2020年10月06日 (火) | 編集 |
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北極・南極の悠久の歴史を読み解く、極地大冒険。
前回の冒険で見えて来たのは、極地の驚くべき太古の姿でした。
かつて極地は、緑に覆われていたのです。 5000万年以上も前の事でした。
南極では、恐竜が闊歩し、北極では、沼地に野生動物が生息していました。
ところが、更に過去へ遡ると、地球全体が氷に覆われた時代がありました。
6億年以上前の地球はアイスボールと呼ばれる真っ白な天体だったのです。
地球は、極地に氷が全くない温暖なホットハウスと、極地が氷に覆われた
アイスハウスとの往復を繰り返していました。
ダイナミックな気候変動が、続いて来たのです。
そして、およそ3400万年前から極地に氷があるアイスハウスの時代が続いて
います。 この時代にも、また、急激な気候変動が起きていました。
現在へつながるアイスハウスの時代を、見て行きましょう!
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“アイスハウスは、ここ南極から始まった”
南極に次いで、数百万年後、今度は、北極が氷で覆われます。
急速に南へと広がる氷。
やがて館長の故郷、北米のシアトルまで到達していたようです。
“懐かしいなぁ~ この風景の中に、過去を知る手掛かりがあったんだ”
“デカイ岩だろ? 木が生えているから、ずっと昔からある事は分かる”
“同じような岩が、他の都市でも見つかっているんだ”
こちらはニューヨーク。 ご存知、セントラルパークです。
公園の一角に、巨大な岩が1つ。
このように、ポツンと残された岩を、迷子石と呼びます。
迷子石が、どこから来たのか?
その答えを見つけるには、地形の全貌を知る必要があります。
館長がやって来たのは、シアトルの街を一望できるスポット。
シアトル名物、スペースニードルです。落下防止のロープを付けて準備万端!
高さ184メートル。 高所恐怖症の人には、オススメしません!
“すごい場所だな… てっぺんに登れる日が来るなんて思ってもみなかった”
“高い所から見ると、地形が、よく分かる”
“見えなかった大きな痕跡が、浮かび上がって来るんだ”
シアトルの地形はフィヨルドと呼ばれる入り組んだ谷が南北に続いています。
これは、巨大な氷河で大地が削られた痕跡です。
巨大な氷に覆われた時代は、およそ1万年前まで続いていました。
その間、氷河は、海岸線を削りながら移動し、迷子石を残しました。
高さは、900メートル。 スペースニードルの、実に5倍の高さです。
当時シアトルは北アメリカの半分を覆っていた氷河の端に位置していました。
“私が育った、この風景は、氷河がつくったんだ!”
“でも、この辺り一面が、氷に埋もれていたんだとしたら、人間や動物は、
どうやって暮らしていたんだろう?”
答えを求めて向かったのは、シアトルから北へ2000キロメートル。
カナダ・ユーコン準州の端にある、北極圏のクロンダイクです。
かつて、ゴールドラッシュに沸いた場所。
今も金が掘られていますがシャベルは使いません。 使うのは大型の放水機。
凍った地面を、とかします。 ここには金以外にも、お宝が埋まっています。
氷河期の生き物です。 館長が、古生物学者と共に、発掘に挑戦します。
凍った泥の中に、骨が埋まっています。
“まるで消防士になった気分だ! 氷の層が出て来たぞ!”
‘今から3万年前の氷です’ “いよいよ、宝探しのスタートだ!”
凍土に埋まっていたため、骨の保存状態は良好です。
‘館長! こっちに、デカイ骨があります!’
“マンモスの骨か! デカイな! とても状態がいいぞ!”
‘太古のニオイがするでしょう?’ “いいニオイだ!”
‘まだ骨のままだ… 恐竜の化石みたいに、石になってない’
“化石なのに、石にならないんだな…” ‘これを見て…’
“ヘラジカの骨か!” ‘こっちは馬の足だ…’ “何でもあるなぁ~”
“これはオオカミの頭蓋骨。 見事な歯だ!”
“すごいじゃないか! マンモスの牙だぞ!”
“マンモスの牙を持って歩き回る日が来るとはな…”
‘見つけられるものは、全部、見つけましたね!’ “大収穫だ!”
“バイソン・マンモス・ウマ・ムース・カリブー、更に、肉食動物のオオカミに
ライオンだ!”
保存状態が良い骨を分析すると、動物たちが、寒さに、どう適応したかが
分かって来ます。 例えば、マンモスは、体長5メートル前後。
牙の長さは、最長で、3.6メートルもありました。
ゾウと共通の先祖から進化しましたが、寒冷な気候の中で生き延びるため、
毛が長くなり、耳が小さくなりました。
どうやら、ここには、多くの哺乳類がいたようです。
北アメリカの大部分が氷に覆われていた時代、彼らは、どのように生き延びた
のでしょうか? 欠かせないのが、豊富な食料。
当時、この場所は、今とは異なる環境だったようです。
‘マンモスやバイソンやウマは、大型の草食動物’
‘という事は、この辺りは、草原だったはずです’
“今の北極に、草原はないよね?”
‘その通りです。 すでに、なくなってしまった生態系なんです’
草原が広がっていたといいますが、確かシアトルは、巨大な氷に覆われて
いましたよね?
“アラスカのこの辺りは、氷に覆われてはいなかったんだね?”
‘寒さと乾燥が激しくて、氷が出来なかったんです’
当時、北アメリカの大部分は、氷に覆われていましたが、この辺りでは、氷を
形成するほどの雪が降りませんでした。
更に、凍る事で海面が低下し、アラスカとシベリアの間に、新たな土地が出現
しました。 ベーリング陸橋です。
今でこそ、森やツンドラ地帯が広がっていますが、当時は大草原が広がり、
夏には、ケシやキンポウゲなどの小さな花が咲き乱れていました。
やがて、氷が後退して道が開け、動物や人類は、アジアと北アメリカの間を
移動できるようになりました。
厳しい氷河期の隙間を縫うように、人類は、大陸を移動しながら生き延びた
のです。
北極・南極の悠久の歴史を読み解く、極地大冒険。
前回の冒険で見えて来たのは、極地の驚くべき太古の姿でした。
かつて極地は、緑に覆われていたのです。 5000万年以上も前の事でした。
南極では、恐竜が闊歩し、北極では、沼地に野生動物が生息していました。
ところが、更に過去へ遡ると、地球全体が氷に覆われた時代がありました。
6億年以上前の地球はアイスボールと呼ばれる真っ白な天体だったのです。
地球は、極地に氷が全くない温暖なホットハウスと、極地が氷に覆われた
アイスハウスとの往復を繰り返していました。
ダイナミックな気候変動が、続いて来たのです。
そして、およそ3400万年前から極地に氷があるアイスハウスの時代が続いて
います。 この時代にも、また、急激な気候変動が起きていました。
現在へつながるアイスハウスの時代を、見て行きましょう!
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“アイスハウスは、ここ南極から始まった”
南極に次いで、数百万年後、今度は、北極が氷で覆われます。
急速に南へと広がる氷。
やがて館長の故郷、北米のシアトルまで到達していたようです。
“懐かしいなぁ~ この風景の中に、過去を知る手掛かりがあったんだ”
“デカイ岩だろ? 木が生えているから、ずっと昔からある事は分かる”
“同じような岩が、他の都市でも見つかっているんだ”
こちらはニューヨーク。 ご存知、セントラルパークです。
公園の一角に、巨大な岩が1つ。
このように、ポツンと残された岩を、迷子石と呼びます。
迷子石が、どこから来たのか?
その答えを見つけるには、地形の全貌を知る必要があります。
館長がやって来たのは、シアトルの街を一望できるスポット。
シアトル名物、スペースニードルです。落下防止のロープを付けて準備万端!
高さ184メートル。 高所恐怖症の人には、オススメしません!
“すごい場所だな… てっぺんに登れる日が来るなんて思ってもみなかった”
“高い所から見ると、地形が、よく分かる”
“見えなかった大きな痕跡が、浮かび上がって来るんだ”
シアトルの地形はフィヨルドと呼ばれる入り組んだ谷が南北に続いています。
これは、巨大な氷河で大地が削られた痕跡です。
巨大な氷に覆われた時代は、およそ1万年前まで続いていました。
その間、氷河は、海岸線を削りながら移動し、迷子石を残しました。
高さは、900メートル。 スペースニードルの、実に5倍の高さです。
当時シアトルは北アメリカの半分を覆っていた氷河の端に位置していました。
“私が育った、この風景は、氷河がつくったんだ!”
“でも、この辺り一面が、氷に埋もれていたんだとしたら、人間や動物は、
どうやって暮らしていたんだろう?”
答えを求めて向かったのは、シアトルから北へ2000キロメートル。
カナダ・ユーコン準州の端にある、北極圏のクロンダイクです。
かつて、ゴールドラッシュに沸いた場所。
今も金が掘られていますがシャベルは使いません。 使うのは大型の放水機。
凍った地面を、とかします。 ここには金以外にも、お宝が埋まっています。
氷河期の生き物です。 館長が、古生物学者と共に、発掘に挑戦します。
凍った泥の中に、骨が埋まっています。
“まるで消防士になった気分だ! 氷の層が出て来たぞ!”
‘今から3万年前の氷です’ “いよいよ、宝探しのスタートだ!”
凍土に埋まっていたため、骨の保存状態は良好です。
‘館長! こっちに、デカイ骨があります!’
“マンモスの骨か! デカイな! とても状態がいいぞ!”
‘太古のニオイがするでしょう?’ “いいニオイだ!”
‘まだ骨のままだ… 恐竜の化石みたいに、石になってない’
“化石なのに、石にならないんだな…” ‘これを見て…’
“ヘラジカの骨か!” ‘こっちは馬の足だ…’ “何でもあるなぁ~”
“これはオオカミの頭蓋骨。 見事な歯だ!”
“すごいじゃないか! マンモスの牙だぞ!”
“マンモスの牙を持って歩き回る日が来るとはな…”
‘見つけられるものは、全部、見つけましたね!’ “大収穫だ!”
“バイソン・マンモス・ウマ・ムース・カリブー、更に、肉食動物のオオカミに
ライオンだ!”
保存状態が良い骨を分析すると、動物たちが、寒さに、どう適応したかが
分かって来ます。 例えば、マンモスは、体長5メートル前後。
牙の長さは、最長で、3.6メートルもありました。
ゾウと共通の先祖から進化しましたが、寒冷な気候の中で生き延びるため、
毛が長くなり、耳が小さくなりました。
どうやら、ここには、多くの哺乳類がいたようです。
北アメリカの大部分が氷に覆われていた時代、彼らは、どのように生き延びた
のでしょうか? 欠かせないのが、豊富な食料。
当時、この場所は、今とは異なる環境だったようです。
‘マンモスやバイソンやウマは、大型の草食動物’
‘という事は、この辺りは、草原だったはずです’
“今の北極に、草原はないよね?”
‘その通りです。 すでに、なくなってしまった生態系なんです’
草原が広がっていたといいますが、確かシアトルは、巨大な氷に覆われて
いましたよね?
“アラスカのこの辺りは、氷に覆われてはいなかったんだね?”
‘寒さと乾燥が激しくて、氷が出来なかったんです’
当時、北アメリカの大部分は、氷に覆われていましたが、この辺りでは、氷を
形成するほどの雪が降りませんでした。
更に、凍る事で海面が低下し、アラスカとシベリアの間に、新たな土地が出現
しました。 ベーリング陸橋です。
今でこそ、森やツンドラ地帯が広がっていますが、当時は大草原が広がり、
夏には、ケシやキンポウゲなどの小さな花が咲き乱れていました。
やがて、氷が後退して道が開け、動物や人類は、アジアと北アメリカの間を
移動できるようになりました。
厳しい氷河期の隙間を縫うように、人類は、大陸を移動しながら生き延びた
のです。
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