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はるかかなたの隣人の声に耳を傾ける地球外文明探査は続く!
2020年11月15日 (日) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
それは待ち望んだメッセージなのか?受信したという望遠鏡に向かいました。

道路沿いに延々と続く、巨大な壁のような建造物。

実は、これが、謎の電波を受信した ラタン600 です。

とても望遠鏡のようには見えませんが…。

上空から眺めると、このような円い形をしています。

直径600メートルの巨大な円周上にアンテナを配置し、反射した電波を中央に
ある検出器で調べる仕組みです。

2014年から、地球外文明探査も行って来ました。 観測開始から、およそ1年。

異常な電波を捉えます。  これが、そのデータ。

強い電波が、2秒間にわたり、記録されています。

この時、観測していたのが、地球から94光年の距離にある、ヘルクレス座
HD164595 という星です。

太陽とほぼ同じぐらいの大きさで、惑星も持っているため、地球外文明を探す
ターゲットとされていました。 しかし、電波が観測されたのは、その1度きり。

観測に当たっていたモスクワ大学の博士は、学会で皆に、意見を求めようと
考えました。

“信号が、かなり強いものであった事は、事実です”

“しかしそれが、地球外文明から発せられたものという、確実な証拠はありま
せん。 ただ、ノイズと考えるのには不自然でした”

“そのため、まず学会で発表する事にしたのです”

ところが、この情報をメディアが嗅ぎつけ、独り歩きを始めます。

テレビ・ネット・新聞… 世界中のメディアが真偽もあやふやなまま、大々的に
報じ始めました。 中には、こんな怪しいニュースまで…。

“宇宙人が呼んでいる!”

ロシアの国営テレビより。 (2016年8月30日)
‘UFO研究家は、こう分析しています’
‘信号は人類ではなく、すでに地球に暮らしている宇宙人に向けたものだと’

UFO研究家は、言う。
“受信した信号を、私たちも独自に調べました”
“これは、小惑星が危機を及ぼす可能性があるという宇宙人からの警告です”

意図しないところで、過熱して行く報道。

モスクワ大学の博士は、危機感を感じていました。

“とても困惑しました。 世界中から、問い合わせが殺到しました”

“ほとんどの記者がこの出来事をスクープとして取り扱おうとしていたのです”

地球外文明探査が、いい加減な試みだと思われてしまっては、まずい!

ニュースが流れるのと、ほぼ同時に、世界中の研究者たちが動き出しました。

メールを使い、謎の電波の正体を解き明かそうと、議論を始めたのです。

参加した研究者は、50人以上! メールは、100通を超えます。

フランスの研究者は、星のフレアの影響である可能性を指摘。

カナダの研究者は、他の天文台でも観測する必要性を訴えました。

議論を受け、実際に追跡調査を行ったのが、あのブレイクスルー・リッスンの
プロジェクトを取りまとめる博士です。

緊急で観測を行い、ニュースから僅か2日で、結果を公表しました。

これが、その報告書です。

‘謎の電波は観測されなかった。 そしてそれは何らかの人工の電波であった
可能性が高く、今後も冷静な観測と分析が必要だ’   と、したのです。

プロジェクトを取りまとめる博士は、言う。

“普通、同じ研究をする者同士は、ライバルです”

“しかし今回、このような競争意識を捨て、信号を解明する事に世界中の
研究者が力を合わせました”

“このように協力しあえる事は、地球外文明を探す事の大きな魅力の1つだと
思います”

待ちわびた便りが届くほど、嬉しいものはありません。

今日も、まだ見ぬ隣人からの便りを捉えようという試みが、世界中で行われて
います。 観測の時、研究者たちが、決まって掲げて来たものがあります。

“これは地球の旗です。 1970年代に作られ、地球外文明探査を行う全ての
研究者たちが掲げて来たものです”

“この試みが、人類全体の活動である事を象徴しています”

“黄色い円は太陽。 青い円は地球。 白は月を表しています”

“地球外文明探査は、私たちが国家や街ではなく、1つの地球に属している
事を思い出させてくれます。 私たちは、人類という1つの種なのです”

その信念は、今も、しっかりと受け継がれています。

史上最大の探査プロジェクト、ブレイクスルー・リッスン。

得られたデータは全て、インターネットを通じ、全世界に公開しています。

およそ60年前、宇宙からの便りを捉えるという壮大な夢を描いた、あの老人。

今こそ、その試みが、意味を持つといいます。

“私たちの生きるこの時代、世界では、格差や断絶が深刻化しています”

“しかし、地球外の文明に思いをはせてみてください”

“それらの違いは、取るに足らない事だと感じられませんか?”

“宇宙人の生き方や考え方は、私たちとは全く違うはずです”

“そしてその事は、私たち人類が、皆、よく似ている事を気付かせてくれます”

“例え、アフリカの砂漠に住んでいても、アマゾンの森に住んでいても、欲しい
モノや大切にしている事は、ほとんど同じです”

“宇宙人探しは、宗教や文化を越えて、私たちをワクワクさせてくれます”

“そこが素敵だと思いませんか?”

はるかかなたの隣人の声に耳を傾ける、地球外文明探査。

それは同時に、立場の違いを超え、人類が1つである事を確認する試みでも
あるのです。