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私たち人間 の身近にいる魚は、とってもすごい知能を持っていた?
2024年02月26日 (月) | 編集 |
第2296回「なんて言われようと譲れないことは?」
こちらは金魚のモーリス。 愛らしい金魚は、私たち人間 にとって身近にいる
魚の代表と言ってもいいでしょう。 ところで皆さん、魚は、あまり賢くない
なんて、思っていませんか?

例えば記憶力は、ほんの3秒しか、もたないとか…。 でも、それが間違って
いるとしたら? 深海から干潟、滝や小川に至るまで、地球上、水が存在する
あらゆる所に魚はいます。 しかも、人類が誕生するよりも、はるか昔から。

本当のところ、私たちは魚について、どこまで知っているのでしょうか?
世界中の科学者たちが魚の持つ、さまざまな能力について研究しています。
そこから得られたのは、どれも驚きの発見でした。 魚たちは実は、人間の
想像を、はるかに超える知能を持っていたのです。

(ラジオ) ‘日本の研究グループが、画期的な発見をしました。 金魚は音楽を
判別できるのか? 水中で、2つの曲を流して実験したところ、エサがもらえる
方の曲に、より反応するようになったということです。 金魚は、音楽を区別
する能力が、あると証明されたと言えます’

この実験は、魚が持つ知能の一部を明らかにしました。 音楽を聞き分け
られるということは、魚は仲間どうしで、音を使ったコミュニケーションをして
いるということなのでしょうか?

でも、魚には声を出すための声帯がありません。 では一体、どうやって?
南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシア。 サンゴ礁に住む魚が発する音を
長年、研究している人たちがいます。

調査に使っているのは、水中マイクロホン。 特殊な仕組みによって音波を
電気信号に変換します。 聞こえて来たのは、不思議な音。 この特徴的な
音を出しているのは、サンゴ礁に生息するスズメダイの仲間です。

はっきりと聞こえるのは、ハトが鳴く時のような音です。 クークーという、巻き
舌に近い感じですね。 スズメダイは、顎と舌を使って、この音を出している
のです。 特に、下顎と舌がポイントです。

舌を口の奥へ引くと、下顎が、つられて動き、口が閉じます。 それを素早く、
何回も繰り返すことで、クークーという音が出るのです。 この様にして声帯が
無くてもスズメダイどうしは、音を使って意図を伝えることができます。

更に研究者たちはスズメダイとは別の魚の音も捉えています。イットウダイが
浮き袋を震わせて出している音です。 顎を素早く閉じたり、浮き袋を振動
させたりして、自分の出す音を聞いてもらおうとしています。

では、魚たちは、なぜ、そんなに、おしゃべりをしたいのでしょう? 一体、何を
言おうとしているのでしょうか? このサンゴ礁近辺に生息する魚は、およそ
1300種。 研究者たちは20年かけて、そのうちの3分の1が発する音を
収集してきました。 一部は、意味を読み解くことにも成功しています。

先ほどのように、例えばスズメダイの場合、繁殖期になるとオスはメスを引き
寄せるために、求愛の音を発します。 一方、クマノミなどの魚は、侵入者が
縄張りに入ってくると音を出して、おい、ここは俺の縄張りだから出て行けと
警告するわけです。

魚は周囲に捕食者がいるとSOSを発し、広範囲に動く時も自分の位置を知る
ため、音で仲間とコミュニケーションを取ります。 知らせる・誘惑する・警告
する。 魚には音を使って仲間と、さまざまなコミュニケーションを取り合う
知能が備わっていることが分かってきたのです。

それでは、魚は自分がしたことを覚えているのでしょうか? 記憶力も知能の
大切な要素です。 金魚は記憶が3秒しかもたないという俗説は、果たして、
本当なのでしょうか? 記憶力を試すために、ある実験を行いました。

金魚のモーリスに、芸を覚えさせることはできるのか? そして、どれだけ長く
記憶していられるのか? 実験スタートです。 まずは、道具をそろえて…。
水槽の棒を入れ、モーリスが棒の動きに、ついてくるよう学習させることから
始めます。 棒の端には、ご褒美の餌が仕込まれています。

モーリスは棒についていけば、餌がもらえることは、すぐに理解できました。
でも、それを覚えていられるのでしょうか? しかも、いつまで? 金魚は、
こうした行動実験に早くから使われてきました。

昔の科学者たちは、自宅の池で、時間と場所を決めて餌を与えると、いつも
金魚が集まってくるのを見て考えました。 もっと複雑なことができるように、
訓練することは可能だろうかと。

魚は、どれくらいの範囲の空間を記憶できるのでしょうか? 金魚の記憶力を
確かめるため、いくつもの実験装置が作られました。 縞の模様が付けられた
短距離走レーンも、その一つ。

これを使って魚が一度、学習した移動距離を覚えているかどうか実験します。
学習した距離まで泳いで引き返すと、報酬が得られる仕掛けです。 訓練を
重ねると、金魚は決められた場所まで泳いで止まり、そこから引き返して
戻ってくるようになりました。

でも金魚は、どうやって決められた距離を、泳いだと分かるのでしょう?
本能によるもの? それとも、縞模様の数を目安にしているのでしょうか?
次の実験では、一つ一つの縞の幅を半分にしました。
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もし金魚が移動した距離で、自分の位置を把握しているとすれば、2倍の数の
縞を通過するはずです。 逆に、縞の数によって位置を把握しているとすれば
学習した距離の半分までしか行かないでしょう。

結果は、半分までしか行かなかったということですね。 その通り。 つまり、
金魚は縞模様の数で、空間を把握しているのです。 距離にすると、以前の
半分ですが、前と同じ距離を進んだと思って、ここで引き返してきたわけです。

すなわち、魚は見たことを正確に記憶し、それを活用して行動していると
言えます。 記憶力は、どれくらい、もつと? 1度、教えたら学習した距離は
忘れないかも。 しっかり訓練すれば、何カ月も、何年も覚えている可能性は
あります。

やはり、魚は3秒以上、覚えていられないというのは、ありえないですね。
そうでなければ、どうやって食べ物や、巣や、仲間を見つけられるのか?
記憶力が良くなければ捕食者を見分けることもできないでしょう。 科学的には
魚は、優れた記憶力を持つと考えるのが妥当です。

俗説は否定されました。 魚の記憶力は3秒よりも、はるかに長いと言えます。
わずか数日でモーリスは、棒の動きに、ついて回るようになりました。 棒を
置けば、普段なら危険だと判断して通らないような小さな輪っかや、狭い
トンネルの中も、くぐります。

棒から餌が、もらえると分かっていなければ、わざわざ危険を冒しは、しない
でしょう。 つまりモーリスは、成功と報酬を結び付けて考えられる知能を
持っているということです。

では、なぜ、これまで魚は知能が低いと思われてきたのでしょうか?
一見すると魚は哺乳類、特に人間とは全く見た目が異なります。 人間を最も
知能の高い動物と位置付ける考え方からすると、あまりにもかけ離れた魚は
その対極にあるとされてきたからです。

しかし、実は両者には大きな共通点があります。 それは、どちらも脊椎動物
だということです。 フランス国立自然史博物館には魚の進化の歩みをたどり
理解を深めることができる膨大な数の標本が並んでいます。

科学的な意味でのサカナ、すなわち魚類は、巨大なグループです。
3万3000種もの仲間がいて、脊椎動物全体の、およそ60%を占めています。
つまり地球上に生息している最も多種多様な脊椎動物こそ、魚類なのです。

魚類は大きく3つに分類されます。 まずは、硬い骨を持つ金魚などの硬骨
魚類。 そして、サメやエイのように、軟骨で出来た骨格を持つ、軟骨魚類。
もう一つは、ヤツメウナギなどの無顎(むがく)類です。

進化の系統樹で私たちヒトは、脊椎動物の中でも四足歩行する動物の枝に
入ります。 四足歩行の動物と硬骨魚類が分かれたのは、硬骨魚類が軟骨
魚類から枝分かれしたのよりも、ずっと最近のことなのです。

つまり、進化の観点からみると金魚はサメよりも、むしろヒトに近いというわけ
です。 ヒトは陸生動物、魚は水生動物です。 水から上がった陸生動物は、
より進化した存在で、水から上がらなかった水生動物は、原始的なままと考え
られてきました。

しかし4億2000万年にもわたる魚類の進化は、時間をかけて環境に適応し、
生き残るために知能を発達させていったことを示しています。 魚類は、
あらゆる環境に生息できる、実に興味深いグループです。

常に新しい発見があります。 新種が見つかるだけでなく、信じられないほど
見事な適応力も確認されているのです。 原始的どころか、むしろ進化した
動物と言えます。

モーリスの実験は続いています。 今度は、ボールをゴールに押し込めば、
新たなご褒美が、もらえることを覚えさせます。 モーリスには、魚ならではの
秘策があります。 口を上手に使うことです。

海の中にも、口を巧みに利用して暮らす魚がいます。 イラの仲間です。
生物学者は長年、イラの観察を続け、口を使っている様子を初めて映像に
捉えました。

見てください。 このイラは、掘り出した貝を口に、くわえています。 そして、
10メートル以上、泳いで選んでおいた硬いサンゴに近づきます。 その珊瑚を
使い、貝を割って食べるのです。

貝殻の破片が、いくつも落ちています。 つまり定期的に、ここへ来てサンゴで
殻を割り、食事をしているということです。 カラスやサルが木の実を器用に
割るように、ある種の魚は、道具を扱うことができるようです。

しかし陸の動物と違って、その行動を記録するのは、容易ではありません。
水中の場合に問題なのは潜水時間が限られるということです。 潜れるのは
せいぜい1時間半なので、行動を長くは追跡できません。

私は25年間、調査をして初めて、イラが、道具を使うところを目にしました。
本当に驚きの瞬間でしたね。 とにかく、その時は、すごいものを見たと思い
ました。
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魚は環境を利用して、巣を作ったり、隠れたり、はたまた、図形を描いたり
します。 このアマミホシゾラフグは、図形を描いている真っ最中。 こうする
ことで、オスはメスを引き付け、産卵のための巣を提供するのです。

生息地の砂地を巧みに利用した、すばらしい模様が出来上がりました。
さて、モーリスの方は… ゴール! マングローブが茂る水辺にもシュートの
名手がいます。 テッポウウオです。

水面から50センチ以上、離れた所いる獲物に向け、口から水を発射します。
そして、落ちてきた獲物を水中で捕らえるのです。 狙った獲物を正確に攻撃
するテッポウウオは魚の視覚と認知の能力に関する重要なヒントを、もたらし
ます。

水面より上にいる獲物をしとめるテッポウウオは、とても優れた視覚を持って
います。 科学者として、その能力が一体、どれほどのものなのか?確かめ
たいと思いました。

研究チームは、テッポウウオが、人の顔を見分けることができるかどうか?
実験することにしました。 実験は、2段階に分けます。 まずは、第1段階。
テッポウウオに、常に2つの顔の画像を見せます。

そして、どちらか一方の顔に発射した時だけ、餌を、もらえるようにします。
次に新しい顔が、たくさん交ざった中でも、自分が記憶した餌をもらえる顔を
見分けられるか調べます。

実験は成功でした。 テッポウウオは、40以上もの見知らぬ顔の中から、
事前に記憶した、餌を、もらえる顔を認識することができたのです。 そこで、
さらなる実験を行うことにしました。

最初の実験でテッポウウオに見せたのは、全て顔の正面でした。 次に、
より高度な実験として、顔を横向きにして、それでも正確に顔を認識する事が
できるかどうかテストしました。

今度もテッポウウオは、餌をもらえる顔を正確に見分け、水を発射しました。
では、この実験から、どんな結論が導かれるのでしょうか? 顔の識別は、
一見、簡単そうですが、実は違います。

これをコンピューターで行えば、たとえディープラーニングを用いても、まだ
完璧とは言えません。 ですから、この結果には驚いています。 人間の顔の
向きが変わっても、テッポウウオは、覚えていた顔を識別できたからです。

つまりテッポウウオは今、見えている物体が別の角度から、どう見えるのか?
推測できる能力を持っていると言えます。 金魚が、テッポウウオのように、
顔を見分けられるかどうか? 科学的には証明されていません。

でも、モーリスにも、きっと、まだ明かされていない秘密は、あるでしょう。
顔を識別できる魚がいるなら、自分を認識できる魚もいるのでしょうか?
自分が自分である事が分かる自己認識能力は最も高度な知能の1つです。

それを調べるには、鏡を用いた実験、ミラーテストを行います。 動物が鏡に
映った姿を、自分と認識するかどうか? それを確認するため、体の一部に
印を付けます。 もし、その印を取り除こうとすれば、鏡に映っているのは、
自分だと認識していることになります。

ミラーテストをクリアした動物は、チンパンジーやゾウなど、ほんのわずか。
ヒトの場合でも、生後18カ月以降です。 では魚は、どうなのでしょうか?
地中海に浮かぶ、コルシカ島に研究者たちが集まりました。 海の中でミラー
テストを行うのは初めてです。

魚が、よく集まる場所に鏡を複数置き、カメラで数時間、記録します。
予想以上に、多くの魚が集まってきました。 そして、私たちがカメラを置いて
離れたあと、思いもしなかった行動が見られたのです。 目の前に、鏡という
未知のものが置かれたわけです。

魚たちは鏡を見たことがないので戸惑ったり、攻撃的になったりと、さまざまな
反応を示しました。 海の中という、こちらでコントロールしきれない環境にも
かかわらず、実験は、うまくスタートしたと思います。 これを第一歩にして、
今後も研究を重ねていきます。

海での実験は、始まったばかり。 でも研究室では、ある魚を対象に何度も
ミラーテストを行ってきました。 ホンソメワケベラです。 ホンソメワケベラは、
大の掃除好きで、自分だけでなく、他の魚に付いた寄生虫まで取り除こうと
します。

ですから、体に印を付けて行うミラーテストの実験には、最適の魚と言える
でしょう。 ミラーテストでの動物の反応は、いくつかの段階に分かれます。
ホンソメワケベラの場合、初め、鏡に映った姿を敵と見なしたため、口で攻撃
するような動きが見られました。

そして次に、逆さまになって泳ぐという奇妙な行動を取り始めました。 これは
繰り返し逆さまになることで、鏡に映っている相手が、同じような行動を取るか
どうか? 確認しているのです。

こうした段階を経て、いよいよ体に印を取り付けて、それを取り除こうとする
動きを見せるかどうか? 観察することにしました。 驚いたことに、この
小さな魚はミラーテストを、見事にクリアしたのです。

これは、動物の知能を測るものとしては、トップレベルのベストです。
素晴らしい結果だと思います。 ホンソメワケベラが自己を認識している事は
分かりました。 では、他者のことも認識しているのでしょうか?
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そして、相手によって対応や行動を変えることもあるのでしょうか? 太平洋の
サンゴ礁に囲まれた海で、ホンソメワケベラの行動や知能について、さらに
研究を進めているチームがいます。

ホンソメワケベラはサンゴに覆われた大きな岩のそばなどに暮らしています。
そこに、ほかの魚たちも集まります。 自分の体に付いた寄生虫を、ホンソメ
ワケベラに食べてもらうためです。 こうした場所は、クリーニングステーション
と呼ばれています。

ホンソメワケベラにとって、ほかの魚の体に付いた寄生虫は、重要な食料源
です。 ホンソメワケベラが、クリーニングを行う相手には、優先順位があり、
おおまかに3つのグループに分かれています。

順位の一番下に位置するのは、クリーニングステーションの近くに住む常連
さんたちです。 こうした常連さんの寄生虫は、いつでも手軽に食べられるため
忙しいときには後回しにします。

順位の真ん中に位置するのは、クロハギなど、時折やって来る来訪者たち。
こうした魚は待たせると他のステーションへ行ってしまうので餌の確保のため
優先的にクリーニングします。 そして上位の一番上に来るのが捕食者です。

ホンソメワケベラは、捕食者に対しては、最優先でクリーニングを行います。
この辺りの代表的な捕食者といえば、ウツボです。 下手をすれば、ウツボの
餌食になる恐れもあります。 ですから良好な関係を保とうと協力的な態度を
取っているのです。

優れた掃除屋であるホンソメワケベラの食欲は、極めて旺盛です。 空腹に
なると、他の魚に付いた寄生虫だけでは満足できなくなります。 しかし、その
本能のままに従うと、顧客の信用を失いかねません。

ホンソメワケベラは、実は寄生虫よりも、魚の粘液を好んで食べます。
クリーニングするフリをして、相手の粘液を食べてしまう行動を、私たちは、
ズルをするという言い方で表現することもあります。

ホンソメワケベラに粘液を食べられる際、魚には痛みが走ります。 すると、
ホンソメワケベラは、相手が、またクリーニングステーションへ来てくれるよう
慌ててマッサージのサービスを施します。 つまり、この小さな魚は、非常に
戦略的に行動しているのです。

ホンソメワケベラが顧客と、やり取りする回数は1日に2000回にも上ります。
そして、相手に合わせて、行動を変化させているのです。 もし相手が、
来訪者や捕食者であれば、より協力的に振る舞う傾向があります。

あまり粘液を食べることはせず、クリーニングを丁寧に行うのです。 つまり、
よい顧客には、良いサービスを提供するということです。 ホンソメワケベラは
自分の周囲にいる魚を分析し、その時々に応じた行動を取ることができる
のです。 そうすることによって顧客を、より増やそうというわけです。

さらに、より良い条件がそろった時には、自分に有利なズルい行動も取る
ホンソメワケベラ。 その行動は、まるで抜け目のない商売人のようです。

ホンソメワケベラが、常連客の魚をクリーニングすることによって、来訪者を
おびき寄せる様子も確認されています。 そして、ひとたび、来訪者が近づくと
そっちへ行って御馳走にありつくのです。 ここまで戦略的な行動を取る魚は
自然界でも極めて、まれです。

特別な能力を持つ魚を、ほかにも、ご紹介しましょう。 サケは、聴覚・視覚・
嗅覚を生かして、自分のいる位置を認識できます。 さらに、体内に存在する
磁気センサーによって、地球の磁場を感知することもできるのです。

こうした能力のおかげで、サケは、世界各地の海で数年間、過ごしたあと、
繁殖のため、生まれ故郷へ戻ってくることができます。 しかし、養殖場で
飼われると、もう、大海原を旅することはできません。 一生、同じ水槽に閉じ
込められてしまいます。

そうした環境では、サケが苦しむというのが、多くの科学者の意見です。
それは魚にも感情があるということでしょうか? ポルトガルでは、魚が痛みを
どう感じているのか?という研究が進められています。

魚には、不快な刺激を感じると、それに対して嫌悪する反応を示したり、
闘ったりする仕組みが細胞レベルで備わっています。 もし刺激を感じず、
反応することもなければ、簡単に命を落とすことになってしまうからです。

研究者の関心は、さらに先へと進んでいます。 魚が、自分の痛みを感じ、
それに反応するなら、仲間の痛みにも、反応することができるのでしょうか?

その疑問を解き明かすため、群れを作る習性で知られるゼブラフィッシュで、
実験を行います。 準備したのは、テレビのリアリティー・ショーさながらの
設定です。

ゼブラフィッシュの水槽の両側にある画面に、仲間の魚を映します。 一方の
画面には、普通に泳いでいる魚。 もう片方では、通常の行動から急に素早く
動き、水槽の底で動かなくなる魚を見せます。

この動きの変化は、極度の不安を示しています。 人間でも恐怖を感じた時、
体の動きが変わるのと同じです。 不安を示している魚を見せ、その感情が
ゼブラフィッシュに伝染するかどうかをテストします。
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実験を始めるとゼブラフィッシュは、映像で不規則な動きをしている仲間の魚を
真似しました。 画面の中と同じように動揺して泳ぎ回り、やがて動きを止め、
水槽の底に突っ伏します。 まさに、感情が伝染しているかのようです。

水槽には、普通に泳ぐ魚と不安を示している魚、2つの画面があり、どちらを
見るのも自由です。 しかしゼブラフィッシュは、不安を示している魚のほうへ
近づいています。 これは、どういうことでしょうか?

魚に、他者の感情を想像する力があるかも調べました。 つまり、感情認識の
有無についてです。 実験で見られたのは、不安を示す魚を見たゼブラ
フィッシュが、その魚のほうへ近づき、しかも、そばにとどまる姿でした。

これは、人間でいうところの共感という感情に、つながる、ごく初期の段階と
見ることもできるでしょう。 では、魚は不安や恐怖だけでなく、喜びの感情を
抱くこともできるのでしょうか?

研究者たちが注目しているのは、魚の愛着心です。 実験を行ったのは、
一夫一婦のペアで繁殖する魚の中でも、ひときわ固い絆を見せるシクリッドの
仲間です。

シクリッドを研究対象にしたのは、オスとメスの間に、まるで鳥類に見られる
ような固い絆があるからです。 繁殖のためにパートナーを厳選し、巣作りも
丁寧で、子育ても熱心に行います。

シクリッドはカップルになると、ほとんどの場合、一緒に縄張りを守り子育てを
行います。 2匹が協力すればするほど、繁殖の成功度は高まります。
ということは逆に、2匹が離れ離れになれば、何らかの影響があるはずです。
その時の感情の変化を、どう測定すれば、よいのでしょうか?

チームは、3つの異なる状況を作り、シクリッドのメスが各状況に、どう反応
するかを調べることにしました。 状況1、ポジティブ。 水槽に黒い蓋の箱を
入れます。 蓋を開けると中には小さな虫がいて、食べられるようになって
います。 こうして、黒い蓋の箱は、ご褒美の箱と認識されます。

状況2、ネガティブ。 今度は、白い蓋の付いた箱を入れます。 しかし、蓋を
開けても、中には何も入っていません。 すると、シクリッドは、黒い蓋と白い
蓋では、箱の中身が違うことを認識するようになります。

そして状況3、曖昧。 ここがポイントです。 黒でも白でもなく、灰色の蓋の
箱を置いて、メスの行動の変化を調べます。 シクリッドは、考えるでしょう。
蓋は灰色だから、黒に近い。 黒の箱には、ご褒美があるから開けてみよう。

あるいは、灰色の蓋は、白に近い。 白の箱には、何も入っていないから、
近寄るのは、よそう。 つまり、この状況を楽観的に捉えるのか? 悲観的に
捉えるのか?その違いによって魚の感情の変化を測る事ができるはずです。

灰色の蓋を、すぐに開けに行く楽観的な性格のメスで、実験を行います。
こうしたメスが、オスから隔離された後も楽観的で、いられるのかを観察しま
した。 複数の楽観的なメスを、オスから長時間、隔離したあと、再び、3つの
箱を目の前に置きました。

それぞれに反応するまでの時間を計測すると、ある変化が見られました。
どのメスも、灰色の蓋を開けるまでの時間が、オスから離される前よりも、
大幅に長くなったのです。

つまり、シクリッドのメスは、オスといる時よりも、悲観的になったと言えます。
パートナーの不在が、決断に影響を及ぼしたようです。 これが意味するのは
パートナーがいないと、行動が消極的になる、なのか?いると、積極的になる
なのか? どちらでしょうか?

楽観的な状態とは、物事の明るい面を捉えている状態です。 その正反対に
当たるのが、パートナーが、いなくなって気分が後ろ向きになり、物事の暗い
面だけを見てしまうような、悲観的な状態です。

実験結果が示すのは、パートナーに対して、愛着心があるということです。
シクリッドにとっては、オスとメスが一緒に子育てすることが、極めて重要
だからです。

進化的に見れば、この愛着心は、パートナーどうしが、離れ離れにならない
ための仕掛けでしょう。 パートナーが、いなくなると消極的になる。 だから、
パートナーとは離れなくなります。 そうすると、子供を一緒に育てることが
可能になり、繁殖の成功度も高くなるのです。

魚の感情の変化に関する実験は大きな反響を呼びました。 私たちは感情や
愛着心が、魚にも存在することを証明できたと思います。 魚には、優れた
認知能力があり、さまざまな感情を持つことが分かったのです。

これまでのような、魚は冷淡で、鈍感な動物だという考え方は、過去のものに
なったと言えるでしょう。 もしかしたら、金魚のモーリスたちも、繊細な心の
持主なのかもしれません。 研究で明らかになった、魚の驚きの能力の数々。

しかし、これは序章にすぎません。 魚にまつわる、全ての謎を解明するには
長い道のりが残されています。 地球の海の90%は、前人未踏の領域です。
この神秘的な世界には、発見すべきことが、まだ、たくさんあります。

今こそ、水の中に生きるものたち、全てに目を向けるときです。 あらゆる
先入観を、脱ぎ捨てて…。