2021年06月01日 (火) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「どこでもドア、使える回数は往復3回まで!どこに行きたい?」
今、私たちの住む地球での暮らしが、劇的に変わろうとしています。
その中心にあるのは、人工知能・A I 。
恐るべきスピードで進化を遂げ、人間を超える能力に達しつつあります。
特に、目覚ましい成果を上げているのは、宇宙開発の分野です。
2017年12月には、科学者たちが見つけられなかった未知の惑星を人工知能
が発見しました。 “惑星を2つ発見した時は、興奮しました”
壮大な銀河の進化の仕組みを解明したり…。
小惑星の危機から回避したりする研究も、行われています。
“人工知能は、人間の判断が難しい局面を、助ける事になるでしょう”
人工知能は、宇宙開発を、どのように変えようとしているのか?
その最前線に迫ります。
私たちが暮らす地球。 それを脅かす宇宙からの危機に対しても、人工知能が
活躍しようとしています。 その瞬間は、いつ訪れても、おかしくありません。
小惑星の地球への衝突です。 痕跡は巨大なクレーターとなって世界各地に
残されています。 現在、確認されているたけで、170カ所以上。
ひとたび衝突が起きれば、甚大な被害となります。
記憶に新しい天体衝突といえば、2013年2月15日に小惑星の一部が、ロシア
チェリャビンスク近郊に落下。
およそ1500人がケガをし、多くの建物が被害を受けました。
この事件を切欠に人工知能を使って小惑星の危機に立ち向かうプロジェクトが
2016年に発足しました。
FDL のプロデューサーは、言う。 “ここは、NASAエイムズ研究所”
“フロンティア・デベロップメント・ラボ FDL のチームがいます”
“今日は、こちらの部屋で活動しているのですよ”
小惑星の危機に対処すべく結成された、FDL 。世界から優秀な若手研究者を
集め、新たな人工知能の開発を進めようとしています。
NASA FDL の代表は、言う。 “ロシアの天体衝突は、衝撃的でした”
“この大きな悲劇をNASAは察知できず、的外れの方向を見ていました。小惑
星が接近したら、対処するつもりでしたが、誰も気付く事はできませんでした”
“それでNASAは、小惑星の地球への直撃に対して強い危機感を持ちました”
なぜ、ロシアの天体衝突が、事前に分からなかったのか?
理由は、そうした可能性のある小惑星が、膨大にある事です。
火星と木星の間にある小惑星帯だけで、実に、数十万個に及びます。
その1つが、地球に飛来したとしても、形や大きさ、軌道などの詳細なデータが
分からないのが実情です。
“小惑星の軌道を変えるには、形や回転軸を正確に知り、小惑星の中心に
力を加えなければなりません”
小惑星の形が分かれば、その後の軌道も明らかになり対策も立てられます。
小惑星の形を正確に知る事が、地球防衛の第1歩なのです。
FDLのメンバーの1人で、小惑星の形を分析するスペシャリストは、言う。
“小惑星は、大きくても500キロほどしかないため、重力がとても弱く、球体に
なる事ができません。 その代わり、このような形になります”
“見て下さい。 アヒルの形に似ていますよね”
“2つの岩が重なって、不安定な形に見えますが、崩れる事はありません”
小惑星の形を特定するために使われるのが、レーダーです。
レーダーから発信した電波を小惑星にあて、反射して返って来る電波を調べると
小惑星の表面の凸凹が分かります。
それを繰り返す事で、地球から見た小惑星の画像を得られます。
レーダーが捉えた、ある小惑星です。 刻々と、形が変わって見えます。
続けて見ると、小惑星が、回転している事が分かります。
これまでは、そうした画像から人の手で小惑星の3Dモデルを作っていました。
そのため、危険な小惑星を見つけてから、正確な形が分かるまでに、数カ月
必要でした。 突然の脅威に対処するには、時間がかかり過ぎていました。
“更に問題なのは、地球の近くにある小惑星が、およそ2万個もあるという事
です。 その内、レーダーで観測できている小惑星は、数百個。 しかも、その
ほとんどは、3Dモデルがありません。 完成しているのは、40個ほどです”
“3Dモデルを、できるだけ早く作るには、人工知能を活用する必要があると
考えました”
小惑星の99%以上が、正確な形すら分かっていない、危機的状況。
打開するために、呼び寄せられたのは、人工知能のエキスパートです。
“人工知能を使うにあたって1番の課題は小惑星のサンプルデータが不足して
いる事でした。そこで、まずパソコン上で、小惑星の3Dモデルを作る事にしました”
人工知能のエキスパートが作った3Dモデルは、実に数百万個に及びました。
“これらは全て、シミュレーションで作ったもので、実在する小惑星ではありま
せん。 小惑星の形を人工知能に学習させるために、必要だったのです”
更に、3Dモデルがレーダーで観測された場合、どのように見えるのか?その
画像も作りました。
これらの画像や3Dモデルをもとに、小惑星の形を特定して行きます。
そのプロセスを見て行きましょう。 実際のレーダー画像から分析を始めます。
まず、画像のノイズなどを取り除いて行きます。
それを、3Dモデルのレーダー画像と比べます。
似た形のものが見つかりました。 画像のもととなった3Dモデルが、こちら。
人工知能は、この3Dモデルが、本物の小惑星に近い形だと判断します。
最後に、実際の大きさなどの情報を加え、微調整。
小惑星の形を特定して行くのです。
小惑星の形を分析するスペシャリストは、言う。 “人工知能を使うと、
レーダー画像から小惑星の形が、僅か数秒で特定できるようになります”
“人間が手間をかけてやって来た従来の方法は、何日もかかっていました”
“それと比べると、大幅な時間短縮になります”
この方法が確立すれば、地球に接近する小惑星が、突然、見つかっても、
すぐに正確な形が分かります。
次の課題は、衝突の危機から逃れるために、最も有効な対策を打ち出すこと
です。 そこでも、人工知能を活用しようとしています。
NASA FDL の代表は、言う。 “地球に向かって来る危険な小惑星を発見
した場合、どのように対処するのか? その事を考える時間は余りありません”
“特に大きなものなら、形を正確に特定し、どこに落ちるかを把握する必要が
あります。 そして最終的には、どうやって軌道を変えるのか?決断しなくては
なりません”
小惑星の軌道を変える方法として、人工知能が検討したのは、次の3つです。
第1の方法は重力けん引。 小惑星の近くに無人の宇宙船を送り込み、重力に
よって引き寄せ軌道を変えて行きます。 リスクが1番少ないのが利点ですが
場合によっては、10年もの時間がかかってしまいます。
第2の方法は、宇宙船衝突。 宇宙船を小惑星にぶつけて、軌道を変える
方法です。 そして第3は、核ミサイル。 小惑星を爆破する方法です。
地球への影響も大きく、できれば避けたい選択肢です。
小惑星の大きさや衝突までの時間等、80万通りの状況を想定し、人工知能に
検討させると、次のような結果になりました。
縦軸は、小惑星の大きさ。 横軸は、地球に到達するまでの残り時間です。
青いところが、成功する確率が高い事を示しています。
重力で軌道を変える方法は、小惑星の大きさが100メートル以下で、残り時間が
数年以上あれば使えそうです。 小惑星が300メートルまでの大きさであれば
宇宙船衝突は有力な選択肢となります。
爆破は最終手段ですが、どの状況でも、高い成功確率が示されました。
“重要なのは小惑星の大きさ、衝突までの時間の違いで、最適な対策を選ぶ
必要があるという事です。 人工知能によって、それが明らかになりました”
“さまざまな要因が絡んだ、複雑な状況で、人間では、すぐに判断を下せない
ような時、これからは人工知能が人間の意思決定を助けてくれるようになると
思います”
人工知能で地球を守るプロジェクトは、更に、本格化して行く予定です。
人類の運命を決める選択にも人工知能が大きく関わる日が近付いています。
この後は、宇宙で活躍する人工知能ロボット。 開発の最前線に迫りました。
今、私たちの住む地球での暮らしが、劇的に変わろうとしています。
その中心にあるのは、人工知能・A I 。
恐るべきスピードで進化を遂げ、人間を超える能力に達しつつあります。
特に、目覚ましい成果を上げているのは、宇宙開発の分野です。
2017年12月には、科学者たちが見つけられなかった未知の惑星を人工知能
が発見しました。 “惑星を2つ発見した時は、興奮しました”
壮大な銀河の進化の仕組みを解明したり…。
小惑星の危機から回避したりする研究も、行われています。
“人工知能は、人間の判断が難しい局面を、助ける事になるでしょう”
人工知能は、宇宙開発を、どのように変えようとしているのか?
その最前線に迫ります。
私たちが暮らす地球。 それを脅かす宇宙からの危機に対しても、人工知能が
活躍しようとしています。 その瞬間は、いつ訪れても、おかしくありません。
小惑星の地球への衝突です。 痕跡は巨大なクレーターとなって世界各地に
残されています。 現在、確認されているたけで、170カ所以上。
ひとたび衝突が起きれば、甚大な被害となります。
記憶に新しい天体衝突といえば、2013年2月15日に小惑星の一部が、ロシア
チェリャビンスク近郊に落下。
およそ1500人がケガをし、多くの建物が被害を受けました。
この事件を切欠に人工知能を使って小惑星の危機に立ち向かうプロジェクトが
2016年に発足しました。
FDL のプロデューサーは、言う。 “ここは、NASAエイムズ研究所”
“フロンティア・デベロップメント・ラボ FDL のチームがいます”
“今日は、こちらの部屋で活動しているのですよ”
小惑星の危機に対処すべく結成された、FDL 。世界から優秀な若手研究者を
集め、新たな人工知能の開発を進めようとしています。
NASA FDL の代表は、言う。 “ロシアの天体衝突は、衝撃的でした”
“この大きな悲劇をNASAは察知できず、的外れの方向を見ていました。小惑
星が接近したら、対処するつもりでしたが、誰も気付く事はできませんでした”
“それでNASAは、小惑星の地球への直撃に対して強い危機感を持ちました”
なぜ、ロシアの天体衝突が、事前に分からなかったのか?
理由は、そうした可能性のある小惑星が、膨大にある事です。
火星と木星の間にある小惑星帯だけで、実に、数十万個に及びます。
その1つが、地球に飛来したとしても、形や大きさ、軌道などの詳細なデータが
分からないのが実情です。
“小惑星の軌道を変えるには、形や回転軸を正確に知り、小惑星の中心に
力を加えなければなりません”
小惑星の形が分かれば、その後の軌道も明らかになり対策も立てられます。
小惑星の形を正確に知る事が、地球防衛の第1歩なのです。
FDLのメンバーの1人で、小惑星の形を分析するスペシャリストは、言う。
“小惑星は、大きくても500キロほどしかないため、重力がとても弱く、球体に
なる事ができません。 その代わり、このような形になります”
“見て下さい。 アヒルの形に似ていますよね”
“2つの岩が重なって、不安定な形に見えますが、崩れる事はありません”
小惑星の形を特定するために使われるのが、レーダーです。
レーダーから発信した電波を小惑星にあて、反射して返って来る電波を調べると
小惑星の表面の凸凹が分かります。
それを繰り返す事で、地球から見た小惑星の画像を得られます。
レーダーが捉えた、ある小惑星です。 刻々と、形が変わって見えます。
続けて見ると、小惑星が、回転している事が分かります。
これまでは、そうした画像から人の手で小惑星の3Dモデルを作っていました。
そのため、危険な小惑星を見つけてから、正確な形が分かるまでに、数カ月
必要でした。 突然の脅威に対処するには、時間がかかり過ぎていました。
“更に問題なのは、地球の近くにある小惑星が、およそ2万個もあるという事
です。 その内、レーダーで観測できている小惑星は、数百個。 しかも、その
ほとんどは、3Dモデルがありません。 完成しているのは、40個ほどです”
“3Dモデルを、できるだけ早く作るには、人工知能を活用する必要があると
考えました”
小惑星の99%以上が、正確な形すら分かっていない、危機的状況。
打開するために、呼び寄せられたのは、人工知能のエキスパートです。
“人工知能を使うにあたって1番の課題は小惑星のサンプルデータが不足して
いる事でした。そこで、まずパソコン上で、小惑星の3Dモデルを作る事にしました”
人工知能のエキスパートが作った3Dモデルは、実に数百万個に及びました。
“これらは全て、シミュレーションで作ったもので、実在する小惑星ではありま
せん。 小惑星の形を人工知能に学習させるために、必要だったのです”
更に、3Dモデルがレーダーで観測された場合、どのように見えるのか?その
画像も作りました。
これらの画像や3Dモデルをもとに、小惑星の形を特定して行きます。
そのプロセスを見て行きましょう。 実際のレーダー画像から分析を始めます。
まず、画像のノイズなどを取り除いて行きます。
それを、3Dモデルのレーダー画像と比べます。
似た形のものが見つかりました。 画像のもととなった3Dモデルが、こちら。
人工知能は、この3Dモデルが、本物の小惑星に近い形だと判断します。
最後に、実際の大きさなどの情報を加え、微調整。
小惑星の形を特定して行くのです。
小惑星の形を分析するスペシャリストは、言う。 “人工知能を使うと、
レーダー画像から小惑星の形が、僅か数秒で特定できるようになります”
“人間が手間をかけてやって来た従来の方法は、何日もかかっていました”
“それと比べると、大幅な時間短縮になります”
この方法が確立すれば、地球に接近する小惑星が、突然、見つかっても、
すぐに正確な形が分かります。
次の課題は、衝突の危機から逃れるために、最も有効な対策を打ち出すこと
です。 そこでも、人工知能を活用しようとしています。
NASA FDL の代表は、言う。 “地球に向かって来る危険な小惑星を発見
した場合、どのように対処するのか? その事を考える時間は余りありません”
“特に大きなものなら、形を正確に特定し、どこに落ちるかを把握する必要が
あります。 そして最終的には、どうやって軌道を変えるのか?決断しなくては
なりません”
小惑星の軌道を変える方法として、人工知能が検討したのは、次の3つです。
第1の方法は重力けん引。 小惑星の近くに無人の宇宙船を送り込み、重力に
よって引き寄せ軌道を変えて行きます。 リスクが1番少ないのが利点ですが
場合によっては、10年もの時間がかかってしまいます。
第2の方法は、宇宙船衝突。 宇宙船を小惑星にぶつけて、軌道を変える
方法です。 そして第3は、核ミサイル。 小惑星を爆破する方法です。
地球への影響も大きく、できれば避けたい選択肢です。
小惑星の大きさや衝突までの時間等、80万通りの状況を想定し、人工知能に
検討させると、次のような結果になりました。
縦軸は、小惑星の大きさ。 横軸は、地球に到達するまでの残り時間です。
青いところが、成功する確率が高い事を示しています。
重力で軌道を変える方法は、小惑星の大きさが100メートル以下で、残り時間が
数年以上あれば使えそうです。 小惑星が300メートルまでの大きさであれば
宇宙船衝突は有力な選択肢となります。
爆破は最終手段ですが、どの状況でも、高い成功確率が示されました。
“重要なのは小惑星の大きさ、衝突までの時間の違いで、最適な対策を選ぶ
必要があるという事です。 人工知能によって、それが明らかになりました”
“さまざまな要因が絡んだ、複雑な状況で、人間では、すぐに判断を下せない
ような時、これからは人工知能が人間の意思決定を助けてくれるようになると
思います”
人工知能で地球を守るプロジェクトは、更に、本格化して行く予定です。
人類の運命を決める選択にも人工知能が大きく関わる日が近付いています。
この後は、宇宙で活躍する人工知能ロボット。 開発の最前線に迫りました。
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