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激変する現代の気候を私たちはどう生き抜いて行くのか?
2020年10月08日 (木) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
北極、そして南極。

地球上にある2つの氷の世界は、凍てついた何もない場所に見えます。

しかし、氷や海、永久凍土の中を探すと…  “マンモスの牙だ!”

今とは全く異なる極地の姿が見えて来ます。

氷の面積は、数十万年の周期で、大きく変動している事が分かって来ました。

そして、氷河を削り取る真犯人も…。 シリーズ極地大冒険。

北極・南極を冒険し、壮大な地球史を読み解きます。

今回の主人公は、スミソニアン国立自然史博物館の館長。

時に、氷の海に漕ぎ出し、時に、永久凍土の洞窟に潜り込みます。

今、人類は、アイスハウスと呼ばれる氷の時代に生きています。

この先、極地の氷は、一体、どうなるのか?

来たるべき地球の未来に迫ります。

現代まで続く、アイスハウスの時代。

太陽系の運動が生み出すサイクルにより、地球の気候は、氷期と間氷期を
往復し、人類は、その変動の中を生き抜いて来ました。

しかし、人類の営みそのものが、このサイクルを乱し始めています。

今、何が起きているのか? そしてこれから、どうなるのでしょうか?

スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。

“氷河は、いわば、地球の温度計なんだ! とける時は暑い!”

“今、世界中で氷河が縮小している!”

“かつては広大だったが、今や奥へと、引っ込み始めているんだ!”

氷河が劇的に縮小しているのが、グリーンランドにあるヤコブスハブン氷河。

グリーンランド全域を覆う、広大な氷床の端に位置しています。

“でっかい氷山があるぞ! すごいスケールだ!”

氷河近くの研究基地で、ヤコブスハブン氷河のデータが取られています。

観測チームは、毎年、夏、数週間、ここに滞在します。

“こういう場所へ来ると、氷河のスケールに圧倒されるなぁ~”

“ここは、ヤコブスハブン氷河の頂上!”

“あっちに、グリーンランドの広大な氷床が見える!”

“ここの氷河の移動速度は、世界一だ!”

“驚くべきペースで、氷河から氷山が切り離されている!”

氷河が海と接する地点に、キャンプがあります。

ここから氷山は切り離され、海に流れ出ます。

タイタニック号を沈めた氷山も、ここから分離したといわれます。

“問題は、氷山が切り離されるペースが、速いのかどうか?観察あるのみだ”

氷河の動きを研究している気象学者です。

特殊カメラで、1年間、撮影しています。

撮影した映像を、基地の中で見せてもらいました。

数カ月分をまとめて見ると氷河が川のように流れている事がよく分かります。

1850年代以来、氷河は、フィヨルドの奥へと後退を続けています。

更に、今世紀に入ってペースが上がり、10年間で16キロ以上も後退しました。

“96年に来た時は、ふもとまで氷河があったのに…”

‘君が来た次の年から、後退が始まったんだ…’

氷河が急速に後退している原因は、何なのか?

研究チームは、氷の裂け目を狙って、海に計測器を落とします。

5キロメートルごとに、海水温を測定するのが目的です。

計測器は、深さごとの水温を、リアルタイムで送って来ます。

‘水深400メートル、1.6度。  水深600メートル、1.7度 … ’

全12地点で、水温を測定。

その結果、水深が深くなるほど、海水の温度は上がっていました。

温度の高い海水が、氷河を下から、とかしていたのです。

氷河の動きを研究している気象学者は、言う。

‘過去20年間にわたる氷河後退の犯人は、どうやら海水のようです’

‘ここ何十年で、大きな変化が起きています’

‘1997年まではグリーンランド沿いの水温は低かったのですが、突然、温暖な
海水が流れ込み、以来、水温は高いままです’

‘これは、氷河の突然の後退と合致します’

これは、1997年の夏に起きた、最大級の崩壊現象の映像です。

僅か30分で、長さ6キロメートル、マンハッタン島の半分ほどの氷山が、氷床
から分離しました。

1つの崩壊が切欠となり、背後の巨大な氷の塊が一気に流れ出したのです。

氷河だけでは、ありません!

何百万平方キロメートルにもわたって広がる海氷も危機にさらされています。

この40年間、北極の海氷面積は、年々、小さくなり続けているのです。

では、地球の反対側の南極では、今、何が起きているのでしょうか?

日本の 南極観測船しらせ です。

南極の環境変動が、地球に、どのような影響を及ぼすのか?

毎年、観測隊による、さまざまなな調査が、昭和基地を拠点に行なわれて
います。

南極の巨大な氷床には、今、どんな変化が起きつつあるのでしょうか?

注目を集めるのが、氷が海にせり出した 棚氷(たなごおり) の調査です。

棚氷が崩れるスピードが速まる事で、南極全体の氷床が減少する可能性が
指摘されています。

そこで棚氷に穴を開け、氷の下にある海水温を観測する事にしました。

北極では、ヘリから計測器を落としていましたね。

しかし、棚氷の厚さは、最大で400メートル! 簡単には水温は測れません!

そこで用意されたのが、お湯!

85度のお湯を、勢いよく吹きつけ、穴を開けるのです。