2021年02月18日 (木) | 編集 |
第2141回「おすすめの旅行術は?」
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“地震が起きた時、一続きになった壁だと、揺れて、壁全体に影響が出ます”
“でもこのように大きな石と小さな石を交互に置けば、影響はあまり出ません”
“揺れが分断されるわけです”
ペルーは地震の多い国です。 カラルの人たちは石の組み方を工夫する事で
揺れを分散させ、地震に耐えられるようにしていたようです。
更に、ピラミッドの内部構造にも、独特の工夫がありました。
石の間から見える、茶色いヒモ状のもの。 葦(あし)などの植物の茎です。
数千年前のものが、そのままに残されていました。
束ねた茎で網の袋を作り、それに石を詰めて土のうの様にし、遺跡の土台に
埋め込んでいます。 これは、シクラと呼ばれる特有の建築方法です。
考古学者は言う。 “これらのシクラは、規則正しく積み上げられていました”
“シクラは、地震が起きた時などに、ピラミッドの土台にかかる力が分散されて
崩れにくくなる建築方法だと思われます”
小さな石を、そのまま積むのではなく、袋に入れて積み上げる。
そうする事で、崩れにくくしたのではないか?といわれています。
周辺の河原に、今も自生している、葦(あし)。
人々は、これを建築材料として、活用したのです。
シクラは、1メートル以上のものも、見つかっています。
かなり、高度な技術を持つ、文明だったようです。
では、大ピラミッドの上の方は、どうなっているのでしょうか?
頂上付近を、のぞいてみましょう!
正面から石段を上がった、1番奥のところに、不思議な部屋が、見つかって
います。 部屋には、窓のような穴の装飾が、一面に施されています。
窓のような装飾が見られるのは、この部屋だけ。
特別な場所だったと、考えられます。
更に部屋の外壁には、丸い石を埋め込んで、模様が作られていました。
意図的に描かれたと思われる、この模様。 波のような形をしています。
一体、何を表したものでしょうか?
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“これは、ヘビを表していると、考えられます”
“あらかじめ設計図があって、建物を造りながら、ヘビの形になるように石を
置いて行ったのです”
ヘビは、川や水を意味し、天の神から大地へと、水をもたらしてくれる存在と
されていました。
水の象徴が彫り込まれたこの部屋は雨乞いの祈りをささげるのに使われたと
考えられています。
この部屋の近くに、祈りに使われた部屋が、もう1つ見つかっています。
部屋の中央の床に、穴が開けられています。
そこには焦げた跡があり、貝殻が散乱していました。
これは、貝などの供え物を燃やした炉の跡。 儀式に使われたと思われます。
考古学者は、言う。 “全てのピラミッドから、炉が見つかっています”
“そこでは、何らかの宗教的な儀式が、行われていたはずです”
炉の多くは、各ピラミッドの頂上近くで、見つかりました。
そこは、神々への供え物を燃やし、祈りをささげる神聖な場所でした。
炉から立ち上る煙は、天の神のもとに届くと、考えられていたのでしょう。
ピラミッドに囲まれた広場に建てられた石柱、モノリス。
高さは、およそ1メートル50センチ。
その姿は、彼らの天空への思いを、表しているようです。
大ピラミッドからは、更に、驚くべきものが見つかりました。
人の骨です。 20代後半の男性のものでした。
何も身に付けず、腕が背中の後ろで交差した状態で、埋められていました。
一体、何があったのでしょうか?
見つかった人骨は、リマにある発掘プロジェクトの事務所で、分析が進められ
ています。
人骨の分析を担当する人類学者は、言う。
“ここでは、カラルから発見された出土品を、保管しています”
“これが、大ピラミッドで見つかった、人骨です”
ほぼ全ての骨が、完全な状態で残されていました。
25歳から30歳くらいの、健康な男性です。
骨には、致命傷となったと思われる傷が、いくつもありました。
“ここに、殴られた痕があります”
“大きな骨折があり、何か、硬い石のようなもので、打たれたようです”
“この部分に打撃を受けて、重傷を負ってしまったようです”
“この傷が致命傷になって、亡くなったのでしょう”
大ピラミッドで見つかった人骨は、石で頭を打たれて、殺されたものだった
のです。
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“人骨は自然死ではなく、殺されたものです。 これは珍しい事です”
“恐らく、生贄(いけにえ)でしょう”
“ピラミッドには腕や足、頭等がない土偶が、ささげものとして埋められている
場合があります”
“しかしここでは、土偶ではなく、人間を生贄として、ささげたのです”
ピラミッドの頂上近く、天に近い場所に、ささげられた生贄。
ピラミッドが、宗教的に重要な施設だった事を、物語っています。
カラルのピラミッド。
それは、祈りをささげるための宗教施設、聖なる神殿だったのです。
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“地震が起きた時、一続きになった壁だと、揺れて、壁全体に影響が出ます”
“でもこのように大きな石と小さな石を交互に置けば、影響はあまり出ません”
“揺れが分断されるわけです”
ペルーは地震の多い国です。 カラルの人たちは石の組み方を工夫する事で
揺れを分散させ、地震に耐えられるようにしていたようです。
更に、ピラミッドの内部構造にも、独特の工夫がありました。
石の間から見える、茶色いヒモ状のもの。 葦(あし)などの植物の茎です。
数千年前のものが、そのままに残されていました。
束ねた茎で網の袋を作り、それに石を詰めて土のうの様にし、遺跡の土台に
埋め込んでいます。 これは、シクラと呼ばれる特有の建築方法です。
考古学者は言う。 “これらのシクラは、規則正しく積み上げられていました”
“シクラは、地震が起きた時などに、ピラミッドの土台にかかる力が分散されて
崩れにくくなる建築方法だと思われます”
小さな石を、そのまま積むのではなく、袋に入れて積み上げる。
そうする事で、崩れにくくしたのではないか?といわれています。
周辺の河原に、今も自生している、葦(あし)。
人々は、これを建築材料として、活用したのです。
シクラは、1メートル以上のものも、見つかっています。
かなり、高度な技術を持つ、文明だったようです。
では、大ピラミッドの上の方は、どうなっているのでしょうか?
頂上付近を、のぞいてみましょう!
正面から石段を上がった、1番奥のところに、不思議な部屋が、見つかって
います。 部屋には、窓のような穴の装飾が、一面に施されています。
窓のような装飾が見られるのは、この部屋だけ。
特別な場所だったと、考えられます。
更に部屋の外壁には、丸い石を埋め込んで、模様が作られていました。
意図的に描かれたと思われる、この模様。 波のような形をしています。
一体、何を表したものでしょうか?
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“これは、ヘビを表していると、考えられます”
“あらかじめ設計図があって、建物を造りながら、ヘビの形になるように石を
置いて行ったのです”
ヘビは、川や水を意味し、天の神から大地へと、水をもたらしてくれる存在と
されていました。
水の象徴が彫り込まれたこの部屋は雨乞いの祈りをささげるのに使われたと
考えられています。
この部屋の近くに、祈りに使われた部屋が、もう1つ見つかっています。
部屋の中央の床に、穴が開けられています。
そこには焦げた跡があり、貝殻が散乱していました。
これは、貝などの供え物を燃やした炉の跡。 儀式に使われたと思われます。
考古学者は、言う。 “全てのピラミッドから、炉が見つかっています”
“そこでは、何らかの宗教的な儀式が、行われていたはずです”
炉の多くは、各ピラミッドの頂上近くで、見つかりました。
そこは、神々への供え物を燃やし、祈りをささげる神聖な場所でした。
炉から立ち上る煙は、天の神のもとに届くと、考えられていたのでしょう。
ピラミッドに囲まれた広場に建てられた石柱、モノリス。
高さは、およそ1メートル50センチ。
その姿は、彼らの天空への思いを、表しているようです。
大ピラミッドからは、更に、驚くべきものが見つかりました。
人の骨です。 20代後半の男性のものでした。
何も身に付けず、腕が背中の後ろで交差した状態で、埋められていました。
一体、何があったのでしょうか?
見つかった人骨は、リマにある発掘プロジェクトの事務所で、分析が進められ
ています。
人骨の分析を担当する人類学者は、言う。
“ここでは、カラルから発見された出土品を、保管しています”
“これが、大ピラミッドで見つかった、人骨です”
ほぼ全ての骨が、完全な状態で残されていました。
25歳から30歳くらいの、健康な男性です。
骨には、致命傷となったと思われる傷が、いくつもありました。
“ここに、殴られた痕があります”
“大きな骨折があり、何か、硬い石のようなもので、打たれたようです”
“この部分に打撃を受けて、重傷を負ってしまったようです”
“この傷が致命傷になって、亡くなったのでしょう”
大ピラミッドで見つかった人骨は、石で頭を打たれて、殺されたものだった
のです。
発掘調査を指揮する、ペルー・サンマルコス大学の考古学者は、言う。
“人骨は自然死ではなく、殺されたものです。 これは珍しい事です”
“恐らく、生贄(いけにえ)でしょう”
“ピラミッドには腕や足、頭等がない土偶が、ささげものとして埋められている
場合があります”
“しかしここでは、土偶ではなく、人間を生贄として、ささげたのです”
ピラミッドの頂上近く、天に近い場所に、ささげられた生贄。
ピラミッドが、宗教的に重要な施設だった事を、物語っています。
カラルのピラミッド。
それは、祈りをささげるための宗教施設、聖なる神殿だったのです。
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