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アボリジニの人たちは一体、どのように天体観測を行っていたのか?
2021年04月27日 (火) | 編集 |
FC2トラックバックテーマ:「ついつい気になってしまう他人の行動は?」
複雑で、神秘に満ちた、星々の動き。

それを、人類で初めて観測したのは、誰だと思いますか?

星空から神話を紡ぎ出した、古代ギリシャ人?

エジプトやメソポタミアの人々も、多くの遺跡や、物語を残していますよね。

いえいえ、もっと意外な人たちかも知れません…。

オーストラリアの先住民、アボリジニ。

実は、彼らこそ、人類最初の天文学者だというのです。

今、その証拠が、次々に発見されています。

この岩の並び。 なんと冬至の時、太陽が沈む方向と、ピタリと一致します。

“人類最古と思われていた天体観測所より、10倍以上、古いかも知れない”

各地に残された奇妙な壁画。 星の動きをカレンダーとして使っていました。

旅をする時に見上げるのも夜空。 星の配置を、地図の代わりに使うという、
驚きのナビゲーション技術まで編み出していました。

そのDNAは、現代に引き継がれています。

オーストラリアは、電波天文学の分野で、世界をリードする存在となっている
のです。

なぜ他の文明から遠く離れた大陸で、文字も持たないアボリジニが天文学を
生み出す事ができたのでしょうか?

秘密は、どこまでも続く、この荒涼とした大地にありました。

“オーストラリアは、素晴らしい天文学の伝統を持っています”

“いつの時代も、天文学のパイオニアなのです”

世界最古の天文学者ともいわれる、アボリジニ。

今回は、その驚きの天文学に迫ります。

アボリジニは、一体、どのように、天体観測を行っていたのでしょうか?

教授は、さまざまな部族を取材し、その全貌を明らかにしようと、しています。

訪ねたのは、ダーウィンから南へ400キロ。

内陸部で暮らす、ワーダマン部族の集落です。

ワーダマン部族の長老が、迎えてくれました。 長老は、84歳。

ワーダマン部族が、代々受け継いできた、膨大な知識を伝える人です。

教授は、アボリジニの天体にまつわる、さまざまな話しを、長老から学んで
来ました。   “長老は、会う度に、新しいし事を教えてくれます”

“彼は少しずつ遠くまで連れて行ってくれて私の知らない事を教えてくれます”

“彼の頭には、星に関する、ものすごい量の知識が詰まっているのですよ!”

長老が、アボリジニの天文学の歴史が刻まれているという場所に、案内して
くれました。

集落から、草原の道を進む事、30分。 突如、大きな岩山が現れました。

かつて、ワーダマン部族の先祖が暮らしていたという、神聖な場所です。

立ち入るには、先祖への挨拶が必要です。   ‘これを見て下さい’

これは、今から5000年前に描かれたとされる、ロックアートです。

カンガルー、鳥のエミュー、野生の犬ディンゴなど。

さまざまな生き物の姿が、赤土や白い土を使って描かれています。

‘これは、新月を表しています’

中心に描かれているのは、新月のシンボルです。 細長い胴体に、丸い顔。

顔の周りの髪飾りは、三日月を表していると、いいます。

‘この辺りでは、夕方に、新月に近くなった月が見えると、大潮になります’

‘大きな海が川に流れ込んでいるため、たくさんの海水が川に逆流して、
洪水になるのです’

新月が近付いた時は、引力の関係で大潮になります。

そのため、川の水かさが増し、洪水になるのだそうです。

彼らの先祖は、月と潮の満ち干の関係まで把握し、それを観察していたので
しょう。 ロックアートの中には、彼ら独自の星座も描かれています。

‘ここに、赤いのが見えますよね’

‘これは大きなナマズで、西洋で言う、南十字星を指しています’

‘彼らの頭蓋骨は、十字に見えるからね’

そう、これは、オーストラリアの国旗にも描かれている星座、南十字星。

しかし、アボリジニに言わせれば、巨大なナマズの頭なのだそうです。

西洋人とは全く違う感性で、空を見つめて来たのですね。

‘村の長老に、大昔から、この話しは伝わっている’

‘お前たちは、星の話しを知らなければならない、と言われました’

‘そして皆で寝そべり、星を見て、神話を教えてもらっていたのです’

アボリジニが星と向き合って来た事実は独特の歌と踊りにも残されています。

文字を持っていない彼らは、村の掟や生活の知恵・文化など、全てを口頭で
伝承して来ました。 その中には、星に関する神話も登場します。

彼らの神話では、カエルの姿をした女神ドゥンドゥン。
背の高い男神ナーディが、南十字星のそばにいる。
この2人が結婚し、多くの子供を産み、アボリジニたちが生まれたとされている

この神話には、子供たちへのメッセージも含まれていると、いいます。

‘男の神ナーディはスカイボスともいわれ、子供や大人が過ちを犯さない様に
いつも見張っています。 ナーディの神がいるから、子供たちは悪い子になら
ないし、もし悪い子がいたら、この話しをして良い子にするのです’

夜、街明かりがないため、集落は真っ暗。 星が明るく輝きます。

‘2つの神が、今、私たちが住んでいる世界を作ったんだ’

‘神は、女神ドゥンドゥンと、男神ナーディがいる’

‘女神ドゥンドゥンが、私たちが歩き回れる大地を作った’

‘男神ナーディは、私たちが皆が見上げて大地を明るくしてくれる空を作った’

西洋でギリシャ神話が生まれる、はるか昔から、彼らの部族は星空に独特の
物語を創作し、次の世代へと受け継いで来たのです。

アボリジニが古くから天体を巧みに利用して来たという証拠は、他の部族にも
残っています。 南オーストラリア州のノウトノウト地域。

岩肌には、アボリジニによる天体観測の証拠が、刻み込まれています。

‘この岩に刻まれた絵には、儀式を、いつ開催するかという情報が記されて
います。 満月を何回過ぎた後に何日歩いて出掛けるかが描いてあるのです’

この模様、上の丸は、満月を表します。

10回、満月が過ぎた日に、セレモニーがあるという意味です。

下の小さな丸は、その場所へ行くのにかかる日数。

歩いて、21日かかる事を示しています。

つまり、この部族は、月をカレンダーとして使っていたのです。

上に描かれている、この形にも意味があります。