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はやぶさ2は自分で状況を判断する自律飛行で着陸を目指す
2020年07月11日 (土) | 編集 |
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2018年8月17日、着陸地点選定会議。

着陸できる場所がない。 この事態を、どう打開するのか?

国内外から100人以上が集まり、作戦会議が行われました。

大きな平らな岩の上に降りたらどうか等、さまざまなアイデアが出されました。

そんな中、総責任者のプロジェクトマネージャーは、ある作戦を示します。

“地表近くまで接近する飛行を行って、経験を積みたいと思う”

訓練を繰り返し、はやぶさ2の誘導精度が上がれば、岩の間の狭い場所へ
着陸できるというのです。

結局、1番、岩が少ない、この L08 という場所を目指す事になりました。

総責任者のプロジェクトマネージャーは、言う。

“とにかく、小惑星に接近しないと、詳細な情報って取れないのですね”

“運用でベストを尽くして、我々の実力を、そこで発揮できるように”

小惑星への接近は、リスクを伴います。

地球から、はやぶさ2まで指令が届くのに、およそ17分かかります。

もし、小惑星の近くで緊急事態が起きても、間に合いません。

その為はやぶさ2は、自分で状況を判断する自律飛行で着陸を目指します。

2018年9月11日、降下リハーサル1回目。

早速、着陸エリア L08 に接近する、初めての訓練が行なわれました。

リュウグウに近付いて行きます。 間もなく高度600メートル。 その時でした。

緊急事態です。  ‘えっと、探査機上昇に転じてます’

はやぶさ2は、危険を回避するため、訓練を中止。

アボートという、緊急上昇を行っていたのです。

総責任者のプロジェクトマネージャーは、言う。

“はやぶさ2の運動自体は、電波で、上昇してるか降下してるかっていうのが
分かります”

“上昇してるっていうのが分かっていたので、はやぶさ2の動きに心配は
ありませんでした。 ただ、この後、どうなるんだろうという不安はありました”

アボートした理由は、リュウグウが黒すぎたためでした。

高度を測るレーザー光線が、十分に反射されず、高さが計測できなかった
のです。

“本来、25mぐいらまで行くつもりだったので、そこは、できなかったところは、
もう1回、どこかでデータを取らないと、しょうがないなと”

“だから、そこは、もう… やり直すしかないと…”

チームの古株、航法誘導制御担当者は、言う。

“その時は、まぁ… ちょっとビックリしましたね”

“大体、対策は、もう立てているんですけども、どうしても…”

“まぁ、漏れてしまったというところ… 想像の域を超えたところに問題点が
潜んでいたという事だと思います”

訓練を繰り返すという総責任者のプロジェクトマネージャーの作戦は、いきなり
出ばなをくじかれてしまいました。

2018年9月21日、小型着陸機ミネルバ2降下。

表面に、多少なりとも平らな場所があるのか?

この日は、小型ロボット・ミネルバ2を使った偵察です。

バウンドしながら、地表の様子を撮影します。

どんな画像が送られて来るのか? かたずをのんで見守ります。

写っていたのは、一面、岩。 また岩。

平らな場所への期待は、打ち砕かれました。

総責任者のプロジェクトマネージャーは、言う。

“リュウグウとは、こういう場所なんだというのは、もう、腹をくくらざるをえない
そんな画像でしたね”

2018年10月11日、記者会見。

この日、総責任者のプロジェクトマネージャーは、着陸予定の延期を発表を
しました。

“1度、はやぶさ2プロジェクトとしては、立ち止まろうと思います”

“いよいよリュウグウが、牙をむいて来たなという風に思っています”

すでに、リュウグウ到着から、107日が過ぎていました。



☆宇宙博物記☆

ここは、神奈川県藤沢市にある、湘南台文化センターこども館。

“リュウグウ、どんな形だろう?とか…”

リュウグウ到着の2カ月前、宇宙好きの子供たちが、まだ見ぬ小惑星の姿を
想像するコンテストが開かれました。 (2018年4月)

一体、どんなリュウグウを描くのかな?

おや? こちらは、2つの天体から出来ていますね!

どれも、個性あふれる姿ですね~!

どうして、このコンテストを企画したのですか?

コンテストを企画したミッションマネージャーは、言う。

“はやぶさ初号機が、イトカワに到着したわけですが、到着してみたら事前に
思っていたのと全然違った表面をしていたという事があります”

“リュウグウを想像してみると、どのくらい当たるかという事で、面白いのでは
ないかなと思ってやりました”

このコンテストには、はやぶさ2のメンバーも参加しました。

こちらは、研究者が予想した姿。

よく似ているものもありますが、全然、違っているものもありますね!

“これは私が想像したリュウグウで、とにかく表面は凸凹だらけだろうという
ことで、こういう絵を描いて…まぁ、あまり上手ではないのですが…”

“結果的に、本当に、至る所が凸凹だというのは当たっていたのですが、ただ
ある部分… こういう部分は、平らな場所もあるだろうと思っていて、そこに
タッチダウンが出来るかなと思ってました”

“実際は、見事に我々の予測が裏切られて、これ前面が、もう岩だらけだった
というので…”

研究者たちが想像していたよりも、ずっと難敵だった小惑星リュウグウ。

格闘は、さらに続きます。