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地球外の文明に向けて私たちは宇宙にメッセージを送り続けている
2021年11月01日 (月) | 編集 |
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宇宙には、生命が存在できる場所が、無数にあるように見えます。 しかし、
生命の材料は至る所にあっても、実際に生命は存在するのでしょうか?

人類は半世紀以上も前から地球外の文明からの信号を探し求めて来ました。
返答が得られる事を期待して近くの星々に強力な電波を送り続けてきました。

地球外生命との対話には、科学だけでなく、全ての知識が関わって来ます。
どんな相手か分からないので、メッセージを作る事は難しくなります。

対話を試みる相手が、どんな存在なのかが分からない。それが大きな障壁と
なっています。

地球の外に向けてメッセージを送るべきなのか? 私は確信が持てません。
もし、相手が戦いを好み、破壊的な力を持っているなら、恐ろしい事態を招き
かねないからです。

高度な知的文明が宇宙に存在するなら、それは私たちの未来を指し示す
はずです。 ただし、地球外生命とのコンタクトは、大いに物議を醸す決断で、
結果は予測不能です。

地球外生命との対話が生まれるか否かによって、我々、人類の未来は大きく
変わって行くでしょう。

1971年、冷戦のさなかに、アルメニアのビュラカン天文台で、前例のない国際
会議が開かれました。 ソビエト・アメリカ・ヨーロッパ各国から50人の科学者が
集い、地球外の知的生命と、どうコミュニケーションを取るべきかを、5日間に
わたって議論したのです。

参加したのはノーベル賞受賞者のフランシス・クリックとヴィタリー・ギンツブルク
物理学者のフリーマン・ダイソン、天文学者のニコライ・カルダシェフ、カール・
セーガン、フランク・ドレイクなど。 そうそうたる顔ぶれでした。

会議の1年後、天文学者のカール・セーガンとフランク・ドレイクは、アメリカ
航空宇宙局NASAの探査機パイオニアに搭載する金属板をデザインしました。

地球外の文明に向けて、地球と人類について説明した金属板は、初めての
物理的なメッセージでした。 それ以来、私たちは宇宙にメッセージを送り続け
ています。 しかし、今のところ応答はありません。

私たちが住む天の川銀河だけでも、数え切れないほどの恒星があり、宇宙
には無数の銀河があります。 そして多くの恒星の周りに惑星があるのです。
つまり、生命が存在しうる場所は、たくさんあるわけです。 生命のもととなる
物質も、至る所にあります。

生命のもととなる物質、炭素や酸素、水素・窒素・硫黄は、太陽系の中にも
ふんだんに存在します。例えば酸素は宇宙において水素とヘリウムに次いで
豊富な元素です。 つまり、水も豊富であると考えられます。

私たちを構成し、生命が必要とする物質となる原子や分子が、至る所に存在
するのですから、遠い惑星に生命を発見する可能性は、大いにあると言える
でしょう。

地球以外の天体に、生命を見つけるために発展したのが、宇宙生物学です。

宇宙生物学は惑星探査や生命の起源など、いくつかの分野に分かれていて
その中に、SETI (セティ) と、METI (メティ) と呼ばれる研究があります。

SETIとは地球外の知的生命の探査、METIは地球外の知的生命へメッセージ
を送り、交信するための研究です。 SETIに携わる天文学者たちは、50年に
わたり、望遠鏡で宇宙に文明が存在する証拠を探して来ました。

それは宇宙のノイズとは異なる、人工的な信号です。

これまでのところ、技術によって人工的に作られた信号を、地球の外から
受信したケースはありません。 事例は、まだ、1つもないのです。

地球以外に、知的生命が存在する可能性を示す手がかりは、探査開始から
50年が経つ今も、得られていません。

しかしその間に、地球外生命の探査にとって、画期的な発見もありました。
太陽系の外には、何千もの惑星が存在していたのです。 どの恒星が惑星を
持っているのか? どの惑星が地球に似ているのか? も、判明しました。

生命を探すためには、どこに望遠鏡を向ければ良いかが分かったわけです。

太陽系の外にある恒星の周りにも、惑星が存在しているだろうという事は、
数十年以上前から、天文学者たちが推測していました。 しかし、それが発見
され、実際に確かめられたのは1995年が最初でした。 以来、数千もの太陽
系外惑星が、ケプラー宇宙望遠鏡などにより発見されました。

問題は、そこに生命が存在するかどうかです。 地球のような、生命と精神と
知性の誕生は、よく起こる事なのか?

生命が存在する可能性がある惑星の基本的な条件は、2つ。 議論の余地が
あるものも含めれば、3つが挙げられます。

1つ目の条件は、惑星の表面が液体、もしくは固体である事です。 巨大な
ガスの天体には、生物が自らを維持するのに必要な、圧力と温度の安定した
環境がありません。 注目すべきは、岩石で構成された惑星です。

2つ目は、惑星の表面に炭素があり、利用可能であること。 地球の生物は、
炭素が主成分だからです。

3つ目の条件は、異論もありますが液体の水です。 地球の生き物は、ライフ
サイクルのどこかで、液体の水を必要とします。 太陽系外惑星の生命も同様
と考えられています。

太陽系外惑星の発見によって、生命発見の可能性が高まりました。探査活動
であるSETIと交信を目指すMETIの両方を大きく前進させたと言えるでしょう。

地球から数十光年の場所にある、地球に似た惑星にメッセージを送るのです。
そこに誰かがいれば、数十年後には返信が届くかも知れません。それが現在
我々に可能なプロジェクトです。

METIは、地球外生命からの返信を求めて、星々に積極的に信号を送るプロ
ジェクトです。 相手からの信号を待つだけではありません。

SETIは、地球外生命の探査ですが、METIは、メッセージを送ってコンタクトを
取る事を目指します。 METIは、より能動的でアクティブSETIとも呼ばれます。
地球外生命体に対して、コンタクトを取りたいと思っている存在が、ここにいる
という事を知らせる試みです。

地球外生命との交信を試みるMETIのプロセスは、生命を探査するSETIの
活動にも、多くをもたらしてくれるでしょう。

それは、この活動には、2つの視点があるからです。

文明同士の出会いは、メッセージを送る側と受け取る側がいて成り立ちます。
送信するメッセージを、どう送るか考える事は、受信する側を、どう想定するか
についての考えも深めるのです。

地球外の知的生命が理解できるメッセージを作る事は、大変な難題です。
なぜなら、共通の言語が無いからです。 更に、地球外生命との対話には、
もう1つの困難が伴います。 私たちを隔てる、途方もない距離です。 1つの
信号が目的地に到達するにも、返事が戻って来るにも、長い年月を要します。

異なる文明へのメッセージを作成するには、共通の言語が必要です。意思の
疎通を成立させるための最も基本的な条件とは、何でしょう? 宇宙言語を
作り出すには、まず、我々と相手に共通するものが何かを、突き詰めます。

もし彼らから信号が届いたなら、信号を作り出すのに必要な基礎的な数学や
物理学の知識を、彼らが持っていると分かります。 そこで、我々からの
メッセージも、数学や物理学を土台にします。

コミュニケーションのプロセスは、非常に難しいものになります。地球上の人間
同士でも文化や言語が異なれば正確に意思を伝達する事は実に困難です。
外見はよく似た人間同士でも、多くの点でとても大きな違いがあるからです。

METIには、コンピューター科学から、言語学・心理学・人類学など、さまざまな
分野の学問が関わっています。 更に、人類の営みの豊かさをメッセージに
して伝えるには、芸術家の協力も欠かせません。

地球外生命との交信には、専門性の違いを超えた取り組みが必要です。

まず、コミュニケーションや工学の専門家が必要です。 技術的な観点から、
メッセージを、どのように構築するか?送信に必要な装置、それに、より遠くへ
送るためのエネルギーなど、いくつもの課題を検討するためです。

コンピューター科学者の取り組みが、これまで以上に重要です。 地球外生命
へ向けて発信するメッセージの基礎となるのは、コンピューター言語だからです。
彼らは今、新たな方法として、あらゆるメッセージを1と0からなる数列に変換し
他の天体にいる知的生命が、解読できるものにしようとしています。

プロジェクトには、社会科学者の関与も必要です。 人類学や言語学・文化に
ついての研究者などです。 文化について、どう考えるべきか? 文化が
メッセージの作成や理解に、どのような影響を及ぼすかについて、理解して
いる人が必要です。これは、実にさまざまな事柄が関係して来る事なのです。

いかなるコミュニケーションにおいても、対話する相手を知る事は重要です。
相手の性質によっては、伝えるメッセージも大きく変わる可能性があります。

私たちが対話しようとしているのは、特徴の全く分からない、知的生命体。
宇宙空間を超えて送るメッセージの作成は、大きな挑戦です。

どんな相手と対話しようとしているのか? 分からないのが大きな問題です。
もし地球外の文明が、人間に似た生物によるものならば、彼らが情報を処理
する方法も、私たちと似ていると想像できます。 彼らに送るメッセージは、
人間に宛てるものと同じ手法で考える事ができるでしょう。

地球外生命については、何も分かっていませんが、推測する事は可能です。
地球の生命と同じような形で始まった存在ならば、私たちのように頭脳がある
でしょう。 体の特徴は異なっても、思考能力を持っていると考えられます。

天文学者の中には、地球外生命が存在するとすれば、それは生物というより
ロボットに近い存在だと主張する人もいます。

この地球における私たちの文明も、生物としての枠に縛られない方向へと、
進化しつつあると考えるからです。