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小惑星の破片を回収し、地球防衛システムの正しさを検証!
2020年09月14日 (月) | 編集 |
第2115回「修学旅行の思い出は?」
更にシミュレーションが得意なメンバーが、大気中の風を考慮した計算を実施
します。

“隕石好きの人たちから、情報が入りました”

“望遠鏡が捉えた小惑星の破片が、隕石として手に入るなんて、滅多にあり
ませんよ!”

その結果を、地図上にプロットすると… 小惑星の破片が落下したエリアが、
長さ30キロほどの細い線状に絞られました。

小惑星の発見から6日後。この情報がフィンランドから現地へと送られました。

メールの宛先は、計算から導き出された場所に近い、ボツワナ国際科学技術
大学の1人の地質学者でした。

“衝突地点は、南アフリカとの国境近くだという説や、ボツワナの西のナミビア
だという説もあって、とても混乱していました”

“しかし、送られて来た地図は、とても具体的だったので驚きました”

メールに添付されていた、小惑星の破片の落下エリアが、こちら。

それは、NASAが計算から導き出した、予想衝突地点の中にありました。

一方、アメリカのSETI研究所の博士は、すでに現地に向かっていました。

小惑星の破片を回収し、地球防衛システムの正しさを検証するためです。

“電話やメールで、映像が欲しいと連絡しても、なかなか返事をもらえるもの
ではありません”

“現地に出向いて行って、自分の目で、映像を確認する事が大切なのです”

まず訪ねたのが、ボツワナ大学オカバンゴ研究所です。

フィールド経験が豊富な研究者の協力を仰ぐためです。

“一流の科学者と仕事がしたいと思っていましたから、嬉しかったです”

“とても勉強になりますからね!”

2人は、空港にあるマウンの町で、すぐに調査を始めました。

“見て!あそこ! カメラがたくさんあるよ! ここから始めよう!”

こうして防犯カメラの映像を確認し、小惑星の破片の手掛かりを探したのです。

現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。

“この町は、防犯カメラが、とても普及していました”

“商売をしている建物には、必ず、設置されていました”

“結局、私が泊まっていたホテルのカメラが、決定的な映像を捉えていました”

ホテルには、10台を超すカメラが設置されています。

それを、1つ1つ確認した博士は、ホテル脇の建物を見下ろす、1台のカメラに
注目しました。 これが、実際の映像です。

6月2日の日没から、およそ1時間後。

空が明るくなった瞬間が、捉えられていました。

この映像を細かく調べると… 光初めの1コマに、鮮明な木の枝の影が見つ
かりました。

“火球は、強い光を放つので、木があれば影が出来ます”

“その影の位置に行けば、木の方角に火球が出現したと分かるのです”

“夜になれば、特別な装置がなくても、正確な測定が可能になります”

博士は、影を作り出した木の枝を確認する事で、小惑星の衝突地点の方角を
正確に導き出しました。

ホテルのあるマウンの町の南。 衝突地点は、この線上のどこかのはずです。

更に、場所を絞り込むため向かったのは、150キロ離れたレイコプスという町
でした。 そこで見つけたのが、この映像。

映されているのは室内ですが、火球が現れた瞬間…。

入り口からさし込んだ光に、気付きましたか?

僅か0.3秒の、この棒の影から、方角を割り出したのです。

レイコプスから見た、火球の方角が、こちら。 2本の線が交差した、この1点。

それは、やはり、NASAの計算が導き出した、予想衝突地点の中でした。

ここに、フィンランドのアマチュアグループの予想を重ねてみると、独自に導き
出された2つの結果は、見事に一致していました。

こうして、小惑星の衝突地点が、マウンの南に広がる動物保護区へと絞り
込まれました。

この結果を受けて、ボツワナ政府も動きました。

小惑星の発見から2週間後、ついに、探索チームが結成されたのです。

地元マウンのボツワナ大学の研究所員とアメリカから来たSETIの研究所員。

フィンランドからの地図を、最初に受け取ったボツワナ国際科学技術大学の
教授に加え、隕石の管理を行う国の担当者もやって来ました。

翌日、探索チームは、マウンから車で5時間離れた、中央カラハリ動物保護区
に入りました。 特別な許可を取って、道なき道を進んで行きます。

現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。

“未知の荒野に、分け入る事になりました”

“でも、土地勘のある人たちがサポートしてくれたので、安心でした”

6月のボツワナは、雨がほとんど降らない、乾期の真っ只中でした。

ボツワナ大学のオカバンゴ研究所員は、言う。

“危険なのは植物のトゲだけではありません。 ここにはヘビやヒョウもいます”

“それに、ライオンやゾウに襲われる可能性も、常にあります”

“つまり、ここにいるだけで、十分危険なのです”

“安全のため、グループで行動する必要がありました”

探索の方法は、至ってシンプル。 隕石を求めて、ひたすら歩き回ります。

現地に向かったアメリカのSETI研究所の博士は、言う。

“砂漠だと言われていたのですが、行ってみたら、驚くほど植物が生い茂って
いたのです。 そのため、探索は困難を極めました”

4日探しても、何1つ、見つかりませんでした。