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視覚的に証明できた人類が初めて目にしたブラックホールの姿とは?
2021年05月06日 (木) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「歴史上の人物と話せるとしたら誰がいい?」
光。 そして、近付くものは、星さえも、のみ込んでしまう、ブラックホール。

この宇宙で、最も不可思議な天体です。

その存在が語られたキッカケは、科学者の計算でした。

以来、実在すると考える人、机上の空論だと主張する人、100年にわたる
論争が続きました。 壁を打ち破ったのは、実は、日本人研究者たち。

そして2019年、ついに人類は、ブラックホールを画像として捉える事に成功
しました! (NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)

番組では10年にわたって、ブラックホールを取り上げ続けて来ました。

そして、これまでにも登場した、こちらの3人が2020年のノーベル物理学賞に
選ばれました。

銀河の中心に、巨大ブラックホールを発見した、アメリカチームのリーダー
アンドレア・ゲズさん。

“ブラックホールを証明するためには、高性能の望遠鏡を銀河の中心に向け、
ブラックホールの近くにある星を観察します”

同じく、ヨーロッパチームのリーダー、ラインハルト・ゲンツェルさん。

“ブラックホールを発見しました。 次のステップは、その役割を知る事です”

そして、もう1人。 ブラックホールの出来方を、理論的に証明した、イギリスの
ロジャー・ペンローズさん。 (理論物理学者)

“ブラックホールは形成されていくにつれ、周囲の物体をのみ込んでいきます”

“今のところ、宇宙の中で、最も不可思議な天体です”

見えない天体の正体は、どのように予言され、どこまで分かって来たので
しょうか?

ブラックホールの闇に魅せられた人々とともに驚異の天体の素顔に迫ります。

2019年4月。 天文学史上、画期的な発表が、世界で同時に行われました。

‘これは、人類が初めて目にした、ブラックホールの姿です!’

‘アインシュタインの相対性理論以来100年、ブラックホールを視覚的に証明
するものであります!’

見えないはずの天体が、初めて、その姿を浮かび上がらせました。

2011年7月、NHKでは、番組が始まった、その年から、このプロジェクトを追い
かけていました。 観測プロジェクトの代表です。

プロジェクトは、日本の国立天文台も参加して進んでいました。

“ブラックホールの姿そのものともいえる事象の地平線を見る事は、世界中の
電波望遠鏡を、つなぎ合わせる事で可能になります”

“そうする事で、地球サイズの望遠鏡に匹敵する解像度が得られるからです”

ブラックホールを捉えるためには、月面に置いたテニスボールを、地球から
見分けられるほどの能力が必要です。

“全てのシステムが完成するまで、あと5年はかかるでしょう”

“ですから2016年には、実際にブラックホールそのものの画像が撮れるはず
だと期待しています”

プロジェクトには、世界中の科学者、200人以上が参加しました。

日本のリーダーです。 (国立天文台・水沢VLBI観測所の教授)

ブラックホールの姿を、その目で見る事を、長年、夢見て来ました。

“画像の持つ意味合いというのは、ものすごい大きいですね”

“百聞は一見にしかずという、ことわざがありますが、まさに、その通りで…”

“やっぱり、ブラックホールが、本当に黒い穴であるという事を見るためには、
やっぱり、写真にする事、これが非常に重要です”

観測には、世界中の電波望遠鏡が協力します。

“まず、ハワイですね。 それから、カリフォルニア。 それから…”

“アリゾナ・ヨーロッパ・メキシコ・チリのアルマこの望遠鏡は非常に強力です”

“アルマには、私ども日本も参加しています”

ブラックホールの観測に使うのは、南極を含め、世界各地にある8つの望遠鏡
です。

それらを、つなぎ合わせる事で、地球規模の超巨大望遠鏡の性能が実現
します。 人間の視力は1.0前後ですが、この望遠鏡の視力は、なんと300万!

これで、ブラックホールを見ようというのです。

狙うのは、地球から6000万光年の距離にある M87銀河 です。

中心付近には、以前から超巨大なブラックホールが潜んでいるのではないか
と考えられて来ました。

しかし遠く離れているため、見るためには、巨大な望遠鏡が必要でした。

2017年4月。 ハワイ島のマウナケア。 ついに、プロジェクトが始まりました。

ハワイでの観測を担当する、日本のリーダー。

かなりの手応えを感じていました。

観測に使うのは、ジェームズ・クラーク・マクスウェル電波望遠鏡。

リーダーを含め、4人のスタッフが、ここで作業を担当します。

観測のコンディションは良好。 準備が進められて行きます。

そして日没。   “ 3 ・ 2 ・ 1 ・ GO!   … バッチリですね!”

こちらは南極。 ここも、雲1つありません。

観測初日は、どの観測地点も、天気に恵まれました。

そして、5日間にわたる世界同時観測は、無事に終了しました。

観測プロジェクトの代表は、少し重圧から解放されました。

“どう考えたって、これは終わりではありません。 始まりなのです”

“やる事は山積していますが、大きな一歩を踏み出せました”

観測は成功しましたが、ここから、もう1仕事、重要な作業が始まります。

日本のリーダー(国立天文台・水沢VLBI観測所の教授)は、言う。

“僕たちの望遠鏡というのは、世界各地バラバラにあって、そこでデータを1回
記録してしまうので、焦点を結んでいないのです”

“それを合成して、焦点を結ばせるという作業を、後でしなければいけない”

“これが、すごく大変な作業なのです”

8カ所に分かれて観測したため、データにはズレやバラつきがあり、そのまま
では画像は、ぼやけています。 これを鮮明にしなければならないのです。

マサチューセッツ州ケンブリッジに、プロジェクトのメンバーが集まりました。

国ごとのチームに分かれ、それぞれ別の方法でデータ分析する事で多角的に
検証する事になりました。

リーダーをはじめとする日本の研究チームも、この時のために、独自の方法を
準備して来ました。この作業の目的は精度を競い合う事ではないといいます。

“でも1番、期待している事は、違う方法でやっても大体、同じ答えになります
という… そこまで行ければ、かなり自信を持って、この結果が正しいと言える
ようになると思うので… そこを目指して、やってます”

2018年6月、国立天文台・水沢VLBI観測所。

全てのデータを、つなぎ合わせる日が来ました。

“こんなに黒い穴が、いっぱいある”

“今日は、特別ですよ! ブラックホールの穴が見えるように!”

“穴の開いたシリアルを、科学者が非科学的なゲン担ぎを…”

日本のリーダーは、ブラックホールの黒い穴を見るために、10年という歳月を
かけて来ました。 そして、初めて鮮明化した画像を見ます。

ぼんやりと、明るい部分と、暗い部分が現れました。   “う~ん…”

更に処理を進めて行くと…   “おぉ~ これは、もう、見えたね。 見えた”

日本のチームが鮮明化した、ブラックホールの画像です。
(NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)

ゲン担ぎが効いたようです。   “人類が初めて見た瞬間ですね!”

“それを自分たちでやったって、非常に嬉しいです!”

一方、アメリカチームは… “面白い!予想通りになりそう!丸い形が見える”

アメリカチームも順調。 ブラックホールの姿が、浮かび上がりました。

“この画像は驚きです!”

“あまりに鮮明で、頭をハンマーで殴られたような衝撃です”

“これが確かなら、私の生涯最高の発見…”

“いや、誰にとっても、間違いなく、最高の発見になるでしょう!”

“初めてブラックホールの姿を見て、目が覚めるような気分です”

各チームの結果は、ビタリと一致しました!

ついに私たちは、ブラックホールの本当の姿を目にしたのです!

人類が初めて捉えた、ブラックホールの画像。

真ん中の黒い部分、線で囲んだ範囲が、ブラックホールの本体。

事象の地平線です。 直径は、400億キロ。

なんと、太陽から冥王星までスッポリ入るほどの超巨大ブラックホールでした。

光を出さず、真っ暗なブラックホールで、一体、何が起きているのでしょうか?

日本のリーダー(国立天文台・水沢VLBI観測所の教授)は、言う。

“ブラックホールが光るのは、重力が強いからなのです”

“重力が強いから、どんどん、どんどん、周りからガスを集めて来る”

“ブラックホール自身は何も出さないのですが、ブラックホールのすぐそばまで
吸い寄せられて来るガスが、明るく輝く事で、実は、非常に明るい天体になる
事があるのです”

科学者たちが注目したのは、ガスの明るさが、画像の上下で異なる点です。

“ガスが、恐らく回転していて、端的に言うと、ブラックホール… 下側から、
僕らに向かって出て来ていて、上側の暗い部分では、僕らから遠ざかる”

“そういう事によって。僕らに近付いて来るガスが明るくなり、僕らから遠ざ
かって行くガスが暗くなるという現象によって、この明るさの差が生まれたと
いう風に考えています”

画像の下側が明るかったのは、ガスが私たちの方に向かって来ていたから
です。 日本チームのリーダーが考える、ブラックホールの姿です。

地球から見て、ガスは縦方向に回っています。

輝いてる部分の温度は、60億度。

太陽の中心部の400倍にも達する、途方もない高温です!

人類が、頭脳で考え出した、見えない天体。

ブラックホールは、確かに、この宇宙に存在していました。

発見は、数学・物理学、そして天文学が一体となった成果です!

しかしブラックホールには、まだまだ多くの謎が残っています。

なぜ、銀河の中心に、巨大なブラックホールがあるのか?

落ちた物質は、どうなってしまうのか?

これからも、多くの研究者たちの探求心は、ブラックホールの闇の中に吸い
寄せられて行くのでしょう。