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ブラックホールの観測は苦難の連続だった!
2020年08月26日 (水) | 編集 |
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ハワイ上空は快晴! 観測には、最高のコンディションです!

“順調だ! 素晴らしい!”   かわって、南極。 ここも、雲1つありません!

観測初日は、どの観地点も天気に恵まれ、滑り出しは上々です!

しかし、2日目には、思わぬトラブルも発生しました。

プロジェクトリーダーの教授は、言う。

“みんな疲れている。 結局、徹夜になりました”

“メキシコの望遠鏡で問題が起きて、とんでもないデータを記録していました”

“ひたすら作業して、何とか直せました”        そして、観測3日目。

アメリカで天気を確認していたリーダーに、悪いニュースです。

“何てひどい映像だ… メキシコは混乱してます”

“ウェブカメラは霧で、よく見えないし、雲も接近中のようです”

“天気が際どいです… ひどくなってるな…”   嵐が向かっているようです。

“メキシコ、そしてアリゾナの天気も際どい… 待つしかありません…”

しかし、メキシコの天気は、どんどん微妙な状況になって行きました。

“誰か、ウェブカメラの映像について、説明してくれないか?”

“1つはバカンスのような晴天だ。 でも、他の2つは、全くひどい天気だ”

“どっちの天気を信用すればいいのか、サッパリ分からないぞ!”

追い打ちをかけるように、大問題が発覚します。

“ちっよと待った! つまり、こういう事か?”

“チリのアルマ望遠鏡の昨晩のデータが、破損しているかも知れないという
事なのか?”   ‘可能性はある…’

なんと、アルマ望遠鏡の2日目の観測データが、クラッシュした可能性がある
というのです。

アルマ望遠鏡は8カ所の拠点の中心にあり、ずば抜けた性能を持っています。

データが失われれば、観測の精度が著しく下がります。

“これは全く新たな問題だ。 ざっと説明してもらえないか?”

‘ざっとは説明できそうもない…’

今後もアルマを使い続けて大丈夫か保証はありません。 果たして決断は…。

“今夜の観測は実行する。 アルマを点検する時間なんて無いし、大丈夫と
いう前提で、やらざるをえない”

アルマは続行。 そして、天気もメキシコ以外は良好だったため、3日目の
観測が決定しました!

その後、天候の悪化などで中断を挟みながらも、ついに観測が最終日を迎え
ました。 チリの博士たちも、疲労困ぱいです。

プロジェクトリーダーの教授は、言う。

“あと3分で観測が終わります。 クタクタですが、満足です”

しかし、観測が終わっても、安心はできないといいます。

“観測ってやつは、ハッタリをかましているみたいなものです”

“1週間以上も、夜通し観測して来たのに、成果に結び付くかは、まだ分から
ないのですからね!”

次から次へと襲いかかるトラブルを乗り越え、ようやく観測が終了しました。

リーダーの教授は、少し重圧から解放されました。

“どう考えたって、これは終わりではありません。 始まりなりです”

“やる事は山積してますが、大きな一歩を踏み出せました”

観測を終えた、世界中の天文台から、次々と飛行機が飛び立ちます。

膨大なデータを記録したハードディスクが、アメリカに集まるのです。

次は、データから画像を描き出す、最終工程に入ります!



☆宇宙博物記☆

天才アインシュタインの理論から誕生した、ブラックホール。

そこでは、実に不思議な現象が起こります。

コロラド大学の教授は、その現象をシミュレーションしました。

理論を基に、コンピューターで作ったブラックホールです。

ブラックホールは、球の(丸い)形をしています。

地球のように、緯度や経度の線を引くと…。

あれ? 南極と北極が、どっちも見えてしまっていますね!

“南極と北極が同時に見えるのは、ブラックホールの強い重力で、光の軌道が
曲げられるためです”

“ブラックホールでは、南極と北極を、一緒に見る事が可能なのです”

“宇宙から地球を見るのとは大違いです”

本来は、見えない面が、同時に見える? 実に奇妙な現象ですね!

興味深い事実が、もう1つ。 ブラックホールのイメージとは、真逆の現象です。

5900万光年かなたのM87銀河。 中心に、白い線が写っています。

ハッブル宇宙望遠鏡で捉えた画像です。

銀河から伸びる白い線はジェットという現象です。 長さは、なんと8000光年!

これを生み出しているのが、ブラックホールなのです!

M87銀河の中心では、ブラックホールが、大量のガスを引き寄せています。

そのガスの一部が跳ね飛ばされ、ジェットとなって噴き出しているのです。

何でも吸い込むブラックホールが、はるかかなたまでガスを噴き出す。

知れば知るほど、ブラックホールは、謎多き天体なのですね!