2020年09月15日 (火) | 編集 |
第2116回「買ったまま眠っているものは?」
ここまでチームは、100グラム以上の隕石ばかりを探してきました。
しかし6月2日には西風が吹いていたため、小さな隕石は東側に吹き流されて
いるはずでした。 保護区に入って、5日目。
ベースキャンプを、12キロ東に移す決断をしました。
翌日は、探索の最終日でした。
現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。
“私は何度も、自分の計算をチェックしてから、みんなに言いました”
“ここに隕石が降った事は、間違いありません”
“慎重に歩いて、決して見逃さないでください… とね”
こうして迎えた、最終日の朝。 探し始めて、数分後の事でした。
若い技術者が、ベースキャンプから僅か30メートルの場所で、不思議な黒い
石を見つけました。 よく見ると、隕石特有の溶けた跡も認められます。
重さも、予想通り10グラムほど。
チームは、ついに、小惑星の破片を見つけたのです!
小惑星の破片を見つけた若い技術者は、言う。
“すごく興奮したし、とても嬉しかったよ!”
“僕にとっても、ボツワナにとっても、とても大切な発見だからね!”
最新の地球防衛システムが初めて捉えた、地球に衝突する小惑星。
世界中の人々が力を合わせた結果、その破片が、計算通りの場所から見つ
かりました!
現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。
“今回の発見は、地球防衛にとって、とても意義深いものです”
“地球に衝突する小惑星を、事前に望遠鏡が捉え、衝突地点を予測できると
証明したのです”
“より大きな小惑星が見つかったら、避難を呼びかける事もできるはずです”
隕石は、すぐにイタリアへと運ばれました。
世界最大の地下実験施設があるグランサッソ国立研究所で、分析を行うため
です。
ここでは、隕石が放つ、かすかな放射線を、極めて高い精度で測定できます。
その結果、地球に落下した直後の隕石だけに見られる特殊な同位体が検出
されました。
次に運ばれたのは、隕石回収に協力した、アマチュアグループがいるフィンランド。
メンバーの1人は、隕石の分析が専門です。
こうして、隕石の内部構造を調べる事は、地球防衛にも役立つといいます。
似た小惑星が地球の大気に突入した時、どんな高度で爆発し、地表にどんな
被害をもたらすのかを、推定できるようになるからです。
“小さな隕石は、普通、平和的に地球にもたらされます”
“でも、大きな小惑星が衝突すれば、命に関わる大惨事になります”
“隕石から身を守るためには、まず、敵を知る必要があります”
こうした小惑星の破片の分析を積み重ねて行く事で、地球防衛は更に進んで
行くのです。 NASAがプログラムを開始して20年。
地球防衛技術は、衝突予想地点を事前に割り出し、避難を呼びかける所まで
到達しようとしています。
では、そもそもSF映画のように、衝突を避ける事は可能なのでしょうか?
この後は、地球防衛の、もう1つの最前線に迫ります。
☆宇宙博物記☆
今回の舞台は、フィンランドの首都、ヘルシンキ。
誰もが知っているキャラクター ムーミン は、この町で生まれました。
“ムーミンは、フィンランドにとって、国の宝だよ”
“ムーミンのキャラクターは、みんな大好きよ!”
この町で生まれたムーミン。 実は、宇宙とも深いつながりがあります。
シリーズの中でも、宇宙好きの方に特にオススメなのが、ムーミン谷の彗星。
天体衝突がテーマです。
あわや、地球に彗星が衝突するという危機に立ち向かう為、ムーミントロール
が山の頂の天文台を目指して、大冒険を繰り広げます。
国民的作家 トーベ・ヤンソンさんが、70年以上前に発表した作品です。
ヤンソンさんと宇宙をつなぐ、初期の作品があると聞き、アテネウム美術館に
向かいました。 神秘的な風景 と、名付けられた、こちら作品。
画家でもあるヤンソンさんが、1930年代に描いた油絵です。
通っていた美術学校の近くにあった、実在する天文台がモチーフになってい
ます。 (ヘルシンキ大学天文台)
若い頃から、宇宙に魅力を感じていたようですね。
ヤンソンさんが、天体衝突に関心を持ったキッカケとされているものが、
ヘルシンキ市内にあります。 重さ82キロのビュールバラ隕石。(1899年)
ヤンソンさんが生まれる15年前、ヘルシンキ近郊に落下し、大きなニュースに
なりました。 物語の終盤には、隕石に関する、こんな生々しい描写も…。
“ムーミントロールは、外へはいだして、山の上へすわりました”
“彼は、彗星が投げ捨てて行った隕石を、ひろいあげてみました”
“それは黒くて、ギザギザとがっていて、とても重いものでした”
70年以上、愛され続けてきたファンタジーです。
皆さんも、1度、手に取ってみてはいかがでしょうか?
(NHKのBS4Kでは、CGで新しく生まれ変わったムーミンの世界をご案内!)
ここまでチームは、100グラム以上の隕石ばかりを探してきました。
しかし6月2日には西風が吹いていたため、小さな隕石は東側に吹き流されて
いるはずでした。 保護区に入って、5日目。
ベースキャンプを、12キロ東に移す決断をしました。
翌日は、探索の最終日でした。
現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。
“私は何度も、自分の計算をチェックしてから、みんなに言いました”
“ここに隕石が降った事は、間違いありません”
“慎重に歩いて、決して見逃さないでください… とね”
こうして迎えた、最終日の朝。 探し始めて、数分後の事でした。
若い技術者が、ベースキャンプから僅か30メートルの場所で、不思議な黒い
石を見つけました。 よく見ると、隕石特有の溶けた跡も認められます。
重さも、予想通り10グラムほど。
チームは、ついに、小惑星の破片を見つけたのです!
小惑星の破片を見つけた若い技術者は、言う。
“すごく興奮したし、とても嬉しかったよ!”
“僕にとっても、ボツワナにとっても、とても大切な発見だからね!”
最新の地球防衛システムが初めて捉えた、地球に衝突する小惑星。
世界中の人々が力を合わせた結果、その破片が、計算通りの場所から見つ
かりました!
現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。
“今回の発見は、地球防衛にとって、とても意義深いものです”
“地球に衝突する小惑星を、事前に望遠鏡が捉え、衝突地点を予測できると
証明したのです”
“より大きな小惑星が見つかったら、避難を呼びかける事もできるはずです”
隕石は、すぐにイタリアへと運ばれました。
世界最大の地下実験施設があるグランサッソ国立研究所で、分析を行うため
です。
ここでは、隕石が放つ、かすかな放射線を、極めて高い精度で測定できます。
その結果、地球に落下した直後の隕石だけに見られる特殊な同位体が検出
されました。
次に運ばれたのは、隕石回収に協力した、アマチュアグループがいるフィンランド。
メンバーの1人は、隕石の分析が専門です。
こうして、隕石の内部構造を調べる事は、地球防衛にも役立つといいます。
似た小惑星が地球の大気に突入した時、どんな高度で爆発し、地表にどんな
被害をもたらすのかを、推定できるようになるからです。
“小さな隕石は、普通、平和的に地球にもたらされます”
“でも、大きな小惑星が衝突すれば、命に関わる大惨事になります”
“隕石から身を守るためには、まず、敵を知る必要があります”
こうした小惑星の破片の分析を積み重ねて行く事で、地球防衛は更に進んで
行くのです。 NASAがプログラムを開始して20年。
地球防衛技術は、衝突予想地点を事前に割り出し、避難を呼びかける所まで
到達しようとしています。
では、そもそもSF映画のように、衝突を避ける事は可能なのでしょうか?
この後は、地球防衛の、もう1つの最前線に迫ります。
☆宇宙博物記☆
今回の舞台は、フィンランドの首都、ヘルシンキ。
誰もが知っているキャラクター ムーミン は、この町で生まれました。
“ムーミンは、フィンランドにとって、国の宝だよ”
“ムーミンのキャラクターは、みんな大好きよ!”
この町で生まれたムーミン。 実は、宇宙とも深いつながりがあります。
シリーズの中でも、宇宙好きの方に特にオススメなのが、ムーミン谷の彗星。
天体衝突がテーマです。
あわや、地球に彗星が衝突するという危機に立ち向かう為、ムーミントロール
が山の頂の天文台を目指して、大冒険を繰り広げます。
国民的作家 トーベ・ヤンソンさんが、70年以上前に発表した作品です。
ヤンソンさんと宇宙をつなぐ、初期の作品があると聞き、アテネウム美術館に
向かいました。 神秘的な風景 と、名付けられた、こちら作品。
画家でもあるヤンソンさんが、1930年代に描いた油絵です。
通っていた美術学校の近くにあった、実在する天文台がモチーフになってい
ます。 (ヘルシンキ大学天文台)
若い頃から、宇宙に魅力を感じていたようですね。
ヤンソンさんが、天体衝突に関心を持ったキッカケとされているものが、
ヘルシンキ市内にあります。 重さ82キロのビュールバラ隕石。(1899年)
ヤンソンさんが生まれる15年前、ヘルシンキ近郊に落下し、大きなニュースに
なりました。 物語の終盤には、隕石に関する、こんな生々しい描写も…。
“ムーミントロールは、外へはいだして、山の上へすわりました”
“彼は、彗星が投げ捨てて行った隕石を、ひろいあげてみました”
“それは黒くて、ギザギザとがっていて、とても重いものでした”
70年以上、愛され続けてきたファンタジーです。
皆さんも、1度、手に取ってみてはいかがでしょうか?
(NHKのBS4Kでは、CGで新しく生まれ変わったムーミンの世界をご案内!)
| ホーム |