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近年、大水害といわれる大都市を直撃する洪水や高潮の脅威とは?
2020年02月06日 (木) | 編集 |
第2296回「なんて言われようと譲れないことは?」
荒れ狂う、水の脅威。 日本だけでなく、世界を襲う災害に迫ってみた。
“うわ~! やばい! やばい! やばい!”

毎年のように、日本列島を襲う洪水や高潮は、私たちに水の力の恐ろしさを
まざまざと見せつけている。 近年、こうした、すさまじい破壊力を持つ洪水や
高潮が、世界の沿岸部にある大都市を直撃している。

世界経済の中心、ニューヨークを壊滅させた… ハリケーン・サンディ。
ハリケーン・サンディの被災者は、言う。 “ニューヨークで、こんな事が起きる
なんて、思いもしなかったよ…”

9メートルの高潮がフィリピンを襲った… スーパー台風・ハイエン。
6000人以上が、犠牲となった。 今後、地球温暖化が進めば、雨の降り方は
一層、激しくなり被害は増大する。

そして、気候変動による海面上昇と、都市化に伴う地盤沈下が、大水害に
追い打ちをかけると、科学者たちは警告する。 海岸工学の教授は、言う。

“とてつもない被害です。過去30年、沿岸部の洪水犠牲者は、20万人にも
達しています。 海は上昇し、都市は沈んでいます。 将来、いくつかの都市は
住めなくなるかも知れません”

オランダの治水専門家は、言う。 “水の危機は、膨大な人口に影響する
最大のリスクだというのに、備えは全くできていません”

早稲田大学の教授は、言う。 “大震災以来、自然の猛威の前では、人間の
力には限界があると知りました。 ですから、常に避難計画を準備しなければ
ならないのです”  太古の昔から言われて来た言葉がある。

善く国を治める者は必ず、まず水を治める。 ニューヨーク、バンコク、上海…
そして、東京。 世界の沿岸部の大都市が直面する、未曽有の危機。
果たして、人類は、水との闘いに、打ち勝つ事が出来るのだろうか?

ひとたび大水害に見舞われれば、命や暮らしが奪われるだけでなく、巨大な
経済被害が地域を打ちのめす。 その事を突きつけた歴史的な水害がある。
2012年10月29日、この日、世界経済の中心地ニューヨークは、その機能を
完全に停止した。

直径およそ1400キロという巨大なハリケーン・サンディが襲いかかったのだ。
地下鉄は運休。 ニューヨーク証券取引所も閉鎖。 入院患者も避難した。
夜8時、上陸。 マンハッタン南東部の変電所が、浸水により爆発。

各地で停電が発生し、550万人に影響した。 翌朝、世界は震撼した。
被害総額は、実に、8兆円に上る。 ニューヨーク市民は、言う。

“昨日の夜、この通りを歩いていたんだけど、向こうから川が迫って来たの!
まるで、映画の様だったわ…” ニューヨーク在中の災害カメラマンの男性に
とっても、それは、衝撃的な光景だったという。

“あの日、水は、1メートル以上の深さがあった。 波が、このフェンスの上で
砕け散るのを撮影した。 目の前で起きている事が、信じられなかったよ…”

これが、彼が撮った貴重な映像だ。 “文字通り、海が砕け散り、波が、
あらゆる場所へと流れ込んで行った。 まるで、津波のようだったよ…”
津波のような水。 それこそが、実は、ハリケーンに伴う高潮だった。
ニューヨーク州立大学の海洋学者は、言う。

“サンディの場合、被害をひどくしたのは、風でも雨でもなく、高潮でした。
海が持ち上がって極めて高くなり波が海岸から小さな港や河川に流れ込み
低い土地に進んで行きました。 あらゆる場所を、水浸しにして行ったのです”

“よく、津波と高潮の違いは何か?と、尋ねられます。 津波の原因は海底の
地震です。 海底を震源とする大地震が大波を引き起こし非常に速いスピード
で進みます。 時速700キロになる事もあります”

“陸地に近付くと、波は、どんどん高く、強くなり、砕けて、海岸に押し寄せ、
大規模な破壊を引き起こします。 それが津波です。 高潮の原因は、全然、
違います! 海面に風が吹きつけ、表面の水を岸へと押しやります”

“岸に到達すると、どんどん上昇します。 より高い満潮というような感じです。
高潮が更に上昇すると、護岸を越えて、陸へと襲いかかります”

ニューヨークを襲ったのは、4メートルを超す津波のような高潮だった。
被害が拡大したのは、波の破壊力が、一層、強まっていたからだった。

“ハリケーン・サンディが襲った時、海は満潮で、しかも、満月でした。
通常の満潮に加え、満月で、更に海面が高い大潮の時に、ハリケーンが
襲ったのです”

この未曽有の災害は、たまたま不運が重なった、想定外のものだったの
だろうか? 海洋学者は、サンディの7年前、ハリケーン・カトリーナがアメリカ
南部のニューオーリンズを襲った際、ニューヨークも、決して他人事ではないと
警告していた。

“高潮が引き起こす洪水は、もし、ではなく、いつ、の問題でした。 正確に
予測できる人はいませんが起きる事は分かっていた。そして実際に起きた!
人々は、言います。 あれは滅多にない事で、もう2度と起きないと…”

“私は、言います。 とんでもない! 災害は、必ず、また起きるし、どんどん
激しくなると! なぜなら温暖化で海面水位が確実に上昇しており危険は
増して行くのです”

海洋学者だけではない。 ドイツのポツダム気候影響研究所の教授で、海面
上昇が専門家も、警告を発する。

“19世紀、後半以降、海面水位は、既に約20センチ上昇しています。 地球
温暖化の進行で、水位の上昇は、更に加速するでしょう。 海面上昇には、
2つの理由があります。 まず、海の水が温暖化によって温まり膨張するため”

“そして、陸地の上にある氷… 山岳氷河とグリーンランドや南極の氷床が、
温暖化によって溶けているからです”
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2019年9月、国連IPCC(海洋・雪氷圏特別報告書)は、海面上昇に関する
最新の報告書を発表した。 従来の予測よりも速いペースで、グリーンランドと
南極の氷床が溶け、海面の水位の上昇が加速している事が明らかになった。

これまで、2100年に最大82センチ上昇と予測されていたが、今回、最大110
センチと、1メートルを超える衝撃の数値が示された。 温暖化による海面
上昇は、災害の際には、大きな影響を及ぼすという。

“多くの人は、海面が1メートル上昇するといっても、さほど、深刻に思わない。
穏やかな日の海岸で1メートルくらい水位が高くても変わりはないからです。
本当に脅威となるのは、高潮の時!”

“既に海が1メートル高い状態で、高潮が押し寄せるのは危険です。 防御が
極めて難しい海岸線もあります。 海面上昇で、我々は、いくつかの都市を、
失う事になるでしょう”

地球温暖化による海面上昇によって、更に、威力を増す、高潮。 イギリスで
海岸工学を研究する専門家は、世界中の沿岸都市の水害リスクを調査した。

“私たちは2005年の時点で、人口100万人以上で、港のある沿岸都市136を
調査しました。 百年に1度の洪水の際に氾濫する場所、つまり洪水が起こる
可能性が、毎年1%ある場所に暮らす人口は2005年には4億人で、このうち
4000万人が氾濫の危険があるエリアに暮らしていました。 市街地の大半が
氾濫エリアだった都市もあります”

その後、世界は更なる都市化が進み、危険なエリアに暮らす人口は、増加の
一途をたどっている。 バングラディシュのダッカや、インドのコルカタ、タイの
バンコクや、中国・上海、そして、東京や名古屋、大阪など、特に危険度が
高い都市は、アジアに集中している。 なぜなのだろうか?

ポツダム気候影響研究所の教授は、言う。 “これは、1993年以降の海面
上昇の様子を示したものです。 ほとんどの場所で上昇していますが、一律
ではない事が分かります”

“東太平洋では、海面水位が下がっている場所もあります。 しかし西太平洋
では、平均を上回って水位が上昇しています。 貿易風が強まったせいで、
風が海の水を東アジアの沿岸に押し込んでいるからです”

アジアに迫りくる、海面上昇の脅威。 チャオプラヤ川の河口に位置するメガ
シティ、タイ・バンコクへと向かった。 人口1400万人。 至る所に運河が張り
巡らされ、東洋のベネチアともいわれる水の都だ。

海面上昇は、既に、バンコクの郊外にまで、ひたひたと迫り来ていた。
バンコク南部の海沿い。 ここには、かつて、サモーン村という村があった。
今は、水に沈んだ電柱だけが、ひっそりと残されている。 村人のほとんどは
去り、僅かな住民が、別の場所に引っ越して、かろうじて暮らしていた。

サモーン村の住民は言う。 “村は、海から2キロも離れたところにありました。
海岸に家を建てた訳ではないのです。海水が上がって来たので家を1メ-トル
かさ上げしなければなりませんでした。 今は、2メートルかさ上げしています。
給水タンクが海面より低くなったら、更に、かさ上げしなければなりません”

海に沈んだサモーン村。 20年間に5キロという驚異的なスピードで、海岸は
侵食されて行った。 ポツンと海上に建つ寺院だけが、かつての海岸線の
位置を教えてくれる。 寺院が建っている地面は、今では海面より2メートルも
下にある。 カセサート大学・土木工学の准教授は、言う。

“この寺院は、象徴的です。 まるで、バンコクの将来を見ているようです。
何の対策も取らなければ、海水はここで止まらず、バンコクの中心部にまで
侵入して来るかも知れないのです”

現在の海岸線からバンコクの中心部までは、およそ15キロ。だが、バンコクの
水に対するぜい弱性は、迫りくる海水のせいだけではない。 水の都として、
長年、水と共存して来たバンコク。

洪水に見舞われる事はあっても、したたかに生き延びて来た。しかし2011年。
世界に衝撃を与える大洪水が、3カ月もの間、バンコクを襲った。 モンスーン
時期に、相次いで台風が上陸し、上流で大量の雨が降った事が原因だった。

バンコク郊外では、農地や市街地が水没。 大量に進出していた日系企業も
大打撃を受けた。 損保会社による保険金の支払額は、同じ年に起きた
東日本大震災の6000億円を上回る、1兆円規模となった。

ロックフェラー財団(バンコク)の担当者は、言う。 “タイの洪水の被害総額は
2011年末には、4兆円近くになりました。 何より、影響が世界中に広がった
のがショックでした。 当時、世界のハードドライブの半分は、バンコク周辺で
生産されていたため、価格は2倍に跳ね上がりました”

“6000もの道路や空港が閉鎖され、サプライチェーンは寸断されました。
これは、グローバル化の課題です。 バンコクは、世界のサプライチェーンに
組み込まれていて、その危機を、世界中が実感したのです”

なぜ、これほどまでに、被害が拡大したのだろうか? かつて知事を務めた、
元バンコク都知事は、バンコクが抱える大きな弱点をよく認識していた。

“タイには、三姉妹と呼ばれる、3つの水源があります。 これらが同時に襲い
かかると、大変な事になります。 長女は北部の山々からの水、次女は満潮
時の海からの水、そして三女は天から降ってくる雨です”

“想像してみてください。 もし、満潮時に、北からも水が流れてきたら、既に
川の高さは2.5メートルと危険水域に近付いている。 もし、川の両側に大雨が
降ったら、どうやって排水できますか?”

かつてのバンコクは、雨が降っても、総延長2600キロにも及ぶ運河などに
一定の水を排出する事で、被害を抑える事ができた。 しかし、近年の急速な
都市化が、それを許さなくなっていると専門家は言う。

タイの環境研究所員は、言う。 “もともとバンコクには、運河や自然の川の
ネットワークがあり、天然の排水路の役目を果たしていました。北から流れて
来た水は、バンコクを通り、海に抜けて行きました”
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“人口が増え、住宅やインフラが建設され、そういった運河や河川のネット
ワークが塞がれたり消えたりしています。 かつての放水路には国際空港や
工業団地が造られています。 洪水の本当の原因は、都市の土地利用に
あったのです”

バンコクに、更に追い打ちをかけたものがあるという。 それは、深刻な地盤
沈下だ。 カセサート大学・土木工学の准教授は、言う。

“見て下さい。 地盤沈下の証拠です。 この橋脚は人工の土台の上に建って
います。 これが土台の部分で、少し高さがあります。 こちらは地面です。
かつては、同じ高さにあったのに、今では、こんなに沈み込んでいます。
地下水のくみ上げの影響です”

バンコクは地下水のくみ上げによって、20世紀中に2メートルから3メートルも
地盤沈下した。 一時は年に、およそ10センチも沈むというハイペースだった。
なぜ、それほどの水が、必要になったのだろうか?

“35年前、バンコクの人口は400万人から500万人ほどでした。 しかし現在は
1000万人以上に膨らんでいます。 人々には水が必要です。 30年ほど前は
空気がキレイだったので、雨水を使って各家庭で溜めておく事も出来ました”

“しかし、町が大きくなるにつれて汚染が進み、雨水を飲み水などに使う事が
難しくなりました。 人々は、地下水に頼るようになったのです。 地下水の
過剰なくみ上げが、この問題の始まりでした”

“この濃い青色の地域は、バンコクの海抜ゼロメートル地帯です。この地域は
過去の地下水のくみ上げで、地盤沈下しています”

都市開発によって、排水経路を奪われ、行き場をなくしていた水は、地盤沈下
のせいで、海面より低い土地が多くなったバンコク周辺に、3カ月間もとどまり
続けた。 急激な都市化が、大水害の被害を悪化させていたのだ。

今、都心部の地盤沈下は、規制によって年間3センチ程度に収まりつつある。
だが、規制の緩い沿岸部に移転して、地下水をくみ上げている工場も多い。
都市の水害リスクを高める地盤沈下。

それは決してバンコクだけの問題ではないと、イギリスで海岸工学を研究する
専門家は、言う。  “東京は20世紀に、最大で4メートル地盤沈下しました。
町全体ではありませんが、東京湾の周辺で、4メートル沈んでいます”

“大阪は3メートルの沈下。 中国・天津は2メートル沈下。 上海は3メートル
沈下。 インドネシアのジャカルタは4メートル沈下し、今も速いスピードで
沈んでいます。 マニラは約1メートル”

“コルカタとダッカルも、ほぼ間違いなく沈んでいます。 そしてニューオリンズ
なども、最大で3メートル沈下。 カナダのバンクーバーでは、1メートル以上、
沈下しました。 こうした地盤沈下している都市は、沿岸部を襲う水害に対して
とてもぜい弱になっているのです”

アメリカ・コロラド大学の海洋学者は、沿岸部のメガシティが地盤沈下に
ぜい弱なのは地形そのものが持つ宿命だと言う。 その地形とは、川の水に
よって運ばれて来た土砂が、海岸線に堆積して生まれたデルタだ。

“デルタ地帯は、信じられないほど平たんで、100キロ先まで行っても、土地の
高低差が数メートルしかなく、都市の建設が容易なのです”

肥沃な土地が広がり、港にも適したデルタ。 四大文明もデルタで生まれた。
人間にとって、都市を育むのに、まさに理想的な場所だったのだ。 ところが、
最近の研究によってデルタは驚くべき弱点を持っていることが分かってきた。

“河川や海に観測装置を設置して、水の流れやデルタの堆積物の変化を
モニタリングしています。 検潮器のデータでは、デルタ地帯は、他の地域と
比べて、平均で4倍も速く地盤沈下しています。 何かが起きているのです”

この急速な地盤沈下の原因は、地下水のくみ上げによるものだけではない
という。 実は、デルタを形づくる、川から海への水の流れそのものに、大きな
変化が起きていたのだ。

“人間がダムを建設した事で、川が運ぶ堆積物は、沿岸に到達できなくなり、
堆積物は、ダムの後ろ側に隔離された。 その結果、海岸線が後退しました。
私たちは、過去140年間、大きなダムを、平均で1日1基、建設してきました”

“1800年当時、ダムの数は、ごく僅か。丸は新たにダムが建設された所です。
ですからダムは、地盤沈下の大きな一因なのです”

デルタでは、砂が、ゆっくり堆積して行く際、砂の重さで圧縮が起こり、次第に
地盤は下がって行く。 自然のままであれば、そこに上流から土砂が運ばれ、
新たに足されるため一定のバランスを保っていた。

ところが、都市化によってダムの建設が相次いだ。 水の確保や、川の氾濫
防止など、目的はさまざまだ。 だが、皮肉にも、その事がデルタのバランスを
崩し、地盤沈下を引き起こした。

結果として、水害のリスクを、増してしまう事になったのだ。 長江デルタに
位置する、人口2400万人の上海も、また、地盤沈下の脅威から逃れる事は
できない。 世界第2位の中国経済をけん引する、金融センター、上海。

人々の視線の先には、天を目指して競うように伸びる摩天楼が、誇らしげに
林立している。 ところが、上海は、文字通り、その足元から揺らいでいる。
その事実に気付いている人は、ほとんどいないが、上海は、この100年間で
平均2メートル、最大で3メートルもの地盤沈下を経験しているのだ。

現在の上海の海抜は、およそ4メートル。 海面上昇と地盤沈下が同時に進行
すれば、海面と同じ高さになる日も遠くはない。 地盤沈下の危機を感じている
政府は、2012年に、10カ年にわたる全国地盤沈下防止計画を開始。

上海を含む長江デルタは、最重点地区に指定されている。 上海には、地盤
沈下に特化した世界でも珍しい地盤沈下研究センターがあり徹底的な監視を
行っている。 上海地盤沈下研究センターの担当者は、言う。

“これが上海の地盤沈下監視ネットワークです。37カ所の地盤沈下監視局が
あります。 ここは監視局の1つです。 ここでは、さまざまな深さの地盤で、
地盤沈下の進み具合を監視しています。測定は完全に自動化されています”
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“いろいろな地盤のベンチマークを、リアルタイムで監視する事で、深さ200
メートル以上での変動も観察できます。 我々は、3Dでシミュレーションできる
モデルを使用して、年代ごとに累積した地盤沈下を計算しています。 1960年
から2010年の間の地盤沈下を見る事ができます”

大量に地下水をくみ上げ、最も地盤沈下がひどかったのは、1960年代。
その頃から法規制を始めた事で、現在、沈下の速度は、年に6ミリ程度にまで
改善した。 ところが、6ミリが0になる気配はない。

この僅かに思える数字には、実は、大きな意味が隠されているという。
“上海の摩天楼を脅かす、極めて重大なリスクで、都市構造への大きな
ダメージです”  地盤沈下研究センターは、次のように発表している。

“近年、大規模な都市建設の開始と共に、地盤沈下が加速した”
上海の都市計画を担当している上海市都市計画弁公室も…。

“上海市中心部の地盤沈下は、その3分の2が、新たに建設されるビル群に
起因する” と、報告している。 高層ビル建設での杭打ち作業に伴って、
排出される地下水が、地盤沈下を悪化させている可能性があるというのだ。
にもかかわらず、高層ビルの建設は止まらない。

上海で、これまで多くの高層ビルの建設を手掛けた著名な建築家は、建設の
夢は、まだまだ尽きないという。

“上海ではこの30年間に、高さ24メートルを超えるビルが、121棟から1000棟
以上に増えました。1番高いビルは、692メートル。とても誇りに思っています”
“地盤沈下を避けるための方策は、ありますよ”

“摩天楼の建設を計画する時に、地盤沈下を気にしなければならないという
ような事は、実際にはありませんよ。 我々には、たくさんの経験があります
からね!” 果たして、彼らが信じる建築技術は、地盤沈下を食い止める事が
できるのだろうか?

経済発展が著しい上海では、更に多くの高層ビルの建築計画があるという。
アメリカの研究機関クライメート・セントラルがメガシティと海面上昇についての
驚くべき研究成果を発表した。

右側のマップが、現在の上海。 左側のマップが、気温が2度上昇した場合に
海面上昇により浸水する地域を表したものだ。(海面上昇による浸水予測)

上海は、メガシティの中で最も影響が深刻となり、このままのペースでCO2の
排出が続き、4度上昇した場合には、現在の人口の9割にあたる2200万人が
影響を受けるという。

地盤沈下が止まらない中で、大水害のリスクは、今も増え続けているのだ。
地盤沈下と高潮がもたらす大水害。 それが、日本で現実のものとなった。
2018年に関西を襲った、台風21号。 最大瞬間風速58.1メートル。

更に、この台風は、3メートルを超す高潮を引き起こした。 ‘滑走路が、水に
浸かっています’ 関西国際空港も、滑走路全域が水没。 10日間にわたって
閉鎖され、被害額は、81億円に上った。 大阪湾岸の市街地は、冠水。

高潮被害を大きくした要因の1つは地盤沈下だった。 この堤防は、地盤沈下
によって、およそ20センチ低くなっていたのだ。 そこに、想定を上回る高潮が
押し寄せた。 首都・東京を高潮が襲うと、どの様な被害が出るのだろうか?

現在の国の想定では、東京湾では、最悪の場合、
140万人が、浸水   死者は、7600人
中には、5メートルも水につかったり、2週間以上、孤立する地域が出てくる。

被害が深刻になる原因は、バンコクや上海を上回る地盤沈下があった。
海よりも低い、海抜ゼロメートル地帯は、東京のアキレス腱だ。

山手線の内側の2倍程度にあたる、およそ120平方キロメートルに、180万人
もの人々が暮らしている。 この面積は、今後60センチ海面が上昇すると、
1.5倍に拡大すると予測されている。

地盤工学が専門の東京大学の名誉教授が案内してくれたのは、東京東部の
住宅街。 東京を襲った地盤沈下のすさまじさを象徴する場所だという。

“この地域は現在、川の水面より2~3メートル低くなっています。 川の水位は
ちょうど、住宅の2階から3階の高さにあるように見えます。 これが、我々が
直面している、非常に深刻な問題です。 途方に暮れているのです”

戦前の工業化の進展や、戦後の高度経済成長のため、工業用水が、過剰に
くみ上げられた。 最も地盤沈下が激しかった箇所では、1918年当時の地面
から、4.5メートルも沈下したのだった。

“1918年当時の地表面は、あそこでした(上の方を指さす)現在の海面水位は
ここですが、それでも私の背より高いです。 このポールは今、私がいる土地
ここには危険があるという事を示してます。 そのリスクを忘れないよう、この
ポールが立てられたのです”

現在の地盤は、干潮時でも、海より完全に低い位置にある。 このため、1度、
浸水すると、自然に排水される事はない。 60年代以降に、法律によって、
地下水のくみ上げが禁止されたため、地盤沈下の進行は完全に止まった。

だが、1度、地盤沈下をした所は、元には戻らない。 そんな東京を、新たな
地盤沈下が襲った。 2011年3月11日。 東日本大震災の際、地震が引き
起こした、液状化によるものだ。

“ここを見て下さい。 壁が全て傾いています。 元の地盤は、この辺りでした。
この一帯の地盤沈下は20センチから30センチほどでした。 このマンホールも
地震による液状化被害の一例です”

地面から60センチも地上に出たマンホール。 液状化による地盤沈下のすさ
まじさを物語っている。液状化とは一体、どんな仕組みで起きるのだろうか?

“川が運んできた砂が、その川の近くに堆積したり、水の中で砂がゆっくりと
堆積して、弱い構造をつくっている。 そういったものが出来上がります”

“その上に、何かものを載せても、大きく揺すったりしない限りは、その上の
ものを支えていられるのですが、例えば地震が来たりすると、その砂が、緩い
構造が壊れて、砂が上の荷重を支えていられなくなるから、水が上の荷重を
支える事になり、その時、水は行き場を探して、あちこちから噴き出してくる”
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“これが液状化という風に理解して頂ければと思います。 で、その噴き上げた
砂が、結局、表面を覆うわけです。 その噴き上げた分、下の堆積が減ります
から、全体の地盤が沈下するという形になります”

名誉教授の調査によって今回の液状化による地盤沈下は、非常に広範囲に
わたる事が明らかになった。

“これ、浦安の上空ですが、ここに色が見えます。 青い色。 この青い色は、
液状化で沈んだ地盤です。 これは航空レーザーを使って測量したものです。
画面の左上にスケールがありますが、これがマイナス0.7メートル、70センチ
沈下したという状況になっています”

“今回の液状化で湾岸地域が大きく沈下した様子が分かります。特に湾岸に
近い所、こういった埋め立て地ですね。 埋め立て地で、青い色が、非常に
顕著に出ているのが分かります。 しかも、多くの方が住んでいる。 やはり
埋め立て地が、沈下している様子が分かります”

海沿いの埋め立て地が最も大きな被害を受けた。 今回、液状化した土地は
次の地震の際にも再び液状化する危険性が高い。

この地図は、関東大震災級の地震が発生した際に、どの程度、液状化が
起きるかを予測したものだ。東京湾の湾岸地区の危険度が高い事が分かる。

沿岸防災が専門の早稲田大学の教授は、スーパー台風・ハイエンの調査を
はじめ、世界各地の高潮被害の現場に足を運んでいる。 教授は高潮の持つ
破壊力が、原因こそ違え、津波と全く変わらない事に衝撃を受けた。

実は、東京湾も、かつて、死者・行方不明者1300人という甚大な高潮被害に
見舞われた事がある。

“大正6年に東京湾を襲った高潮なのですが、この場合、江東区や江戸川区
をはじめとする東京の湾岸部に、広範に浸水して大きな被害を出しました”

“ただ、大正6年に比べると、今は、東京湾奥の地形は、全然、変わっている
ので、海水面よりも低い所に人が住んでる場所というのが広範に広がって
いるため、昔よりも地形的には明らかに不利になっています。 台風や高潮に
対するぜい弱性が、東京の湾岸部では、増しているといえると思います”

液状化による地盤沈下は、東京湾に、更なる深刻な被害をもたらす可能性が
あるという。

“京浜工業地帯、特に、川崎の周辺などは、明治・大正時代に溯るような古い
埋め立て地の上に工場が立地している場所があるので、このような所では、
せいぜい1メートル程度という、標高が低い埋め立て地なのです”

“そのような上に建っている所に、高潮が押し寄せてくると、想定外の事態が
起こり、工場群から、その中に貯蔵されている化学物質や石油関連の物質が
流出してしまうという危険性があると思います。 それらが湾内に流出した後に
火災が発生したり、陸上に流れ込んでくるような事態も想定されます”

“そういう意味では、工場群に貯蔵されている物質が、直接、人命、または、
人間の生存に関わるというような事態も予測しておくべきでしょう”

もともと地盤が低い工業地帯が、液状化で、更に低くなれば、リスクは増す
一方だ。 だが、工業地帯の対策は、住宅地帯に比べて、後手に回っている
という。 教授が警告する化学物質流出の危険性は、東日本大震災で東北を
襲った津波で、既に、現実のものとなっている。

2011年、気仙沼ではタンクから流出した重油に火が付き、水の上であるにも
かかわらず、大規模な火災が発生した。 高潮によって流れ出すのは、化学
物質だけではない。

大阪湾岸の高潮被害の調査に訪れた教授。 “可能性が高いと思いますね”
住宅地に近い、海岸のあちこちに、巨大なコンテナが転がっていた。
神戸港から、高潮の波にさらわれ、漂着したのだ。

神戸港と大阪港、合わせて70個のコンテナが流出。 コンテナから漏れ出した
発火性の化学物質が原因で、火災も発生した。

“たくさんコンテナが持ち上げているわけです。 そういうのを見ると、漂流物
による衝突によって壊れる構造物、例えば高潮防潮堤に衝突した時に本当に
構造物は大丈夫なのか? という事も含めて、漂流物の衝突というものを、
よく考えなければいけないと改めて思いました”

教授は、コンテナの模型を使って、衝突実験を行った。 するとコンテナが、
いくつか合わさって動き、固まりとなって建物や堤防に衝突する危険も浮かび
上がった。

東京港では、年間、数百万という膨大な数のコンテナが行き交っている。
高潮に見舞われた時、そこには、想像を超える危険が潜んでいるのだ。
次々と明らかになる、メガシティの水害リスク。

アメリカ・コロラド大学の海洋学者は、言う。 “地盤沈下と海面上昇は互いに
影響し合っている訳ではありませんが、両方が悪い方向へと向かっています。
どちらも人類が引き起こした問題です。 例えエネルギーや温暖化の問題を
解決できたとしても、地盤沈下の問題が残るのです”

海岸工学の教授は、言う。 “20世紀、地盤沈下は、温暖化による海面上昇
よりも重要な問題でした。 海面上昇が20世紀中に20センチ程度だったのに
対し、地盤沈下はメートル単位だったからです”

“しかし21世紀には、温暖化による海面上昇は、更に大きくなります。
水位の上昇は地盤沈下している都市だけでなく、全ての沿岸都市に影響を
及ぼすでしょう。 海面上昇は、21世紀の深刻で重要な問題になるのです”

“人々は、どんどん都市部に流入しています。 現在、地球上の人口の半分
以上が、都市部に暮らしています。 人間は自然の豊かなところに住む種から
都市に住む種へと変わりつつある。そして都市の多くが沿岸部にあるのです”

国連IPCC最新報告は、温暖化が進むと、2050年、世界の沿岸都市では、
100年に1度という維持様な高潮に、毎年のように襲われる危険があると指摘
している。
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今、地球沸騰化と言われるほど、世界各地で気候変動が起きているのです。
原因といわれる二酸化炭素を減らすなど、人々の力を集結して立ち向かおう
という、全人類必見の、お話しなのです。

今年7月、ある出来事に世界が、ざわついたのです。 国連のグテーレス
事務総長が、温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来したと発言。
その背景にあったのは、この7月の世界の平均気温が最も暑い、16.95度に
なったこと。 これまでより、0.32度も高かったのです。

あれ? もしかして、大したことないって思ってない? でも、この僅かな平均
気温の上昇で、気候変動が起こり、災害を引き起こすといわれているのです。
例えば南ス-ダンやルワンダでの集中豪雨による大洪水、カナダでの山火事
チリでのメガ干ばつなど。

そこで今、世界では産業革命前に比べ、地球の平均気温の上昇を1.5度に
抑える。 そんな目標を掲げている。 ただ、このままだと4年後には超えて
しまうのでは? と、見られているのです。

この地球沸騰化の原因とされているのが、温室効果ガスで、中でも二酸化
炭素が主犯格と考えられている。 そこで今、多くの国では、2050年までに
温室効果ガスの排出量を減らし、実質ゼロを目指そうとしているのです。

更に、大気中の二酸化炭素を巨大な機械で丸ごと回収したり、バイオマスの
力で減らしたり、新たな技術も注目を集めている。 脱炭素に向けた2050年
までの世界の累計投資額は、実に4京円と見積もられている。

巨額な資金をつぎ込んで、地球沸騰化を防ごうとしているのです。 正直、
環境問題って面倒くさそうだし、経済にとって良くないんじゃない?なんて思う
かもしれないけど、世界の認識は、もう、そんなこと言ってられない!てこと。

温暖化から地球沸騰化へと突入した、この時代に、気温上昇の歴史や
メカニズム、最新の対応策を知って、僕たちに出来ることは何なのか?
ちょっと考えてみない? というお話しなのです。

いや~、暑すぎだよね~。 異常気象だよね~。 って、毎年のように言う
ようになったけど地球が沸騰化している原因、それは温室効果ガスの代表格
二酸化炭素にあるのです。 なぜ、それが分かったのか? 結構、興味深い
からね、ちょっと聞いてね!

1856年、アメリカの科学者ユーニス・ニュートン・フットが、世界で最初に
二酸化炭素が何か関係しているのでは?と指摘したのです。 フットは2つの
シリンダーに、さまざまなガスを送り込み太陽光線を当てて温度が、どう変化
するか比較実験していた。

すると、二酸化炭素がたくさんある状態の方が、より早く温まり、冷えるのも
遅くなることを発見。 そして、このガスが、より多く空気の中に含まれれば、
私たちの地球を、より高温にしてしまうと主張。

でも、この研究が世間から注目される事はなく、その後も世界では産業化が
進み、石炭や石油などの化石燃料を燃やすことで二酸化炭素は、どんどん
地球上に増えていったのです。

実は、1938年にイギリスの科学者から、ある指摘があった。 過去半世紀の
間に、地球の平均気温が0.25度上昇したのは、大気中の二酸化炭素濃度が
増えたせいだ。 でも当時、信じる人は少なかった。

その上、1940年代から70年代にかけて、地球の気温が低下傾向になり、
地球が氷期に近づいている、なんてことも言われ、この議論は更に下火に。
この気温低下の理由は現在、大気汚染のため、太陽の日射が弱められた
ためと考えられている。

そんな中、地球は二酸化炭素によって気温が上昇すると、シミュレーションで
証明した人が現れる。 ノーベル物理学賞を受賞した、真鍋淑郎さん。

真鍋さんは、1960年代コンピューターを使い、二酸化炭素の濃度が2倍に
なると、地球の温度が2.36度上がることを計算によって明らかにし、世界を
驚かせた。 イッツ・アメージング!

1970年代後半になると、世界の平均気温は上昇に転じ、1985年には、初の
温暖化の国際会議が開かれ、この問題がクローズアップされることに。

そして1990年、国連の機関 IPCC気候変動に関する政府間パネルが、
真鍋さんのシミュレーションを用い二酸化炭素が重大な気候変動につながる
恐れがあるという、報告書を発表。 危機感を世界に伝えたのです。

このころから、省エネや再生可能エネルギーへの転換が、叫ばれるように
なるのだけど、世界各国は経済成長を目指し、化石燃料を燃やし続け、
二酸化炭素の増加を食い止めることはできなかった。

そこで、このままじゃまずいと、2015年のパリ協定で、国際的な目標が定め
られたのです。 それは、産業革命前からの気温上昇を、将来にわたって
2度より十分低く保ち、できる限り1.5度に抑える努力をする、というもの。

ところが現在、世界の二酸化炭素濃度は1.5倍になり、平均気温は、すでに
1.15度上昇してしまっている。 世界気象機関は、2027年までに、1.5度を
超えてしまう可能性は、66%と推計しているのです。

IPCCによると、平均気温が2度上がった場合、1.5度に比べ豪雨による洪水
被害が最大2倍に。 もし3度上昇すると、洪水被害は、最大3.9倍になると
予測している。 ここで、だったら二酸化炭素を出さない生活をやってみたら
いいじゃない?と思うよね。

これ、世界の排出量の内訳なのですけど、ちょっと、No-CO2 ライフを想像
してみます。 燃料は、薪? 移動は、歩き? 家は、石を積み上げ? こんな
江戸時代みたいな生活を、今、さすがに無理そうじゃない?

つまり僕たちが、この現代社会で経済成長を目指したり、便利な生活を求め
たりする中では、二酸化炭素を出さないというのは、かなり難しいということ
なのです。 じゃあ、地球沸騰化を食い止めるには、どうしたらいいのか?
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温室効果ガスの排出量を、実質ゼロに向けた主な対策を、2つ紹介します。
1つ目は王道だけど二酸化炭素の排出削減。 温室効果ガスの中で二酸化
炭素が占める割合は、75%あるのです。

そこで、石油などの化石燃料を節約したり、太陽光や風力などの再生可能
エネルギーに換えたりすることで、二酸化炭素をこれ以上、増やさないという
対策。 ただ、水田や牛のゲップから出るメタンや、燃料や肥料から出る
一酸化二窒素など、二酸化炭素以外にも温室効果ガスがあるのです。

そうした現状から、二酸化炭素の排出削減だけでは、温室効果ガス排出
実質ゼロの実現は、厳しいとされている。 2つ目は、二酸化炭素の除去。
カーボン・ダイオキシサイド・リムーバル、略して CDR と呼ばれる対策。

現在、二酸化炭素の排出量は、年間368億トン。 2050年にはゼロにする
目標がある中、20億トンから100億トンをCDR で取り除くことが期待されて
いるのです。 でね、CDRの中心は植林。

植林による光合成で二酸化炭素の除去をしているのだけど、規模を拡大
すると膨大な土地が必要となるし、生態系への影響も考える必要があって
限界があるのだそう。

そこで今、CDRの中でも注目されているのが、ダイレクト・エア・キャプチャー
略して、DAC 。 機械によって直接、大気から二酸化炭素を回収する方法で
2017年にスイスで初めて商用化された最新技術です。

これが、その装置。 大きなファンを回して、吸気口から空気を取り込み、
フィルターに二酸化炭素を吸着させる。 その後、フィルターを100度まで
加熱して二酸化炭素分離し、回収。 このプラントでは、更に水で地下まで
流し込み、二酸化炭素を閉じ込めるのです。

DACは、1カ所で吸い込み続けても、その場所だけの効果にとどまらない。
広範囲にわたって、二酸化炭素濃度を均質化させ、薄めることが可能なの
です。その結果、二酸化炭素を大規模に回収する効果が期待できるのです。

IPCCによると、この技術を使って2050年までに年間で最大20億トンほど
回収できるシナリオもあるそう。 そんな中、DACに最も注目しているのが
アメリカ政府。

5年にわたって、およそ5200億円を投資し、年間100万トンの二酸化炭素を
回収できるプラント4カ所への支援を表明している。 年間20億トンを回収する
レベルまで拡大するには、このクラスのプラントが世界で2000カ所も必要に
なるのだそうです。

更に今、話題を呼んでいるのがバイオマスを使った、通称BECCSと呼ばれる
技術。 バイオマスって、家畜のフンや木くずなど動植物から生まれる資源の
こと。 もともと植物は、光合成で二酸化炭素を吸収しているし、動物も植物を
食べている。

だから、バイオマスを発電などのための燃料として使うと、トータルで見れば
二酸化炭素の量は変わらないとされている。 しかも、このBECCSは、
バイオマスを燃やして出た二酸化炭素を回収して、地下に埋めれるのです。
その結果、大気中にある二酸化炭素の量は、とトータルでマイナスになる!

現在、世界のBECCSの回収・貯蔵の能力は合わせて年間300万トンほど。
今後、大幅にスケールアップがされれば2050年には最大でおよそ90億トンの
回収が出来るのでは? といわれている。

その一方で、バイオマスのための植物を生産し過ぎることによる農作物への
影響や、回収した二酸化炭素を貯蔵する場所など課題は、まだまだある。
今後、地球沸騰化対策は、どうなっていくのか? 専門家に聞いてみた。

“コストを下げてイノベーションを進めていくことが必要です。 現在、世界中で
スタートアップビジネスとか、ベンチャー企業とかが、どんどん立ち上がって、
イノベーションが加速しているというところです。 ただ、こうした技術は非常に
コストが高いのです。 ですから、米国のように補助金のような政策が今後も
どんどん必要になっていくと思います”

今、二酸化炭素の回収を巡って、いろんな動きが活発化している。 アメリカ
では、賞金150億円で回収技術を競うコンペが行われたり、石油天然ガスの
世界的企業がDACのスタートアップを、1600億円で買収したりしたのです。

ここで突然だけど、みんなに見てもらいたいものがあるのです。 これは、
世界11カ国に行った気候変動についてのアンケート。 気候変動を、極度に
心配している。 とても心配していると答えたのは、日本では、16.4%。

トップのフィリピンと比べると、5分の1にも満たないのです。 これって、
日本では、この問題を、自分事として考えている人が少ないということ?
なぜ、日本人の気候変動への意識の世界的に見て低いのか? そして今後、
この問題と、どう向き合っていけばいいのか? 専門家に聞いてみると…。

“日本は、失われた30年と言われるように、過去に経済が厳しい状態に
あった。 ですから、一般市民の方々は、日々の生活や経済状況に非常に
関心が行ってしまって、環境問題の優先順位が下がっているのかなと私は
思っています”

Q:今後、地球沸騰化に、どう向き合っていく?
“地球沸騰化は、危機であると同時に、機会=オポテュニティでもあると思う。
ですから、こうした話しを広く議論して、明るい未来を描くことが大事です。
まず重要なのは、地球沸騰化について、ご家族だったり、職場だったり、
しゃべっていくこと、議論していくこと。 それによって自分事化していく事だと
思います”

今や待ったなしの地球沸騰化。 国連が掲げた、1.5度のタイムリミットまで
あと4年…。 これまで世界は経済成長をしながら温暖化も対応してきたけど
今、瀬戸際に立っているのかもしれない。

一人一人が自分事と捉えて、何ができるか考え、実行することで、毎年、夏に
暑すぎる!と言わない未来が、やって来るのかもしれないですね。
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1960年代から80年代にかけて、集中整備された橋やトンネルといった社会
インフラの一斉老朽化が、近年、社会問題となっています。 我が国では、
2012年12月、1970年代の建設から30年以上が経っていた笹子トンネルで
天井板落下事故が発生しました。

この事故を受けて政府は、2013年をメンテナンス元年と位置づけ、インフラの
長寿命化を国の重点施策としました。 更に国土交通省では、2014年に、
全国に約70万ある橋に対し、国が定める統一的な基準により、5年に1回、
近接目視点検を行うことを基本とする省令を制定しました。

そして、笹子トンネルの事故から10年経った昨年12月に、総合的かつ、
多角的な視点から戦略的に、地域のインフラをマネジメントする方針を打ち
出しました。 橋のメンテナンスに関する問題は、地方の市町村ほど深刻と
いわれています。

その理由は、道路橋の約7割が市区町村で管理されており、こうした自治体
では、概して予算や技術力が不足している為です。 国土交通省によりますと
建設から50年以上経過した橋は、今年度34%に上り、10年後に、59%まで
急増するとしています。

このまま放置しておくと橋の老朽化が、ますます進み、将来、通行止めなどに
より住み慣れた土地を、離れなければならないことも予想されます。 本日は
社会インフラの中でも特に地域の橋に焦点を当て、その現状と共に老朽化を
食い止める方策について、考えたいと思います。

橋は、その材料、構造形式、役割や重要度、置かれている環境など、実に
さまざまです。 例えば、日平均交通量が10万台を超える都市内高速道路
橋もあれば、地域の集落に通じる1本道に架かる橋もあります。

その役割は全く異なりますが、人々の暮らしを支えるという点では、どちらも
重要です。 このように目的も役割も大きく異なる橋を、画一的にメンテナンス
することは現実的ではありません。

また、交通量や安易なコスト評価だけで地域の橋を切り捨てることも、理知的
とは言えません。 それぞれの橋に合ったメンテナンスの在り方を考える事が
重要です。橋のメンテナンスに関する技術や技術者のレベルも千差万別です。

高速道路橋や長大橋のような、重要構造物をメンテナンスするために、ビッグ
データを扱い最先端のセンシング技術などを駆使する高度な技術者もいれば
地域の名もない橋を長持ちさせるために、地道に活動する技術者もいます。

このようにメンテナンス技術にはハイテクとローテクの両方があって、どちらも
重要であり、適材適所に使い分けることで、メリハリの利いたメンテナンスが
実現します。 橋の多くは水の作用によって劣化します。

予算をかけずに橋の劣化を防ぐには、水の影響を極力防ぐことが大事です。
そのためには、日々の歯磨きに相当する予防が重要となります。 例えば、
排水桝(ます)をキレイにしておく。 橋の上にたまった土砂を取り除く。 橋の
手すり、すなわち、欄干を塗装するなどです。
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こうした行為は虫歯に例えると、医療行為ではなく、日々の歯磨きに相当する
ものです。 医療行為は医師が施しますが、歯磨きであれば住民でも行う事が
可能です。

また災害時を含め、普段、使い慣れている橋に異常を感じた際には、役場に
緊急通報することも重要です。 こうして、住民が橋の簡易なメンテナンスに
関わってもらうことで、橋は確実に長持ちしますし、住民のインフラに対する
無関心を関心、そして愛着へと変える効果も期待されます。

このように、住民にも地域の橋の簡易なメンテナンスを担ってもらうため、
大学の研究室において住民でも実施可能な、橋の日常点検チェックシートを
考案しました。

A4サイズで表面がチェックシート。 裏面が橋梁点検カタログ・橋の119番、
使用上の注意事項から構成されています。 学生らしい色合いやフォントを
生かし、住民にも親しみやすいものになっています。

例えばガードレ-ルであれば変形やサビといった損傷の有無と、有りの場合、
部分的か? 広範囲か? を問う、シンプルな内容となっています。 点検は
住民の安全に配慮し、橋の上の歩道や路肩のみから行うこととし、判断に
迷ったら、裏面のカタログを参照しながら評価する仕組みです。

以前から、住民と学生との協働による村づくりを進めてきた福島県平田村に
おいて、このチェックシートを配布したところ、多くの住民から地域の橋の
日常点検結果が、送られてくるようになりました。

回収したチェックシートは大学にて、10点満点で評価し、点数の高いものは
橋の歯磨きが必要なものとして赤やオレンジ、低いものは健全なものとして
青や緑で色分けし、電子地図上にプロットします。

そうすると、自分たちの地域のどこに歯磨きの必要な橋があるかが、一目で
分かります。 それを見て週末に住民が集まり、前述のとおり、排水桝を清掃
したり、橋の上にたまった土砂を撤去したり、欄干の塗装を行う。

このような行為を、橋のセルフメンテナンスと呼んでいます。 住民により橋の
日常点検を行い、その結果を地図上に可視化し、歯磨きを行う。 このように
サイクルを回す事で平田村にある約60の橋は良好な状態に保たれています。

こうした活動は地域住民のみならず、高校生や高専生・大学生の教育の
一環とし、更には役場職員や地元企業などに浸透しつつあり、現在、約30の
市区町村で実施されています。

地域の橋をはじめとするインフラは住民の生活を支える、まさに基盤であり、
これが廃れては地方創生など成り立つはずもありません。 一方、地域には
都会にはない強み、地域力があります。

住民と役場職員、あるいは、住民同士が結束し、そこに地域の大学や地元
企業のサポートを得て地域のインフラは、みんなで守るを合い言葉に長持ち
するための活動を行えば、まだまだインフラも地域も廃れる事はありません。

そればかりか、住民のインフラに対する当事者意識が芽生え、将来、橋の
老朽化が顕在化し、廃止・撤去を議論することになっても、住民が、その意思
決定に主体的に関わり、適切な合意形成が果たせるものと思います。