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西之島は教えてくれる太古から続く地球の営みとは?
2020年10月25日 (日) | 編集 |
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早速、採取した溶岩の分析が始まりました。

その結果は…。   “これは、安山岩ですね…”

安山岩とは、地球に大陸を生み出す鍵となる岩石です。

大陸と海底は異なる種類の岩石で出来ています。海底を作るのは重い岩石。

一方、安山岩は軽いため、積み重なり、大陸を作る事ができます。

約40億年前、海しかなかった地球に、突然、安山岩が生み出され、大陸が
出来ました。 なぜ、大陸は生まれたのか?

西之島ならば、その謎が解けると、地質学者は期待しています。

より詳しく調べるために、西之島周辺の海底からも、岩石を取る事にしました。

“これ、良さそうですね…。   よし、よし、よし…   入った、入った…”

西之島から伊豆諸島までを調べると、面白い事が分かって来ました。

これらの島々は、2つのプレートの境界線に沿って並んでいます。

そこは、プレートが潜り込む、沈み込み帯。

火山活動が盛んになり、島が、いくつも生まれる場所です。

西之島と伊豆諸島は、兄弟のような島ですが、不思議な事に、西之島だけが
軽い安山岩を噴き出す火山だったのです。

地球に初めて、安山岩が生まれた時の様子を、西之島は再現しているのでは
ないかと、地質学者は考えました。

西之島と伊豆諸島の地下深くには、どんな違いがあるのか探って行きます。

調査から、地表を覆う、地殻の厚さに違いがありました。

伊豆諸島の地殻は、30キロ以上の厚さがありましたが、西之島の地殻は、
20キロの薄さです。

このデータから、初期の地球で、安山岩が生み出された仕組みが、推理でき
ました。

約46億年前、誕生したばかりの地球は、全てマグマで覆われ、海も陸もない
状態でした。

その後、大気中の水蒸気が雨となって降り注ぎ、地球全体が海に覆われ
ました。 この頃の地殻は非常に厚く、現在の伊豆諸島と同じ状態でした。

40億年前になると、地球がかなり冷えて来たので、地殻が作られる量が減り
薄くなって来ます。 この状態が、現在の西之島で再現されていました。

地殻が薄くなった沈み込み帯では、地球内部のマントルが、低温低圧で溶け
出します。 この条件で生み出される岩石こそ、安山岩だったのです。

安山岩の登場は、地球の運命を大きく変えて行きます。

やがて、安山岩の島が衝突を繰り返し、大陸へと成長。

太古から続く地球の営みを、西之島は教えてくれたのです。

“西之島周辺は、太古の地球ですね”

“大陸ができ始めた頃の地球と、非常に、よく似ている”

“まさに、太古の窓と言えると思います…”

私たちの星、地球。 青い海があり、大陸がある。

当たり前と思っていた、この姿は、大地の奇跡だったのです。

この新たな大地に、生命は、どう進出するのでしょうか?



☆地球史絵巻(西之島編)☆

夜、西之島は、異なる姿を私たちに見せてくれます。

昼間は、太陽の光で見えなかった、溶岩の輝きです。

300メートルも噴き上がる火口。

スローモーションに見間違えるほど、壮大なスケールで、大地が生まれて
います。 日の出前の薄明(はくめい)。

溶岩の輝きが、島の形を浮かび上がらせます。

軽々と舞って見える岩石は、1つが、3メートルほどの大きさです。

波打ち際では、せり出す溶岩と、削り取る波との攻防が続いています。

月の光に照らされた、火の島。

約40億年前から地球で繰り広げられて来た、人知れぬ絵巻です。



2019年9月。 西之島の噴火が、一時休止。 待望の機会がやって来ました。

環境省の総合調査に、火山と生物の専門家が参加。

新しく生まれた大地に、どのように生き物がやって来るのか?

初めての上陸調査です!

“待ちましたからね… 毎年、企画するたびに、噴火してくれちゃうから…”

“ワクワクと不安が入り混じっている気持ちです…”

“早く虫を探しに行きたいです…”

噴火は、もともとあった旧西之島の、すぐ隣の海底から始まりました。

大量の溶岩は旧島をのみ込み、直径およそ2キロメートルにも広がります。

海の真っ只中に、これほど大きな島が誕生するのは、人類の観測史上初めて
の事です。 激しい噴火を繰り返していた西之島。

今は、静かに、たたずんでいます。

“いつか、ここが、緑の島になるんですよね…”

これまでも、新しい島が誕生した記録はありますが、距離は30キロほど。

そのため、ほぼ同じ生態系になりました。

一方、陸から遠く離れた西之島では、新しい生態系がゼロから出来る様子が
見られるはずです。 (西之島 ← 約130キロ → 父島)

島に近付くと、予想外の光景が目に飛び込んで来ました。

“煙が出てる… 硫黄なのか分からないけど、白い部分があるので…”

白い煙が立ち込めています。

“白いモヤが、いっぱい出てる… それが、ただのモヤじゃなくて、火山性の
ガスなんじゃないかと… その辺りが本当だとすると…”

“上陸を、どうするか厳しいところがあるなかと…”

もしも火山性の有毒ガスなら、調査中止もあり得ます。

“こういうのは想定していなかったので…”

火山の専門家たちが、慎重に確認します。