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モアイは絶海の孤島で知恵を尽くし文明を築き上げた結果?
2020年12月03日 (木) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
イースター島に、たどり着き、石の文明を作り上げた人々。

彼らは、島の名前と同じく、ラパ・ヌイ と呼ばれています。

広い土地に住む人々を、意味します。

彼らは絶海の孤島で知恵を尽くし、数多くのモアイを作り上げるほどの文明を
築きました。 しかし、まだ大きな謎があります。

今は、石だらけになっている荒れ地で、ラパ・ヌイたちは、どうやって食料を
確保したのでしょうか?

イースター島の謎  その③  石ゴロゴロなのに栄養満点?

ラパ・ヌイの食料確保の謎を解く場所へ、地元の考古学者に案内してもらいま
した。 島の、ところどころにある、ひときわ荒涼としている場所です。

普通の荒れ地以上に、石がゴロゴロと転がっています。

こんな場所、食べ物とは無縁のようですが…。

おや? 石だらけの中に、ちょっと大きめの草が生えています!

抜いてみると、根っこの間に… 分かりますか? おイモ! タロイモです!

かつて、ラパ・ヌイたちは、これを主食にしていました。 つまり、ここは…。

地元の考古学者は、言う。   “ここは、石で作られた畑の跡です”

“この島でしか見られない、ラパ・ヌイ独特のものです”

“ここには、ラパ・ヌイが生き抜くため、自然を生かした知恵が詰まっています”

石だらけの不思議な畑。 その秘密は、島の中心、火山にあります。

そもそもイースター島は、3つの火山と、その周囲に流れ出た溶岩で作られて
います。 ラパ・ヌイたちは、その上に住んでいました。

島全体が、固まった溶岩など、火山性の岩で成り立っているため、たとえ、
その上に土があっても、あまり農作物には適しません。

原因は、溶岩に無数にあいている、小さな穴!

これによって雨水は、すぐに吸収され、表面に土があっても、僅かな水分しか
残らないのです。 その問題点を解決したのが、ラパ・ヌイの石の畑です。

これには、2つのメリットがあります! 1つは、水分の確保。

土の上に石をたくさん敷き詰め、その間にイモを植えると、土の中の僅かな
水分の蒸発を石が妨げるため、水分が保たれます。 そして、2つ目は保温。

石は昼間に太陽の熱を吸収し、夜は放熱するので、温室のような効果がある
という事も分かって来ました。     地元の考古学者は、言う。

“ここは絶海の孤島。 しかも、植物は育ちにくく、野生動物もいない”

“本当に、何もない島です。 唯一あるのは、石だけ”

“そこでラパ・ヌイは、逆境の中で工夫しました”

“石を逆に利用して環境を整えるなんて、とてもクリエイティブな人たちだった”

島、唯一の町、ハンガロアに戻って来ました。

島の人たちのバーベキュー・パーティーに、お邪魔します!

タロイモは、今でも島の人たちの日常的な食べ物! おや?この土の山は?

何でも、島に古くから伝わる、ちょっと変わったおイモ料理が見られるとか。

土の下のビニールをどけると、葉っぱの山が!

中に、何があるのでしょうか?  熱く、熱した石です。

この下にある食材を、蒸し焼きにする伝統の料理法、ウムと呼ばれています。

出て来ました! ホッカホカの蒸し焼きイモ!

鍋や鉄板がいな時代からの、石を使った工夫です!

ラパ・ヌイ独自の文明は消えてしまいましたが、今の暮らしの知恵の中にも、
その名残りがあります。

“タロイモは、いいぞ! 特に、骨が強くなる”

“これを僕たちは先祖代々、おじいさんの、おじいさんの、もっと昔から食べて
来たんだ! タロイモ最高!”

ニワトリとイモで栄養はとれたとして…。

でも、人が生きるためには、大事なものが足りませんよね?

島に足りないものといえば、飲み水!

川が1つもない島で、飲み水は、一体、どうしたのでしょうか?

謎を解く手掛かりとなる場所に、地元の歴史家が案内してくれます。

海から2キロ離れた内陸部に、胴体だけ残ったモアイ。

ラパ・ヌイの集落の跡です。

観光客が全く訪れないこの近くに、飲み水の秘密が隠されているそうです。

イースター島の謎  その④  観光ガイドに載ってない!驚きの水風景!

地元の歴史家について行くと、珍しく、木が生い茂っている場所がありました。

茂みの中に入って行きます。 その下には、洞窟です。

分かりますか? 岩から水が、しみ出ています。 もしや、この先に?

人が1人、やっと通れる狭い所を抜け、地下10メートルほど潜った場所に…。

ありました! ヒンヤリとした、水たまり。 その奥に明かりを向けると…。

なんと、巨大な地底湖。 奥行30メートルは、あります。

近隣のラパ・ヌイたちの、貴重な水源です。

水が落ちて来るので天井の方を見てみると、地表に降った雨が溶岩の天井を
抜けて、しみ出ています。

こうした、ひとしずくが、時間をかけて、この膨大な水源を作っていたのです。

“この地底湖の水は、しみ出るまでに、ろ過されるため、とてもキレイです”

“飲みやすい水だったでしょうね”

“ラパ・ヌイは、まず、水源を探し、そこに村を築いたのです”

こうした地底湖は、島に、少なくとも5カ所以上、見つかっています。

これが、ラパ・ヌイの暮らしと文明を、大きく支えていたのです。