2020年08月14日 (金) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「ザ・絶妙な返事!」
およそ半年をかけて、火星に到着したインサイト。
インサイトにとっては、ここからが山場。
待ち受けていたのは… NASA史上初の難関でした。
NASAジェット推進研究所の博士は、言う。
“ロボットアームを使って、地震計を地上に下ろし、風よけをかぶせる必要が
ありました”
“ロボットアームで機器を設置するのは、宇宙探査の歴史上、初めてのこと
なのです”
この難関に挑んだのが、NASAのエンジニアたちです。
“目標へ、アームを移動させて、ちゃんと移動したかを確認する”
“機器をつかむ。 ちゃんと、つかんだか確認する”
“そして、ちゃんと運べたか確認して、機器を下ろす”
“これら1つ1つのプロセスに、数日かかります”
インサイトに搭載された、長さ2.4メートルのロボットアーム。
その先端に付いたカギ爪で、地震計をつかみ、地面に下ろします。
これって、何かに似ていると思いませんか?
そう、クレーンゲームみたいですよね!
ちょっと違うのは、プレーヤーが、5億キロ離れていること。
“インサイトには、初めてが、たくさんありますが、これも、その1つです”
“火星でクレーンゲームをやるのも、初めてですよ!”
“もちろん、遊びじゃなくて、調査のためです!”
絶対に避けたいのは、運んでいる途中に、地震計が落ちること。
それを防ぐために、なんと、ロウソクのロウを使いました。
電気で熱が加わると、ロウが溶けて、カギ爪が開きます。
逆に、電気が切れ、ロウが固まると、カギ爪が閉じます。
1度閉じたカギ爪は、もう1度、電源を入れない限り開きません。
エンジニアたちは、火星の環境を模した、特別な部屋で練習を繰り返して来ま
した。 2018年12月。 成果が試される時が来ました。
設置場所には、着陸機の影響が伝わりにくい、なるべく遠くの平らな地点を
選びました。 地球から、慎重にアームを動かし、丸2日かけて無事に成功!
着陸機から、およそ1.6メートルに設置しました。
これで一安心と思いきや、火星には、まだ、大敵が潜んでいるのです。
それは、風。 火星では、ダストデビルと呼ばれる竜巻など、頻繁に強い風が
吹き荒れています。
実際、インサイトは、着陸してすぐ、地震計が風を捉えていました。
秒速5メートルの風が、吹きつけていたのです。
風は、地震計にとっては、いわば雑音。
カバーをかぶせる事で、風による揺れを、1%以下に抑えるようにしました。
こうして、およそ2カ月かけて、地震計の設置が、無事に完了しました。
インサイトの地震計を作り上げた、パリ地球物理研究所の教授のもとには、
インサイトから、次々とデータが送られて来ていました。
“地震計を揺らす原因が、予想よりたくさんある事が分かりました”
“風だけでなく、ロボットアームが原因の時もありました”
“ありとあらゆる事が、揺れの原因になっていたのです”
地震の揺れを見つけ出すために、教授のチームは、余分な揺れを、徹底的に
取り除く事にしました。 例えば、こちらは風が原因の揺れ。
更にこちらは、ロボットアームの動きによる揺れ。
アームが動いている時間と照らし合わせて、特定しました。
最後に残った揺れの特徴を解析。 地震かどうかを判断して行きました。
観測を始めてから4カ月。
その日も教授は、データのチェックに明け暮れていました。
すると地震計は、これまでに見た事のない揺れを捉えていました。
“初めて、地震と呼べる揺れが来たのです”
そのデータとは… マグニチュードは、およそ2。
体に感じられないほどの小さな揺れが、20分にわたって続いていました。
地震以外には、考えられないものです。
2019年4月6日。 人類は、初めて火星の地震、火震(かしん)を捉えることに
成功しました。
“作れる限りの地震計を、火星に持って行ったからこそ、満足のいく結果が
得られたのです”
“これで、ようやく、火星の内部について分かるかも知れません”
教授たちには、待ち続けている揺れがありました。
着陸から177日目、その時が来ました!
地震計が捉えたのは… 最初、3分ほど揺れた後に、大きな揺れが!
P派、S派と呼ばれる、2つの波です。
“やっと、P派とS派が見えた!と思いました”
“この2つの波が地震計に届いた時間の差と、揺れの速さから、震源がどこか
分かるのです”
一体、どのように震源を特定するのか?
実は、インサイトは、3つの振り子を備えています。
ある方向で地震が起こると、それぞれが揺れを捉えます。
この揺れの僅かな違いから、震源までの方向と距離を決める事ができるの
です。 これまでの観測で、2回、震源が特定できました。
およそ半年をかけて、火星に到着したインサイト。
インサイトにとっては、ここからが山場。
待ち受けていたのは… NASA史上初の難関でした。
NASAジェット推進研究所の博士は、言う。
“ロボットアームを使って、地震計を地上に下ろし、風よけをかぶせる必要が
ありました”
“ロボットアームで機器を設置するのは、宇宙探査の歴史上、初めてのこと
なのです”
この難関に挑んだのが、NASAのエンジニアたちです。
“目標へ、アームを移動させて、ちゃんと移動したかを確認する”
“機器をつかむ。 ちゃんと、つかんだか確認する”
“そして、ちゃんと運べたか確認して、機器を下ろす”
“これら1つ1つのプロセスに、数日かかります”
インサイトに搭載された、長さ2.4メートルのロボットアーム。
その先端に付いたカギ爪で、地震計をつかみ、地面に下ろします。
これって、何かに似ていると思いませんか?
そう、クレーンゲームみたいですよね!
ちょっと違うのは、プレーヤーが、5億キロ離れていること。
“インサイトには、初めてが、たくさんありますが、これも、その1つです”
“火星でクレーンゲームをやるのも、初めてですよ!”
“もちろん、遊びじゃなくて、調査のためです!”
絶対に避けたいのは、運んでいる途中に、地震計が落ちること。
それを防ぐために、なんと、ロウソクのロウを使いました。
電気で熱が加わると、ロウが溶けて、カギ爪が開きます。
逆に、電気が切れ、ロウが固まると、カギ爪が閉じます。
1度閉じたカギ爪は、もう1度、電源を入れない限り開きません。
エンジニアたちは、火星の環境を模した、特別な部屋で練習を繰り返して来ま
した。 2018年12月。 成果が試される時が来ました。
設置場所には、着陸機の影響が伝わりにくい、なるべく遠くの平らな地点を
選びました。 地球から、慎重にアームを動かし、丸2日かけて無事に成功!
着陸機から、およそ1.6メートルに設置しました。
これで一安心と思いきや、火星には、まだ、大敵が潜んでいるのです。
それは、風。 火星では、ダストデビルと呼ばれる竜巻など、頻繁に強い風が
吹き荒れています。
実際、インサイトは、着陸してすぐ、地震計が風を捉えていました。
秒速5メートルの風が、吹きつけていたのです。
風は、地震計にとっては、いわば雑音。
カバーをかぶせる事で、風による揺れを、1%以下に抑えるようにしました。
こうして、およそ2カ月かけて、地震計の設置が、無事に完了しました。
インサイトの地震計を作り上げた、パリ地球物理研究所の教授のもとには、
インサイトから、次々とデータが送られて来ていました。
“地震計を揺らす原因が、予想よりたくさんある事が分かりました”
“風だけでなく、ロボットアームが原因の時もありました”
“ありとあらゆる事が、揺れの原因になっていたのです”
地震の揺れを見つけ出すために、教授のチームは、余分な揺れを、徹底的に
取り除く事にしました。 例えば、こちらは風が原因の揺れ。
更にこちらは、ロボットアームの動きによる揺れ。
アームが動いている時間と照らし合わせて、特定しました。
最後に残った揺れの特徴を解析。 地震かどうかを判断して行きました。
観測を始めてから4カ月。
その日も教授は、データのチェックに明け暮れていました。
すると地震計は、これまでに見た事のない揺れを捉えていました。
“初めて、地震と呼べる揺れが来たのです”
そのデータとは… マグニチュードは、およそ2。
体に感じられないほどの小さな揺れが、20分にわたって続いていました。
地震以外には、考えられないものです。
2019年4月6日。 人類は、初めて火星の地震、火震(かしん)を捉えることに
成功しました。
“作れる限りの地震計を、火星に持って行ったからこそ、満足のいく結果が
得られたのです”
“これで、ようやく、火星の内部について分かるかも知れません”
教授たちには、待ち続けている揺れがありました。
着陸から177日目、その時が来ました!
地震計が捉えたのは… 最初、3分ほど揺れた後に、大きな揺れが!
P派、S派と呼ばれる、2つの波です。
“やっと、P派とS派が見えた!と思いました”
“この2つの波が地震計に届いた時間の差と、揺れの速さから、震源がどこか
分かるのです”
一体、どのように震源を特定するのか?
実は、インサイトは、3つの振り子を備えています。
ある方向で地震が起こると、それぞれが揺れを捉えます。
この揺れの僅かな違いから、震源までの方向と距離を決める事ができるの
です。 これまでの観測で、2回、震源が特定できました。
| ホーム |