2021年02月19日 (金) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「意外と嫌いじゃない、好きな匂いは何ですか?」
今から数千年前。 世界の4つの地域の大河の流域で、文明は誕生しました。
エジプト。 インダス。 メソポタミア。 中国。
しかし同じ時期、南アメリカに高度な文明が誕生していた事は、あまり知られ
ていません。 南米ペルーで誕生した、古代アンデス文明です。
第5の文明ともいわれています。
その発祥の地と見られているのが、ペルーの中央海岸にあるカラル遺跡。
今から5000年前に始まったとされています。
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“現代のペルーには、さまざまな言語や、文化を持つ民族がいます”
“それら全ての始まりが、カラルの古代文明なのです”
土器も文字も持たない人々が残した、巨大な遺跡。
そこら、従来の文明観を覆す、さまざまな出土品が見つかりました。
見えて来たものは、争いがなく、祈りと音楽に満ちた社会でした。
更に2007年にはペルー北部の海岸からカラルと同時期と思われるベンタロン
遺跡も発見。 当時の人々が、高度な文化を持っていた事が見えて来ました。
祈りをささげたと思われる、不思議な形の部屋。
そして、生け捕りにした動物を描いた壁画などが、見つかっています。
四大文明と同時期に栄えた、古代アンデス文明。
人々は、南米大陸で、どんな文明を築いていたのか?
もう1つの古代文明の謎に迫ります。
(2010年) 10月29日。 カラル遺跡の発掘記念日。
毎年、 10月29日には、お祭りが行われます。
南米大陸の文明の起源ではないかと、近年、注目されているカラル遺跡。
祭りには、ペルー全土から、たくさんの人が集まります。
当時の様子をイメージした、パフォーマンス。
そこでは、宗教儀式が再現されていました。
儀式を執り行うのは、祈祷師、シャーマンです。
供え物を燃やし、祈りをささげます。
カラルの人々は、どんな宗教を信じ、何に祈りをささげていたのでしょうか?
それを知る手掛かりとなる、出土品があります。
2本の木の棒を、十字に組み合わせ、綿で作られた糸を巻きつけて、ひし形に
したものです。 神殿や住居から発見された、この不思議な物体。
一体、何なのでしょうか?
今回の取材で、その手掛かりが、意外なところで見つかりました。
カラルから300キロ余り、アンデス山脈の向こう側に広がる、ペルー・アマゾン
源流域。
ジャングルの中に、今も10部族以上の先住民、インディオが暮らしています。
サンフランシスコ村に住むシピボ族も、その1つです。
村で手掛かりを探してみると… ありました!
学校の壁に、謎の模様が描かれています。
シピボにはシャーマンが儀式を司るシャーマニズムの文化が残されています。
シャーマンのロペスさんは、タバコや幻覚性の植物を使い、自然界の精霊や
神々からメッセージを受け取って、病気を治したり、さまざまな相談に乗ったり
します。 ロペスさんのところに、ひし形の物体がありました。
これは、何なのでしょうか?
“これは、神の眼です。 悪魔除けのための道具で、シャーマンの頭にも
つけたり、儀礼の前に壁に立てかけたりします”
“シピボの人たちは今でも、大いなる自然に宿る神々や、精霊の存在を
信じています”
“大地・水・空の神・父なる太陽など、全ての神々の眼を、この神の眼は象徴
しています。 そして、人々を見守り続けているのです”
神の眼を作るところを、見せてもらいました。
十字にした木に、カラフルな糸を、器用に巻きつけて行きます。
デザインや色は、シャーマンが幻覚性植物をとる事で体験するという、虹の
精霊のビジョンを表しています。 神々や精霊の存在を象徴する、神の眼。
数千年前のカラルの人たちも、同じものを信じていたのでしょう。
カラルには、集団で宗教儀式や祭りを行ったと思われる場所があります。
アンフィシアターと呼ばれる神殿。
建物の正面に、大きな円形の広場があります。
ここが、儀式や祭りに使われたと、考えられています。
それを示すものが、広場から少し上がったところで、発見されました。
考古学者は、言う。 “この場所で、笛が見つかりました”
“建物を埋めた土の中から、いくつもの横笛が出て来たのです”
見つかったのは、ユーモラスな絵が彫り込まれた、たくさんの笛です。
大きさ、十数センチ。
コンドルやサル、人の顔などが描かれており、動物の骨で作られています。
笛は、神殿の前に造れた円形広場で、演奏されたと考えられています。
直径35メートル。
地面を掘って造られた半地下式の円形広場は、音楽や踊りに最適でした。
音が響くように設計されていたのです。
“あちらに、石段のベンチが見えます”
“人々は、あそこに座って、円形広場で行われる音楽や儀式を見ていたので
しょう。 それは、宗教的な意味合いが強い、神聖なものだったと思います”
神聖な場所だったと思われる、円形広場。
人々は、そこに集まり、自然の神々への感謝の思いを込めて、音楽を奏で、
舞い踊った事でしょう。
それによって、社会の一体感が生まれていたと、考えられます。
今も、ペルーでは、笛は儀式や祭りの主役です。
人は、神々への祈りを、音楽に託して来たのです。
今から数千年前。 世界の4つの地域の大河の流域で、文明は誕生しました。
エジプト。 インダス。 メソポタミア。 中国。
しかし同じ時期、南アメリカに高度な文明が誕生していた事は、あまり知られ
ていません。 南米ペルーで誕生した、古代アンデス文明です。
第5の文明ともいわれています。
その発祥の地と見られているのが、ペルーの中央海岸にあるカラル遺跡。
今から5000年前に始まったとされています。
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“現代のペルーには、さまざまな言語や、文化を持つ民族がいます”
“それら全ての始まりが、カラルの古代文明なのです”
土器も文字も持たない人々が残した、巨大な遺跡。
そこら、従来の文明観を覆す、さまざまな出土品が見つかりました。
見えて来たものは、争いがなく、祈りと音楽に満ちた社会でした。
更に2007年にはペルー北部の海岸からカラルと同時期と思われるベンタロン
遺跡も発見。 当時の人々が、高度な文化を持っていた事が見えて来ました。
祈りをささげたと思われる、不思議な形の部屋。
そして、生け捕りにした動物を描いた壁画などが、見つかっています。
四大文明と同時期に栄えた、古代アンデス文明。
人々は、南米大陸で、どんな文明を築いていたのか?
もう1つの古代文明の謎に迫ります。
(2010年) 10月29日。 カラル遺跡の発掘記念日。
毎年、 10月29日には、お祭りが行われます。
南米大陸の文明の起源ではないかと、近年、注目されているカラル遺跡。
祭りには、ペルー全土から、たくさんの人が集まります。
当時の様子をイメージした、パフォーマンス。
そこでは、宗教儀式が再現されていました。
儀式を執り行うのは、祈祷師、シャーマンです。
供え物を燃やし、祈りをささげます。
カラルの人々は、どんな宗教を信じ、何に祈りをささげていたのでしょうか?
それを知る手掛かりとなる、出土品があります。
2本の木の棒を、十字に組み合わせ、綿で作られた糸を巻きつけて、ひし形に
したものです。 神殿や住居から発見された、この不思議な物体。
一体、何なのでしょうか?
今回の取材で、その手掛かりが、意外なところで見つかりました。
カラルから300キロ余り、アンデス山脈の向こう側に広がる、ペルー・アマゾン
源流域。
ジャングルの中に、今も10部族以上の先住民、インディオが暮らしています。
サンフランシスコ村に住むシピボ族も、その1つです。
村で手掛かりを探してみると… ありました!
学校の壁に、謎の模様が描かれています。
シピボにはシャーマンが儀式を司るシャーマニズムの文化が残されています。
シャーマンのロペスさんは、タバコや幻覚性の植物を使い、自然界の精霊や
神々からメッセージを受け取って、病気を治したり、さまざまな相談に乗ったり
します。 ロペスさんのところに、ひし形の物体がありました。
これは、何なのでしょうか?
“これは、神の眼です。 悪魔除けのための道具で、シャーマンの頭にも
つけたり、儀礼の前に壁に立てかけたりします”
“シピボの人たちは今でも、大いなる自然に宿る神々や、精霊の存在を
信じています”
“大地・水・空の神・父なる太陽など、全ての神々の眼を、この神の眼は象徴
しています。 そして、人々を見守り続けているのです”
神の眼を作るところを、見せてもらいました。
十字にした木に、カラフルな糸を、器用に巻きつけて行きます。
デザインや色は、シャーマンが幻覚性植物をとる事で体験するという、虹の
精霊のビジョンを表しています。 神々や精霊の存在を象徴する、神の眼。
数千年前のカラルの人たちも、同じものを信じていたのでしょう。
カラルには、集団で宗教儀式や祭りを行ったと思われる場所があります。
アンフィシアターと呼ばれる神殿。
建物の正面に、大きな円形の広場があります。
ここが、儀式や祭りに使われたと、考えられています。
それを示すものが、広場から少し上がったところで、発見されました。
考古学者は、言う。 “この場所で、笛が見つかりました”
“建物を埋めた土の中から、いくつもの横笛が出て来たのです”
見つかったのは、ユーモラスな絵が彫り込まれた、たくさんの笛です。
大きさ、十数センチ。
コンドルやサル、人の顔などが描かれており、動物の骨で作られています。
笛は、神殿の前に造れた円形広場で、演奏されたと考えられています。
直径35メートル。
地面を掘って造られた半地下式の円形広場は、音楽や踊りに最適でした。
音が響くように設計されていたのです。
“あちらに、石段のベンチが見えます”
“人々は、あそこに座って、円形広場で行われる音楽や儀式を見ていたので
しょう。 それは、宗教的な意味合いが強い、神聖なものだったと思います”
神聖な場所だったと思われる、円形広場。
人々は、そこに集まり、自然の神々への感謝の思いを込めて、音楽を奏で、
舞い踊った事でしょう。
それによって、社会の一体感が生まれていたと、考えられます。
今も、ペルーでは、笛は儀式や祭りの主役です。
人は、神々への祈りを、音楽に託して来たのです。
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