2021年07月13日 (火) | 編集 |
FC2トラックバックテーマ:「最近発見したことは?」
人類が登場する以前、地球を支配していたのは、巨大な動物でした。
バスの長さほどもある、ヘビ。 “本当に、驚きの生物です”
人を丸飲みできるアゴを持つ、海の殺し屋。
“自動車でも、かみ切る事ができたでしょう。”
地球の歴史上、最も巨大な動物とは、一体、何でしょうか?
最先端の科学と、最新の研究に基づき、水の世界の巨大動物トップ5を、明ら
かにします。 最大の海鳥。 巨大なヘビ。 最大の肉食性は虫類。 周囲の
ものが全て小さく見えるサメ。 そして地球の海に生息した史上最大の動物。
水中を泳ぎ、海の上を飛んだ巨大な動物とは?
ティタノボアは、史上最大のヘビでした。 その全長は、ペラゴルニスが翼を
広げた長さの、ほぼ2倍。
しかし、この大蛇を超える、更に恐ろしい巨大動物が存在していたのです。
巨大なカメと、巨大なワニが合体したかのような肉食性、は虫類。
この怪物は、全長およそ14メートル。 1億年前の海を支配していました。
その繁栄の秘密は、何だったのでしょうか?
2003年、この巨大動物についての新たな証拠が、イギリスで発見されました。
イギリス・ドーセット州のジュラシックコーストは、化石が豊富に眠る場所として
有名です。 化石収集家は、40年以上も、この地を訪れています。
“まず、化石化した木のようなものを、3つ見つけました。まだ、他にもあるはず
だと興奮して、次に見つけたのは、崖から突き出した大きな骨でした”
“まるで、そこに隕石が落下して来たかのようでした” 崖に埋もれていた
数十個の化石を組み立てると、息をのむようなものが現れました。
これまでに発見された中で、最も完全な、プリオサウルスの頭の骨です。
“珍しい化石を発見すると、発見者の名前が付けられます”
“私は、あの化石を見つけた男として、歴史に名前が残るのです。 それも、
海のライオンとでも言うべき動物にです” (プリオサウルス・ケヴァニ)
古脊椎動物学者2は、このような太古の動物の専門家です。 “プリオサウルスは
巨大な殺りくマシンであり、食物連鎖の頂点に君臨していました。 行く手に
あるモノ全てを圧倒する、巨大で力の強い動物でした。 すごい生き物です”
現在、分かっている最大のプリオサウルスは、ヒレだけで2.7メートルありました。
プリオサウルスの全長は、13.7メートル。 体重は、およそ50トン。
小型自動車44台分に匹敵します。 現存する動物で最も、かむ力が強いのは
イリエワニで、その力は、1.8トン。 しかし、プリオサウルスのかむ力は、その
10倍! まさに、海のティラノサウルスでした。
“プリオサウルスは、待ち伏せ型の捕食者で、ワニのように突然、襲いかかり
ました。狙いを定めたら、大きな歯がズラリと並んだ口で、どんな相手でも必ず
しとめる事が出来たでしょう”
“まずは、前方に並んだ大きな歯で、獲物に、かみつきます。 そして後方に
並ぶ歯で捕まえた獲物をかみ砕きます。更に奥の歯は、後ろに曲がっていて
獲物は、ここまで来たら決して逃れる事はできません”
しかし、ここで疑問が生じます。 全長が、およそ14メートルもある巨大動物が
どうやって動きの速い獲物に追いつき、捕らえたのでしょうか? その秘密は
ボートほどもある、4つのヒレにありました。
現在、プリオサウルスのヒレに1番近いものを有する動物は、ペンギンです。
恐ろしさのカケラも感じられない姿ですが、水中に入ると最高時速30キロ以上
ものスピードで泳ぎ回ります。 生体力学者2は、ペンギンが、なぜ、それほど
までに速いスピードで泳げるのかを研究しています。
まずは、特殊なカメラで、水中での動きを撮影します。
“このカメラなら、1秒間に最大で、1万2000フレームの撮影が出来ます”
これによって、ヒレ状の翼の動きを、詳しく観察できます。
映像から、ペンギンはヒレを鳥のように、羽ばたかせているのが分かります。
つまり、泳いでいると言うよりも、水中を飛んでいるのです。
しかもペンギンの羽ばたきは、ヒレを上げる時と下げる時の両方で、前方への
推進力を得られます。 これは、ほとんどの空飛ぶ鳥には出来ない事です。
プリオサウルスには、そんなヒレが4つもありました。 しかも巨大なサイズです。
こうした証拠、全てがプリオサウルスが海における、最速かつ、最大の捕食者
の一種であった事を示しているのです。
航空宇宙工学者が、化石のX線写真を基に、プリオサウルスのヒレを再現しま
した。 彼は、それを、翼と呼んでいます。
“獲物を捕らえるためには、速く泳ぐ必要があります。 そのために必要なのは
高い推進力です”
航空宇宙工学者は、水槽の中に翼を吊るし、前後の翼が、どのように動いて
プリオサウルスを前進させたのかを調べました。
赤と青の染料を見ると、それぞれの翼の動きが分かります。
2枚の翼に、さまざまな動きをさせた結果、ある特定の動きが、後ろの翼に
大きな効果を及ぼす事が分かりました。
“後ろの翼は単独で動くよりも、前の翼の動きに合わせる事で、推進力が
およそ50%高まる事が分かりました”
前の翼が作り出す流れを利用する事で、翼が1対の場合に比べ、2.5倍の
推進力を生み出す事ができます。
これによってプリオサウルスは、一気に加速する事ができました。
1度、狙われた獲物は、逃げ切れなかった事でしょう。
プリオサウルスは、恐ろしい怪物でした。 しかし、まだ、上には上がいます。
続いては、史上最大の大きさを誇る、捕食動物の登場です。
1600万年前から300万年前まで、地球の海は史上最大のサメ、メガロドンの
天下でした。 メガロドンとは、大きな歯という意味です。
“メガロドンに狙われたら、逃れる事はできません”
この巨大動物は、多くの謎に包まれています。 しかし中央アメリカのパナマで
新たな手がかりが見つかりました。 場所は、セメント原料の採掘場です。
ここでは巨大な掘削機が、古代の海岸線だった場所を、掘り返しています。
“今から1万年前、この地域は水に覆われていました。 例えば、浅瀬だった
場所で見られる、こういった貝の化石が、たくさん見つかる事でも分かります”
古生物学者4は、ここでメガロドンの歯を発見しましたが、奇妙な点が見られ
ました。 “ここで見つかる歯は、他の場所で見つかったものに比べると、
とても小さいのです。 それでもメガロドンに特徴的な形です”
“三角形で左右対称、縁に細かいギザギザが、ついています”
では、なぜ、見つかった歯は、小さいのでしょうか?
“赤ん坊か、子供だったという事です”
つまり、ここが、かつてメガロドンの繁殖地だった事を示しているのです。
“こんな場所が見つかったのは、初めてです”
それでも、メガロドンの大きさは、驚異的なものでした。 赤ん坊の小さな歯
でさえ、現代のホオジロザメと、ほぼ同じサイズだったのです。
“メガロドンの赤ん坊の歯と、ホオジロザメの大人の歯です”
“どちらも、ほとんど大きさが変わりません。 つまりメガロドンは、生まれた
ばかりでも、全長2メートル近くあったという事です。 ものすごい大きさです”
ただしメガロドンの大きさは、全て、歯の大きさを基に推定されたものです。
大きさに限らず、メガロドンについての知識は、ほとんどが歯を手がかりにして
解明されて来ました。
“メガロドンの骨格は、軟骨で出来ています。軟骨は、死後、分解されてしまい
後に残りません。しかし歯は残るので、それを基にメガロドンのアゴが、どんな
ものだったかを再現する事ができます”
そこから、メガロドンの巨大さが明らかになりました。 頭部だけでも、最大で
2.1メートルあり、人1人を簡単に飲み込めます。
体重は、およそ100トン。 平均的なホオジロザメの100倍にもなります。
全長は、18.3メートル。 アゴには最大で250本もの歯が、何列かに分かれて
並び、歯の縁は、ステーキナイフのようにギザギザです。
“非常に強力な歯です。 アゴの筋肉も大変なもので、口を閉じれば、当時、
生息していた、どんな動物も、簡単に、かみ切れたでしょう”
獲物が、どんな目に遭ったかを物語る、証拠も見つかっています。
“サイズと形から、これはイルカの尾の椎骨である事が分かります。 尾びれの
すぐ側の骨です。 両側に、深い溝ができています”
“こんな傷ができたのは、メガロドンに思いっきりかまれたため、だとしか考え
られません。 メガロドンの実際の歯を使ってみます”
“アゴが閉じられると、椎骨は歯と歯の間のV字型の部分に押し込められます。
これが、深い溝の正体です。 これによって尾は、切断された事でしょう”
メガロドンがかむ力は、正確に、どれくらいだったのでしょうか?
それを計算した人物がいます。 生体力学者3です。
まずは、現存するホオジロザメのデータとの比較です。
“ホオジロザメの頭部をCTスキャンして、コンピューターモデルを作ります”
“このアゴのモデルに、筋肉のモデルをつけて、どれくらい強く、かめるかを
シミュレーションします。 記録に残る最大級のホオジロザメで計算した場合、
口の奥の方で、かむ力は1800キログラムを超えました”
その計算式を、メガロドンに当てはめてみました。
“実在したと考えられる史上最大のメガロドンに、これを当てはめると、かむ
力は、1万8500キログラムを超える値になります”
ホオジロザメの10倍以上。 まさしく、桁外れの力です。 それほどの力が
実際に加わったら、どんな事が起きるのでしょうか?
それを知るため、生体力学者3は、ある場所に赴きました。 消防隊と合流し、
彼らの訓練場に向かいます。 事故で潰れた車を切り開き、中から人を助け
出す道具を使った実験を行います。
この道具は、メガロドンのアゴと同じくらいの力を発揮します。
‘軽くて、扱いやすくなっています’ “先の部分に、そんなすごい力があるの
ですか?” ‘はい。これを使えば、自動車の車体でも難なく切り開く事がで
きます’ “メガロドンの代役にピッタリですね。では、早速、見せて下さい”
最初の実験台は、ウシの骨。 メガロドンが実際に、かみ砕いていた獲物に
近いものです。 ‘いきますよ’ “簡単に真っ二つになった…”
次は、車です。 この道具は、メガロドンと、ほぼ同じ力を発揮できますが、
動きは、かなり遅めです。
メガロドンなら、ほんの一瞬で自動車も、かみ切る事が出来たでしょう。
“この実験からメガロドンは、クジラでもウミガメでも自動車でも、ズタズタに
出来た事が分かります”
“メガロドンは史上最大の捕食動物であり、かむ力においても史上最強でした”
人類が登場する以前、地球を支配していたのは、巨大な動物でした。
バスの長さほどもある、ヘビ。 “本当に、驚きの生物です”
人を丸飲みできるアゴを持つ、海の殺し屋。
“自動車でも、かみ切る事ができたでしょう。”
地球の歴史上、最も巨大な動物とは、一体、何でしょうか?
最先端の科学と、最新の研究に基づき、水の世界の巨大動物トップ5を、明ら
かにします。 最大の海鳥。 巨大なヘビ。 最大の肉食性は虫類。 周囲の
ものが全て小さく見えるサメ。 そして地球の海に生息した史上最大の動物。
水中を泳ぎ、海の上を飛んだ巨大な動物とは?
ティタノボアは、史上最大のヘビでした。 その全長は、ペラゴルニスが翼を
広げた長さの、ほぼ2倍。
しかし、この大蛇を超える、更に恐ろしい巨大動物が存在していたのです。
巨大なカメと、巨大なワニが合体したかのような肉食性、は虫類。
この怪物は、全長およそ14メートル。 1億年前の海を支配していました。
その繁栄の秘密は、何だったのでしょうか?
2003年、この巨大動物についての新たな証拠が、イギリスで発見されました。
イギリス・ドーセット州のジュラシックコーストは、化石が豊富に眠る場所として
有名です。 化石収集家は、40年以上も、この地を訪れています。
“まず、化石化した木のようなものを、3つ見つけました。まだ、他にもあるはず
だと興奮して、次に見つけたのは、崖から突き出した大きな骨でした”
“まるで、そこに隕石が落下して来たかのようでした” 崖に埋もれていた
数十個の化石を組み立てると、息をのむようなものが現れました。
これまでに発見された中で、最も完全な、プリオサウルスの頭の骨です。
“珍しい化石を発見すると、発見者の名前が付けられます”
“私は、あの化石を見つけた男として、歴史に名前が残るのです。 それも、
海のライオンとでも言うべき動物にです” (プリオサウルス・ケヴァニ)
古脊椎動物学者2は、このような太古の動物の専門家です。 “プリオサウルスは
巨大な殺りくマシンであり、食物連鎖の頂点に君臨していました。 行く手に
あるモノ全てを圧倒する、巨大で力の強い動物でした。 すごい生き物です”
現在、分かっている最大のプリオサウルスは、ヒレだけで2.7メートルありました。
プリオサウルスの全長は、13.7メートル。 体重は、およそ50トン。
小型自動車44台分に匹敵します。 現存する動物で最も、かむ力が強いのは
イリエワニで、その力は、1.8トン。 しかし、プリオサウルスのかむ力は、その
10倍! まさに、海のティラノサウルスでした。
“プリオサウルスは、待ち伏せ型の捕食者で、ワニのように突然、襲いかかり
ました。狙いを定めたら、大きな歯がズラリと並んだ口で、どんな相手でも必ず
しとめる事が出来たでしょう”
“まずは、前方に並んだ大きな歯で、獲物に、かみつきます。 そして後方に
並ぶ歯で捕まえた獲物をかみ砕きます。更に奥の歯は、後ろに曲がっていて
獲物は、ここまで来たら決して逃れる事はできません”
しかし、ここで疑問が生じます。 全長が、およそ14メートルもある巨大動物が
どうやって動きの速い獲物に追いつき、捕らえたのでしょうか? その秘密は
ボートほどもある、4つのヒレにありました。
現在、プリオサウルスのヒレに1番近いものを有する動物は、ペンギンです。
恐ろしさのカケラも感じられない姿ですが、水中に入ると最高時速30キロ以上
ものスピードで泳ぎ回ります。 生体力学者2は、ペンギンが、なぜ、それほど
までに速いスピードで泳げるのかを研究しています。
まずは、特殊なカメラで、水中での動きを撮影します。
“このカメラなら、1秒間に最大で、1万2000フレームの撮影が出来ます”
これによって、ヒレ状の翼の動きを、詳しく観察できます。
映像から、ペンギンはヒレを鳥のように、羽ばたかせているのが分かります。
つまり、泳いでいると言うよりも、水中を飛んでいるのです。
しかもペンギンの羽ばたきは、ヒレを上げる時と下げる時の両方で、前方への
推進力を得られます。 これは、ほとんどの空飛ぶ鳥には出来ない事です。
プリオサウルスには、そんなヒレが4つもありました。 しかも巨大なサイズです。
こうした証拠、全てがプリオサウルスが海における、最速かつ、最大の捕食者
の一種であった事を示しているのです。
航空宇宙工学者が、化石のX線写真を基に、プリオサウルスのヒレを再現しま
した。 彼は、それを、翼と呼んでいます。
“獲物を捕らえるためには、速く泳ぐ必要があります。 そのために必要なのは
高い推進力です”
航空宇宙工学者は、水槽の中に翼を吊るし、前後の翼が、どのように動いて
プリオサウルスを前進させたのかを調べました。
赤と青の染料を見ると、それぞれの翼の動きが分かります。
2枚の翼に、さまざまな動きをさせた結果、ある特定の動きが、後ろの翼に
大きな効果を及ぼす事が分かりました。
“後ろの翼は単独で動くよりも、前の翼の動きに合わせる事で、推進力が
およそ50%高まる事が分かりました”
前の翼が作り出す流れを利用する事で、翼が1対の場合に比べ、2.5倍の
推進力を生み出す事ができます。
これによってプリオサウルスは、一気に加速する事ができました。
1度、狙われた獲物は、逃げ切れなかった事でしょう。
プリオサウルスは、恐ろしい怪物でした。 しかし、まだ、上には上がいます。
続いては、史上最大の大きさを誇る、捕食動物の登場です。
1600万年前から300万年前まで、地球の海は史上最大のサメ、メガロドンの
天下でした。 メガロドンとは、大きな歯という意味です。
“メガロドンに狙われたら、逃れる事はできません”
この巨大動物は、多くの謎に包まれています。 しかし中央アメリカのパナマで
新たな手がかりが見つかりました。 場所は、セメント原料の採掘場です。
ここでは巨大な掘削機が、古代の海岸線だった場所を、掘り返しています。
“今から1万年前、この地域は水に覆われていました。 例えば、浅瀬だった
場所で見られる、こういった貝の化石が、たくさん見つかる事でも分かります”
古生物学者4は、ここでメガロドンの歯を発見しましたが、奇妙な点が見られ
ました。 “ここで見つかる歯は、他の場所で見つかったものに比べると、
とても小さいのです。 それでもメガロドンに特徴的な形です”
“三角形で左右対称、縁に細かいギザギザが、ついています”
では、なぜ、見つかった歯は、小さいのでしょうか?
“赤ん坊か、子供だったという事です”
つまり、ここが、かつてメガロドンの繁殖地だった事を示しているのです。
“こんな場所が見つかったのは、初めてです”
それでも、メガロドンの大きさは、驚異的なものでした。 赤ん坊の小さな歯
でさえ、現代のホオジロザメと、ほぼ同じサイズだったのです。
“メガロドンの赤ん坊の歯と、ホオジロザメの大人の歯です”
“どちらも、ほとんど大きさが変わりません。 つまりメガロドンは、生まれた
ばかりでも、全長2メートル近くあったという事です。 ものすごい大きさです”
ただしメガロドンの大きさは、全て、歯の大きさを基に推定されたものです。
大きさに限らず、メガロドンについての知識は、ほとんどが歯を手がかりにして
解明されて来ました。
“メガロドンの骨格は、軟骨で出来ています。軟骨は、死後、分解されてしまい
後に残りません。しかし歯は残るので、それを基にメガロドンのアゴが、どんな
ものだったかを再現する事ができます”
そこから、メガロドンの巨大さが明らかになりました。 頭部だけでも、最大で
2.1メートルあり、人1人を簡単に飲み込めます。
体重は、およそ100トン。 平均的なホオジロザメの100倍にもなります。
全長は、18.3メートル。 アゴには最大で250本もの歯が、何列かに分かれて
並び、歯の縁は、ステーキナイフのようにギザギザです。
“非常に強力な歯です。 アゴの筋肉も大変なもので、口を閉じれば、当時、
生息していた、どんな動物も、簡単に、かみ切れたでしょう”
獲物が、どんな目に遭ったかを物語る、証拠も見つかっています。
“サイズと形から、これはイルカの尾の椎骨である事が分かります。 尾びれの
すぐ側の骨です。 両側に、深い溝ができています”
“こんな傷ができたのは、メガロドンに思いっきりかまれたため、だとしか考え
られません。 メガロドンの実際の歯を使ってみます”
“アゴが閉じられると、椎骨は歯と歯の間のV字型の部分に押し込められます。
これが、深い溝の正体です。 これによって尾は、切断された事でしょう”
メガロドンがかむ力は、正確に、どれくらいだったのでしょうか?
それを計算した人物がいます。 生体力学者3です。
まずは、現存するホオジロザメのデータとの比較です。
“ホオジロザメの頭部をCTスキャンして、コンピューターモデルを作ります”
“このアゴのモデルに、筋肉のモデルをつけて、どれくらい強く、かめるかを
シミュレーションします。 記録に残る最大級のホオジロザメで計算した場合、
口の奥の方で、かむ力は1800キログラムを超えました”
その計算式を、メガロドンに当てはめてみました。
“実在したと考えられる史上最大のメガロドンに、これを当てはめると、かむ
力は、1万8500キログラムを超える値になります”
ホオジロザメの10倍以上。 まさしく、桁外れの力です。 それほどの力が
実際に加わったら、どんな事が起きるのでしょうか?
それを知るため、生体力学者3は、ある場所に赴きました。 消防隊と合流し、
彼らの訓練場に向かいます。 事故で潰れた車を切り開き、中から人を助け
出す道具を使った実験を行います。
この道具は、メガロドンのアゴと同じくらいの力を発揮します。
‘軽くて、扱いやすくなっています’ “先の部分に、そんなすごい力があるの
ですか?” ‘はい。これを使えば、自動車の車体でも難なく切り開く事がで
きます’ “メガロドンの代役にピッタリですね。では、早速、見せて下さい”
最初の実験台は、ウシの骨。 メガロドンが実際に、かみ砕いていた獲物に
近いものです。 ‘いきますよ’ “簡単に真っ二つになった…”
次は、車です。 この道具は、メガロドンと、ほぼ同じ力を発揮できますが、
動きは、かなり遅めです。
メガロドンなら、ほんの一瞬で自動車も、かみ切る事が出来たでしょう。
“この実験からメガロドンは、クジラでもウミガメでも自動車でも、ズタズタに
出来た事が分かります”
“メガロドンは史上最大の捕食動物であり、かむ力においても史上最強でした”
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