2020年10月05日 (月) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
数千年前には、大規模な噴火があり、琵琶湖の10倍もの体積の溶岩と灰が
吐き出されました。
地球の歴史を振り返ると、火山活動によって、現在より、はるかに多い二酸化
炭素が放出されていた時代が、何百万年間もあったとされます。
地質学者は、火山の二酸化炭素こそ、ホットハウスの原因と考えています。
しかし、火山が二酸化炭素を出し続けているのなら、大気中に、たまって行く
はずです。 地はは、どうして、金星のように高温にならないのでしょうか?
地球には、金星にない現象があるはずです。
二酸化炭素を大気中から取り除き、別の場所へ送る現象。
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“まさに、その現象を体験中だ! 私に降り注ぐのは、雨!”
“この中に、二酸化炭素が溶けているんだ!”
雨は、大気中の二酸化炭素を吸収します。
雨が集まると、勢いよく流れる川となります。
二酸化炭素が溶けているため、この水は弱酸性です。
それが、岩を侵食し、カルシウム・マグネシウム・ケイ素などのミネラル元素が
放出されます。
“川下りをすると、流れの強さを感じる事ができる”
“まるでノコギリのように、雨は山を半分に削り、そこに渓谷が出来るんだ”
“今、私がラフティングを楽しんでいる、この川の水には、ミネラルがたくさん
含まれている。 水は、溶け出したミネラルと共に、やがて海に流れ込むんだ”
ひとたび海に到達すると、水に溶けた元素は、小さな生物に吸収され、貝殻の
形成に利用されます。
この貝は、海の底に沈殿し、数百万年かけて、石灰層を形成します。
こうして、岩の中に、二酸化炭素は閉じ込められるのです。
これが、地球の気候を決定づける、炭素循環の最終段階です。
“炭素が地中に多くある時には、気温は低くなる”
“そして炭素が二酸化炭素として大気中に多く放出されれば気温は高くなる”
“地中の炭素量と、大気中の炭素量の綱引きこそが、気候の歴史なんだ”
炭素が気候変動のバランスを、どう保っているのか?
最も南の活火山、南極のエレバス山を例に見てみましょう!
この山は、1年中、氷に覆われています。 雨も降らず、川もありません。
しかし火山は、二酸化炭素を吐き出し続けています。
エレバス山は、6億年以上前、地球が氷に覆われたスノーボールの終わりを
知る手掛かりです。 氷に覆われていても、火山から出続ける二酸化炭素。
大気中に、たまるにつれ、温室効果によって気温は上昇し、スノーボールは、
とけだします。
エレバス山のような火山によって、地球はスノーボールから温暖な惑星へ
移行したのです。 ところが、ホットハウスの状態が、2億年余り続いた後…。
二酸化炭素の量が減り、地球の温度は、少しずつ下がり始めました。
およそ3400万年前から、現在まで続く氷河時代、アイスハウスの始まりです。
やがて巨大な氷の層が形成され、まず南極が次に北極が氷に覆われました。
“アイスハウスは、ここ南極から始まったんだ”
南極が凍った理由は、二酸化炭素が減ったからだけではありません。
特殊な状況が起きていました。 地球上で、孤立した存在になったのです。
“あっちに1100キロメートル行くと、南米大陸がある”
“ここと、南米大陸の間にあるのが、ドレーク海峡だ”
“世界で最も危険な海峡の1つで、激しい嵐が発生する”
“こうして船酔いもせずに乗っていられるのは、とてもラッキーなんだ!”
“今は穏やかだが、僅か数時間で急転する事もある”
頻繁に嵐が発生する理由は、強い海流があるからです。
しかし、ずっと、そうだったわけではありません。
恐竜がいた頃、南極と南米は、地続きだった事が分かっています。
およそ4000万年前から、プレートが徐々に引っ張られ、やがてドレーク海峡が
出来たのです。 南極が完全に孤立すると、周囲に強い海流が発生しました。
これが、南極環流です。
“南極環流によって、冷えた空気は出て行かず、暖かい空気も入って来なく
なった。 南極にとって、南極環流は、冷蔵庫のドアのようなものだ”
“このドアのために、南極は冷たく凍っているんだ”
地球全体の気温が下がり始めたのも、この頃です。
夏でも、雪が、とけなくなります。
そして南極点付近から氷河が形成され、南極は氷で覆われて行ったのです。
北極が氷で覆われるまでには、さらに数百万年かかります。
北極には大陸はなく、水の上に氷が出来るのは、時間がかかるからです。
やがて、北極の気温が下がり、周辺の陸地に氷が出来始め、周囲に急速に
広がって行きました。
こうして地球は、現在も続く氷の時代、アイスハウスへ突入して行くのです。
北極、そして南極の冒険から、知られざる太古の地球が見えて来ました。
氷が全くないホットハウスの時代。
そして、極地に氷があったアイスハウスの時代。
地球の気候は、大きな変動を繰り返していました。
鍵を握っていたのは、二酸化炭素。
その量によって、地球の気候は、今も激しく変わり続けているのです。
数千年前には、大規模な噴火があり、琵琶湖の10倍もの体積の溶岩と灰が
吐き出されました。
地球の歴史を振り返ると、火山活動によって、現在より、はるかに多い二酸化
炭素が放出されていた時代が、何百万年間もあったとされます。
地質学者は、火山の二酸化炭素こそ、ホットハウスの原因と考えています。
しかし、火山が二酸化炭素を出し続けているのなら、大気中に、たまって行く
はずです。 地はは、どうして、金星のように高温にならないのでしょうか?
地球には、金星にない現象があるはずです。
二酸化炭素を大気中から取り除き、別の場所へ送る現象。
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“まさに、その現象を体験中だ! 私に降り注ぐのは、雨!”
“この中に、二酸化炭素が溶けているんだ!”
雨は、大気中の二酸化炭素を吸収します。
雨が集まると、勢いよく流れる川となります。
二酸化炭素が溶けているため、この水は弱酸性です。
それが、岩を侵食し、カルシウム・マグネシウム・ケイ素などのミネラル元素が
放出されます。
“川下りをすると、流れの強さを感じる事ができる”
“まるでノコギリのように、雨は山を半分に削り、そこに渓谷が出来るんだ”
“今、私がラフティングを楽しんでいる、この川の水には、ミネラルがたくさん
含まれている。 水は、溶け出したミネラルと共に、やがて海に流れ込むんだ”
ひとたび海に到達すると、水に溶けた元素は、小さな生物に吸収され、貝殻の
形成に利用されます。
この貝は、海の底に沈殿し、数百万年かけて、石灰層を形成します。
こうして、岩の中に、二酸化炭素は閉じ込められるのです。
これが、地球の気候を決定づける、炭素循環の最終段階です。
“炭素が地中に多くある時には、気温は低くなる”
“そして炭素が二酸化炭素として大気中に多く放出されれば気温は高くなる”
“地中の炭素量と、大気中の炭素量の綱引きこそが、気候の歴史なんだ”
炭素が気候変動のバランスを、どう保っているのか?
最も南の活火山、南極のエレバス山を例に見てみましょう!
この山は、1年中、氷に覆われています。 雨も降らず、川もありません。
しかし火山は、二酸化炭素を吐き出し続けています。
エレバス山は、6億年以上前、地球が氷に覆われたスノーボールの終わりを
知る手掛かりです。 氷に覆われていても、火山から出続ける二酸化炭素。
大気中に、たまるにつれ、温室効果によって気温は上昇し、スノーボールは、
とけだします。
エレバス山のような火山によって、地球はスノーボールから温暖な惑星へ
移行したのです。 ところが、ホットハウスの状態が、2億年余り続いた後…。
二酸化炭素の量が減り、地球の温度は、少しずつ下がり始めました。
およそ3400万年前から、現在まで続く氷河時代、アイスハウスの始まりです。
やがて巨大な氷の層が形成され、まず南極が次に北極が氷に覆われました。
“アイスハウスは、ここ南極から始まったんだ”
南極が凍った理由は、二酸化炭素が減ったからだけではありません。
特殊な状況が起きていました。 地球上で、孤立した存在になったのです。
“あっちに1100キロメートル行くと、南米大陸がある”
“ここと、南米大陸の間にあるのが、ドレーク海峡だ”
“世界で最も危険な海峡の1つで、激しい嵐が発生する”
“こうして船酔いもせずに乗っていられるのは、とてもラッキーなんだ!”
“今は穏やかだが、僅か数時間で急転する事もある”
頻繁に嵐が発生する理由は、強い海流があるからです。
しかし、ずっと、そうだったわけではありません。
恐竜がいた頃、南極と南米は、地続きだった事が分かっています。
およそ4000万年前から、プレートが徐々に引っ張られ、やがてドレーク海峡が
出来たのです。 南極が完全に孤立すると、周囲に強い海流が発生しました。
これが、南極環流です。
“南極環流によって、冷えた空気は出て行かず、暖かい空気も入って来なく
なった。 南極にとって、南極環流は、冷蔵庫のドアのようなものだ”
“このドアのために、南極は冷たく凍っているんだ”
地球全体の気温が下がり始めたのも、この頃です。
夏でも、雪が、とけなくなります。
そして南極点付近から氷河が形成され、南極は氷で覆われて行ったのです。
北極が氷で覆われるまでには、さらに数百万年かかります。
北極には大陸はなく、水の上に氷が出来るのは、時間がかかるからです。
やがて、北極の気温が下がり、周辺の陸地に氷が出来始め、周囲に急速に
広がって行きました。
こうして地球は、現在も続く氷の時代、アイスハウスへ突入して行くのです。
北極、そして南極の冒険から、知られざる太古の地球が見えて来ました。
氷が全くないホットハウスの時代。
そして、極地に氷があったアイスハウスの時代。
地球の気候は、大きな変動を繰り返していました。
鍵を握っていたのは、二酸化炭素。
その量によって、地球の気候は、今も激しく変わり続けているのです。
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