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太陽系の果てにある未知の天体への冒険は、これからも続く
2021年01月22日 (金) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「小さなものから大きなものまで!なにか才能はありますか?」
太陽系の成り立ちをシミュレーションで探ろうと考えていた博士は、ある時、
興味深い観測事実に気付きました。

直径1000キロを超す太陽系外縁天体は、現在、6つ知られていますが、その
全てが衛星を持っていたのです。

大学院生だった彼は、こうした衛星の起源を、統一的に説明しようと考え、
研究に取り組みました。

すると、氷と岩石で出来た2つの天体が、ゆっくりと、かするように衝突した時
にだけ、衛星が生まれる事が分かりました。

“この巨大衝突によって出来た衛星系は、形成直後には、ご覧のように、
すごい、ゆがんだ軌道になっているという事が、分かると思います”

“ただし、観測されている6つの衛星系の軌道は、歪んでいないという事が
知られています”

更に計算を続けると、天体が内部まで凍りついている場合、衛星は、ずっと
ゆがんだ軌道を巡り続ける事が分かりました。

一方、内部がとけ、変形しやすい場合、衛星の軌道は、少しずつ変化し、
数万年ほどで、観測されているような円に近いものになる事が分かりました。

“例えば、天体の内部に、内部海があると、天体が変形しやすくなる”

“変形していくと、エネルギーを散逸して、最初に、ゆがんだ軌道だったものが
だんだん円くなるという事が、理論研究から明らかになりました”

“冥王星以外の大きな太陽系外縁天体も、形成直後は内部海を持っていた”

“という事が、我々の計算から示唆されます”

日々、発見が相次ぐ、太陽系外縁天体。

内部に海を持つ天体が、今後も見つかる可能性が、高まっています。

新型コロナウイルス感染症が世界中に広がった、2020年3月。

都市の封鎖に加え、世界中の望遠鏡が、観測の中断を余儀なくされました。

日本の、すばる望遠鏡が、再開にこぎつけたのは、5月18日。

目的は、太陽系外縁天体の探索でした。

太陽系の果てに、どんな天体があるのかを、調べ尽くそうという、野心的な
プロジェクトの最初の観測でした。

観測を担当した、天文学者で産業医科大学の助教は、コンピューターが
自動的に割りだした候補天体を1つ1つ実際に確認して、新天体を洗い出して
行きます。

“世界的には全天のサーベイで、太陽系外縁天体の検出というのは少しずつ
進んでいるのですが、やはり、望遠鏡は小さいのです”

“世界の望遠鏡の中で、最大のすばる望遠鏡を使って、最大の視野で、効率
良く太陽系外縁天体のサーベイを進めて行こうというのが、我々の計画で”

“外縁の領域に、どのくらいの天体がいるか?”

“どのくらい大きいものから、どのくらい小さいものまでいるか?”

“そういった事を調べて行こうという計画をしています”

6月下旬。 すばる望遠鏡が、再び、太陽系外縁天体の探索を始めました。

向けられたのは、あのニューホライズンズが飛行を続けている方角です。

観測をおこなっていたのは、探査チームのメンバーたち。

日本から見守るのは、産業医科大学の助教です。

太陽系探査を30年にわたって率いて来たミッションの責任者は、言う。

“探査機の燃料は、十分、残っていますし、装置も問題なく動いています”

“私たちはミッションを続けるため、世界中の望遠鏡を使って次のターゲットを
探しています”

“中でも、最もパワフルなのが、ハワイにある日本の すばる です”

探査チームは到達可能な新天体発見の知らせを、今か今かと待ち焦がれて
います。 太陽系の常識を覆した冥王星探査。

ニューホライズンズは、太陽系の果てに想像を超えた豊かな世界が広がって
いる事を、初めて明らかにしました。

冥王星の海の謎を解き明かした、あの、北海道大学の准教授。

生命を育む海が、宇宙に、どれだけあるのか?

その答えを求めて、研究を続けています。

“やはり、太陽系の果て、ものすごい極寒の世界ですが、液体の水があると
いうところまでは、分かったわけですね”

“ただ、そこに、生命がいるかどうかは、当然、分かりません”

“更に、そこに住めるかどうか? 水だけではなくて、栄養があるか?”

“エネルギーがあるか? 色んな事を研究しなければいけないわけです”

“そういうところを、詰めていくというのが、次のステップですね”

ミッションの責任者は、これまでに合計29もの宇宙ミッションに関わって来たと
いいます。

“私にとって、ニューホライズンズは、とにかく、特別なミッションです”

“素晴らしいチームを率いて、私たちの太陽系の果てにある、未知の天体へ
冒険に行き、人類の知の地平線を開拓する”

“これは、まさに、科学者としての私の夢、そのものなのです”

ニューホライズンズがもたらした成果は、オーシャンワールドの可能性を、
大きく広げました。

これからも続く太陽系の冒険は、一体、どんな発見をもたらしてくれるので
しょう?

私たちが、宇宙で独りぼっちの存在でないと分かるのは、それほど先の事
ではないのかも知れません。