2020年08月22日 (土) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「FC2ブログを始めてどれくらい経ちますか?」
また、このプロジェクトは、全ての望遠鏡が正常に観測できて、初めて1つの
巨大望遠鏡として機能します。 1カ所でもトラブルがあれば、大問題です。
“この観測方法は、上手く行ったのかどうかが、データを解析してみるまで
分からないのです。全て予定通りに進められるか、確認しないといけません”
“そのためのリハーサルです”
一方、こちらは、望遠鏡ネットワークの最南端。 南極点望遠鏡です。
アリゾナ大学の准教授のチームは、リハーサルに備え、望遠鏡のセッティング
にやって来ました。
“南極がネットワークに入ると、まさに、地球規模になります”
“解像度が2倍以上、上がって、ブラックホールの細部まで捉えられます”
しかし、作業は極めて過酷です。 “氷点下30度。 寒いです!”
リハーサルに向け、アンテナに装置を据え付けます。
ブラックホールからの電波を、受信機に送るためのものです。
“この反射鏡は、1ミリの何分の1という精度で置かないといけません”
“うまく行ったと思います”
一方、メキシコでは、リハーサル開始を目前に、緊張が高まっていました。
記録開始のコマンドを入力します。 リハーサル開始。 ところが…。
“光が来ない… 光が来ない?” 作動中を示すランプが、点灯しません。
マサチューセッツ大学の特任准教授は、言う。
“ネットワーク全体を連動させて、観測した信号を記録します”
“とても重要なステップです。 でも、今、それが出来ていません”
“今、急いで解決しようとしてくれています。 うまく行くといいのですが…”
“うまく行ってくれ… ダメ? ダメなのか?”
‘問題は分かってる。 少し、手順を変えてみるよ…’
記録開始のコマンドを、再入力しました。 “来た! よくやった!”
午前2時46分。 何とか問題は解決できました。
トラブルを事前に防ぐ、貴重なリハーサルとなりました。
2017年3月。 本番まで、あと2週間に迫って来ました。
この頃、各国を飛び回る人がいました。
観測全体の作業を管理・統括する、ラドバウド大学の博士です。
この日は、リハーサルの結果を、チームメンバーに伝えに来ていました。
“いい結果が出ているよ!”
“数千キロ離れていても、1つの天体をピッタリ同時に観測できてるよ!”
“ただ南極では、氷が動いて、望遠鏡の位置が、20メートルも変わっていた”
‘そんな事が起きる望遠鏡は、他に無いね!’
“全くだ。 もう起きない事を願ってるよ!”
実は、望遠鏡の位置が変わってしまうという事態は、起こりうるといいます。
ラドバウド大学の教授は、言う。
“こういう観測では、究極の緻密さが求められます”
“1ミリの何分の1のレベルが必要です”
“例えば、ハワイは火山帯なので、プレート運動によって、1年に6センチ移動
しています。 南極点の場合、地面は氷で、しかも流れています”
“1年で10メートル移動する事だってあり、望遠鏡の世界では、F1カー並みの
速さです。 もちろん、地球の近くには、月がある事を忘れてはいけません”
“月は、地球全体に影響を与えています”
“望遠鏡は月の引力によって引っ張られ、6時間ごとに50センチも上下動する
のです。 当然ながら、潮の満ち干も考慮する必要があります”
“どの望遠鏡であれ、駄目になったら、結果に大きく影響します”
“データは得られますが、画像にはならないでしょう”
夜8時。 ラドバウド大学の博士の仕事は、まだ終わりません。
他のメンバーと、インターネットで会議です。
“望遠鏡をネットワークに組み込むのに、10年かかりました”
“とにかく、ブラックホールが見たい! それが我々の究極の原動力です”
“でも、今やりたいのは、ワインを一杯飲んで寝る。 それだけだね…”
目前に迫ったブラックホールの観測。 前例のない挑戦です。
では、何が見えたら、ブラックホールを捉えた事になるのでしょうか?
プロジェクトチームは、次のように想定しています。
ブラックホールは、重力で周囲のガスを引き寄せます。
この時、ガスは回転しながら加速し、摩擦で数百万度に達して光を放ちます。
ガスが光る事で浮かび上がる、この黒い穴を観測するのです。
観測では、銀河系(天の川銀河)と、5900万光年かなたにあるM87銀河という
2カ所で、中心のブラックホールを狙います。
M87銀河の中心付近を、最も高倍率の望遠鏡で捉えた画像です。
“ブラックホールを捉えるには、この小さな四角の中心を見る必要があります”
“10年以上も、努力を続けて来ました”
“ここは、天文学が長い間、立ち入る事ができなかった場所なのです”
もし観測できたら、どんな画像になるのか?
シミュレーションで描き出したブラックホールの姿が、こちら。
“この画像が撮れたら、ブラックホールの揺るぎない証拠です”
示された、プロジェクトの最終目標。
果たして、プロジェクトは成功するのでしょうか?
次のコーナーでは、いよいよ、史上最大の観測、本番が始まります!
また、このプロジェクトは、全ての望遠鏡が正常に観測できて、初めて1つの
巨大望遠鏡として機能します。 1カ所でもトラブルがあれば、大問題です。
“この観測方法は、上手く行ったのかどうかが、データを解析してみるまで
分からないのです。全て予定通りに進められるか、確認しないといけません”
“そのためのリハーサルです”
一方、こちらは、望遠鏡ネットワークの最南端。 南極点望遠鏡です。
アリゾナ大学の准教授のチームは、リハーサルに備え、望遠鏡のセッティング
にやって来ました。
“南極がネットワークに入ると、まさに、地球規模になります”
“解像度が2倍以上、上がって、ブラックホールの細部まで捉えられます”
しかし、作業は極めて過酷です。 “氷点下30度。 寒いです!”
リハーサルに向け、アンテナに装置を据え付けます。
ブラックホールからの電波を、受信機に送るためのものです。
“この反射鏡は、1ミリの何分の1という精度で置かないといけません”
“うまく行ったと思います”
一方、メキシコでは、リハーサル開始を目前に、緊張が高まっていました。
記録開始のコマンドを入力します。 リハーサル開始。 ところが…。
“光が来ない… 光が来ない?” 作動中を示すランプが、点灯しません。
マサチューセッツ大学の特任准教授は、言う。
“ネットワーク全体を連動させて、観測した信号を記録します”
“とても重要なステップです。 でも、今、それが出来ていません”
“今、急いで解決しようとしてくれています。 うまく行くといいのですが…”
“うまく行ってくれ… ダメ? ダメなのか?”
‘問題は分かってる。 少し、手順を変えてみるよ…’
記録開始のコマンドを、再入力しました。 “来た! よくやった!”
午前2時46分。 何とか問題は解決できました。
トラブルを事前に防ぐ、貴重なリハーサルとなりました。
2017年3月。 本番まで、あと2週間に迫って来ました。
この頃、各国を飛び回る人がいました。
観測全体の作業を管理・統括する、ラドバウド大学の博士です。
この日は、リハーサルの結果を、チームメンバーに伝えに来ていました。
“いい結果が出ているよ!”
“数千キロ離れていても、1つの天体をピッタリ同時に観測できてるよ!”
“ただ南極では、氷が動いて、望遠鏡の位置が、20メートルも変わっていた”
‘そんな事が起きる望遠鏡は、他に無いね!’
“全くだ。 もう起きない事を願ってるよ!”
実は、望遠鏡の位置が変わってしまうという事態は、起こりうるといいます。
ラドバウド大学の教授は、言う。
“こういう観測では、究極の緻密さが求められます”
“1ミリの何分の1のレベルが必要です”
“例えば、ハワイは火山帯なので、プレート運動によって、1年に6センチ移動
しています。 南極点の場合、地面は氷で、しかも流れています”
“1年で10メートル移動する事だってあり、望遠鏡の世界では、F1カー並みの
速さです。 もちろん、地球の近くには、月がある事を忘れてはいけません”
“月は、地球全体に影響を与えています”
“望遠鏡は月の引力によって引っ張られ、6時間ごとに50センチも上下動する
のです。 当然ながら、潮の満ち干も考慮する必要があります”
“どの望遠鏡であれ、駄目になったら、結果に大きく影響します”
“データは得られますが、画像にはならないでしょう”
夜8時。 ラドバウド大学の博士の仕事は、まだ終わりません。
他のメンバーと、インターネットで会議です。
“望遠鏡をネットワークに組み込むのに、10年かかりました”
“とにかく、ブラックホールが見たい! それが我々の究極の原動力です”
“でも、今やりたいのは、ワインを一杯飲んで寝る。 それだけだね…”
目前に迫ったブラックホールの観測。 前例のない挑戦です。
では、何が見えたら、ブラックホールを捉えた事になるのでしょうか?
プロジェクトチームは、次のように想定しています。
ブラックホールは、重力で周囲のガスを引き寄せます。
この時、ガスは回転しながら加速し、摩擦で数百万度に達して光を放ちます。
ガスが光る事で浮かび上がる、この黒い穴を観測するのです。
観測では、銀河系(天の川銀河)と、5900万光年かなたにあるM87銀河という
2カ所で、中心のブラックホールを狙います。
M87銀河の中心付近を、最も高倍率の望遠鏡で捉えた画像です。
“ブラックホールを捉えるには、この小さな四角の中心を見る必要があります”
“10年以上も、努力を続けて来ました”
“ここは、天文学が長い間、立ち入る事ができなかった場所なのです”
もし観測できたら、どんな画像になるのか?
シミュレーションで描き出したブラックホールの姿が、こちら。
“この画像が撮れたら、ブラックホールの揺るぎない証拠です”
示された、プロジェクトの最終目標。
果たして、プロジェクトは成功するのでしょうか?
次のコーナーでは、いよいよ、史上最大の観測、本番が始まります!
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