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積乱雲が発達して激しい気象現象を引き起こすわけとは?
2020年11月23日 (月) | 編集 |
FC2トラックバックテーマ 「金縛りにあったことある?」
この赤い稲妻は、遠くで光り続けるため、地元で、カタトゥンボの灯台と呼ばれ
ているのです。 夜中の1時。 もう1つの雷が現れる時間です。

湿原とは逆の、湖側へ。

“嵐が近付いて来ます。 もっとすごい雷が見られますよ!”

‘すごく強い風が吹いて来ている… どんどん強くなっている…’

湖を渡る風が、激しさを増して来ました。   ‘おぉー落ちた! また落ちた!’

今度は、目の前に、激しい落雷が現れました。 

先ほどの、湿原側の赤い稲妻。 そして、湖側の激しい稲妻。

世界一の雷多発地帯で生まれる、2種類の雷。

その、もととなる風とは、一体、どんなものなのでしょうか?

アンデス山脈に囲まれた、マラカイボ湖。

その入り口に、風の門と呼ばれる場所がありました。

カタトゥンボから北へ200キロ。 カリブ海に隣接する湖の入り口にある砂丘。

ここが、風の門。 激しい風が、砂を巻き上げています。

‘これは、大体、いつも、こんなに風が強いのですか?’

国立スリア大学の教授は、言う。

“ええ、いつも午後になると、強い風が吹くのです”

“この風の門が、カリブ海から湖に風が吹き込む、唯一の入り口だからです”

日中、太陽の熱で暖められた陸地では、大気の上昇が起こります。

この大気が薄くなった一帯へ風の門から湿った海風が大量に吹き込みます。

風は、やがてアンデス山脈にぶつかり、激しい上昇気流となり、積乱雲を生み
出します。

カリブ海の風がつくり出す積乱雲が、あの赤い雷を生んでいるというのです。

そして夜遅くになると、アンデス山脈の峰々で冷やされた大気が、冷たい風と
なり湖へ。 この風が、湖面にたまった湿った空気を持ち上げます。

そして積乱雲を発達させ、激しい雷を湖の上に引き起こしていたのです。

更に湖を渡る風は、全く違う姿の不思議な雷を生み出していました。

“この空の状態なら、間もなく起きるはずです”

一体、どんな雷なのでしょうか?   ‘うわ~ すごい!’

“今のが、水平に伸びる稲妻です。 私たちは、スパイダー雷と呼んでいます”

“雲と雲の間で起こる放電なのです。 今のは良く見えましたね!”

スパイダー雷は、雲と雲の間で、電気が流れる事によって起こります。

大きな嵐が発生した時にしか現れない、珍しい雷です。

どこに現れるのか? 予測のつかないスパイダー。 何とか撮影したいところ。

捉えました! これがスパイダー雷! (映像はNHKのグレートネイチャーで!)

クモの巣のように、上空へと伸びて行きます。

南米最大の湖を彩る雷、スパイダー。

海からの風が浮かび上がらせる、刹那のキラメキです。

実は、この2つの驚きの現象なのですが、ある共通の条件で生まれているの
です。 気候力学が専門の東京大学の教授に聞いてみましょう。

“先ほどの話しでは、メキシコ湾や、カリブ海からの風に注目していましたが、
実は、その海からの風にヒントがあるのです”

海から吹く風に、どんな共通点があるのですか?

“実は、メキシコ湾やカリブ海は、非常に暖かい海です”

“その暖かい海から、海水がさかんに蒸発する事で、その上の大気を極度に
湿らせるわけです”

“そうして湿った空気が、気温の上がる内陸に流れ込んで上昇させられると、
積乱雲が発達して、激しい気象現象を引き起こすわけです”

なるほど。海の水温の高さが、陸地の激しい現象を生み出しているのですね。

では、竜巻の同時多発にもあったように、温暖化が現象を激化させているの
ですか?

“はい。 そして注目すべき事は、世界中の海が温暖化の影響で、どんどん
水温を上げている事です。 日本周辺の海も、例外ではありません”

“昨年の秋、東日本を襲った巨大な台風19号の被害にも、日本周辺の海の
温暖化が、影響していると考えられているのです”

“この時、海が、どうなっていたのか?”

“この海水温の異常を、分布図にしてみましょう”

“黄色で示した部分、これは平年よりもかなり水温が高い部分を示してます”

“次に、2018年の様子を見てみましょう”

“この黄色の部分が、ほとんどありません”

“ですので、2019年が、いかに、この高温の異常な水温が、広く日本付近に
広がっていた事が明らかかと思います”

本当ですね。 特に、日本の東側が黄色いですね。

“そうなのです。 2019年は平年よりも、水温が、かなり高かったのです”

“そういう事もありまして、日本に接近しきた台風に多量の水蒸気が供給され
続けて、台風が衰えにくかったのです”

“それによって、被害が拡大したと考えられています”

高温となった海の熱を、風が吸収する事で、台風が巨大化したのですね。

“そうなのです。 こうやって温暖化に伴って海に変化が起きると、風によって
その影響が、内陸部にまで及んで来るというわけです”

なるほど。 風が海の変化を、陸に運んでいるというわけですね。