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まだ誰も見た事がなかった星の最期、超新星爆発を見る事ができた!
2024年03月11日 (月) | 編集 |
第2296回「なんて言われようと譲れないことは?」
美しく夜空を彩る花火。 一瞬の爆発が生み出す芸術です。 宇宙にも、まるで
花火のような現象があることを、ご存じでしょうか? 超新星爆発。 大きな
質量の恒星が最後に見せる、大爆発です。

これらは星が爆発で飛び散った残骸。 カラフルで美しい天体として、多くの
天文ファンを魅了しています。 実は、超新星爆発には大きな謎があります。
花火のように爆発した後の姿は、いくつも観測されています。

しかし、爆発の瞬間は誰も見たことがありません。 星は、とても遠くにあり、
一つの光は、とてもかすかです。 爆発の前兆は分かりません。 超新星爆発
の瞬間。その姿は天文学者たちが爆発後の観測と理論から導き出したもの。
実際のところは、よく分かっていないのです。

ところが2020年、アメリカ・ハワイの望遠鏡が爆発の一部始終を捉える事に
成功しました。 その様子は、爆発の数百日も前から、ずっと観測されていた
のです。 まだ誰も見たことがなかったので、本当に興奮しました。

捉えたのは爆発の140日以上も前から何度も明るさを変える星。 これまでの
説とは異なる、意外な姿でした。 星が非常に激しく物質を噴き出し、とても
明るくなっているのを、我々は見ました。 初めて見た、超新星爆発までの
詳細な経過。 巨大な星の最期の一瞬に迫ります。
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ファイル-1 目撃! 星の最期の瞬間
史上初、星の最期の観測。 それは、新型コロナウイルスが猛威を振るった
2020年のこと。 当時、大学院生だった若者の好奇心から始まりました。
カリフォルニア大学バークレー校の男性です。

男性は大学への出入りは制限され、オンライン授業で1人、パソコンに向かう
日々。 それでも男性は、研究プロジェクトに参加。 夢中だったといいます。

Young Supernova Experiment 通称、YSE。 超新星爆発を探し出し、星の
一生を解明するプロジェクトです。 これは、世界中のチームが参加する国際
共同研究です。 私たちはハワイにある望遠鏡を使用して爆発を起こしてから
まだ数日という、極めて若い超新星を探そうとしていました。

超新星とは、太陽の8倍以上の重い星が爆発を起こし突然、明るくなった星
の事です。 1つ例を、ご紹介しましょう。 こちらのM51銀河の渦巻きに
ご注目ください。 2カ月後に、同じ望遠鏡で撮影すると…。

何もなかった所に、星が現れています。 大爆発を起こした星、超新星です。
超新星爆発が起こる仕組みです。 星の中には高温高圧の状態で、水素や
ヘリウムが存在しています。それが核融合によって、炭素や酸素などを合成。
さらには、重い鉄を生成するようになります。

すると星の中心部は、自らの重さに耐えきれなくなり、一気に収縮。 反動で
大爆発が起こります。 しかし、超新星爆発の瞬間を、人が捉えるには、運も
必要です。

私たちがいる天の川銀河には数千億の星がありますが、爆発を起こすのは
およそ40年に一回ほど。 大爆発を発見するには、広く宇宙を探索する
必要があります。

YSEでは、ハワイのハレアカラ山頂にある広域観測システム、パンスターズを
使いました。 特徴は、観測範囲が広いこと。 夜の間じゅう、連続して撮影を
続け、一晩で空全体の3分の1を観測することができます。

さらに、遠くにある僅かな星の光も捉えられる、高感度カメラを備えています。
広い範囲にある星、一つ一つの明るさを観測。 続ければ、長期間にわたり、
多く星のデータを得ることができます。

パンスターズの運営に20年以上携わってきた、ハワイ大学の教授です。
超新星爆発が見つかるのは、大抵、星が1番明るくなった時です。 実は、
研究者が知りたいのは、その前に何が起きたかということなのです。

パンスターズは、定期的に広範囲の星を、観測・記録しています。 もし、この
範囲内で超新星爆発を観測できれば、過去に遡り、調べることができます。

もしパンスターズの観測範囲で超新星爆発が起きれば、過去のデータを遡り
爆発前の様子を、詳しく知る事ができるというのです。 YSEに所属の男性。
日課は、前日の夜にパンスターズが観測したデータを見て、明るくなった星が
ないか確認することでした。

これは私にとって、仕事じゃないです。 好きなことを、しているだけですから。
もし私が、数百万光年離れた銀河に、超新星を発見したら…。 そう思うと、
とてもワクワクします。 たった一つの星が、どうして銀河と同じくらい明るく
なるのか? とても興味があるからです。

2020年9月16日。 ある報告が、彼らを驚かせました。 その日は、研究
メンバーとのリモート会議がありました。 彼らのまとめ役の准教授です。
会議では、別のプロジェクトによって新たに発見されたという超新星の話題が
出ました。

それは、別の望遠鏡が発見した超新星、2020tlf でした。 新しく発見された
超新星は、うしかい座の上。 地球から1億2000万光年離れた銀河にあり
ました。 この領域で超新星が捉えられ、2020tlf と名付けられました。

観測したのは、パンスターズと同じ敷地にあるアトラス望遠鏡。 そのデータを
別の大学院生が見つけたというのです。 彼はリモート会議で興味深い天体
だと教えてくれました。 会議のテーマとなったチャットです。

パンスターズも、同じ超新星を観測していたといいます。 男性は、すぐに、
パンスターズのデータを調べました。 我々の手元には、アトラス望遠鏡より
前の観測データがあると分かったのです。 すぐに調べるべきだと思いました。

パンスターズの観測画像です。 銀河と同じくらい明るく輝く2020tlf の姿が
捉えられていました。 さらに調べてみるとパンスターズは、1年も前から、
この超新星がある領域を、観測していたことが明らかになりました。

まだ誰も見たことがない、爆発前の星の様子が分かるかもしれない。 本当に
興奮しました。 男性は初めに星の明るさが、どのように変化したのかを調べ
ました。

2020tlf の領域を取り出し、明るさを表示します。 パンスターズが大爆発を
捉えた、9月6日の記録です。 緑や青は明るさを示し、黄色が一番明るい
部分です。 この領域を、過去から順番に見ていきます。
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爆発の221日前、2020tlf は、地球から1億光年以上も遠くにあるため星の
光は、ほとんど観測されていません。 156日前も同様です。 変化が表れた
のは、140日前から。 青い部分が増えました。

しかし、118日前は再び暗くなり、116日前には、また明るくなりました。
星は、その後も明るくなったり暗くなったりを繰り返します。 そして9月6日、
大爆発を起こしました。 爆発前の微妙な明るさの変化。

何を意味しているのでしょうか? 爆発の前段階として、星に何かが起こって
いるのかもしれません。 一方で、観測のノイズに過ぎないという可能性もあり
ます。ですので、ほかのメンバーにも協力してもらい、検証する事にしました。

僅かに明るくなったように見えるのは、新たな発見か? それとも、ただの
ノイズなのか? まとめ役の准教授は、その星の光の波長を細かく検証する
ことにしました。

2020tlf が観測された領域を拡大した画像です。 上下で1組ずつ、4種類の
波長に分けられています。 パンスターズ望遠鏡のカメラには、スライド式の
4枚のフィルター付いています。

1枚ずつ切り替えながら、異なる波長で、星を撮影することができます。
左から順に、緑・赤・近赤外光・赤外光で撮影した画像です。 2つの線の
交差する辺りに、2020tlf があります。

増光前に撮影したデータなので、どの波長も変化はありません。 下は爆発の
170日前から、直前までのデータを重ね、平均をとった画像。 この画像に、
明るくなる前の画像のデータの差を取り出したのが、一番下の画像です。

緑のフィルターでは何も見えていません。 つまり明るさは変化していない事を
示しています。 しかし赤や赤外光では、うっすらと明るく、近赤外光では、より
強くなっています。 どの波長でも、同じ場所が明るくなっている。

つまり、実際に星の光が強くなったことを示しています。 星は実際に明るく
なったり、暗くなったりを繰り返していたのです。 この事実は研究者をはじめ
多くの研究者たちを驚かせました。 星は、何の前触れもなく大爆発して、
最期を迎えると考えられていたからです。

これまでは間もなく爆発する星は非常に静かで、お行儀の良い状態にあると
考えられていました。でも、この数年ほどの研究で、そうではないという意見も
出始めていました。 2020tlfでの発見は、その可能性を改めて強く示すもの
です。

一体なぜ、この星は大爆発の前に明暗を繰り返したのでしょうか? 男性らは
ケック天文台で、2020tlf を観測することにしました。 調べるのは光の成分、
スペクトルです。

スペクトルとは、プリズムを通して光を見るものです。 光を波長ごとに分解し、
そこに、どんな原子があるかを表すものです。 超新星のガスに含まれる
原子は何なのかを知ることができます。

プリズムなどで分解された光は、虹のようになっていますが、ところどころ黒い
線が入っています。 酸素や炭素など、その星に含まれている成分を示して
います。 ケック天文台で観測した爆発後11日目の超新星のスペクトルです。

注目したのはグラフの左側にある細かいピーク。 水素・窒素・ヘリウムなどが
存在していることを示しています。 スペクトルのグラフを、よく見てください。

ピークの幅が狭いことはガスの成分が、あまり速く移動していない事を示して
います。 つまり爆発ではなく、もともと星の周りにあった細かい粒子、星周
物質に由来します。

星周物質とは、年老いた星の膨張に伴い放出された、ガスや塵のことを指し
ます。 年老いた星は、作られた鉄で中心の重力は大きくなりますが、外側は
スカスカとなって重力が小さくなります。

すると外側にあった水素などの軽いガスは、星の重力から逃れ外に広がって
いきます。 これが星周物質です。 ケック望遠鏡の観測によると2020tlf には
爆発前から大量の星周物質が、あったことが分かりました。

男性は、大爆発の前に明るくなったのも、星周物質が関係していると考えて
います。 最初に、この爆発直前の星があります。 星から出たガスが、この
周りに、たまっています。 これが、いわゆる星周物質。 そして表面が爆発し、
噴き出したガスが星周物質と、ぶつかったのです。

男性が考える、星が明るくなった仕組みです。 年老いた星は、膨張に伴い、
ガスを放出。 たくさんの星周物質に覆われていました。 そして表面が爆発し
内部のガスを噴出。 星周物質と、ぶつかり明るくなります。

表面の爆発は至る所で発生。 明るくなったり、暗くなったりを繰り返します。
そして、最後に星そのものが崩壊する、超新星爆発を起こしたというのです。
我々は、星が死へ移り変わる瞬間、つまり星が崩壊し、爆発するまでの一部
始終を目撃したのです。 世界で初めての大発見です。

初めて観測された、超新星爆発の一部始終。 それは、死に向かって表面の
爆発を繰り返す、激しい星の姿でした。
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コズミック・ギャラリー
巨大な星が最後に起こす超新星爆発。 その美しい姿は多くの人々の興味を
引きつけています。約1万年前に爆発した星の残骸、ベール星雲/2100光年。
マナティー星雲/1万8000光年は、動物のマナティーに似ていることから
名づけられた。 クラゲ星雲/5000光年。 (映像はコズミック・フロント4Kで!)

かに星雲/7200光年は、西暦1054年に起きた爆発。 日本でも目撃された。
美しい超新星爆発。 実は、地球や私たちとも深い関わりがあるといいます。
理化学研究所の主任研究員です。

主任研究員たちが観測したのは、カシオペア座の方角にある超新星1572
です。 X線天文衛星すざくを使って、光の成分を、肉眼で見えない範囲まで
分析。 超新星を彩る残骸の元素は、どのようなものがあるのか?突き止め
ました。

ここがクロムです。 これがクロムで、ここがマンガンで、この大きいのは鉄
です。 この2つは、鉄の輝線。

この超新星の残骸は、クロムやマンガン・鉄で出来ている事が分かりました。
もともと宇宙は、水素をはじめ、僅か数種類の元素しか存在していませんで
した。 そんな宇宙を変えたのは星の誕生です。

水素を主成分とするガスが寄り集まって星が出来ると、星の中で次々と新しい
元素が生み出されていきました。 超新星爆発は星の中で生まれたさまざまな
元素を、宇宙に放出する営みともいえます。

我々の世界を作っているような、非常に多種多様な元素というのは、すべて
星から出来た…。 だから、星を研究することというのは、我々のオリジンを
研究する、そのものなのです。

調査によると、地球は、30個もの星の残骸から出来ているといいます。
地球も私たちも、超新星爆発のおかげで、存在しているのです。
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ファイル-2 星周物質の秘密
超新星爆発の前に放出されたチリやガス、星周物質。 星周物質は大爆発の
後にも、影響を与えている事が分かってきました。 キッカケは1987年1月。
南米のチリ・アンデス山脈にある、ラス・カンパナス天文台での発見でした。

当時、住み込みで望遠鏡のメンテナンスを仕事にしていた博士です。 博士は
許可をもらい、誰も使っていない古い望遠鏡で、空き時間に観測を行っていま
した。 ねらいは、地球から16万光年の距離にある南半球ならではの天体、
大マゼラン雲です。 すると博士は、ある異変を見つけます。

大マゼラン雲の片隅、昨日まで何も写っていなかった所に、突然、明るい星が
写っていたのです。 何かの間違いではないのか? 博士は外に出て、空を
見上げたといいます。

とてもハッキリと星が見えました。 間違いなく、新しい星でした。 新発見に
違いありません。 超新星は1987A と名付けられました。 およそ400年ぶりに
現れた、肉眼でも見えるほど明るい超新星として、話題になりました。

それから3年後の1990年。ハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われました。
3重のリングが取り巻く、1987A の姿。リングはその後、驚くべき変化を遂げて
いきます。 さらに4年後、内側のリングに明るい1つの点が出現しました。

観測を続けると明るい点は、徐々に増え、2003年には、ついに、つながりま
した。この現象は星周物質が関係していると推測されました。シミュレーション
によると、星には爆発の2万年も前から、星が自ら放出した星周物質が
リング状に存在。

そして、1987年、超新星爆発が起こると、噴き出したガスが、30年かけて
星周物質と衝突し、明るく輝いたというのです。 星周物質が超新星爆発に
どのような影響を与えるのか? カリフォルニア州リバモアにある、国立点火
施設、通称、NIF 。 この施設で再現した研究者がいます。

超新星爆発の残骸は、薄い膜のようであったり、ベールのようであったり、
宇宙でも特に華やかです。 でも、こうした美しい形が、一体、どうやって作り
出されたのかは、よく分かっていません。 私は、その謎を解明したいのです。

超新星爆発の形は、星の残骸と星周物質、密度の異なる2つの物質が
まざり合って、独特な姿になると考えています。 NIF、国立点火施設には、
驚くべき実験設備があります。

レーザービームを使って超新星爆発と同じような爆発を作り出せるというもの
です。 NIFの設備を使えば、いわゆる超新星爆発のミニチュア版を実験的に
作ることができます。

このケースに入っている金属が、ビームの的です。 こちらの端を、ロボット
アームが、つかみます。 後ろに見えている青い場所が、実験スペースです。
中は真空になります。 広さは直径10メートル。 アルミニウムとコンクリートで
出来ています。 この装置の中で、ビームを標的に打ち込みます。

爆発を再現する仕組みです。 途方もないエネルギーを生み出すのは、
高出力のレーザービームです。 ビームの通り道にはエネルギーを増幅する
装置を設置。 最大で、500兆ワットにまで達します。

ビームの標的は、実験材料を入れた、高さ1センチほどの金属の筒です。
博士は筒の中に星周物質を模した密度が低い物質と星そのものに見立てた
密度が高い物質を入れました。

ビームが当たると筒の中は、ほんの一瞬、数億度の超高温に達します。
そして… ミニチュア版の超新星爆発が起こり、どんな反応が起こったかを
コントロールルームで観測します。 ご覧ください。 こちらが実験データです。
星に見立てた物質が、広がっているでしょう?

ビームを当てた瞬間の画像です。 星に見立てた黒い物質は、星周物質と
複雑に入り組みながら広がっています。爆発で飛び散った残骸が星周物質と
作用したためだと、博士は言います。

こうした構造は、レイリー・テイラー不安定性によって形づくられます。 密度の
高い物質と低い物質があって、その両者が、まざり合った時に見られます。

レイリー・テイラー不安定性。 それは、身近なものでも起きています。
コーヒーにミルクを注ぐと… すぐに、まじり合うのではなく、複雑な模様が
出来ます。

密度が低い物質に密度が高い物質がまじる時、その境界は極めて不安定な
状態になり、入り組んだ形になります。 博士の実験結果の画像はコーヒーの
ミルクと同じ、レイリー・テイラー不安定性によるもの。

つまり、超新星爆発の複雑な模様は、大爆発の前に噴出した星周物質による
ものだというのです。 超新星爆発を再現できるレーザービームのおかげで、
実験で再現することができました。 これは、新しい発見のようなものですから
私にとって、本当にうれしい結果です。

星の爆発という1つの現象から、千差万別の模様ができる仕組み。 それは、
星周物質が大きく関わっていたのです。 この後は、史上初の超新星爆発の
観測の続き。 一体、どんな星が爆発を起こしたのか? 宇宙にある望遠鏡も
使って調べました。
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コズミック・ブレイク
超新星爆発の瞬間が観測できると、世界中から注目された星があります。
オリオン座で、ひときわ明るく輝く1等級の星、ベテルギウスです。 赤い光は
年老いた星。 つまり、超新星爆発が近いためと、考えられています。

ほかにも、ベテルギウスが注目される理由があります。 それは地球からの
距離。 これまで、超新星爆発で最も近いのは、かに星雲の7200光年。
ベテルギウスはというと… 僅か、640光年。

爆発すれば、人類史上、最も近い距離で起きる、超新星爆発となります。
ベテルギウスを研究している教授です。 もし、爆発したら、満月ぐらいの
明るさになるでしょう。 空全体が明るくなります。 みんな、その光景を見る
事を望んでいるはずです。 もちろん私もね。

そして、2019年12月。 ベテルギウスに異変が起きました。 急に暗くなった
のです。 ヨーロッパ南天天文台ESOが観測した、明るさの変化です。

2019年、その年は暮れまで、ずっと同じ明るさのまま。 しかし12月に、
かげりが見え始めます。 2020年1月、明らかに暗くなりました。 2月も、
さらに。 3月は、ついに1年前の3分の1の明るさになったのです。

私は冗談で、消えてから爆発するのでは?と言っていました。 確かに、
これまで見たことがない状態でした。

本当に大爆発を起こすのか? ハーバード・スミソニアン天体物理学センター
の教授です。 教授は、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、ベテルギウスの光の
量を詳しく観測しました。

奇妙なことが起きていました。 この星の南半球で、何らかの物質が噴出して
いるのが見えたのです。

教授が噴き出していると考えたのは高温のプラズマです。 プラズマの質量は
火星1個分。 その後、冷えてチリのかたまりに変化したといいます。 そして
チリのかたまりは、ちょうど地球とベテルギウスの間に入ります。

ベテルギウスが暗くなったのは、チリによって光が遮られたためと結論づけ
ました。 ベテルギウスの超新星爆発は、誰もが待っていると思います。
でも、私が生きている間には、起こらないと思いますよ。

すぐには爆発しないと結論づけられたベテルギウス。 それでも、みんなの
関心が薄れる事はありません。私は毎日、観測しています。いつも世界中の
どこかで、誰かが観測しているでしょう。

ベテルギウスの超新星爆発は、いつなのか? 昼間でも見えるという輝き。
一体、どんなものなのでしょうね。 (映像はコズミック・フロント4Kで!)
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ファイル-3 星の最期の全貌
カリフォルニア大学バークレー校の男性は、偶然から超新星2020tlf を観測
しました。 ハワイのパンスターズ望遠鏡では、星が爆発する140日も前から
明るさが変化していたことを発見。 そしてケック天文台では、大量の星周
物質があったことを明らかにしました。

さらに男性たちは、どんな大きさの星が爆発したのかを調べることにしました。
それは、夜空の花火から、火薬の玉の大きさを調べるようなもの。 一体、
どうやって分かるのでしょうか? 利用したのは、宇宙にある望遠鏡。

2004年、NASAによって打ち上げられた観測衛星、ニール・ゲーレルス・
スウィフトです。宇宙のかなたから突然発する強烈な光、ガンマ線バーストの
観測が主な目的です。 スウィフト運営の責任者の博士です。

紫外線のスペクトルを測定して、どれだけの光が放出されているかを調べる
事で放射領域の大きさ、つまり光を発している球体の大きさを推測できます。

スウィフトには、可視光よりも波長が短い紫外線やX線を観測できる装置が
搭載されています。これらの波長で観測すると星がどのくらいのエネルギーを
放ったのか? 爆発前の星が、どれくらいの大きさだったのか?などを知る
ことができます。

ここ10年で、我々が力を入れて取り組んできたことは、爆発から間もない
超新星に、素早くスウィフトを向けて観測をすることです。

カリフォルニア大学の准教授たちは超新星爆発を知った2020年9月16日、
すぐにスウィフトへ観測依頼を出しました。 エネルギーのピークは爆発直後。
できるだけ早く観測する必要があります。

これが、准教授から来た最初の依頼です。 2回の観測を行いました。
すぐ翌日、バークレー校の男性からも、ぜひ、追加で観測したいと、新たな
依頼が来ました。

バークレー校の男性たちは、その後も繰り返し数日間にわたってスウィフトで
観測を続けました。 この画像は、爆発が起きた数日から1週間ほど後に、
スウィフトで撮影されたものです。 この明るい光が、超新星2020tlfです。
紫外線で撮影されています。

爆発した星は、1週間経っても明るく輝いていました。 星周物質の量が、
とても多かったことを示しています。 データを分析したところ、太陽の10倍
から12倍の質量を持ち、直径は太陽の1000倍という、大質量の星だった
ことが分かりました。

爆発の1年以上前から捉えられていた、史上初の超新星。 数々の観測に
基づいて明らかとなった星の最期の全貌を、ご覧ください。 燃料を、ほとんど
使い果たし、赤く膨張した赤色超巨星。 質量は太陽10倍から12倍。
直径は、太陽の1000倍あったと推定されます。 

星の周囲には長い時間をかけて星から噴き出したガスが蓄積し、星周物質の
厚い層が出来ます。この状態で1000万年ほどを過ごした星は死の140日前、
表面で何度も小さな爆発を起こします。

至る所から、やむことなく、活発に繰り返される爆発で、明るさは太陽の
100万倍にまで上昇します。 このとき星の内部では鉄が、どんどん中心部で
作られ、重力が大きくなっていました。

そして重力が極限まで高まると崩壊し、大爆発を起こします。 およそ2週間で
明るさはピークに。 太陽の100億倍にも達します。 そのあとは、ほかの星と
同じように、超新星爆発の残骸が、美しく輝くと考えられています。

超新星2020tlf の発見から3年。 ほかの望遠鏡のデータに興味を持ち、
史上初の発見を果たした男性は、研究者の道を選びました。 現在も、新たな
超新星爆発を探し、2例目の観測を行おうとしています。

観測衛星スウィフトを管理している博士が、活躍ぶりを教えてくれました。
ここに、彼の名前がありますね。 今日、新しい超新星について、彼が依頼を
送ってきています。 2023bvh。 あと2年くらいしたら皆さん、また取材に来る
かもね。

ともに研究に取り組んだ准教授も精力的に観測を続けています。 我々は今、
YSEで、観測された全てを見直しています。 これまで、4000個ほど超新星を
観測してきましたが、大質量の星の爆発は一部に過ぎません。

詳しく見ていけるのは、そのうち100個ほどと予想しています。 しかも、その
ほとんどが非常に遠く2020tlfのような明るさの変化は見られないでしょうね。
でも、最終的に何らかの興味深い星が数十個程度は、見つかるのではない
かと思います。 この分野にプラスになる貢献ができたのなら、嬉しい事です。

明らかになってきた、超新星爆発の一部始終。 多くの科学者たちの協力で
達成することができました。

また、同じことを観測できる機会が、増えてくれればと思います。 YSEでも、
どこか、ほかの望遠鏡でもかまいません。 果たして、これは珍しい現象
なのか?よくある事なのか?星の進化や宇宙の全体像に、どう関わるのか?
解明したいと考えています。

次に、超新星爆発が起きたら、どんなことが分かるのでしょうか? 人類は、
こうして数々の謎を少しずつ、解き明かして行くはずです。