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意外と知られていない鳥たちの人間と同じような言葉を発する能力
2021年07月21日 (水) | 編集 |
FC2トラックバックテーマ:「最近発見したことは?」
今回は、鳥たちの言葉を学ぶ、鳥語講座のお時間です。 明日から、すぐに
使える便利な表現満載で、お届けします。 では、始めて行きましょう!

ちょっと、待った! いや~、鳥に言葉なんて無いでしょう?

それが、あるのですよ!  最新の研究から、これまで、ただ鳴いているだけ
だと思われて来た鳥の声に、なんと、私たち人間の言葉と同じように単語や、
文章まである事が分かって来たのです。

え~? 本当ですか? こんなにカワイイ鳥たちに、そんな能力があるなんて
ちょっと信じられませんけど~?  更に今回は、研究の最前線にも密着!

鳥の子供たちが言葉を学ぶ学校がある事や、森の動物たちが鳥の言葉を、
ちゃっかり利用している事も分かって来たのです。

では、早速、鳥語講座、レッスン開始です!

冬の長野県・軽井沢です。森に入ると早速、鳥たちの声が聞こえて来ました。

ほら、小鳥の群れが移動して行きますよ。 こちらは、シジュウカラ。

胸のネクタイ模様が特徴の、スズメほどの大きさの小鳥です。

近くに他の鳥の姿も。 ヤマガラです。 鮮やかなオレンジ色がキレイですね。

こちらは、コガラ。 黒い帽子をかぶったような模様が特徴です。 これらは、
カラ類と呼ばれる、日本各地の森に暮らす野鳥たち。

秋から冬の間、こうして複数の種が集まり、混群(こんぐん)という大きな群れを
作る事があります。 カラ類の混群は、いろいろな種の群れが集まったもの。

それぞれ同じ種だけの群れを持ちながら、生息域の重なる場所で混群となり
行動を共にするのです。

メンバーは、シジュウカラ、ヤマガラ、コガラ、ヒガラなどのカラ類を中心に、
生息域が近いゴジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラなども加わり、30羽以上の
大きな群れになる事もあります。

最近この混群の鳥たちが言葉を使って綿密なコミュニケーションを取っている
事が分かって来たのです。

確かに、観察していると… 常に、色んな声を出しています。 でも、ただ鳴いて
いるだけにしか見えませんよね? そこで、この方の出番です!

京都大学白眉センターの博士。 15年以上、鳥の声に耳を傾け続け、その
言葉の意味を、次々に解明して来ました。

その研究の成果は、中学校の国語の教科書にまで掲載されるほど。 世界も
大注目の鳥語博士なのです!

“本当に色んな声を鳥たちは持っている。 その1つ1つに意味がちゃんとある。
それを研究して解き明かして行く事で、鳥の言葉が分かるようになる”

Q: 私たちにも分かりますか?   A: はい、分かります。

①鳥語講座の基礎単語編
まずは、混群で最もよく耳にする言葉から、学んで行きましょう!

“今、こっちに来たのがコガラという鳥で、 ディーディーディーと鳴きました”

* レッスン-1 *  コガラの言葉、ディーディーディー
どういう意味なのか? 使い方を、見てみましょう。  ディーディーディー。

コガラが移動して行きます。 すると、シジュウカラも。 そして、ヤマガラも。

コガラのディーディーディーを聞いて、その後を追いかけて行きます。

コガラがやって来たのは、松の木。 松ぼっくりの中のタネを食べています。

他の鳥たちも、コガラを追って松の木に。 皆、タネを食べ始めました。

コガラのディーディーディーを合図に、皆、同じ場所で食事を開始。

つまり、この、ディーディーディーの意味は?

“集まれという意味で、エサを見つけた時に、仲間のコガラ・シジュウカラ・ヤマ
ガラなどを呼ぶ時の声です”  そう、ディーディーディーの意味は、集まれ!

混群では、こうして誰かが食べ物を見つけると、皆で、知らせ合うのです。

コガラのディーディーディー。 では、練習してみましょう!

はい! …え? ちょっと待った! いや、ディーディーディーが集まれという
意味なのは分かりましたよ。

でも、なんで混群の鳥たちは、わざわざ他の鳥たちと群れるのですか?

実は冬は、色んな種が集まった方が、何かと便利なのですよ! どういう事?

冬は、森の食べ物が少なくなる季節。 鳥たちが食べ物を探すのは、簡単では
ありません。 でも混群だと、高い木の上で暮らすものや地面近くで暮らすもの
など、異なる場所で食べ物を探す鳥たちが一緒になります。

そうした、得意分野が違う鳥たちと、食べ物の場所を教え合えば、効率的に
見つけられるのです。

それに、木々の葉が落ちる冬は、天敵からも見つかりやすくなります。

そんな時、色んな場所に別の種の仲間がいれば、天敵にも早く気付く事が
出来ます。 混群は、厳しい冬を生き抜くための小鳥たちの作戦なのですよ!

混群の中での情報交換に欠かせないのが言葉なのですが、実は、鳥たちに
共通の言葉があるわけではありません。

例えば、集まれという言葉、シジュウカラでは… ヂヂヂヂ で、集まれという
意味になります。 ヤマガラだと、ニーニーニー。 ゴシュウカラだと、フィフィフィ。

種が違うもの同士、お互いの鳴き声の意味を理解し合う事で、混群の中で
会話が成り立っているのですよ!

人間で例えるなら、色んな国の人が集まり、それぞれの言葉で話すけれど、
皆、お互いの言葉を理解している、そんな状況なのです。

なるほど! 混群の鳥たちはバイリンガルどころか、鳥だけにトリリンガル以上
て、事なのですな!

②鳥語講座の基礎単語編
さあ、続いての基礎単語です。こちらも、小鳥たちの混群の必須表現を、ぜひ
マスターして下さい。

* レッスン-2 *  シジュウカラの言葉、ヒーヒーヒー
どういう意味なのか? 使い方を、見てみましょう。  ヒーヒーヒー。

木の周りに鳥たちが集まっています。そこへ、シジュウカラの声が響きました。

すると鳥たちが何やら慌ただしく飛び回っています。 もう1度、見てみましょう。

よく見ると、ヒーヒーヒーを聞いた鳥たちが、木立の裏に逃げ込んでいます。

この、ヒーヒーヒーの意味は、 カタが来た!

天敵のタカの襲来を伝える言葉だったのです。 このヒーヒーヒーには、絶大な
力があります。

群れの誰かが、この言葉を発すると… 周りの仲間たちも、即座に同じ意味を
持つ声で反応します。

こうして、群れ全体で鳴き交わし、互いにタカの存在を知らせ合うのです。

タカの仲間は、森の小鳥たちにとって、最も怖い天敵!

その為この声を聞いた鳥達は大慌て! 地面にいたものは近くの藪の中へ!

木の幹にいるものは動きを止め、上空を確認! 皆が安全を確保するのです。

更に、博士の研究から、このタカが来た!という言葉には、種を超えた共通点
がある事が分かって来ました。 3種の鳥たちの声を、聞き比べてみましょう。

シジュウカラのヒーヒーヒー!  コガラのヒヒヒヒ!  ヤマガラのスィスィスィ!
実は、皆、似た周波数帯の声を使っているのです。

“タカなどに聞き取りにくい、7キロヘルツくらいの周波数帯で鳴くのです。
けれども、小鳥たちには、お互いに聞こえる”

言葉を使うだけではなく、緊急事態には敵に聞こえないよう工夫するなんて、
鳥の鳴き声に、こんな秘密があったとは驚きです!

③鳥語講座の文章編
続いては、少しレベルが上がって、文章編です。実は、鳥の言葉には、単語を
組み合わせる文章もあります。

文章を操る事は、人間以外には見つかっていない高度な能力だといいます。

一体、どんな文章なのか? 博士と、実験で見て行きましょう!

用意したのは、モズ(鳥)のはく製。 モズは、小鳥を襲う事もある危険な相手
です。 はく製を群れの近くに置いて、小鳥たちの反応を見ます。

すぐに、けたたましい声を上げて、シジュウカラが、やって来ました。

ピーツピ ヂヂヂヂ。  この鳴き声こそ、文章なのです。

警戒しろ!という意味のピーツピと、集まれ!という意味のヂヂヂヂ。

2つの単語が組み合わさっています。 これで、警戒しながら、集まれ!という
意味を伝えているのです。 シジュウカラが鳴き声を上げた直後。

キョロキョロと警戒しながら、別のシジュウカラがやって来ました。 更に、ヤマ
ガラやコガラなど、混群の仲間も集まって来ました。

そして、モズに接近! 羽を素早く動かす事で俊敏さを見せつけ、追っても
捕まらないぞ!と、アピールしているのです。

混群の総力を結集し、モズに威嚇を繰り返します。 こうした行動は、単語では
なく、文章で伝えないと出来ません。

集まれと言うだけだと、天敵に気が付かず、襲われてしまうかも知れません。

逆に、警戒しろ!だけだと、団結するために集まる事は出来ません。

文章を使い、警戒と協力を同時に促す事で、1羽では、かなわない敵にも、
立ち向かう事が出来るというわけです。

鳥たちの泣き声に、こんなに色んな意味があったとは鳥を見る目が変わって
しまいそうですね!

次は、鉄の結束を誇っていた混群に、争い勃発? 最新研究から見えてきた
言葉の意外な使い方と、種を超えたつながり。 鳥語講座応用編です!