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大陸がダイナミックに成長する過程を見る事が出来る?
2020年10月27日 (火) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
生き物は、これまで、地球のあらゆる場所に進出して来ました。

入り込んでは絶滅を繰り返した末に、ようやく定まった生物種。

地球の生き物は、全ての冒険者たちの末えいなのかも知れません。

地球で繰り広げられて来た壮大な命の営みを、調査隊は、西之島で解き明か
そうとしているのです。

2013年から噴火が続く西之島。 噴火中の溶岩の分析から、西之島は地球に
大陸が生まれた状態を再現していると分かりました。 最初の調査から4年。

噴火が一旦止まった西之島で、火山の研究者たちが上陸調査を行いました。

新たな挑戦から、大陸がダイナミックに成長する過程が見えて来ます。

西之島が噴き出した溶岩などの量は、4.6億トン以上。

世界最大のピラミッド76個以上にもなる、極めてまれな大規模噴火です。

一体、何が起きているのでしょうか?

火山の調査班は、念願だった西之島の溶岩を、直接、手にしました。

2年前には、灼熱の溶岩が流れていました。

冷めたばかりの新鮮な溶岩を手にするのは、地質学者にとって幸せの瞬間
です。 大きなサンプルがあれば、これまでより、より詳しい分析が出来ます。

“2017年に出て来た溶岩流に、今、いるのですね”

“だから、今まで取った事がない溶岩の試料になります”

“まだ2歳の溶岩… 我々が今回の上陸調査で取ろうとしていた重要な試料
です”

顕微鏡で調べると、西之島の溶岩は、他の安山岩より、結晶が少ない事が
分かりました。

この違いは、地表へ出た時の温度が高く、流れやすい性質を持っていた事を
示します。

西之島では、溶岩が低い方へと素早く流れた為、急速に島の面積が広がって
いたのです。

他の安山岩との違いを調べる事で、地球で大陸が成長する仕組みが分かる
といいます。

約40億年前、海しかなかった地球に出来た、初めての安山岩の島。

せっかく生まれた安山岩の島ですが、プレートの運動でやがて沈み込み帯に
潜ってしまいます。 しかし安山岩は、すぐに溶けて、地表へ戻って来ます。

伊豆諸島のような重い岩石の島は、沈み込み帯に潜ると、そのまま沈んで
しまい、地上には戻って来ません。

安山岩の島が、次々に沈み込み帯で溶けて地表にたまり、大きくなって行き
ます。 それが、大陸への成長のスタートなのです。

その後、大陸同士が衝突し、ダイナミックに変化して行きます。

しかし、地下で何が起きていたのか、分かっていない事が多くあります。

知られざる地球史を、読み解く事が出来るのか?

島の上に地震計を設置して、地球の秘密に迫るデータを増やして行こうとして
います。

“いや~、なるほどって… こうやって出来るんだ…”

“海洋島ならではの観察じゃないかなと思います…”

“新しい火山島が出来て、成長して、どんどん進化して行くという、そういう
プロセスが見られる場所というのは、地球上全体を見ても非常に、まれです”

“その火山活動が、どういうものであるのかというのを、きちんと明らかにする
というのは、非常に科学的に重要な意味を持っていると思っています”

私たちが生きる大陸は、どうやって生まれたのか?

今後は、どう変わって行くのか?

地球の生い立ちを、西之島は語ってくれようとしています。

太陽系で唯一、大陸がある星、地球。

現在の姿になるまでには、悠久の時間をかけた変化がありました。

火山が生んだ大地に、生き物が入り込む事で起きる大異変。

その最前線を目撃します!

2017年に出来た浜を調べるのは、鳥類担当の調査員です。

“この浜辺は、ドローンで調査した時も、ほぼ、鳥はいなくて…”

“まだ定着はしてないなのではないかなという予想はしています”

まだ生き物は入り込んでいないと思われた時、意外なものを見つけました。

漂着したゴミですか?

“まるでゴミが集まっているように見えると思うのですが、これはカツオドリの
巣の跡ですね”

巣は、海鳥が新しい浜に来ている証拠です。

通常、カツオドリは、枝や枯れ草を使って巣を作ります。

しかし、ここは植物がない西之島。 流れ着いたゴミを使ったようです。

太陽に照らされた地面は熱いのでゴミを断熱材にした巣を作っていたのです。

“ほとんどプラスチック片とかなのですが、よく見ると、これ、木ですよね…”

“木の皮とかですね。 あと、彼ら自身… 鳥の羽毛が入っていたり…”

“あと、トビウオのヒレの部分だったり、そういう破片を拾って来て、それで巣を
頑張って組んでいるのだと思います”   驚きの発見が続きます!

“あそこに、カツオドリのヒナが1羽、隠れてます。 元気そうにしていますね”

生まれて3週間ほどのヒナです。 新しい大地で繁殖していました。

“僕が思っているよりも早く、海鳥が移動して、ここを利用し始めている”

“繁殖が始まっている…”   このカツオドリは、どこから来たのでしょうか?

鳥類調査員、500メートルほど離れた隣の浜に向かいます。

崖を登った先には、たくさんのカツオドリ!

ふ化して2カ月は経つヒナが、100羽以上!

もう1カ月もすれば、飛べるようになります。 ここは旧島と呼ばれる場所です。

噴火前にあった旧西之島が、溶岩にのみ込まれずに、かろうしで残った場所
です。噴火前から生き残った植物も生えているので巣が作りやすいようです。