2020年08月23日 (日) | 編集 |
第2116回「買ったまま眠っているものは?」
アメリカ・マサチューセッツ州にある、ヘイスタック観測所。
世界中から送られたハードディスクが、続々と到着しました。
プロジェクトリーダーの教授は、言う。
“ここは、日々、活発に動いています”
“全ての観測場所からのデータが、集められています”
“この装置で、データ処理が着々と進んでいます”
“これはスペインからです。 これはハワイ。 こっちはメキシコです”
“まるで、天文学界の国際連合みたいですね!”
“この作業は、いわば、それぞれの場所で記録された光を冷凍保存状態から
取り出し、データ同士を結合させて行くのです”
しかし、早速、問題発生です。
“そんなわけがない! ウソだろ?” ‘なぜ誰も気付かなかったのか…’
“ちょっと待って! 何てこった…”
スペイン・アンダルシア州 IRAM30m望遠鏡の観測データに、原因不明の時間
のズレが発見されたのです。 “ここに、ランダムなノイズがある…”
“私たちは、限界を打破すべく、技術を高め続けて来ました”
“何かを推し進めるからこそ、初めての問題にも直面します”
“今後、2度と起きないように、解決策を見つけないと…”
問題がある箇所を丹念に洗い出し、データを補正して行きました。
2017年10月10日。
マサチューセッツ州ケンブリッジに、プロジェクトのメンバーが招集されました。
ここから、最後の難関が待っています。 ブラックホールの画像化です。
20人以上の研究者が参加し、その方法を探る検討会が行なわれました。
“最大の難問は、ブラックホール全体を描くには、データが足りない事です”
“画像の一部は、あります”
“全てが揃っていない中で、どう描くかが腕の見せ所です”
ここで、画像化の仕組みを説明します。
電波望遠鏡では、カメラで写真を撮るように、画像にする事はできません。
観測で得たデータを、特殊な計算で画像に変換するのです。
得られたデータから全体像を描くには、どんな計算が適しているのか?
探る必要があります。
研究者が4つのチームに分かれ、それぞれ別の方法で正解を探って行きます。
国立天文台の教授をはじめとする日本の研究者はスパースモデリングという
独自の方法で、ブラックホールを描き出そうと考えました。
スパースモデリングとは、限られたデータを基に足りない情報を数学的に補って
画像を作り出す手法です。
例えば、こんなブラックホールが、あったとします。
十分なデータがない状態で、画像化すると…。
このように、正確な姿を描く事が難しくなります。
一方、スパースモデリングを使うと…。
見事に特徴を捉えた、正解に近い画像を描く事が出来ます。
マサチューセッツ工科大学の日本人の博士は、言う。
“復元したい画像、例えば画像に対して、取得できる観測量というのは非常に
量が限られているのです。 近いのは、たぶん探偵で…”
“探偵の人たちは、非常に限られた情報しかないので、でも探偵の人たちは
ある程度、蓄積された見地に基づいて、その中で、どれが1番リーズナブルな
可能性が導き出そうとしますよね? それに、かなり近いです”
“それを数理的に、定量的にやっているのが、スパースモデリングなのです”
この作業の目的は、他の方法と、画の精度を競う事ではないといいます。
国立天文台・水沢VLBI観測所の教授は、言う。
“でも、1番は期待している事は、違う方法でやっても、大体、同じ答えになり
ますという、そこまで行ければ、かなり自信を持って、この結果は正しいと
言えるようになると思うので… そこを目指してやっています”
一方、こちらは、アメリカ・チーム。 “初めての画像なので、興奮します!”
アメリカチームは、日本とは違う方法で、ブラックホールの画像化に挑みます。
しかし、どの研究者も、苦戦を強いられていました。
“そんな画も作れるけど、何か違う…”
‘同じデータなのに、違う画像が出るのです…’
‘投票で決めるわけにも、いかないしね…’ 日本チームも苦戦していました。
プロジェクトリーダーの教授は、言う。
“チームみんなの取り組みには、感銘を受けます”
“誰も、やった事のない事を達成するために、作業に励んでくれています”
20人以上の研究者による懸命の作業は、4日間、続きました。
その努力の甲斐あって、少しずつ形が見え始めて来ました。
“たくさんのプロセスを経て、各チームの方法が、確立しつつあります”
“それがポイントです。 技術に自信があるからこそ出来る”
“そもそもブラックホールが、どんな姿か分からないのですから…”
空前の規模の観測プロジェクト。
待望の成果が、いよいよ明らかになろうとしています。
“これは、途方もないプロセスでした”
“チームは今、ブラックホールの画像を作るに足るデータを、やっと得る事が
できました。 ブラックホールは、どんな姿なのか、やっと明らかになります!”
アメリカ・マサチューセッツ州にある、ヘイスタック観測所。
世界中から送られたハードディスクが、続々と到着しました。
プロジェクトリーダーの教授は、言う。
“ここは、日々、活発に動いています”
“全ての観測場所からのデータが、集められています”
“この装置で、データ処理が着々と進んでいます”
“これはスペインからです。 これはハワイ。 こっちはメキシコです”
“まるで、天文学界の国際連合みたいですね!”
“この作業は、いわば、それぞれの場所で記録された光を冷凍保存状態から
取り出し、データ同士を結合させて行くのです”
しかし、早速、問題発生です。
“そんなわけがない! ウソだろ?” ‘なぜ誰も気付かなかったのか…’
“ちょっと待って! 何てこった…”
スペイン・アンダルシア州 IRAM30m望遠鏡の観測データに、原因不明の時間
のズレが発見されたのです。 “ここに、ランダムなノイズがある…”
“私たちは、限界を打破すべく、技術を高め続けて来ました”
“何かを推し進めるからこそ、初めての問題にも直面します”
“今後、2度と起きないように、解決策を見つけないと…”
問題がある箇所を丹念に洗い出し、データを補正して行きました。
2017年10月10日。
マサチューセッツ州ケンブリッジに、プロジェクトのメンバーが招集されました。
ここから、最後の難関が待っています。 ブラックホールの画像化です。
20人以上の研究者が参加し、その方法を探る検討会が行なわれました。
“最大の難問は、ブラックホール全体を描くには、データが足りない事です”
“画像の一部は、あります”
“全てが揃っていない中で、どう描くかが腕の見せ所です”
ここで、画像化の仕組みを説明します。
電波望遠鏡では、カメラで写真を撮るように、画像にする事はできません。
観測で得たデータを、特殊な計算で画像に変換するのです。
得られたデータから全体像を描くには、どんな計算が適しているのか?
探る必要があります。
研究者が4つのチームに分かれ、それぞれ別の方法で正解を探って行きます。
国立天文台の教授をはじめとする日本の研究者はスパースモデリングという
独自の方法で、ブラックホールを描き出そうと考えました。
スパースモデリングとは、限られたデータを基に足りない情報を数学的に補って
画像を作り出す手法です。
例えば、こんなブラックホールが、あったとします。
十分なデータがない状態で、画像化すると…。
このように、正確な姿を描く事が難しくなります。
一方、スパースモデリングを使うと…。
見事に特徴を捉えた、正解に近い画像を描く事が出来ます。
マサチューセッツ工科大学の日本人の博士は、言う。
“復元したい画像、例えば画像に対して、取得できる観測量というのは非常に
量が限られているのです。 近いのは、たぶん探偵で…”
“探偵の人たちは、非常に限られた情報しかないので、でも探偵の人たちは
ある程度、蓄積された見地に基づいて、その中で、どれが1番リーズナブルな
可能性が導き出そうとしますよね? それに、かなり近いです”
“それを数理的に、定量的にやっているのが、スパースモデリングなのです”
この作業の目的は、他の方法と、画の精度を競う事ではないといいます。
国立天文台・水沢VLBI観測所の教授は、言う。
“でも、1番は期待している事は、違う方法でやっても、大体、同じ答えになり
ますという、そこまで行ければ、かなり自信を持って、この結果は正しいと
言えるようになると思うので… そこを目指してやっています”
一方、こちらは、アメリカ・チーム。 “初めての画像なので、興奮します!”
アメリカチームは、日本とは違う方法で、ブラックホールの画像化に挑みます。
しかし、どの研究者も、苦戦を強いられていました。
“そんな画も作れるけど、何か違う…”
‘同じデータなのに、違う画像が出るのです…’
‘投票で決めるわけにも、いかないしね…’ 日本チームも苦戦していました。
プロジェクトリーダーの教授は、言う。
“チームみんなの取り組みには、感銘を受けます”
“誰も、やった事のない事を達成するために、作業に励んでくれています”
20人以上の研究者による懸命の作業は、4日間、続きました。
その努力の甲斐あって、少しずつ形が見え始めて来ました。
“たくさんのプロセスを経て、各チームの方法が、確立しつつあります”
“それがポイントです。 技術に自信があるからこそ出来る”
“そもそもブラックホールが、どんな姿か分からないのですから…”
空前の規模の観測プロジェクト。
待望の成果が、いよいよ明らかになろうとしています。
“これは、途方もないプロセスでした”
“チームは今、ブラックホールの画像を作るに足るデータを、やっと得る事が
できました。 ブラックホールは、どんな姿なのか、やっと明らかになります!”
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