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その山の名前は、日本人のみならず、外国人でさえ知っていた。 その山の
2021年10月26日 (火) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「子供のころに嵐、大雨、台風が来たときの気持ちは?」
その山の名前は、日本人のみならず、外国人でさえ知っていた。 その山の
姿は、誰もが目にした事があった。 標高3776m。 日本の最高峰、富士山。

ついに世界遺産になった。しかし私たちは、富士山の本当の素顔を知らない。
そこには、未知の世界が広がっている。 秘密の扉を開く鍵は、一滴の水。

人類の遺産として認められた、美しい景観。 四季折々の絶景。 麓にもたら
される豊かな恵み。 人々の心に深く刻み込まれた、山への祈り。

その掛けがえのない世界を生み出したのは、富士山を巡る水だった。 山麓の
あちこちから湧水(ゆうすい)があふれ、水の山と呼ばれている富士山。

しかし不思議な事に、表面には、1つも川がない。 莫大な水をため、麓に送る
メカニズムは、ほとんど分かっていない。

富士山の水の、大いなる謎。 その謎を解く旅に出た。 出会ったのは、水が
つくり出した大自然の驚異。  “いや~、スゴイ! 見事ですね!”

富士山の地中深く、闇の中に姿を現した、氷の宮殿。
“ウワ~!”  冬、極寒の富士。 白い魔境に、吹き荒れる嵐。

人々が暮らす大地の真下、初めて明らかなにった、水中洞窟の謎。 驚くべき
世界が広がっていた。 世界遺産、富士山。

水がつくり出す、神秘の宇宙に出会う旅が、今、始まる!

世界文化遺産、富士山。 登録されたのは、富士山を御神体とする神社や
信仰の遺跡。そして、白糸ノ滝(しらいとのたき)や、忍野八海(おしのはっかい)
富士山城、山中湖、富士浅間神社、須山浅間神社、三保松原、西湖、河口湖
富士本宮浅間神社、山宮浅間神社、人穴富士講遺跡、本栖湖、精進湖、
村山浅間神社、富士御室浅間神社、河口浅間神社、北口本宮冨士浅間神社
胎内樹型、御師住宅など、水の聖地が多くあります。

その1つを、ご覧頂きましょう。 富士山の西の麓にある、水の絶景。

白糸ノ滝です。 高さ20m、幅120mの崖から、大小数百の滝が流れ落ちます。
あふれ出す水は、1日、およそ16万トン。 圧倒的な水量です。

この水の多くは、川から流れ落ちたものではありません。 岩と岩の隙間から
湧き水が直接、噴き出しているのです。それが白糸ノ滝の美しさの秘密です。

大量の湧水が、狭い隙間から一気に押し出され、空気と混ざり合います。その
瞬間、絹糸のような白に染まるのです。

富士山の麓では、あちこちから、水が湧き出ています。 その総量は、年間
18億トンに上ります。 しかし、富士山の表面には、川が1つもありません。

水は、どこを、どのように流れているのでしょうか?

白銀の雪を頂いた冬の富士山。 見慣れた、この風景の中に水の旅の始まり
がある。 2月下旬、厳冬期の富士山。 この季節の富士山は日本人が愛して
来た穏やかな表情とは、全く異なる一面を見せる。 氷点下20度以下。

猛烈な風が吹き荒れ、人間を寄せつけようとしない、極限の世界。 しかし、
この魔の山にこそ、大量の水を集めるメカニズムが秘められている。

行く手を遮る巨大な白い渦。 煙のように雪が舞う。 雪煙(せつえん)だ。
瞬間風速30メートル以上。 複雑な乱気流は、予測する事ができない。
標高2200メートル。 撮影は、風との真っ向勝負となる。

鋭い風が、雪や氷を削り取り、不思議な文様を刻む。 シュカブラと呼ばれる
幻想的な光景。 莫大な雪と氷。 なぜ富士山には、大量の雪が降るのか?
(近年は、気候変動の影響で雪が少なくなったといわれている)

秘密は3776メートルという、富士山の圧倒的な高さにある。 周囲に高い山が
ない独立峰の富士山は、1年を通じて、あらゆる方向からの風にさらされる。

冬から春。 東の海から吹き寄せる風は、大量の水蒸気を運んで来る。 風は
1500メートルほどの箱根の山々を越え、富士山を直撃する。

夏から秋になると、今度は南の海から、湿った風が強まる。 風が富士山に
ぶつかると、強烈な上昇気流が発生。山肌を駆け上がるうち、水蒸気は冷や
されて雲を生み出す。やがて雲は、山全体を覆い尽くすほど大きくなって行く。

そして大量の雨や雪が、富士山に降り注ぐ。 1年を通じて、莫大な水を集める
メカニズム。 雪を頂いた凛々しい姿に、水の山の秘密があった。

冬、大気中を漂う水分は、思わぬ絶景を見せてくれる。 標高2000メートル。
美しい氷の森が広がっていた。 氷点下に冷やされた水蒸気が、瞬時に凍り
つく、霧氷(むひょう)だ。

麓に春が訪れる頃、水の新たな旅が始まります。 柔らかな日ざしを受け、
山のあちこちで聞こえる、滴の産声。 やがて1滴1滴が集まり、小さな流れを
つくり出します。 乾いた山肌を潤しながら、水は、下へと流れて行きます。

川がないはずの富士山に現れる、幻の清流。 この時期にしか目にする事の
できない、水の絶景です。 斜面を流れる事、1.5キロメートル。

不思議な事に、水の幅が細くなって来ました。 最後に残されたのは、小さな
水たまりだけ。雪解けの水は富士山の中に跡形もなく消えてしまったのです。

地下に消えた水は、どこに行ったのか? 取材班が訪れたのは、富士山の
北西にある、青木ヶ原樹海。 うっそうとした原生林である。

地下水の専門家である博士が、謎解きの旅に同行してくれた。

“富士山の地下水の最大の謎というのは、地下水が、どこから、どこへ流れて
いるのかという、そのネットワークを解明する事です。 それによって富士山に
もたらされた降水が地下水となって、周辺に恵みをもたらす事が明確に明ら
かにされると思っています”

博士が目をつけたのは、地面から顔をのぞかせる溶岩。玄武岩で出来ている
という。 玄武岩の溶岩は、日本では極めて珍しい。

これが富士山の水の謎を解く、鍵を握っている。 地球の表面を覆う、12枚の
プレート。 実は富士山は、3枚のプレートが、ぶつかり、深く落ち込む場所に
ある特異な火山だ。

地下深くから湧き上がるマグマは、噴火とともに、火口から噴き出す。玄武岩
質のマグマは、粘り気が小さく、遠くまで流れやすい。 大噴火が起きる度、
溶岩流は広く延びて行った。

この玄武岩の特徴が、富士山の美しい円すい形と広い裾野を、つくり上げた。
この事が、富士の水の豊かさとも、深く関わっている。

溶岩流の上に生まれた、青木ヶ原樹海。森の中に、地下世界への扉がある。

“大きいですね。 スゴイですね。 ここですね。 大きな口を開いてて、雄大な
富士山に開いた穴だって分かりますね”

巨大な穴は、溶岩流の内部へつながる、洞窟の入り口。 博士によれば、この
暗闇の中で、消えた水の流れを見つける事ができるという。

洞窟の中の気温は、2度。 足場が悪く、満足に歩く事も、ままならない。
洞窟の底に下りると、巨大な地下空間が広がっていた。

この洞窟が出来たのは、今から1000年以上前、富士山が大噴火を起こした
時の事だ。 マグマが冷えた際に空洞が生まれ、溶岩洞窟になった。

溶岩に囲まれた空間は、富士山の莫大なエネルギーを物語る。 溶岩は水の
流れを探す、手がかりにもなる。

赤茶けた溶岩は、鉄分を含む水が通った証しだという。

“触ってみて分かる通りガサガサしてて、火山岩の中に含まれたガスが抜け
たのが分かると思うのです。 その分、水が入りやすくなって地下水が入って
鉄分が溶け出して茶色くなっているのです。 富士山に降った雨が、溶岩流に
沿って流れて来てる、その証拠になると思います”

水が移動する際、通り道になるという溶岩。 取材班は、樹海に点在する溶岩
洞窟に潜り、水の流れを探し続けた。

“ホントだ。 ありますね。 地下水が見えますね。 スゴイですね。 流れてる”

水は洞窟の底、溶岩の間から、かすかに顔を、のぞかせていた。

“非常にキレイな水です。 何か御神水のような、ありがたみのある水ですね”

富士山の表面で消えた水が、再び姿を現した。 洞窟の冷気に触れた水は、
やがて凍りつく。 天井の亀裂からは、大量のツララが垂れ下がっていた。

この光景から、富士山の水の流れを読み解く事ができる。 富士山の表面を
覆う溶岩は、幾層にも重なっている。 この隙間が、水の通り道だ。

一部の水が溶岩の亀裂に入り込み、洞窟から顔を出したのだ。氷に覆われた
大空間。 およそ500トンの氷があるという。

溶岩洞窟は、氷に姿を変えた、水の一大貯蔵庫だった!

この空間を飾る絶景がある。  “いや~、スゴイ! 見事ですね!”  まるで
筍のように地面から生える、不思議な氷の柱。 その名は氷筍(ひょうじゅん)。

一滴の水が落ちる度に氷になって高さを増し、やがて2メートル近くに成長する。
透き通った美しい輝き。 不純物が、極めて少ない事を物語る。

暗闇の中で耳を澄ますと、滴の歌が聞こえる。 旅の途中で、洞窟にたどり
着いた水。 しかし、休息の時は、長くは続かない。

夏が近付き、洞窟内の温度が上がるのが、再出発の合図だ。 解けた氷は、
下へと流れ出す。

調査隊員 “これ以上、奥に行くのは、ちょっと難しいしいですね…”

Q: 水の流れ的には、どんな流れですか?
“水の流れ… 緩やかに奥の方に流れてる様子が、見えます?”

Q: 緩やかに奥に流れてる?  “はい”

再び動き出した水は、洞窟の奥に姿を消した。 水は、どこに向かうのか?
青木ヶ原樹海の、なだらかな斜面を下ると、その先に大きな湖が現れる。

本栖湖(もとすこ)だ。 水面に逆さ富士を映す神秘的な湖は、富士山の代表的
な景観として、紙幣にも描かれている。

湖の岸辺には、ゴツゴツとした溶岩が突き出している。 1000年以上前の
大噴火の際、溶岩は本栖湖の中にまで流れ込んでいた。もし、溶岩流が水の
通り道ならば、湧水が出ている可能性がある。

“すいません。 あそこの溶岩流の切れ間の所へ、向かって下さいますか?
自分の勘から言うと、そこら辺に、傾斜の変換点がありそうな気が…”

この本栖湖で、未知の湖底湧水を探す調査が始まった。 本栖湖の水深は、
122メートル。 溶岩を手がかりに、湖底湧水を探す事にした。

しかし、広大な湖で湧き出し口を探し出す事は、容易ではない。 溶岩流の
先端近くに、さしかかった時だった。 かすかな水の揺らぎに、目が留まった。

湖底湧水だ。 この水は、本当に富士山から、やって来たのだろうか?
茨城県つくば市にある、産業技術総合研究所。

研究室に戻った博士は、本栖湖で採取した水の分析に取りかかった。 近年、
水が、どこから来たのかを突き止める研究手法が、急速に進歩している。

手がかりとなるのは、同位体。 水の分子には、僅かの差で、重いものと軽い
ものがある。 これを同位体と呼ぶ。 重い水分子を多く含む雨や雪は、標高
の低い所に降る。 一方、軽い水分子を多く含む場合は、より高い所に降る。

同位体を調べる事で、水が、どの高さからやって来たのか?突き止める事が
できるのだ。 同位体が示した水源は、標高1300メートル。