2020年11月26日 (木) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
高さによって、こんなに違うのですか!
そんな偏西風のすごみを、2つの高地で体感しよう!
その1つは、標高1500メートルのモンゴルの高原。
うわっ! すごい砂嵐ですね!
モンゴルのゴビ砂漠で巻き起こる風は、黒い嵐と呼ばれています。
更に、アメリカの北東部。 標高2000メートルのワシントン山。
偏西風がエベレストをもしのぐ過酷な環境をつくり出すため、裏庭の北極圏と
呼ばれています。
うわ~! 見ただけで、厳しい事が分かるような環境ですね。
標高2000メートルの極地…。 やって来たのは、日本から飛行機で5時間。
草原の国、モンゴルです。 首都のウランバートルの人口は、およそ150万。
鉱物資源の開発を元手に、街は発展を続けています。 4月。
西からの風が強まると、その風は砂を従え、この首都にも襲いかかります。
街の人たちは、言う。
‘砂嵐が来たら、ビルに隠れます。 草原だったら、しょうがない…’
‘砂嵐の時は、砂の入らない服を着て、建物の陰を伝って歩きます’
大地をはう砂嵐の激烈な姿を求め、ウランバートルの郊外へ。
まずは、遊牧民を訪ねました。砂嵐の情報は、遊牧民にとって欠かせません。
家畜は、砂嵐に巻き込まれると方向を見失い、時に、死んでしまう事さえある
からです。
“風速が20m/sを超える時は、家畜を近くに避難させます”
“遠くで、いなくなったら、野犬やオオカミに食べられてしまう”
遮るものがない、草原での放牧。 砂嵐への警戒は怠りません。
これが砂嵐。 中でも、太陽を覆い隠す巨大なものが、黒い嵐。
その発生には偏西風が大きく関わっています。 これは上空の大気の様子。
冬の間、偏西風は、モンゴルのはるか南を通過します。
ところが春になると、偏西風のルートは北上。
モンゴルの上空にまで、やって来ます。
すると大地に強風が巻き起こり、地面の砂じんを巻き上げ、天空を覆うほどの
巨大な砂嵐が起きるのです。 黒い嵐は、どれだけ、すさまじいのでしょうか?
砂嵐が、年間90日以上も観測される村を目指します。
ゴビ砂漠の北、人口2800人のブルガン村。 ここで、嵐の到来を待ちます。
この日は、ブルガン村に、砂嵐の予報が出ていました。 夕方5時過ぎ。
“ちょっと赤く見えているだろ?” ‘そうですね… あっ!来ている!’
辺りには、強い風が吹きすさんでいます。 僅かに雨が降り出しました。
更に強くなる風。 ‘痛い!痛い!痛い!’ “あっ!ゲルが飛ばされた!”
風は、秒速23.1メートルを記録しました。
偏西風がもたらす、砂嵐。 すさまじい風の力です。
実は、この嵐で巻き上げられた砂じんは、偏西風に乗って日本にやって来る
黄砂となるのです。 5日後、ついに黒い嵐が、やって来ました。
風は更に強さを増しています。
村に非常事態が宣言された、秒速28メートルを超える風。
ついに、黒い嵐が押し寄せる瞬間に出会いました。
砂ぼこりと雲が、太陽の光を遮り始めます。
そして、カメラが捉えた、黒い嵐の襲来。 これが、黒い嵐の先端部分です。
直後から一気に視界が悪くなります。 午後2時、最大風速40メートルを記録。
細かい砂じんが舞い始め、ブルガン村が砂にかすみます。
黒い嵐は、夕方まで吹き荒れました。
モンゴルで黒い嵐を生む、偏西風。 その風は、冬、北米大陸を襲います。
上空を吹き抜けるジェット気流が、標高2000メートルの山の頂を、裏庭の
北極圏と呼ばれる、極寒の世界に変えているのです。
アメリカ北東部、アパラチア山脈の麓に位置する、のどかな町。
極限の世界が広がるという山は、意外にも地元では大人気の行楽地でした。
地元の人たちは、言う。 ‘夏に、山頂まで登ったよ!’
‘最初に登ったのは、4歳の頃だった。 両親と一緒に車で行ったんだ’
‘登山鉄道で行った事もあるよ’ 標高、僅か1917メートルのワシントン山。
夏は、観光列車も走る、風光明美な観光地です。
でも冬になると、山には極地に匹敵するほどの世界が現れるのです。
こちらが、冬のワシントン山。
その名前は、初代大統領ジョージ・ワシントンに、ちなんでいます。
周りには、歴代大統領の名を冠した山々が…大統領山脈と呼ばれています。
(ジェファーソン山/ワシントン山/モンロー山/フランクリン山/アイゼンハワー山)
その最高峰のワシントン山。 山頂で記録した最大風速は、毎秒103メートル。
エベレストでの観測記録78メートルを優に超え、北半球では最速!
2月、世界一過酷ともいわれる、冬のワシントン山を体感しようと、頂を目指し
ます。 登山開始1時間。 標高は900メートル。
雪は膝下まで積もっています。 気温は、マイナス20度。
‘何か、目が開きにくいと思ったら… まつ毛が凍り始めています’
標高1300メートル。 不思議な形をした木々が、目立って来ました。
スノーモンスターです。 その正体は、霧氷(むひょう)。
空気中の水分が木にぶつかり、凍りついて出来ました。
ガイドの男性は、言う。 “霧氷は、雲の中の水滴が凍って出来ている”
“水滴は、マイナス40度まで液体のままだが、物にぶつかると、すぐ凍る”
“だから霧氷は、風上に向かって、どんどん伸びて行くんだ”
確かに、霧氷をよく見ると、水平に伸びています。
風が吹く方角へ伸びて行く氷。
ワシントン山に激しい風が吹きつけると、僅か半日ほどで70センチも成長する
のです。 これは、北海道などの霧氷と比べると、数十倍のスピードです。
高さによって、こんなに違うのですか!
そんな偏西風のすごみを、2つの高地で体感しよう!
その1つは、標高1500メートルのモンゴルの高原。
うわっ! すごい砂嵐ですね!
モンゴルのゴビ砂漠で巻き起こる風は、黒い嵐と呼ばれています。
更に、アメリカの北東部。 標高2000メートルのワシントン山。
偏西風がエベレストをもしのぐ過酷な環境をつくり出すため、裏庭の北極圏と
呼ばれています。
うわ~! 見ただけで、厳しい事が分かるような環境ですね。
標高2000メートルの極地…。 やって来たのは、日本から飛行機で5時間。
草原の国、モンゴルです。 首都のウランバートルの人口は、およそ150万。
鉱物資源の開発を元手に、街は発展を続けています。 4月。
西からの風が強まると、その風は砂を従え、この首都にも襲いかかります。
街の人たちは、言う。
‘砂嵐が来たら、ビルに隠れます。 草原だったら、しょうがない…’
‘砂嵐の時は、砂の入らない服を着て、建物の陰を伝って歩きます’
大地をはう砂嵐の激烈な姿を求め、ウランバートルの郊外へ。
まずは、遊牧民を訪ねました。砂嵐の情報は、遊牧民にとって欠かせません。
家畜は、砂嵐に巻き込まれると方向を見失い、時に、死んでしまう事さえある
からです。
“風速が20m/sを超える時は、家畜を近くに避難させます”
“遠くで、いなくなったら、野犬やオオカミに食べられてしまう”
遮るものがない、草原での放牧。 砂嵐への警戒は怠りません。
これが砂嵐。 中でも、太陽を覆い隠す巨大なものが、黒い嵐。
その発生には偏西風が大きく関わっています。 これは上空の大気の様子。
冬の間、偏西風は、モンゴルのはるか南を通過します。
ところが春になると、偏西風のルートは北上。
モンゴルの上空にまで、やって来ます。
すると大地に強風が巻き起こり、地面の砂じんを巻き上げ、天空を覆うほどの
巨大な砂嵐が起きるのです。 黒い嵐は、どれだけ、すさまじいのでしょうか?
砂嵐が、年間90日以上も観測される村を目指します。
ゴビ砂漠の北、人口2800人のブルガン村。 ここで、嵐の到来を待ちます。
この日は、ブルガン村に、砂嵐の予報が出ていました。 夕方5時過ぎ。
“ちょっと赤く見えているだろ?” ‘そうですね… あっ!来ている!’
辺りには、強い風が吹きすさんでいます。 僅かに雨が降り出しました。
更に強くなる風。 ‘痛い!痛い!痛い!’ “あっ!ゲルが飛ばされた!”
風は、秒速23.1メートルを記録しました。
偏西風がもたらす、砂嵐。 すさまじい風の力です。
実は、この嵐で巻き上げられた砂じんは、偏西風に乗って日本にやって来る
黄砂となるのです。 5日後、ついに黒い嵐が、やって来ました。
風は更に強さを増しています。
村に非常事態が宣言された、秒速28メートルを超える風。
ついに、黒い嵐が押し寄せる瞬間に出会いました。
砂ぼこりと雲が、太陽の光を遮り始めます。
そして、カメラが捉えた、黒い嵐の襲来。 これが、黒い嵐の先端部分です。
直後から一気に視界が悪くなります。 午後2時、最大風速40メートルを記録。
細かい砂じんが舞い始め、ブルガン村が砂にかすみます。
黒い嵐は、夕方まで吹き荒れました。
モンゴルで黒い嵐を生む、偏西風。 その風は、冬、北米大陸を襲います。
上空を吹き抜けるジェット気流が、標高2000メートルの山の頂を、裏庭の
北極圏と呼ばれる、極寒の世界に変えているのです。
アメリカ北東部、アパラチア山脈の麓に位置する、のどかな町。
極限の世界が広がるという山は、意外にも地元では大人気の行楽地でした。
地元の人たちは、言う。 ‘夏に、山頂まで登ったよ!’
‘最初に登ったのは、4歳の頃だった。 両親と一緒に車で行ったんだ’
‘登山鉄道で行った事もあるよ’ 標高、僅か1917メートルのワシントン山。
夏は、観光列車も走る、風光明美な観光地です。
でも冬になると、山には極地に匹敵するほどの世界が現れるのです。
こちらが、冬のワシントン山。
その名前は、初代大統領ジョージ・ワシントンに、ちなんでいます。
周りには、歴代大統領の名を冠した山々が…大統領山脈と呼ばれています。
(ジェファーソン山/ワシントン山/モンロー山/フランクリン山/アイゼンハワー山)
その最高峰のワシントン山。 山頂で記録した最大風速は、毎秒103メートル。
エベレストでの観測記録78メートルを優に超え、北半球では最速!
2月、世界一過酷ともいわれる、冬のワシントン山を体感しようと、頂を目指し
ます。 登山開始1時間。 標高は900メートル。
雪は膝下まで積もっています。 気温は、マイナス20度。
‘何か、目が開きにくいと思ったら… まつ毛が凍り始めています’
標高1300メートル。 不思議な形をした木々が、目立って来ました。
スノーモンスターです。 その正体は、霧氷(むひょう)。
空気中の水分が木にぶつかり、凍りついて出来ました。
ガイドの男性は、言う。 “霧氷は、雲の中の水滴が凍って出来ている”
“水滴は、マイナス40度まで液体のままだが、物にぶつかると、すぐ凍る”
“だから霧氷は、風上に向かって、どんどん伸びて行くんだ”
確かに、霧氷をよく見ると、水平に伸びています。
風が吹く方角へ伸びて行く氷。
ワシントン山に激しい風が吹きつけると、僅か半日ほどで70センチも成長する
のです。 これは、北海道などの霧氷と比べると、数十倍のスピードです。
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