2021年05月05日 (水) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「歴史上の人物と話せるとしたら誰がいい?」
光。 そして、近付くものは、星さえも、のみ込んでしまう、ブラックホール。
この宇宙で、最も不可思議な天体です。
その存在が語られたキッカケは、科学者の計算でした。
以来、実在すると考える人、机上の空論だと主張する人、100年にわたる
論争が続きました。 壁を打ち破ったのは、実は、日本人研究者たち。
そして2019年、ついに人類は、ブラックホールを画像として捉える事に成功
しました! (NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
番組では10年にわたって、ブラックホールを取り上げ続けて来ました。
そして、これまでにも登場した、こちらの3人が2020年のノーベル物理学賞に
選ばれました。
銀河の中心に、巨大ブラックホールを発見した、アメリカチームのリーダー
アンドレア・ゲズさん。
“ブラックホールを証明するためには、高性能の望遠鏡を銀河の中心に向け、
ブラックホールの近くにある星を観察します”
同じく、ヨーロッパチームのリーダー、ラインハルト・ゲンツェルさん。
“ブラックホールを発見しました。 次のステップは、その役割を知る事です”
そして、もう1人。 ブラックホールの出来方を、理論的に証明した、イギリスの
ロジャー・ペンローズさん。 (理論物理学者)
“ブラックホールは形成されていくにつれ、周囲の物体をのみ込んでいきます”
“今のところ、宇宙の中で、最も不可思議な天体です”
見えない天体の正体は、どのように予言され、どこまで分かって来たので
しょうか?
ブラックホールの闇に魅せられた人々とともに驚異の天体の素顔に迫ります。
2つのチームは、最初、ともに SO-1 と名付けた星を追跡していました。
ところがゲズさんは、それとは違う星に目を付けます。
“最初の頃、速く動いていたので、SO-1 に注目しました”
“でも、ブラックホールの間近にあって、どの星よりも速く動いているのは、
SO-2 という星だったのです”
多くの星々が、銀河の中心を回っていました。
しかし、それだけでは、ブラックホールの決定的な証明にはなりません。
2002年1月。 SO-2 と名付けた星が、他の星々とは違う奇妙な動きをします。
秒速5000キロという、ものすごい速さで急旋回しました。
それは、まるで、見えない何かに振り回されているようです。
実際の観測画像です。 詳しい分析から SO-2 は、太陽の10倍以上の質量を
持つ、巨大な星だと分かりました。
“巨大な星を、ここまで急旋回させる事ができるのは、大きな質量があるから
です。 それほど大きな重力を生み出すのは、超巨大ブラックホール以外に
考えられません!”
一方、ヨーロッパチームも、SO-2 の奇妙な動きに気付いていました。
同じ時期、SO-2 の姿を捉えていました。
“最も興奮した瞬間は、狙いを定めた星が、ターゲットに初めて近付いて来た
時です。 その急旋回を見る事ができ、間違いないと確信しました”
“すぐに、その星の周期を調べたら、たった16年だと分かりました”
“信じられないくらい、早い周期でした”
10年にわたる観測の末、ついに、超巨大ブラックホールが、私たちの天の川
銀河の中心に存在する事が、突き止められました。
そして、この超巨大ブラックホールの周りを、SO-2 と名付けた巨大な星が、
秒速5000キロメートル、地球の公転の、およそ200倍もの猛スピードで駆け
抜けています。
ブラックホールの強力な重力が、つなぎ止めているからこそ可能な速度です。
同じ時期に、天の川銀河の中心にある、超巨大ブラックホールの観測に成功
した、2つのチーム。
その成果が認められ、2020年のノーベル物理学賞の受賞が決まりました。
銀河の中心に巨大ブラックホールを発見したアメリカチームリーダーは、言う。
“この研究を長年続けているグループが、2つあります”
“私たちのグループと、ヨーロッパのグループです”
“長い間、一緒に観測出来て、良かったです”
“なぜなら2つの独立したグループが同じ結果を出す事で、信憑性が高まった
からです”
ヨーロッパチームのリーダーは、言う。
“間違いなく、いいライバルでした。 全てにおいて、良かったと思います”
“ノーベル賞が発表された後、これからは、一緒にやろうと連絡しました”
天の川銀河の中心にある、超巨大ブラックホール。
これは、ヨーロッパチームが観測した、ブラックホールの近くにある、35個の
星々です。 まるで、星がダンスをしているかのようです。
この中で、急旋回した1つのダンスが、ノーベル賞受賞の決定打となりました。
次は、ついに浮かび上がった、ブラックホールの姿を、ご覧いただきましょう!
☆コズミック・メッセージ☆
世界で活躍する、日本人の素粒子物理学者。 コントラバス歴は、40年。
アメリカの自宅で奏でています。
実は、この日本人の素粒子物理学者、ノーベル物理学賞を受賞したドイツの
ゲンツェルさんと、大の仲良しです。
そこで、インターネットで、受賞のお祝いを伝える事にしました。
“まずは、ノーベル賞、おめでとうございます” ‘どうもありがとう’
“素晴らしいですね” ‘ええ、本当に…’
“どのように知らせを受けましたか? 電話が掛かって来たのですか?”
‘電話が掛かって来て、意味深な声で、こちらはストックホルムですと言われ
ました。 誰もが思う期待すべき声でしたよ。でも私は全く期待しませんでした’
‘本当ですよ。そして終日、ヨーロッパやドイツのテレビ局、そしてラジオ局から
電話が掛かって来ました’
‘ここに、150人もの報道関係者が来て、記者会見を開きました’
こちらが、その時の映像です。 (2020年10月6日)
入れ代わり、立ち代わり、多くの取材チームが、やって来ました。
取材が終わると、チームのメンバーが集まり、リーダーを祝福しました。
リーダーが観測を思い立ったのは、40年前。
感慨深く、そして、長い1日になりました。
‘その後、私は、たくさんのメールに返事を書き、ベッドに入ったのは…
朝の3時か、そのくらいでした’ “うわー!なんて日なんだ!”
“今、少なくとも、ブラックホールを発見し、みんなが、それを信じています”
“私は、初期の段階で確信を持ちましたが、今の研究の次のステップは
何ですか?”
‘次の大きな目標は、ブラックホールの質量と自転について調べる事です’
‘ブラックホールは自転していますが、それを調べるのは簡単ではありません’
‘そのためには、今より、もっと、ブラックホールの近くにある星を見つけな
ければなりません’
“お話し出来て良かったです。 また近いうちにお会いしましょう!”
‘そうですね。 私たちは、アルマなどで日本の研究者とも協力し合って観測
しています。 ですので、ぜひ、また、お会いしましょう!’
“本当にありがとうございました。 それでは、また!”
光。 そして、近付くものは、星さえも、のみ込んでしまう、ブラックホール。
この宇宙で、最も不可思議な天体です。
その存在が語られたキッカケは、科学者の計算でした。
以来、実在すると考える人、机上の空論だと主張する人、100年にわたる
論争が続きました。 壁を打ち破ったのは、実は、日本人研究者たち。
そして2019年、ついに人類は、ブラックホールを画像として捉える事に成功
しました! (NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
番組では10年にわたって、ブラックホールを取り上げ続けて来ました。
そして、これまでにも登場した、こちらの3人が2020年のノーベル物理学賞に
選ばれました。
銀河の中心に、巨大ブラックホールを発見した、アメリカチームのリーダー
アンドレア・ゲズさん。
“ブラックホールを証明するためには、高性能の望遠鏡を銀河の中心に向け、
ブラックホールの近くにある星を観察します”
同じく、ヨーロッパチームのリーダー、ラインハルト・ゲンツェルさん。
“ブラックホールを発見しました。 次のステップは、その役割を知る事です”
そして、もう1人。 ブラックホールの出来方を、理論的に証明した、イギリスの
ロジャー・ペンローズさん。 (理論物理学者)
“ブラックホールは形成されていくにつれ、周囲の物体をのみ込んでいきます”
“今のところ、宇宙の中で、最も不可思議な天体です”
見えない天体の正体は、どのように予言され、どこまで分かって来たので
しょうか?
ブラックホールの闇に魅せられた人々とともに驚異の天体の素顔に迫ります。
2つのチームは、最初、ともに SO-1 と名付けた星を追跡していました。
ところがゲズさんは、それとは違う星に目を付けます。
“最初の頃、速く動いていたので、SO-1 に注目しました”
“でも、ブラックホールの間近にあって、どの星よりも速く動いているのは、
SO-2 という星だったのです”
多くの星々が、銀河の中心を回っていました。
しかし、それだけでは、ブラックホールの決定的な証明にはなりません。
2002年1月。 SO-2 と名付けた星が、他の星々とは違う奇妙な動きをします。
秒速5000キロという、ものすごい速さで急旋回しました。
それは、まるで、見えない何かに振り回されているようです。
実際の観測画像です。 詳しい分析から SO-2 は、太陽の10倍以上の質量を
持つ、巨大な星だと分かりました。
“巨大な星を、ここまで急旋回させる事ができるのは、大きな質量があるから
です。 それほど大きな重力を生み出すのは、超巨大ブラックホール以外に
考えられません!”
一方、ヨーロッパチームも、SO-2 の奇妙な動きに気付いていました。
同じ時期、SO-2 の姿を捉えていました。
“最も興奮した瞬間は、狙いを定めた星が、ターゲットに初めて近付いて来た
時です。 その急旋回を見る事ができ、間違いないと確信しました”
“すぐに、その星の周期を調べたら、たった16年だと分かりました”
“信じられないくらい、早い周期でした”
10年にわたる観測の末、ついに、超巨大ブラックホールが、私たちの天の川
銀河の中心に存在する事が、突き止められました。
そして、この超巨大ブラックホールの周りを、SO-2 と名付けた巨大な星が、
秒速5000キロメートル、地球の公転の、およそ200倍もの猛スピードで駆け
抜けています。
ブラックホールの強力な重力が、つなぎ止めているからこそ可能な速度です。
同じ時期に、天の川銀河の中心にある、超巨大ブラックホールの観測に成功
した、2つのチーム。
その成果が認められ、2020年のノーベル物理学賞の受賞が決まりました。
銀河の中心に巨大ブラックホールを発見したアメリカチームリーダーは、言う。
“この研究を長年続けているグループが、2つあります”
“私たちのグループと、ヨーロッパのグループです”
“長い間、一緒に観測出来て、良かったです”
“なぜなら2つの独立したグループが同じ結果を出す事で、信憑性が高まった
からです”
ヨーロッパチームのリーダーは、言う。
“間違いなく、いいライバルでした。 全てにおいて、良かったと思います”
“ノーベル賞が発表された後、これからは、一緒にやろうと連絡しました”
天の川銀河の中心にある、超巨大ブラックホール。
これは、ヨーロッパチームが観測した、ブラックホールの近くにある、35個の
星々です。 まるで、星がダンスをしているかのようです。
この中で、急旋回した1つのダンスが、ノーベル賞受賞の決定打となりました。
次は、ついに浮かび上がった、ブラックホールの姿を、ご覧いただきましょう!
☆コズミック・メッセージ☆
世界で活躍する、日本人の素粒子物理学者。 コントラバス歴は、40年。
アメリカの自宅で奏でています。
実は、この日本人の素粒子物理学者、ノーベル物理学賞を受賞したドイツの
ゲンツェルさんと、大の仲良しです。
そこで、インターネットで、受賞のお祝いを伝える事にしました。
“まずは、ノーベル賞、おめでとうございます” ‘どうもありがとう’
“素晴らしいですね” ‘ええ、本当に…’
“どのように知らせを受けましたか? 電話が掛かって来たのですか?”
‘電話が掛かって来て、意味深な声で、こちらはストックホルムですと言われ
ました。 誰もが思う期待すべき声でしたよ。でも私は全く期待しませんでした’
‘本当ですよ。そして終日、ヨーロッパやドイツのテレビ局、そしてラジオ局から
電話が掛かって来ました’
‘ここに、150人もの報道関係者が来て、記者会見を開きました’
こちらが、その時の映像です。 (2020年10月6日)
入れ代わり、立ち代わり、多くの取材チームが、やって来ました。
取材が終わると、チームのメンバーが集まり、リーダーを祝福しました。
リーダーが観測を思い立ったのは、40年前。
感慨深く、そして、長い1日になりました。
‘その後、私は、たくさんのメールに返事を書き、ベッドに入ったのは…
朝の3時か、そのくらいでした’ “うわー!なんて日なんだ!”
“今、少なくとも、ブラックホールを発見し、みんなが、それを信じています”
“私は、初期の段階で確信を持ちましたが、今の研究の次のステップは
何ですか?”
‘次の大きな目標は、ブラックホールの質量と自転について調べる事です’
‘ブラックホールは自転していますが、それを調べるのは簡単ではありません’
‘そのためには、今より、もっと、ブラックホールの近くにある星を見つけな
ければなりません’
“お話し出来て良かったです。 また近いうちにお会いしましょう!”
‘そうですね。 私たちは、アルマなどで日本の研究者とも協力し合って観測
しています。 ですので、ぜひ、また、お会いしましょう!’
“本当にありがとうございました。 それでは、また!”
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