2020年11月08日 (日) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
本番の舞台は、クフ王の大ピラミッド。
世界最大のピラミッドは、古代史最大のミステリーといわれる。
ミューオン透視は、そのミステリーに、どこまで迫る事ができるのか?
調査の本丸。 クフ王の大ピラミッド。 その現場に乗り込む日が来ました。
名古屋大学の特任助教が率いる調査チームが狭い通路を進んで行きます。
フィルムを設置するのは、地上25メートルの高さにある、女王の間です。
フィルムを置くのは、部屋の東側と西側。
できるだけ離れた場所への設置を目指します。
未知の部屋探しには、さまざまな方向から、ミューオンを測定する事が重要
だからです。 多くの内部構造がある、クフ王の大ピラミッド。
異なる場所で測定すれば、三角測量の要領で、部屋の形や大きさ、位置を
絞り込む事ができるのです。
その頃、日本では透視技術を持つもう1つのチームが準備を進めていました。
茨城県つくば市にある、高エネルギー加速器研究機構(高エネ研) 。
素粒子の世界を探る、実験物理学の中心地です。
“これ、超電導でつくってあって、相当強い磁場なんですけど…”
高エネ研で40年以上、研究にあたって来た名誉教授は、日本を代表する
物理学者です。
名誉教授たちは、名古屋大とは違う方式で、ミューオンを捉えます。
原子核乾板の代わりに用いるのは素粒子が当たると発光するシンチレーター
と呼ばれる特殊な素材です。
この素材が発する光を解析する事で、ミューオンを捉え、透視します。
名誉教授の率いる高エネ研チームも、エジプトにやって来ました。
若手の多い名古屋大とは対照的な、ベテランたちです。
“分かってない部分が、あるかも知れない”
“隠された部屋が、あるかも知れない”
“我々の技術で、そういう事が分かればいいかなと思います”
装置は、パーツごとに、力自慢の男たちの手で、女王の間に運ばれます。
高エネ研の装置は、高さ2メートル近い大きさがあります。
組み立ては、正確さが要求されるため、名誉教授たち自身で行います。
名古屋大と、高エネ研。 異なる方式でミューオンを観測すれば、2つの結果を
比較・検証する事が可能です。 調査の信頼性を高める作戦です。
高エネ研の透視装置と、あちこちに設置された合計1000枚に及ぶ名古屋大の
透視フィルム。 これで、大ピラミッド内部を徹底的に透視!
秘密の部屋を探します!
数カ月にわたって、大ピラミッドに降り注ぐ、ミューオンを観測します。
2016年7月。 名古屋大にフィルムの一部が持ち帰られ、解析作業が始まり
ました。 この日、20枚のフィルムの結果が出ます。
フィルムが設置されたのは、女王の間。
そのフィルムが捉えるのは、このアングルです。
どんな画像になるのかシミュレーションしてみると、女王の間の上にある、
王の間や、その王の間に通じる大回廊が、影絵のように浮かび上がります。
もし秘密の部屋が存在するなら、実際の透視画像には、このシミュレーション
画像とは異なる場所に影が出るはずです。 影は、あるや否や…?
名古屋大学の特任助教が、怪しい影をを見つけました!
“これ大回廊ですね。 大回廊の横に、何か広く見えている… 思ったより…”
先ほどのシミュレーション画像と比較すれば、違いが分かります。
この日、得られた透視画像には、大回廊と呼ばれる通路の隣に、別のおぼろ
げな影が写っているのです。
更に、10メートル離れた場所に設置したフィルムも、この影を捉えていました。
驚きは、大きさ! これだけの影は、巨大な空間がある事を示唆しています。
“こんなにデカイの、あっていいのかな…”
“大回廊と同じようなものが、もう1個並んでいるとすると、王の間と同じくらい
高さがあってもおかしくない…”
もしかしたら… 大回廊のそばに、未知の巨大空間があるのではないか?
“空間があったら、やはり、そこにあるのでしょうか… ミイラとか…”
2016年11月。本当に未知の空間は、あるのか?あるとすれば、どこなのか?
名古屋大と高エネ研のメンバーが、NHKに集まりました。
2つのチームは、相手に影響されないよう、途中経過を共有せずに、それぞれ
解析作業を続けて来ました。
これが、お互いの透視結果を突き合わせる、初めての場になります。
名古屋大の特任助教は、あのおぼろげな影を、より詳細に解析していました。
“大回廊のその横に、もう1個、本当に、隣に何か線が見えている…”
大回廊の横に、ハッキリと現れた巨大な空間の影。
更に特任助教は、2カ所から見た透視結果を分析し、この空間は大回廊よりも
高い場所にあると発表しました。 しかし、名誉教授は、驚きを隠せません。
実は、高エネ研の透視結果は、全く異なっていたのです。
高エネ研の透視画像です。 名古屋大学と違い、白黒2色で写し出されます。
王の間と大回廊は、しっかり写っていました。
ところが、名古屋大学が捉えたはずの空間は、見当たりません。
本番の舞台は、クフ王の大ピラミッド。
世界最大のピラミッドは、古代史最大のミステリーといわれる。
ミューオン透視は、そのミステリーに、どこまで迫る事ができるのか?
調査の本丸。 クフ王の大ピラミッド。 その現場に乗り込む日が来ました。
名古屋大学の特任助教が率いる調査チームが狭い通路を進んで行きます。
フィルムを設置するのは、地上25メートルの高さにある、女王の間です。
フィルムを置くのは、部屋の東側と西側。
できるだけ離れた場所への設置を目指します。
未知の部屋探しには、さまざまな方向から、ミューオンを測定する事が重要
だからです。 多くの内部構造がある、クフ王の大ピラミッド。
異なる場所で測定すれば、三角測量の要領で、部屋の形や大きさ、位置を
絞り込む事ができるのです。
その頃、日本では透視技術を持つもう1つのチームが準備を進めていました。
茨城県つくば市にある、高エネルギー加速器研究機構(高エネ研) 。
素粒子の世界を探る、実験物理学の中心地です。
“これ、超電導でつくってあって、相当強い磁場なんですけど…”
高エネ研で40年以上、研究にあたって来た名誉教授は、日本を代表する
物理学者です。
名誉教授たちは、名古屋大とは違う方式で、ミューオンを捉えます。
原子核乾板の代わりに用いるのは素粒子が当たると発光するシンチレーター
と呼ばれる特殊な素材です。
この素材が発する光を解析する事で、ミューオンを捉え、透視します。
名誉教授の率いる高エネ研チームも、エジプトにやって来ました。
若手の多い名古屋大とは対照的な、ベテランたちです。
“分かってない部分が、あるかも知れない”
“隠された部屋が、あるかも知れない”
“我々の技術で、そういう事が分かればいいかなと思います”
装置は、パーツごとに、力自慢の男たちの手で、女王の間に運ばれます。
高エネ研の装置は、高さ2メートル近い大きさがあります。
組み立ては、正確さが要求されるため、名誉教授たち自身で行います。
名古屋大と、高エネ研。 異なる方式でミューオンを観測すれば、2つの結果を
比較・検証する事が可能です。 調査の信頼性を高める作戦です。
高エネ研の透視装置と、あちこちに設置された合計1000枚に及ぶ名古屋大の
透視フィルム。 これで、大ピラミッド内部を徹底的に透視!
秘密の部屋を探します!
数カ月にわたって、大ピラミッドに降り注ぐ、ミューオンを観測します。
2016年7月。 名古屋大にフィルムの一部が持ち帰られ、解析作業が始まり
ました。 この日、20枚のフィルムの結果が出ます。
フィルムが設置されたのは、女王の間。
そのフィルムが捉えるのは、このアングルです。
どんな画像になるのかシミュレーションしてみると、女王の間の上にある、
王の間や、その王の間に通じる大回廊が、影絵のように浮かび上がります。
もし秘密の部屋が存在するなら、実際の透視画像には、このシミュレーション
画像とは異なる場所に影が出るはずです。 影は、あるや否や…?
名古屋大学の特任助教が、怪しい影をを見つけました!
“これ大回廊ですね。 大回廊の横に、何か広く見えている… 思ったより…”
先ほどのシミュレーション画像と比較すれば、違いが分かります。
この日、得られた透視画像には、大回廊と呼ばれる通路の隣に、別のおぼろ
げな影が写っているのです。
更に、10メートル離れた場所に設置したフィルムも、この影を捉えていました。
驚きは、大きさ! これだけの影は、巨大な空間がある事を示唆しています。
“こんなにデカイの、あっていいのかな…”
“大回廊と同じようなものが、もう1個並んでいるとすると、王の間と同じくらい
高さがあってもおかしくない…”
もしかしたら… 大回廊のそばに、未知の巨大空間があるのではないか?
“空間があったら、やはり、そこにあるのでしょうか… ミイラとか…”
2016年11月。本当に未知の空間は、あるのか?あるとすれば、どこなのか?
名古屋大と高エネ研のメンバーが、NHKに集まりました。
2つのチームは、相手に影響されないよう、途中経過を共有せずに、それぞれ
解析作業を続けて来ました。
これが、お互いの透視結果を突き合わせる、初めての場になります。
名古屋大の特任助教は、あのおぼろげな影を、より詳細に解析していました。
“大回廊のその横に、もう1個、本当に、隣に何か線が見えている…”
大回廊の横に、ハッキリと現れた巨大な空間の影。
更に特任助教は、2カ所から見た透視結果を分析し、この空間は大回廊よりも
高い場所にあると発表しました。 しかし、名誉教授は、驚きを隠せません。
実は、高エネ研の透視結果は、全く異なっていたのです。
高エネ研の透視画像です。 名古屋大学と違い、白黒2色で写し出されます。
王の間と大回廊は、しっかり写っていました。
ところが、名古屋大学が捉えたはずの空間は、見当たりません。
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