2021年01月18日 (月) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「ついに2021年!去年の自分に一言言うとしたら?」
2015年に行なわれた人類初の探査によって誰も想像していなかった冥王星
の素顔が明らかになりました。
窒素の氷に覆われた盆地の下には地球の海よりも深い海が存在する可能性
も浮かび上がって来ました。
46億年もの間、海が維持されて来たとすれば、太陽系の姿が、これまでとは
全く変わって来ます。
冥王星の内部の海は、どうやって維持されて来たのでしょう?
その謎に迫る研究に取り組んだ科学者が、日本にいます。
北海道大学の准教授です。
大学院の学生時代、准教授は、日本の月探査かぐやミッションに参加して
いました。
担当は、衝突によって出来た、さまざまなサイズのクレーターの詳細な分析
でした。
クレーターの変形をシミュレーションで探り、探査データと比較する事で、月の
内部構造を推定する研究を行って来ました。
冥王星に海がある可能性を、最初に指摘したカリフォルニア大学の教授とは、
共同研究の経験もある准教授。
カリフォルニア大学の教授の研究を知った時、2つの疑問を感じたといいます。
“1つは、冥王星というのは、非常に冷たい環境に… マイナス220度の表面
温度を持っていますので、熱が、どんどん逃げて行きます”
“そうすると、この海が、普通に考えると、今は、もう、完全に凍ってしまう
だろうという風に、考えられたわけです”
“もう1つは、その海の上にある氷なのですが、この海の水に接している部分
の氷は、非常に軟らかい”
“ですので、かなり短い時間で、実は、こういう風になってしまう事が分かりま
した”
“仮に、一時的に、そういう地形があったとしてもいいのですが、今、それが
見えているというのは、すごく不思議だったわけです”
岩石に含まれる放射性物質の量や、氷の動きやすさなどを考慮し、冥王星の
内部で、熱が、どのように運ばれるのかを計算しました。
すると、水が液体として存在できる領域は、みるみる減少し、最後はゼロに
なってしまったのです。
“これが、冥王星の内部海が、どのくらいの期間、保っていられるかというのを
計算した結果になります”
“これは横軸が時間になっていて、右端の46億年というのが、現在になって
います。 このゼロというのが、冥王星が形成された時を示しています”
“縦軸は冥王星の半径で書いているのですが、深い所は岩石のコアがあって
その上に海があって、更にその上に氷があるという状況を設定しています”
“そうすると冥王星はすごく寒いので、このような分厚い海を用意したとしても
急激に海は凍って行ってしまいます”
“この後、少し、海は膨らむのですが、ここは岩石核に含まれる放射性元素、
これによる熱が、ゆっくりゆっくり、じわじわ出て来て、少し膨らむのですが、
やはり外から、どんどん熱が逃げて行ってしまうので、基本的には現在よりも
何億年も前に、冥王星の海は、完全に凍ってしまうという事が分かります”
准教授はこの結果をカリフォルニア大学の教授に報告し、意見を求めました。
すると、水にアンモニアが溶けていれば、凍りにくくなるはずだと、聞かされま
した。
表面から冷えて海が凍ってしまうような場合でも、大量のアンモニアによって
凍る温度が下がれば、液体のまま保たれるというのです。
このアンモニア説は、正しいのか?
准教授は、この分野に詳しい同僚に、相談を持ちかけました。
“計算すると、アンモニアの濃度が、30%くらいという数字になってしまうの
ですが…”
‘それが30%はね、ちょっと厳しいよね。 やっぱりね…’
‘宇宙元素存在度を考えるとね…’
共同研究者の北海道大学の教授は、太陽系の謎に物質科学の面から迫って
いる惑星科学者です。
‘冥王星というのは、太陽から非常に離れた場所にある天体で、氷が結構、
材料物質の主成分だという風に思われているのです’
‘一方で、氷が主成分の他の天体は、何かというと、彗星になるのですが、
彗星は、時々、太陽に近付いて来ますね’
‘そうすると、ガスをわ~っと出すのですが、そのガスの分析から、水に対して
アンモニアが、どのくらい入っているのかという事が、推定できているのです’
‘そこから考えると、やはり20%・30%という事は、ちょっと、あり得ない数字に
なっていて…’
准教授は、言う。
“ニューホライズンズの観測で分かった事は、今、海があるという事なのです”
“今あるというのは、確かに説得力がある”
“観測事実の説明だったわけですが、それ以前の先行研究から、冥王星には
海は1度あっても、今は凍りついているだろうと予測されていたわけです”
“つまり、それに反する観測事実が出たわけですが、それについて、まだ、
あまり深く考察されてはいなかったのです”
“とにかく海があるというのが驚きだったので、それが報告されたわけですが
じゃあ、何で、もっているのか?というのは、まだ誰も手をつけていなかった
問題だったわけです”
2015年に行なわれた人類初の探査によって誰も想像していなかった冥王星
の素顔が明らかになりました。
窒素の氷に覆われた盆地の下には地球の海よりも深い海が存在する可能性
も浮かび上がって来ました。
46億年もの間、海が維持されて来たとすれば、太陽系の姿が、これまでとは
全く変わって来ます。
冥王星の内部の海は、どうやって維持されて来たのでしょう?
その謎に迫る研究に取り組んだ科学者が、日本にいます。
北海道大学の准教授です。
大学院の学生時代、准教授は、日本の月探査かぐやミッションに参加して
いました。
担当は、衝突によって出来た、さまざまなサイズのクレーターの詳細な分析
でした。
クレーターの変形をシミュレーションで探り、探査データと比較する事で、月の
内部構造を推定する研究を行って来ました。
冥王星に海がある可能性を、最初に指摘したカリフォルニア大学の教授とは、
共同研究の経験もある准教授。
カリフォルニア大学の教授の研究を知った時、2つの疑問を感じたといいます。
“1つは、冥王星というのは、非常に冷たい環境に… マイナス220度の表面
温度を持っていますので、熱が、どんどん逃げて行きます”
“そうすると、この海が、普通に考えると、今は、もう、完全に凍ってしまう
だろうという風に、考えられたわけです”
“もう1つは、その海の上にある氷なのですが、この海の水に接している部分
の氷は、非常に軟らかい”
“ですので、かなり短い時間で、実は、こういう風になってしまう事が分かりま
した”
“仮に、一時的に、そういう地形があったとしてもいいのですが、今、それが
見えているというのは、すごく不思議だったわけです”
岩石に含まれる放射性物質の量や、氷の動きやすさなどを考慮し、冥王星の
内部で、熱が、どのように運ばれるのかを計算しました。
すると、水が液体として存在できる領域は、みるみる減少し、最後はゼロに
なってしまったのです。
“これが、冥王星の内部海が、どのくらいの期間、保っていられるかというのを
計算した結果になります”
“これは横軸が時間になっていて、右端の46億年というのが、現在になって
います。 このゼロというのが、冥王星が形成された時を示しています”
“縦軸は冥王星の半径で書いているのですが、深い所は岩石のコアがあって
その上に海があって、更にその上に氷があるという状況を設定しています”
“そうすると冥王星はすごく寒いので、このような分厚い海を用意したとしても
急激に海は凍って行ってしまいます”
“この後、少し、海は膨らむのですが、ここは岩石核に含まれる放射性元素、
これによる熱が、ゆっくりゆっくり、じわじわ出て来て、少し膨らむのですが、
やはり外から、どんどん熱が逃げて行ってしまうので、基本的には現在よりも
何億年も前に、冥王星の海は、完全に凍ってしまうという事が分かります”
准教授はこの結果をカリフォルニア大学の教授に報告し、意見を求めました。
すると、水にアンモニアが溶けていれば、凍りにくくなるはずだと、聞かされま
した。
表面から冷えて海が凍ってしまうような場合でも、大量のアンモニアによって
凍る温度が下がれば、液体のまま保たれるというのです。
このアンモニア説は、正しいのか?
准教授は、この分野に詳しい同僚に、相談を持ちかけました。
“計算すると、アンモニアの濃度が、30%くらいという数字になってしまうの
ですが…”
‘それが30%はね、ちょっと厳しいよね。 やっぱりね…’
‘宇宙元素存在度を考えるとね…’
共同研究者の北海道大学の教授は、太陽系の謎に物質科学の面から迫って
いる惑星科学者です。
‘冥王星というのは、太陽から非常に離れた場所にある天体で、氷が結構、
材料物質の主成分だという風に思われているのです’
‘一方で、氷が主成分の他の天体は、何かというと、彗星になるのですが、
彗星は、時々、太陽に近付いて来ますね’
‘そうすると、ガスをわ~っと出すのですが、そのガスの分析から、水に対して
アンモニアが、どのくらい入っているのかという事が、推定できているのです’
‘そこから考えると、やはり20%・30%という事は、ちょっと、あり得ない数字に
なっていて…’
准教授は、言う。
“ニューホライズンズの観測で分かった事は、今、海があるという事なのです”
“今あるというのは、確かに説得力がある”
“観測事実の説明だったわけですが、それ以前の先行研究から、冥王星には
海は1度あっても、今は凍りついているだろうと予測されていたわけです”
“つまり、それに反する観測事実が出たわけですが、それについて、まだ、
あまり深く考察されてはいなかったのです”
“とにかく海があるというのが驚きだったので、それが報告されたわけですが
じゃあ、何で、もっているのか?というのは、まだ誰も手をつけていなかった
問題だったわけです”
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