fc2ブログ

平和な田舎暮らしに美容・健康など自由気ままに綴っています!
噴火が始まり拡大を続ける西之島で大陸の誕生の謎とは?
2020年10月24日 (土) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
小笠原諸島の西之島。 大海原の、ただ中に、広い大地が誕生する瞬間を、
人類は初めて目にしています。

噴火を繰り返す西之島。 実は、宇宙の中でも、とても珍しい火山です。

火山は、太陽系の惑星や衛星にもあります。

木星の衛星イオには、高さ300キロメートルまで噴き上げる火山。

金星には、直径30キロメートルものカルデラが広がります。

火星のオリンポス山は、高さ2万6000メートル! 太陽系の最高峰です。

一方、西之島の高さは、僅か160メートルほど。

しかし、宇宙の他の天体では見つかっていない、ある岩石を噴き出します。

その岩石がなければ、地球には大陸が出来ず、海しかない惑星だったかも
知れないのです。

そんな重要な岩石が、どうして、地球で生まれたのか? 分かっていません。

その謎を解き明かす手掛かりは、西之島に隠されているのです。

2019年、噴火は、一旦、収まりました。 上陸調査の絶好の機会!

挑んだのは、火山と生物の専門家たちです。

新しく生まれた大地に生き物がどのように上陸し、島の姿を変えて行くのか?

人類は初めて、その現場を、リアルタイムで見る事ができます。

“ハハハ…! いるとは思わなかったもんな…”   ‘ゼロじゃなかった…’

大陸が生まれ、そこへ生命が進出する。

惑星・地球の歴史を紐解き、西之島の冒険へ出掛けましょう!

“あんまり、人類が観察して来なかっただけで、実は、そういう事が起こって
いるのでしょうね…”

“西之島の周辺というのは、太古の地球… 大陸が出来始めた頃の地球と
非常によく似ている。 まさに、太古の窓と言えると思います”

今は、表面の3割が大陸に覆われている地球。

しかし、約40億年前まで大陸はなく、海だけの惑星でした。

そこに、突如として、大陸が生まれます。

私たち人類が暮らす大陸は、どうやって生まれたのか?

その謎を、西之島で探ります。

西之島があるのは、東京都心から南へ、およそ1000キロメートル。

1番近い父島からでも、130キロメートルほど離れています。

2015年。 噴火が続く西之島に、調査船が近付きました。

島の姿に目を輝かせるのは、地質学者の男性です。

“地球の中で、どうやって大陸が出来るのかっていう事を、明らかにしたいと
思ってますし、それがまさに今、噴火している西之島で解明できるのではない
かという、そういう期待もあります”

2013年。 “今、黒い煙を上げて噴火が起きました” (取材者)

2013年から噴火が始まり、拡大を続ける西之島。

大陸誕生の再来ではないか? そう、地質学者が考えています。

“非常にエキサイティング! ワクワク、ドキドキしています!”

島は、最も噴火が激しい時期を迎えていました。

飛び散る噴石や、海底噴火の危険があるため、島から4キロ以内に、人は
立ち入り禁止!

そこで白羽の矢が立ったのが、産業用の無人ヘリコプターです。

この無人ヘリで溶岩を取り、詳しく調べようと考えたのです。

そのために開発したのが、回転ブラシ付きの採取機です。

無人ヘリから吊り下げて、島から新鮮な溶岩を持ち帰る作戦です。

“非常に貴重な岩石です。 4キロ以内に入れないのは非常に悔しい”

“宝を目の前にしてますから… ゴー!ゴー!無人ヘリで取って来て下さい”

大陸誕生の謎を解けるかは、このフライトに懸かっています。

風速8メートル。 無人ヘリが飛び立ちました!

無人ヘリから送られて来るデータを頼りに、遠隔で操縦します。

‘順調ですね…’    7分後、島の上空に到達です。

海に注ぎ込む溶岩の温度は、1000度近いと考えられます。

さらに島の中心へ! ヘリの機体が、熱であぶられます。

溶岩の噴き出し口を発見! ゆっくりと溶岩が流れています。

慎重に火口へと近付きます。   “すげえ…! 石、すげえ飛んでる!”

“おお~! きた~!”   これこそ、地質学者が調べたい岩石!

地球の中から、生まれたばかりです!

無人ヘリは、再び、海岸線へ向かいます。   ‘今、目的地上空に着きました’

波で砕かれ、小さくなった溶岩を採取するためです。

‘もうちょっと(溶岩が)細かい所を取りたい…’

高度30メートルから狙いを定めます。   ‘下ろします’

‘ガリガリやってます’   回転ブラシが、かき込んでいます。

しかし、取れているかは、船に戻らないと確認できません。

‘これで帰りますか’   ‘はい、上がります’

‘このままの高度で行きます’   ‘はい、いいですよ’

実は、揺れる甲板に戻るのが、このミッションの最大の難関!

頼りの操縦者は船酔い中…。 ガムを噛んで、懸命に集中力を保っています。

甲板に下ろそうとしますが…。 振り子のように、大きく揺れてしまいます。

‘大丈夫か?’   ‘諦める?’   ‘いけ! いけ!’   ‘やったー!’

巧みな操縦、お見事です!   ‘やったー!抜群だ!’   ‘すげえ!’

果たして、溶岩は取れているのか?

“あっ! あった! 小さいけど、カケラが入ってた!”

“溶岩だ! みるからに溶岩だ!”

‘ダイヤモンドの価値がありますよ! これは!’

“やりました! 非常に手頃な大きさで、本当に、いいサンプル取れました!”

地球の謎を解く貴重な溶岩を、何とか手に入れました!