2020年10月26日 (月) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
ドローンも飛ばして、白い煙の正体を探ります。
火山性のガスならば、どこかに噴気孔があるはずです。
溶岩の内部が、まだ高温なので、染み込んだ雨水が湯気になった可能性が
あります。
“噴気が出ているとは見えない… たぶん大丈夫だと思います…”
‘ガス検知器を稼働させていますが、今のところ、全く感度ありません’
‘臭いもありません’ “はい。了解しました”
有毒ガスは出ていないと確認でき、上陸調査は決行! 良かったですね!
でも、噴火は、一時的に止まっているにすぎません。 油断は禁物です!
調査船からボートに乗り換えます。 目指す上陸地点は新しく出来た浜です。
ここは2年前まで、灼熱の溶岩が、海に注ぎ込んでいた場所。
波で削られた溶岩がたまって、短期間で広い浜が出来ていました。
皆さん、もう一息! 最後は海に入って、浜を目指します!
喜びをかみしめながら、一歩一歩、足を踏み入れて行きます。
“上陸できたー! おめでとうございます”
上陸の喜びを味わう間もなく、荷物運びです。 中身は、新品の服や靴。
ウエットスーツを脱いで、全て、新品に着替えます!
植物の種や虫などを持ち込まないための、外来種対策です。
対策は、上陸前から始まっていました。 こちらは、調査船でのお食事。
一見、普通の献立のようですが…。
“船員さんにお願いして、ご飯に、トマトや果物など、種のあるものは出さない
ようにしてもらっている。 万が一の事がないようにという事で…”
“上陸の1週間前から、タネのある果実は食べないようにしています”
上陸直前に頭まで潜っていたのも、ウエットスーツに付いた種などを洗い流す
ため。 島での排泄物も、全て持ち帰る徹底ぶりです!
島に入る生き物は、自然から来たものだけにする!
最新の注意を払って、さぁ、冒険の始まりです!
西之島に、生き物は入り始めているのか? 調査が始まりました。
まずは、浜を取り囲む、高さ10メートルほどの溶岩を登ります。
“溶岩が、結構、浮いてて危ないな…” ようやく、溶岩の上に到着!
まるで、見知らぬ惑星にでも降り立ったようです。
生き物は、全く見当たりません。
いずれは、ここにも草が芽吹き、木が茂り、さまざまな生き物が集う、豊かな
自然になるはずです。 調査隊は、10メートル四方の区画を作りました。
“これを、1年・2年・3年、10年、20年と見る事によって、ここに生態系が、どう
発達して行くかというのを見るためのモニタリング・サイトですね…”
今後も、この区画の調査を続けます。
生き物が、どう入り、どう変化して行くのか? 壮大な観察の始まりです。
海岸でも、生物の調査が行なわれました。
旧西之島には、カニや貝など、波打ち際の生き物が15種類以上いました。
しかし、溶岩に埋め尽くされて、海岸の生き物は全滅しています。
出来たばかりの海岸に、島の外から生き物は入って来ているのでしょうか?
丹念に調べていると…。
“すごく小さいですけど、ここにタマキビの仲間がいます…”
大きさ、僅か5ミリの巻き貝を見つけました。
“これは、だいぶ小さいので、まだ1年経ってないかぐらいだと思います…”
少し前まで、灼熱の溶岩だった場所に、早くも、海を渡って生き物が入って
いました。 さらに、海岸生物調査員が驚く生き物が見つかりました。
“ここにカサガイがいます。 シワガサというカサガイの仲間です”
“なかなか、こういう所には入って来れないと思っていたのですが、ここに
たどり着いているのが、結構、奇跡的だと思います…”
表情には見えにくいですが、調査員は、今、大興奮しています!
傘を広げたような形のシワガサは、最も原始的な貝の1つ。
新天地に入りやすい進化をしていないのに、素早く入っていたのです。
これらの貝の仲間は、生まれてすぐプランクトンの期間だけ海を漂い、長距離
を移動できます。
タマキビは、植物プランクトンを食べながら、2~3週間は漂って、遠くの海岸に
たどり着く進化をして来ました。
しかし、原始的なシワガサは、漂いながら食べる進化ができていません。
2~3日で海岸に着かないと、死んでしまいます。
では、シワガサは、130キロ離れた島から、どうやって来たのでしょうか?
“浮遊幼生期が短い… 2~3日しかない…”
“父島から130キロなので、ギリギリ渡って来れるか…”
シワガサは、他にも、新天地に入るのに不利な点があります。
たくさんの食料を必要とする、大食漢なのです。
西之島は、食べ物となる海藻が、まだ少ない悪条件にもかかわらず…。
“ポツポツいるので、それなりにいるのではないかと思います…”
3センチほどの大きさが6個体。 ここで2年以上生きていると考えられます。
調査員は、原始的なシワガサと、進化したタマキビたちとの生存競争が、気に
なるといいます。
“タマキビは非常に乾燥に強い貝なので、高い所、水しぶきが、かぶるくらい
の所で生きて行ける”
“なので、エサがなくても生きて行けるので、こういう新しい環境で適応できる
貝なのだと思います”
今後は、タマキビのような進化した種類が、次々に西之島にやって来る事も
考えられます。 原始的なシワガサは、競争に敗れて滅んでしまうのか?
原始的ながらも、現代まで生き残った、しぶとさを発揮して増えて行くのか?
新しい大地、西之島で、生命の厳しい攻防が始まろうとしています。
ドローンも飛ばして、白い煙の正体を探ります。
火山性のガスならば、どこかに噴気孔があるはずです。
溶岩の内部が、まだ高温なので、染み込んだ雨水が湯気になった可能性が
あります。
“噴気が出ているとは見えない… たぶん大丈夫だと思います…”
‘ガス検知器を稼働させていますが、今のところ、全く感度ありません’
‘臭いもありません’ “はい。了解しました”
有毒ガスは出ていないと確認でき、上陸調査は決行! 良かったですね!
でも、噴火は、一時的に止まっているにすぎません。 油断は禁物です!
調査船からボートに乗り換えます。 目指す上陸地点は新しく出来た浜です。
ここは2年前まで、灼熱の溶岩が、海に注ぎ込んでいた場所。
波で削られた溶岩がたまって、短期間で広い浜が出来ていました。
皆さん、もう一息! 最後は海に入って、浜を目指します!
喜びをかみしめながら、一歩一歩、足を踏み入れて行きます。
“上陸できたー! おめでとうございます”
上陸の喜びを味わう間もなく、荷物運びです。 中身は、新品の服や靴。
ウエットスーツを脱いで、全て、新品に着替えます!
植物の種や虫などを持ち込まないための、外来種対策です。
対策は、上陸前から始まっていました。 こちらは、調査船でのお食事。
一見、普通の献立のようですが…。
“船員さんにお願いして、ご飯に、トマトや果物など、種のあるものは出さない
ようにしてもらっている。 万が一の事がないようにという事で…”
“上陸の1週間前から、タネのある果実は食べないようにしています”
上陸直前に頭まで潜っていたのも、ウエットスーツに付いた種などを洗い流す
ため。 島での排泄物も、全て持ち帰る徹底ぶりです!
島に入る生き物は、自然から来たものだけにする!
最新の注意を払って、さぁ、冒険の始まりです!
西之島に、生き物は入り始めているのか? 調査が始まりました。
まずは、浜を取り囲む、高さ10メートルほどの溶岩を登ります。
“溶岩が、結構、浮いてて危ないな…” ようやく、溶岩の上に到着!
まるで、見知らぬ惑星にでも降り立ったようです。
生き物は、全く見当たりません。
いずれは、ここにも草が芽吹き、木が茂り、さまざまな生き物が集う、豊かな
自然になるはずです。 調査隊は、10メートル四方の区画を作りました。
“これを、1年・2年・3年、10年、20年と見る事によって、ここに生態系が、どう
発達して行くかというのを見るためのモニタリング・サイトですね…”
今後も、この区画の調査を続けます。
生き物が、どう入り、どう変化して行くのか? 壮大な観察の始まりです。
海岸でも、生物の調査が行なわれました。
旧西之島には、カニや貝など、波打ち際の生き物が15種類以上いました。
しかし、溶岩に埋め尽くされて、海岸の生き物は全滅しています。
出来たばかりの海岸に、島の外から生き物は入って来ているのでしょうか?
丹念に調べていると…。
“すごく小さいですけど、ここにタマキビの仲間がいます…”
大きさ、僅か5ミリの巻き貝を見つけました。
“これは、だいぶ小さいので、まだ1年経ってないかぐらいだと思います…”
少し前まで、灼熱の溶岩だった場所に、早くも、海を渡って生き物が入って
いました。 さらに、海岸生物調査員が驚く生き物が見つかりました。
“ここにカサガイがいます。 シワガサというカサガイの仲間です”
“なかなか、こういう所には入って来れないと思っていたのですが、ここに
たどり着いているのが、結構、奇跡的だと思います…”
表情には見えにくいですが、調査員は、今、大興奮しています!
傘を広げたような形のシワガサは、最も原始的な貝の1つ。
新天地に入りやすい進化をしていないのに、素早く入っていたのです。
これらの貝の仲間は、生まれてすぐプランクトンの期間だけ海を漂い、長距離
を移動できます。
タマキビは、植物プランクトンを食べながら、2~3週間は漂って、遠くの海岸に
たどり着く進化をして来ました。
しかし、原始的なシワガサは、漂いながら食べる進化ができていません。
2~3日で海岸に着かないと、死んでしまいます。
では、シワガサは、130キロ離れた島から、どうやって来たのでしょうか?
“浮遊幼生期が短い… 2~3日しかない…”
“父島から130キロなので、ギリギリ渡って来れるか…”
シワガサは、他にも、新天地に入るのに不利な点があります。
たくさんの食料を必要とする、大食漢なのです。
西之島は、食べ物となる海藻が、まだ少ない悪条件にもかかわらず…。
“ポツポツいるので、それなりにいるのではないかと思います…”
3センチほどの大きさが6個体。 ここで2年以上生きていると考えられます。
調査員は、原始的なシワガサと、進化したタマキビたちとの生存競争が、気に
なるといいます。
“タマキビは非常に乾燥に強い貝なので、高い所、水しぶきが、かぶるくらい
の所で生きて行ける”
“なので、エサがなくても生きて行けるので、こういう新しい環境で適応できる
貝なのだと思います”
今後は、タマキビのような進化した種類が、次々に西之島にやって来る事も
考えられます。 原始的なシワガサは、競争に敗れて滅んでしまうのか?
原始的ながらも、現代まで生き残った、しぶとさを発揮して増えて行くのか?
新しい大地、西之島で、生命の厳しい攻防が始まろうとしています。
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