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アボリジニが暮らす土地で人類最古の天体観測所が発見された?
2021年04月26日 (月) | 編集 |
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複雑で、神秘に満ちた、星々の動き。

それを、人類で初めて観測したのは、誰だと思いますか?

星空から神話を紡ぎ出した、古代ギリシャ人?

エジプトやメソポタミアの人々も、多くの遺跡や、物語を残していますよね。

いえいえ、もっと意外な人たちかも知れません…。

オーストラリアの先住民、アボリジニ。

実は、彼らこそ、人類最初の天文学者だというのです。

今、その証拠が、次々に発見されています。

この岩の並び。 なんと冬至の時、太陽が沈む方向と、ピタリと一致します。

“人類最古と思われていた天体観測所より、10倍以上、古いかも知れない”

各地に残された奇妙な壁画。 星の動きをカレンダーとして使っていました。

旅をする時に見上げるのも夜空。 星の配置を、地図の代わりに使うという、
驚きのナビゲーション技術まで編み出していました。

そのDNAは、現代に引き継がれています。

オーストラリアは、電波天文学の分野で、世界をリードする存在となっている
のです。

なぜ他の文明から遠く離れた大陸で、文字も持たないアボリジニが天文学を
生み出す事ができたのでしょうか?

秘密は、どこまでも続く、この荒涼とした大地にありました。

“オーストラリアは、素晴らしい天文学の伝統を持っています”

“いつの時代も、天文学のパイオニアなのです”

世界最古の天文学者ともいわれる、アボリジニ。

今回は、その驚きの天文学に迫ります。

人類最古の天体観測所が、オーストラリアで発見されたという。

アボリジニが築き上げた天文学とは、一体、どういうものなのか見ていこう!

乾燥した大地が広がるオーストラリア。

他の文明圏から遠く離れ、孤立した大陸では、独特の生態系が育まれてい
ます。 ここで、天文学の歴史を覆すかも知れない、遺跡が発見されました。

訪れたのは、ビクトリア州のワザロングという場所。

アボリジニが暮らす土地です。

アボリジニとはラテン語で、最初から という意味を示す言葉で、オーストラリア
大陸に、およそ6万年前から住んでいる先住民族です。

今も、120ほどの部族が存在します。 この地域に住むのは、ワザロング部族。

今では、見た目が白人に近い人も大勢います。

彼らは、自分たちの土地と文化を、変わらずに守り続けています。

‘皆様、ようそこ、お越しくださいました。 私たちの土地に、お招きします’

‘どうぞ、たき火の煙の中に入って、清めの儀式を受けて下さい。 歓迎します’

これは、訪問者を、自分たちの土地へ迎え入れる儀式です。

煙を浴び、体を清める事で、この土地に入る許可をもらいます。

儀式が終わると、部族が大切に守り続けている遺跡へと案内してくれました。

‘ここに立って見るんだ’     “ああ、岩が並んでいるね。 こっちもだ”

草原に現れたのは、たくさんの岩。

およそ50個ほどが並べられていて、ワーディ・ヨウアングと呼ばれています。

一体、これのどこが天文学と関係しているのでしょうか?

この遺跡を調査しているオーストラリア連邦科学産業研究機構の天文学者です。

イギリスのストーン・ヘンジなど、天文学のルーツを研究している教授です。

この遺跡の特徴は、岩の並び方にあるといいます。

“実は、岩が円を描いているのです。 ここに岩のラインが見えますよね”

“反対側にもありますが、向こうで、つながっています”

上空から見てみましょう。 確かに、岩が、円を描いています。

直線の部分と、半円の部分が、つながった扇のような形。

直径は、およそ50メートルの巨大な遺跡です。

一体、何のために、こんなものを作ったのでしょうか?

科学的な調査が、初めて行われたのは、2006年。

すると、驚くべき事が分かって来ました。

“岩で作った、このラインは、冬至の日の、日没の場所を示しています”

“向こうにもラインがありますが、夏至の日の、日没場所を示しています”

“彼らは、太陽の動きを知る事に、関心があったのでしょう”

この遺跡は、ある岩を中心に、2本の直線が伸びています。

中心に立って見ると、右の直線の先に、冬至の太陽が沈みます。

左の直線の先には、夏至の太陽が沈みます。

春分と秋分の日には、その真ん中に沈みます。

つまり、この遺跡を使えば、太陽の沈む位置から、季節を知る事ができるの
です。 撮影に訪れたのは、2017年6月21日。

南半球のオーストラリアでは、この日が冬至です。

日没の時刻、17時8分を待ってみると…。

太陽は確かに、遺跡の岩が示す方向に沈んでいきました。

今でも、かなりの精度を保っています。

調査結果は、現地の部族にも、驚きをもって受け止められました。

遺跡を守る、ワザロング部族のリーダーです。

“この遺跡は、ずっと謎だったのです”

“それが天体観測所で太陽の方向を指していると聞いて、かなり驚きました”

その後、教授による調査の結果、この遺跡は、天文学の歴史上、最も古い
天体観測所である可能性が高まりました。

“ここは、人類史上、ものすごく重要な遺跡です”

“恐らく、人類が空を詳細に研究していた、最も初期の例の1つだと思います”

そもそも、天文学の歴史は、いつ頃から始まったのでしょうか?

その始まりは、よく分かっていません。

しかし、紀元前のメソポタミア文明や、古代エジプト文明などでは、既に高度な
天文学は生まれていたとされています。

ワーディ・ヨウアングのような、岩の遺跡で有名なのは、イギリスのストーン・
ヘンジです。

ここは、紀元前3000年頃に作られた、天体観測所だったと、いわれています。

“多くの人はストーン・ヘンジが世界一古いと考えていますが、この遺跡の方が
はるかに古いでしょう”

“正確な年代は分かりませんが、アボリジニの人々が何万年も、ここに住んで
いるので、最高で、ストーン・ヘンジより、10倍古い可能性があります”

驚くべき事に、古代文明が生まれる、はるか昔に、オーストラリア大陸の
アボリジニが、天文学を生み出していた可能性があると、いうのです。