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南極に秘められた太古の姿は今とは全く異なっていた?
2020年10月01日 (木) | 編集 |
第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」
この化石から、南極の環境が今とは全く異なっていた事が分かって来ました。

およそ8300万年前、凍えるように寒い大地は、ブナ・イチョウ・シダが生い
茂った森で覆われていたのです。

しかも、森があったのは、1カ所だけではありません。

“さっきの浜辺で見つけた、葉っぱの化石が2つ”

“一方、こちらは別の場所。 チリの南部で発掘された化石だ”

“私たちがいる場所から、1000キロメートル以上離れている”

“南極で見つかった葉と、チリで見つかった葉には、同じ特徴がある”

“これは、チリと南極が、かつて、つながっていた有力な証拠なんだ”

地球の地殻は、いくつものプレートに分かれ、移動しています。

プレートテクトニクスです。

南米と南極、更にオーストラリアで発掘された化石にも共通する特徴があった
という事実。

これはこれらの大陸が、かつて1つの巨大な大陸であった事を示しています。

そして大陸は、広大な森で覆われていました。

一体、どんな生物が、暮らしていたのでしょうか?

最も大きな手掛かりは、アルゼンチンのパタゴニア地方にありました。

“この荒野で、古生物学者のチームが、ある生物の化石を発見したという”

“すでに、いくつもの骨が掘り出されている”

‘こいつの骨は、あちこちに散らばっています’

‘すでに、前足・後ろ足・脊椎・尻尾などが見つかりました’

“恐竜の化石を発掘する時、重要な事は、私のような古代植物の研究者を
近付けない事だ”

“植物を見つけるために、ハンマーで岩を砕いてしまうからな!”

“ここでは、小さなピックやブラシを使うんだ”

“骨の下を削って、岩を取り除くって感じだな… では、私も、やってみよう!”

“今、まさに、この岩場で、数千万年、静かに眠っていた恐竜の骨を、慎重に
取り出しているんだ。 こいつには、名前がない。 新種の恐竜なんだ”

このチームが発掘したのはティタノサウルスと呼ばれるグループの一種です。

ティタノサウルスは草食恐竜で、長い尾・長い首・小さな頭が特徴です。

なぜ、これほど大きく成長できたのか?

それは、エサとなる植物が豊富だったからです。

‘1日、およそ500キログラムもの植物を食べていたようです’

“ものすごい菜食主義者だ!”  ‘そうですね。行動範囲も広かったようです’

“森を食べ尽くしながら、移動していたんだな…”

南米と南極が1つの大陸だった頃、恐竜たちは、食べ物を探して歩き回って
いたのです。

“南極で、ティタノサウルスが発見された事は?”

‘はい。 骨が1つだけ南極半島で発見されました。 尻尾の骨です’

“素晴らしい! つまり、この恐竜は、簡単に南極まで行けたんだな!”

更に発掘チームは数年前、この近くで、より驚くべき化石を発見していました。

“これは先ほど、私たちが掘り出した、大たい骨!”

“大きな骨だが、もっと大きな骨がある!”

“これまで発見された骨の中で、最大のものだ! あの脊髄もデカイだろう?”

“背は高い方なんだが… この骨には、かなわないな…”

大たい骨だけで、実に、2.4メートル。

どれほど大きいのか? 実物大の模型で見てみましょう!

“こいつは、とんでもないぜ!”

全長、およそ40メートル。 発掘現場近くの空港に、展示されています。

“骨だけじゃ、このデカさは分からないな!”

“パタゴティタン。 こいつが、世界最大の恐竜だ!”

南米と南極の間を、世界最大の恐竜が歩いていたなんて、驚きです。

改めて、およそ5000万年以上前の地球は今とはかなり違っていたようです。

南極では巨大な恐竜が闊歩していました。そして北極には沼地がありました。

地球の気候は、かつて、そんなに暖かかったのでしょうか?

それとも、別の可能性として、大陸移動が関係しているのでしょうか?

北極・南極で、生物の化石が見つかるのは、プレートの動きによるものなの
でしょうか?

“こう考える人たちがいる。 ちょっと待って! プレートテクトニクスは大陸の
移動だから、発掘された化石も、緯度の低い場所から南極へ、大陸ごと移動
したのではないか?と”

“悪くない考えだが、各大陸が当時どこにあったかはすでに解明されている”

“南極大陸は、間違いなく南極点の付近にあって、エルズミーア島は、北極点
の付近にあった。 それなのに、どちらも温暖だったんだ”

当時の地球の様子を見てみましょう。

確かに、館長の言う通り、南極は、ほぼ、そのまま。

エルズミーア島は、北極圏にありますね!

5000万年前、地球全体の温度は、今よりも高く、驚く事に、今のような北極と
南極の氷は、全く存在していなかったのです。

この後、更に驚くべき、地球と氷の歴史に、館長が迫ります。