2020年09月08日 (火) | 編集 |
第2117回「あなたの一番古い記憶はなんですか?」
では、この隕石衝突によって、どれほどの衝撃が起こったのでしょうか?
2016年ユカタン半島沖。その詳細を調べるためのプロジェクトが始まりました。
世界中の科学者が集まり、クレーターの地層を調査する初めての試みです。
掘り出したのは、海底から深さ1300メートルの地層です。
分析の結果、隕石衝突の詳細が分かって来ました。
まず、隕石衝突後に堆積した石灰岩の層が、600メートル続きます。
その下に、本来は、より深い場所にあるはずの花崗岩(かこうがん)が現れま
した。
隕石衝突のすさまじい衝撃によって花崗岩が上の方に押し出されたのです。
その証拠に、硬い花崗岩が、もろくなっていました。
調査から判明した、隕石衝突のシミュレーションです。
中央が隕石。 上の方が石灰岩。 その下が花崗岩です。
隕石の衝突によって、深さ32キロメートルもの穴が出来ます。
そして、ドロドロに溶けた花崗岩が膨れ上がり、崩れ落ちて行きます。
僅か5分ほどの出来事でした。
このとき発生したエネルギーは、原子爆弾のおよそ1億倍だったと推定されて
います。 想像を絶する、すさまじい衝撃です。
こうした分析から、恐竜絶滅の詳細なシナリオが見えて来ました。
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“あなたは、今、6600万年前の地球にいます”
“恐ろしい恐竜たちに見つからないようドキドキしながら、美しい森の中を散歩
していました。 しかし、突然、まばゆい光に包まれ、世界が終りました”
“隕石の衝突は、それまでの大量絶滅とは比べ物にならない、特筆すべき
大事件でした”
“僅か1~2秒の出来事によって、地球全体に影響が及んだからです”
“衝突によって、巨大な隕石は、一瞬で消滅しました”
“そして衝撃によって、はじけ散った岩の塊が、大気圏を飛び出したのです”
“やがて、戻って来た無数の塊が、地球を襲いました”
“大地に降り注ぎ、火災を引き起こしたのです”
隕石衝突の影響は、これだけではありません。
衝突で巻き上がった無数の塊が、地上に落ちて来る時に、大気を激しく熱し
ました。 地球は、灼熱地獄と化したのです。
こうして、数多くの恐竜が犠牲となりました。
やがて隕石衝突によって舞い上がった細かいチリが地球を覆って行きます。
太陽の光が遮られ、気温は急速に低下して行きました。
そして、細かいチリの影響で酸性化した雨が、大量に降り注いだのです。
“こうして、海が酸性化しました”
“植物プランクトンだけでなく、動物プランクトンも死に絶え、海の食物連鎖が
崩壊したのです”
食べ物を失った海の生き物たちは、次々に命を落として行きました。
隕石衝突による、第5の大量絶滅。 生物の75%の種が死に絶えました。
しかしこの大量絶滅は、私たち哺乳類の進化に大きな影響を与えたと考えら
れています。
ロイヤル・ティレル古生物学博物館の学芸員は、言う。
“もし、恐竜が大量絶滅を生き延びていたら、再び繁栄して、哺乳類の進化に
とって、大きな壁となったに違いありません”
“恐竜が絶滅した頃、哺乳類の多くは、小さなネズミほどで、恐竜のエサにも
なりません”
“しかしそんな哺乳類が、恐竜の絶滅後、地球の至る所へ進出し、進化して
行ったのです”
大量絶滅の後、生態系の空白に進出した哺乳類。
その後、さまざまな種に枝分かれし、進化を遂げて行きました。
そして、他の生き物たちと共に、新たな生態系を築き上げて行きます。
やがて、人類が誕生。
この世界は、まるで、大木が生い茂るかのように、成り立っているのです。
☆恐竜新図鑑☆
かつて、大繁栄していた恐竜。 彼らは、どのように暮らしていたのか?
今、なお、新発見が続いています!
史上最強の肉食恐竜… ティラノサウルス。
近年、この仲間について、驚くべき発見がありました!
中国で見つかった化石から、羽毛が生えていた事が分かったのです!
こちらが、化石をもとに再現された、その姿。
(NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
背中や前足等、体の多くの部分が羽毛で覆われていたと考えられています。
羽毛は、体温を保つ役割だけでなく…。
異性への求愛や、ライバルへの威嚇にも使われていたのではないかと、考え
られています。 更に、日本でも、新発見が続いています!
こちらは、北海道のむかわ町。
ここで化石が発掘され、2019年に新種に認定されたのが…カムイサウルス。
およそ7200万年前の地層から、全身の8割以上の骨が見つかったのです。
全長は、8メートル。 CGで再現してみると… 迫力ありますね!
海岸近くで暮らし、植物などを食べていたと考えられています。
熊本県天草市で見つかったのは… こちらの牙! その持ち主は…。
ティラノサウルスの仲間だったのです!
日本にも、あの有名なティラノサウルスがいたなんて、本当、驚きですよね!
更に、大阪府泉南市でも、発見がありました!
こちらは、2014年に発掘された化石です。
詳しく調べた結果、海の王者 モササウルス のものと分かりました!
見つかったのは、下アゴの骨の一部だったのです!
海の王者モササウルスも、日本にいたなんて、こちらもビックリです!
日本各地で、次々に発見される恐竜の化石。
日本列島は、恐竜王国だった事が、分かって来ているのです!
これからも、新たな発見に期待したいですね!!
では、この隕石衝突によって、どれほどの衝撃が起こったのでしょうか?
2016年ユカタン半島沖。その詳細を調べるためのプロジェクトが始まりました。
世界中の科学者が集まり、クレーターの地層を調査する初めての試みです。
掘り出したのは、海底から深さ1300メートルの地層です。
分析の結果、隕石衝突の詳細が分かって来ました。
まず、隕石衝突後に堆積した石灰岩の層が、600メートル続きます。
その下に、本来は、より深い場所にあるはずの花崗岩(かこうがん)が現れま
した。
隕石衝突のすさまじい衝撃によって花崗岩が上の方に押し出されたのです。
その証拠に、硬い花崗岩が、もろくなっていました。
調査から判明した、隕石衝突のシミュレーションです。
中央が隕石。 上の方が石灰岩。 その下が花崗岩です。
隕石の衝突によって、深さ32キロメートルもの穴が出来ます。
そして、ドロドロに溶けた花崗岩が膨れ上がり、崩れ落ちて行きます。
僅か5分ほどの出来事でした。
このとき発生したエネルギーは、原子爆弾のおよそ1億倍だったと推定されて
います。 想像を絶する、すさまじい衝撃です。
こうした分析から、恐竜絶滅の詳細なシナリオが見えて来ました。
スミソニアン国立自然史博物館の館長は、言う。
“あなたは、今、6600万年前の地球にいます”
“恐ろしい恐竜たちに見つからないようドキドキしながら、美しい森の中を散歩
していました。 しかし、突然、まばゆい光に包まれ、世界が終りました”
“隕石の衝突は、それまでの大量絶滅とは比べ物にならない、特筆すべき
大事件でした”
“僅か1~2秒の出来事によって、地球全体に影響が及んだからです”
“衝突によって、巨大な隕石は、一瞬で消滅しました”
“そして衝撃によって、はじけ散った岩の塊が、大気圏を飛び出したのです”
“やがて、戻って来た無数の塊が、地球を襲いました”
“大地に降り注ぎ、火災を引き起こしたのです”
隕石衝突の影響は、これだけではありません。
衝突で巻き上がった無数の塊が、地上に落ちて来る時に、大気を激しく熱し
ました。 地球は、灼熱地獄と化したのです。
こうして、数多くの恐竜が犠牲となりました。
やがて隕石衝突によって舞い上がった細かいチリが地球を覆って行きます。
太陽の光が遮られ、気温は急速に低下して行きました。
そして、細かいチリの影響で酸性化した雨が、大量に降り注いだのです。
“こうして、海が酸性化しました”
“植物プランクトンだけでなく、動物プランクトンも死に絶え、海の食物連鎖が
崩壊したのです”
食べ物を失った海の生き物たちは、次々に命を落として行きました。
隕石衝突による、第5の大量絶滅。 生物の75%の種が死に絶えました。
しかしこの大量絶滅は、私たち哺乳類の進化に大きな影響を与えたと考えら
れています。
ロイヤル・ティレル古生物学博物館の学芸員は、言う。
“もし、恐竜が大量絶滅を生き延びていたら、再び繁栄して、哺乳類の進化に
とって、大きな壁となったに違いありません”
“恐竜が絶滅した頃、哺乳類の多くは、小さなネズミほどで、恐竜のエサにも
なりません”
“しかしそんな哺乳類が、恐竜の絶滅後、地球の至る所へ進出し、進化して
行ったのです”
大量絶滅の後、生態系の空白に進出した哺乳類。
その後、さまざまな種に枝分かれし、進化を遂げて行きました。
そして、他の生き物たちと共に、新たな生態系を築き上げて行きます。
やがて、人類が誕生。
この世界は、まるで、大木が生い茂るかのように、成り立っているのです。
☆恐竜新図鑑☆
かつて、大繁栄していた恐竜。 彼らは、どのように暮らしていたのか?
今、なお、新発見が続いています!
史上最強の肉食恐竜… ティラノサウルス。
近年、この仲間について、驚くべき発見がありました!
中国で見つかった化石から、羽毛が生えていた事が分かったのです!
こちらが、化石をもとに再現された、その姿。
(NHKのコズミックフロントを、ぜひ、4Kテレビで観て下さい!)
背中や前足等、体の多くの部分が羽毛で覆われていたと考えられています。
羽毛は、体温を保つ役割だけでなく…。
異性への求愛や、ライバルへの威嚇にも使われていたのではないかと、考え
られています。 更に、日本でも、新発見が続いています!
こちらは、北海道のむかわ町。
ここで化石が発掘され、2019年に新種に認定されたのが…カムイサウルス。
およそ7200万年前の地層から、全身の8割以上の骨が見つかったのです。
全長は、8メートル。 CGで再現してみると… 迫力ありますね!
海岸近くで暮らし、植物などを食べていたと考えられています。
熊本県天草市で見つかったのは… こちらの牙! その持ち主は…。
ティラノサウルスの仲間だったのです!
日本にも、あの有名なティラノサウルスがいたなんて、本当、驚きですよね!
更に、大阪府泉南市でも、発見がありました!
こちらは、2014年に発掘された化石です。
詳しく調べた結果、海の王者 モササウルス のものと分かりました!
見つかったのは、下アゴの骨の一部だったのです!
海の王者モササウルスも、日本にいたなんて、こちらもビックリです!
日本各地で、次々に発見される恐竜の化石。
日本列島は、恐竜王国だった事が、分かって来ているのです!
これからも、新たな発見に期待したいですね!!
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