腕を磨きました。それが人気を
博したのです。 しかし、何十年、練習を重ねても、カメラを前にして話すのは、
簡単ではありません。 オーストラリアの撮影でも、アッテンボローは、いつもの
ルーティーンを繰り返します。

“まず、自分が正しく理解していないと。 ちゃんと理解してから、それを言葉に
するんだ。 だが、そうやっても最初のひと言に詰まったり、迷ったり、回りくど
かったり、正確さに欠ける事もある。 1人で何度も練習して、後は、うまく行く
ように祈るだけさ…”

デビッドは大抵、ファースト・テイクで決めてくれます。 まず失敗はしませんよ。

‘1946年、オーストラリアの地質学者レッグ・スプリッグは…エディアカラ丘陵で
調査していました’  彼の独特の語り口は、多くの人を魅了して来ました。

その才能は、ズー・クエストで早くも開花しました。

1人1人に語りかけるような、親しみを感じさせる話し方です。 彼は、ナビゲー
ターとして、確かな地位を得ました。

‘楽園の鳥を生け捕りにするため… 渓谷に入ったと男性に説明しました’

長年、スタッフたちは、緊張感のある現場でも、セリフを失敗しないアッテンボ
ローを、頼りにして来ました。

スコットランドの湖で、この日、白鳥と共に撮影が行われました。しかし動物が
相手では、一筋縄では行きません。

ボートに乗ったデビッドと空を飛ぶ白鳥が、並走するシーンを撮りたいのです。
きっと、素晴らしい思います。

撮影には、人に、よく懐いている白鳥と、飼育係が参加します。 ねらい通りの
シーンを撮るにはカメラから3メートル以内を白鳥が飛ばなければなりません。

飼育係がボートの先端から呼ぶと白鳥はボートに、ついて来ます。しかし飛ぶ
白鳥とセリフを言うアッテンボローを、うまくカメラに収めるのは至難の業です。

“どこを飛べばカメラに、ちゃんと写るのかなど、白鳥には分かるはずがありま
せん。 船の、こちら側を飛ばずに、時々、反対側に行ってしまう。 それで、
時間がかかるのです”

失敗を繰り返すうち、天気が悪化して来ました。 これがラストチャンスです。
ついに、白鳥たちが、やってくれました。

‘飛んでいる鳥を、これほど近くから見上げると、その翼の構造が複雑で優れ
ている事が分かります。気流の微妙な変化に合わせて、白鳥は翼の動かし方
を自在に変えています。そうやって、高さや速度を調整するのです’

また1つ、素晴らしいシーンが生まれました。 これまで彼は、多くの動物と
触れ合って来ました。 動物への深い愛情は、アッテンボローが人々から愛さ
れる理由でもあります。

彼は、ズー・クエストを始めた頃、番組で紹介した動物を、度々、引き取って
育てていました。 自宅には、さまざまな動物があふれ、妻のジェーンと子供
たちは、その飼育に追われました。

“キツネザルのつがいや、カメレオン、ショウガラゴというサルもいました。
困った事にショウガラゴは、手に尿をかけて、その手で周りのものに臭いを
つける習性があります。ディナーを食べに来た友人たちは、家に入るなり鼻を
ひくつかせる(鼻で臭いを嗅ぐ)のです。 これは、スープの匂いではないな。
一体、何の料理だ?と。 私は仕方なくショウガラゴ尿の臭いだと教えました。
妻の強い希望もあって、ショウガラゴは手放しました”

デビッド・アッテンボローは、常に冒険を求める気持ちも持ち続けて来ました。
ボルネオの森では木のてっぺんに暮らす珍しいカエルの撮影が行われました。

アッテンボローとカメラマンを、地上30メートルの高さまで吊り上げます。
デビッドは怖いもの知らずです。 88歳にして、こんな撮影に挑むのですから。

高い所での撮影は、危険を伴います。 しかしアッテンボローは、その価値が
あると考えました。

‘このカエルは、驚くべき護身術を使います。滑空です。大きな水かきを広げる
事で、足がパラシュートのように働き、ゆっくり降下します。そのため、安全に
着地できるのです’

この撮影に妥協しない姿勢が、その名声を更に高めました。アッテンボローは
番組の司会を始めた当初から、あらゆる世代に人気がありました。1960年代
半ばには、誰もが知る有名人になります。