2021年04月17日 (土) | 編集 |
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2017年9月15日。 土星探査機カッシーニは、20年に及んだミッションを
終えようとしていました。 午前4時54分、土星の大気圏に突入。
その1分後、探査機からの信号が途絶えます。 ‘ミッション終了を宣言する’
ミッションの最後にカッシーニが挑んだのが、ある大胆な任務です。
土星本体とリングの僅かな隙間にダイブ!
それを、半年間で22回繰り返し、土星を間近で観測するグランド・フィナーレ!
“カッシーニは、前代未聞の観測に挑戦します!”
“人類が、誰も手に入れていないデータを、入手するのです!”
貴重なデータは、世界中の研究者によって、解析されて来ました。
今、その成果が、続々と発表されています。
“グランド・フィナーレの観測は、素晴らしいものでした!”
“データを分析したところ、土星の内部構造やリングの性質について、驚くべき
事実が明らかになったのです!”
自らを犠牲にし、膨大な観測データを残した、探査機カッシーニ。
ミッションを支え続けて来たのは、当初は、まだ珍しかった女性の研究者でした。
子育てに奔走しながら、探査機を開発。 土星の新たな姿を明らかにしました。
更に、次世代の女性研究者を育て、太陽系探査の未来に道を開きました。
“ミッションを立ち上げた時には、まだ生まれていなかった子もいます”
“次の世代を支える若い研究者たちは、カッシーニで、一人前に育ちました”
“彼女たちこそが私たちの遺産をきっと未来へと引き継いでくれる事でしょう”
女性のパイオニアが切り開いた、土星探査ミッション。
その遺産が、新たな太陽系の姿を、描き出そうとしています。
探査機カッシーニが、最後の瞬間まで地球に送り続けた、貴重なデータ。
その分析で、土星の新たな姿が、浮かび上がって来ました。
大きなリスクを伴う、グランド・フィナーレの観測を、探査機カッシーニは、見事
やり遂げました。
その大胆な挑戦が、大きな科学的成果となって、実を結ぼうとしています。
30年前からミッションに携わって来た、統括科学者(博士)は、言う。
“カッシーニは、土星の新たなデータを、大量に地球に送ってくれました”
“それによって、太陽系の常識までもが、大きく変わろうとしています”
“前人未到の領域を探査する事で、大いに理解が進んだのです”
“リスクを取った甲斐は、十分ありました”
2018年。 画期的な成果が、イタリアの研究者によって、明らかにされました。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学。
創立700年の歴史を誇る、ヨーロッパ屈指の名門校です。
航空宇宙工学科にカッシーニの国際科学チームに参加する研究者がいます。
“ここが、ローマ・ラ・サピエンツァ大学の無線科学研究所です”
“カッシーニのデータを、分析しています”
グランド・フィナーレで観測されたデータを、10人近い大学院生たちが解析して
来ました。 “これが、カッシーニの最後のデータです”
“大気の圧力で姿勢を維持しきれなくなって、信号が途絶えています”
探査機カッシーニは、土星の重力場を計測する事で、内部の構造を詳細に
調べていました。
探査機は、地球からの電波で、その正確な位置が測定されています。
土星の重力で探査機が加速すれば、その場所の重力の強さが分かります。
土星の重力場を細かく調べる事で、内部に、どのような物質が存在している
のかが分かるのです。
微妙な重力の違いを計測する事ができたのは、グランド・フィナーレで、土星
本体に限りなく近い軌道を通ったからです。
“以前はリングの外側を通っていたので、詳細なデータを得る事はできません
でした”
“探査機が、本体とリングの間を通った事で、初めて重力場のデータが入手
できたのです”
分析の結果、明らかになった、土星内部の構造です。
高温・高圧の内部は、金属化した水素などの重い物質で出来ています。
驚きだったのは、回転速度です。
内部が比較的ゆっくりと自転しているのに対し、表面は圧倒的に速い速度で
回転していました。
“土星の自転速度は、一様ではない事が分かりました”
“内部に比べて、表面の方が、ずっと速く回っているのです”
“全く想定すらしていなかった、分析結果です”
“驚くべきなのは、同じガス惑星である木星と、全く違う事です”
“木星は、内部と表面の回転速度が、ほぼ同じですが、土星は違うのです”
想定外の結果は、他にもありました。
土星のリングが、いつ出来たかという事です。
およそ40億年前、土星には、まだ、リングは、ありませんでした。
そのころ太陽系には、大きな氷の天体が、大量に散らばっていました。
その大量の天体が、土星の重力につかまると、潮汐力で破壊されます。
その残骸から、リングの原型が出来たというのです。
このシナリオの場合、材料が、たくさんあるので、リングの質量も必然的に
大きくなるはずです。
しかし、グランド・フィナーレのデータから、リングの質量を割り出してみると、
その通説が、誤りである事が判明しました。
☆カッシーニの土星絶景☆
(NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
探査機カッシーニが捉えた土星。 逆光でリングが照らされ、美しく見える。
土星の最大の特徴であるリングを、詳細に撮影した。
リングの隙間をまわる衛星ダフニス。 衛星の移動によってリングが波打つ。
リングの突起の影。 突起の高さは、2500メートルにもなる。
土星の嵐によってできた巨大な雲。
その幅は、2万キロメートル。 地球がスッポリ収まる。
土星の北極で起きる嵐。 土星の薔薇と呼ばれている。
中心の風速は、秒速150メートルにもなる。
嵐が起きていない時の北極。 雲が六角形をしている。
その理由は、まだ正確には解明されていない。
衛星エンケラドス。 南半球には巨大な筋。 タイガー・ストライプが見える。
2006年。 そこから水が噴出している事が確認。
水が液体で存在する領域。 ハビタブル・ゾーンが大きく広がった。
衛星タイタン。 表面のメタンの海が太陽光を反射し、光輝いている。
カッシーニが最後に捉え土星。
撮影後、土星本体に突入。 20年のミッションを終えた。
2017年9月15日。 土星探査機カッシーニは、20年に及んだミッションを
終えようとしていました。 午前4時54分、土星の大気圏に突入。
その1分後、探査機からの信号が途絶えます。 ‘ミッション終了を宣言する’
ミッションの最後にカッシーニが挑んだのが、ある大胆な任務です。
土星本体とリングの僅かな隙間にダイブ!
それを、半年間で22回繰り返し、土星を間近で観測するグランド・フィナーレ!
“カッシーニは、前代未聞の観測に挑戦します!”
“人類が、誰も手に入れていないデータを、入手するのです!”
貴重なデータは、世界中の研究者によって、解析されて来ました。
今、その成果が、続々と発表されています。
“グランド・フィナーレの観測は、素晴らしいものでした!”
“データを分析したところ、土星の内部構造やリングの性質について、驚くべき
事実が明らかになったのです!”
自らを犠牲にし、膨大な観測データを残した、探査機カッシーニ。
ミッションを支え続けて来たのは、当初は、まだ珍しかった女性の研究者でした。
子育てに奔走しながら、探査機を開発。 土星の新たな姿を明らかにしました。
更に、次世代の女性研究者を育て、太陽系探査の未来に道を開きました。
“ミッションを立ち上げた時には、まだ生まれていなかった子もいます”
“次の世代を支える若い研究者たちは、カッシーニで、一人前に育ちました”
“彼女たちこそが私たちの遺産をきっと未来へと引き継いでくれる事でしょう”
女性のパイオニアが切り開いた、土星探査ミッション。
その遺産が、新たな太陽系の姿を、描き出そうとしています。
探査機カッシーニが、最後の瞬間まで地球に送り続けた、貴重なデータ。
その分析で、土星の新たな姿が、浮かび上がって来ました。
大きなリスクを伴う、グランド・フィナーレの観測を、探査機カッシーニは、見事
やり遂げました。
その大胆な挑戦が、大きな科学的成果となって、実を結ぼうとしています。
30年前からミッションに携わって来た、統括科学者(博士)は、言う。
“カッシーニは、土星の新たなデータを、大量に地球に送ってくれました”
“それによって、太陽系の常識までもが、大きく変わろうとしています”
“前人未到の領域を探査する事で、大いに理解が進んだのです”
“リスクを取った甲斐は、十分ありました”
2018年。 画期的な成果が、イタリアの研究者によって、明らかにされました。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学。
創立700年の歴史を誇る、ヨーロッパ屈指の名門校です。
航空宇宙工学科にカッシーニの国際科学チームに参加する研究者がいます。
“ここが、ローマ・ラ・サピエンツァ大学の無線科学研究所です”
“カッシーニのデータを、分析しています”
グランド・フィナーレで観測されたデータを、10人近い大学院生たちが解析して
来ました。 “これが、カッシーニの最後のデータです”
“大気の圧力で姿勢を維持しきれなくなって、信号が途絶えています”
探査機カッシーニは、土星の重力場を計測する事で、内部の構造を詳細に
調べていました。
探査機は、地球からの電波で、その正確な位置が測定されています。
土星の重力で探査機が加速すれば、その場所の重力の強さが分かります。
土星の重力場を細かく調べる事で、内部に、どのような物質が存在している
のかが分かるのです。
微妙な重力の違いを計測する事ができたのは、グランド・フィナーレで、土星
本体に限りなく近い軌道を通ったからです。
“以前はリングの外側を通っていたので、詳細なデータを得る事はできません
でした”
“探査機が、本体とリングの間を通った事で、初めて重力場のデータが入手
できたのです”
分析の結果、明らかになった、土星内部の構造です。
高温・高圧の内部は、金属化した水素などの重い物質で出来ています。
驚きだったのは、回転速度です。
内部が比較的ゆっくりと自転しているのに対し、表面は圧倒的に速い速度で
回転していました。
“土星の自転速度は、一様ではない事が分かりました”
“内部に比べて、表面の方が、ずっと速く回っているのです”
“全く想定すらしていなかった、分析結果です”
“驚くべきなのは、同じガス惑星である木星と、全く違う事です”
“木星は、内部と表面の回転速度が、ほぼ同じですが、土星は違うのです”
想定外の結果は、他にもありました。
土星のリングが、いつ出来たかという事です。
およそ40億年前、土星には、まだ、リングは、ありませんでした。
そのころ太陽系には、大きな氷の天体が、大量に散らばっていました。
その大量の天体が、土星の重力につかまると、潮汐力で破壊されます。
その残骸から、リングの原型が出来たというのです。
このシナリオの場合、材料が、たくさんあるので、リングの質量も必然的に
大きくなるはずです。
しかし、グランド・フィナーレのデータから、リングの質量を割り出してみると、
その通説が、誤りである事が判明しました。
☆カッシーニの土星絶景☆
(NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
探査機カッシーニが捉えた土星。 逆光でリングが照らされ、美しく見える。
土星の最大の特徴であるリングを、詳細に撮影した。
リングの隙間をまわる衛星ダフニス。 衛星の移動によってリングが波打つ。
リングの突起の影。 突起の高さは、2500メートルにもなる。
土星の嵐によってできた巨大な雲。
その幅は、2万キロメートル。 地球がスッポリ収まる。
土星の北極で起きる嵐。 土星の薔薇と呼ばれている。
中心の風速は、秒速150メートルにもなる。
嵐が起きていない時の北極。 雲が六角形をしている。
その理由は、まだ正確には解明されていない。
衛星エンケラドス。 南半球には巨大な筋。 タイガー・ストライプが見える。
2006年。 そこから水が噴出している事が確認。
水が液体で存在する領域。 ハビタブル・ゾーンが大きく広がった。
衛星タイタン。 表面のメタンの海が太陽光を反射し、光輝いている。
カッシーニが最後に捉え土星。
撮影後、土星本体に突入。 20年のミッションを終えた。
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