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地球外文明を探す事は政治的対立とは無関係だ!
2020年11月11日 (水) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
しかし、時は、東西冷戦の真っ只中。

米ソが宇宙開発競争を繰り広げる中、両国の研究者が交流をするなど、あり
得ないと考えられていました。1971年、研究者たちは、大胆な行動に出ます。

旧ソ連の町ビュラカンで、国際会議を開いたのです。

参加したのは、51人の研究者たち。 みんな、思いは1つでした。

“地球外文明を探す事は、政治的対立とは無関係だと考えていました”

“そんな事より、世界中の研究者たちが一緒になって議論を交わし、今後の
探査計画を作って行く事の方が、よほど大切だと考えたのです”

伝説の天文学者は、言う。

“当時、米ソは対立していたので観測技術のやり取りは許されませんでした”

“しかし、地球外文明を探すという事に関しては、別です”

“それが人類全体のための素晴らしい探求であると皆、考えていたからです”

会議には米ソに加え、イギリスやハンガリー等からも研究者が参加しました。

宇宙人は、どんな姿をしているのか? どのように通信すればいいのか?

そういった文明は、宇宙に、どれくらいの数あるのか?

議論は、6日間に及びました。 会議の最後、参加者たちは、こう宣言します。

“議論の結果、地球外文明との接触は現在の技術でも十分可能であるという
結論に至った。 その探査は、各国の研究者が力を合わせ行うべきである”

国境を越え、広がって行く、地球外文明探査。

そんな中、ついに、ビッグニュースが飛び込んで来ます。

1977年、アメリカ・オハイオ州。

ここで、人類が観測した電波の中で、最も宇宙人からのものである可能性が
高いとされる信号が、キャッチされます。

受信したのは、オハイオ州立大学の電波望遠鏡ビッグイアー。

フェンスのような巨大なアンテナを使い、地球外文明探査を行っていました。

当時の観測責任者が、そのデータを見せてくれました。

“これが有名な Wow! シグナル です。 1977年8月15日に観測されました”

“発見者が驚いて、Wow! と余白に書いた事から、その名前で呼ばれるように
なりました”

Wow! シグナルは、なぜ、宇宙人のものだと、されたのでしょうか?

赤い丸で囲まれた6文字が、実際の信号の記録です。 (6EQUJ5)

グラフに表すと、このようになります。

通常、考えられないほどの強い電波を受信しています。

更に、その時間は、72秒間。 これが、大きな証拠の1つになりました。

ビッグイアーは、地上に固定されているため、地球の自転とともに観測する
方向が変わって行きます。

そのため、もし宇宙の1点から電波がやって来たら、観測できるのは決まった
時間だけのはずです。

ビッグイアーの受信範囲から計算すると、それは、およそ72秒間。

つまり、72秒間、受信されたという事は、どこかの星から来た電波の可能性が
あるのです。 もう1つ、その周波数も、大きな証拠です。

宇宙からは、さまざまな周波数の電波がやって来ています。

その中で、研究者たちが狙っていたのは、水素原子が発生させる1420メガ
ヘルツの電波。

星の分布などを調べるため、天文学では、最もよく観測に使われます。

もし、一定の科学力を持った宇宙人なら、その事を、当然、知っているはず
なので、この周波数を使いメッセージを送るだろうと、研究者たちは考えて
いました。 Wow! シグナルは、まさに、1420メガヘルツ。

だから、宇宙人のメッセージとされたのです!

ビッグイアー望遠鏡の当時の観測責任者は、言う。

“その後、何度も同じ方角を観測し、出来る事は全て試しましたが、再び信号
が受信される事は、ありませんでした… 正体は謎のままです”

“しかし私は、今でもそれは、宇宙人のメッセージだったと信じています”

“その方向には、電波を発するような人工衛星や、自然の天体現象は、存在
しなかったからです”

世界中の望遠鏡も観測を試みますが、やはり、信号は見つからないまま。

Wow! シグナルは、今も、天文学史に残る、大きな謎の1つです。

こうして地球外文明探査が盛り上がる中NASAも大きな1手に打って出ます。

1992年。 コロンブスのアメリカ大陸到達500年を記念して、過去最大の探査を
スタートさせたのです。

それは各地の巨大アンテナをフル動員し、10年間、休みなく観測を行うという
大プロジェクトでした。

計画を指揮したのは、伝説の天文学者の教え子で、長年の夢がかなったと
燃えていました。

“とても興奮しました。これまでの努力が実り、大規模な探査が始められるの
ですから、人類にとって普遍的なテーマである、宇宙に私たち以外の知的
生命体が存在するのか?という謎が明らかになるのかも知れないのです”

“私たちは、確実に前に進んでいると実感していました”

ところが、思わぬところから待ったが、かかります。予算を握る連邦議会です。

その映像が残されています。 (1993年9月22日)

“今日、私は、愚かで無駄なNASAの計画を、中止させる事を提案します”

“彼らは、電波を使って宇宙人の証拠を見つけたいと言っていますが、その
ためにかけるお金は、10年間で、110億円にもなります”

“何年も前から準備を進めているようですが、ハッキリ言ってバカげています”

“いい笑いものですよ!”

宇宙で世界をリードする事は、国益につながると、探査を後押しして来た
アメリカ政府。 しかし、伝説の天文学者のオズマ計画から、既に30年余り。