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太陽系の果てにある未踏の世界へ氷の巨人と呼ばれる天王星とは?
2020年02月01日 (土) | 編集 |
第2296回「なんて言われようと譲れないことは?」
地球から、はるか遠く。 太陽の光も、ほとんど届かない世界です。 探査機
ボイジャーが目指したのは、そんな太陽系の果て! 淡い青色に輝く天王星。
それまで知られていなかった、10個の雲がありました。

太陽系で、1番外側の惑星・海王星では、時速200kmの風が吹き荒れて
いました。 海王星の衛星・トリトンでは、何かが激しく噴き出していました。
別の探査機が向かったのは、冥王星。 不思議な模様がありました。

素粒子・物理学者の教授は、言う。 “神秘に満ちた、私たちの太陽系、その
謎が、今、解き明かされつつあります”

今回は太陽系の最も外側にある惑星に迫ります。 さらに太陽系の果てへも
向かいます!
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ファイル1 氷の巨人 天王星
“私たちの太陽系探査は、未知の領域に踏み込もうとしています。 水星から
土星までは探査でもたらされる情報は豊富でした。 ところが、それより遠くの
惑星は違います。 探査機が到着するのに10年以上かかるため、天王星や
海王星を調査できたのは、僅か1回だけです”

太陽から天王星までは、およそ29億キロkm。 まさに謎に満ちた世界です。

“ボイジャーは時速6万km以上。 惑星を観測できる時間は、僅か数時間しか
ありませんでした。 しかし限られた観測から、驚くべき天体の姿が明らかに
なって来ました”

ボイジャーが、いくつもの惑星へ行けたのは、特別な理由がありました。
惑星の公転周期に、ある偶然を見つけた事でした。 惑星は、それぞれ違う
周期で公転しています。

例えば、木星の公転周期は、およそ12年。 土星は、およそ30年です。
しかし、175年に1度だけ、素晴らしい現象が起きます。 違う周期で公転して
いた惑星が、地球から、一方向に集まるのです。

そのためボイジャーは、木星・土星を観測し、太陽系の果てへと進んで行く
事が出来たのです。 175年に1度のチャンスに打ち上げられたボイジャー。
太陽の光が及ばない、暗闇の世界を目指すのも、初めての事でした。

地球を飛び立って、およそ2年。 まずは、木星です。 ボイジャーは、惑星の
重力と公転の力を利用して加速します。 スイングバイという方法です。
これを繰り返し、次の惑星を目指します。

さらに2年。 太陽系で最も美しい惑星へ。 土星です。 太陽系の宝石とも
呼ばれています。 土星を過ぎると、太陽の光が弱くなります。 ボイジャーは
さらに進みます。 地球を離れて、およそ9年。

だとり着いたのは太陽系7番目の惑星…天王星(Uranus)です。人類初となる
天王星の探査でした。 接近して調べたところ、大気の成分は水素とヘリウム
でした。

また惑星内部は、メタン・アンモニア・水が、カクテルのように混ざり合って
凍っていました。 大気には、取り立てて、大きな特徴はありませんでした。
分かったのは、天王星に雲が10個あるという事だけでした。

それもそのはず… マイナス224度、太陽系で最も冷たい惑星でした。
低温のため、あらゆるものが、ほとんど変化しないのです。 天王星が、氷の
巨人と呼ばれる所以(ゆえん)です。

ボイジャーが天王星で過ごしたのは僅か6時間でしたが、得られたデータから
いくつかの謎に迫る事ができました。1つ目は天王星の環(わ)についてです。
天王星には土星の様な環がありボイジャーは新たに2つの環を発見しました。
幅は、僅か数キロメートルでした。 素粒子・物理学者の教授は、言う。

“天王星の環は、1977年まで、見つかっていませんでした。 もし、環が氷で
出来ていれば太陽の光を反射して明るいはずです。光を反射していないので
環は、氷ではない、何かの破片で出来ていると考えられます。 そしてその
破片は、天王星の周りを広がらずに回っていました。 何かの力で、保たれて
いるのです。ボイジャーの写真に、その答えがありました。 イプシロンと呼ば
れる環に、2つの衛星が写っていたのです。内側は、コーデリア。 外側は、
オフェーリア”  環の内側と外側を、寄り添うように回る2つの衛星。

この2つの衛星が、環の破片を、軌道からずらさないようにしていたのです。
その様は、あたかも羊飼いが、羊たちを導いているかの様だと、研究者達は
驚きました。 天王星には14の環が見つかっていますが他の環では、こうした
衛星は、まだ発見されていません。

“2つの衛星によって、環は整えられていたのです。 それでオフェーリアと
コーデリアは、羊飼いの月と呼ばれています”

2つ目の謎は、天王星の公転と自転についてです。 そもそも太陽系は、46億
年前に生まれ、惑星は、岩石やガス・氷などから形成されました。 それらは、
太陽の周りを、時計とは反対方向に公転しています。

そして多くの惑星は、公転と同じ方向に、自転もしています。 つまり、公転と
自転は、ほとんどの場合、同じ方向です。 しかし、金星と天王星だけは違い
ました。 公転とは違う方向に、自転していたのです。

その理由は、まだ解明されていません。天王星には、もう1つ謎がありました。
惑星が横向きに自転しているのです。しかし、その理由も分かっていません。

“仮説はあります!何億年も前、天王星に地球程の大きさの惑星が衝突した
と考えるものです。 コンピューターのシュミレーションによると衝突して地軸が
傾くと周りを回っている衛星やチリ等も一緒に回転する事が分かっています”

どれほどの衝突だったのか? それは1回だったのか? 繰り返されたのか?
今後の研究に委ねられています。ボイジャーの旅は続きます。次は海王星を
目指します。 天王星から海王星までは、およそ16億km。 ボイジャーは、
太陽の光がほとんど届かない空間を飛行しました。
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ファイル2 太陽系の地図
素粒子・物理学者の教授は、言う。 “ボイジャーが旅をしている太陽系の
大きさを、身近に感じてみましょう! 太陽系を小さく例えると、分かりやすく
なると思います。 太陽の直径は、およそ140万km。 太陽の大きさを、
6億分の1ほどに縮小すると、あの丸い建物になります。 太陽が、あの大きさ
なら、地球や火星は、この石ころぐらいです。 次は距離です。 太陽に1番
近い水星は、海辺の家のあたりです。 太陽から、およそ96メートル離れてい
ます。これが水星です。 次の惑星・金星は船のイカリのあたりです。 金星は
太陽から、およそ180メートルです。 ここが金星です。 次が、私たちの地球
です。 地球に立つと、とても孤独な惑星であると感じます。 地球は太陽から
およそ250メートル。 街の明かりは銀河の海です。 地球の大きさは、わずか
2センチメートル…。 およそ380メートル歩くと火星です。太陽の光は弱まり、
暗くなってきました”

火星を過ぎると、間隔が急に広がります。 木星へ行くには、船で港を出な
ければなりません。

“太陽系最大の惑星・木星の大きさは、地球の10倍以上です。 太陽から、
およそ1.3キロメートル離れています。 土星は、太陽から木星までの距離の
およそ2倍離れています。 1.3キロメートル車で移動します。 土星を夕方や
早朝に見る事ができるのは、土星が太陽の光を反射しているからです。
木星、土星を過ぎ、天王星も通過します”

太陽から天王星まで、およそ4.8キロメートル移動しました。 太陽の光が
届かない、太陽系の果てに進みます。

“ようやく、海王星に到着しました。 太陽から、およそ7.4キロメートル離れた
場所です。 太陽系の中で、我々の地球は、本当に小さな存在です。
私たちは、この石ころから、太陽系の謎に挑む、挑戦者なのです”

ファイル3 風の惑星 海王星
天王星から、およそ16億km離れた、海王星(Neputune)へ向かいます。
地球を出て12年。 ボイジャーは、海王星に到達しました。 海王星は地球の
3.7倍。 太陽系で、4番目に大きな惑星です。

青く見えるのは、大気にメタンが含まれているからです。 海王星は、天王星
とは違い、大気の活動が活発でした。 素粒子・物理学者の教授は、言う。

“非常に強い風が吹いています。 メタンの雲は猛スピードで動いています。
風速は、なんと時速2000km以上、太陽系で最も強い風です”

海王星の南半球では、巨大な黒い渦巻き模様を観測しました。 地球と同じ
くらいの大きさです。

“巨大な黒い渦巻き模様は、強い風が、長い間、吹き続けている時に見られ
ます。 この現象を発見して、4年から5年後に消えました”

なぜ、消滅したのか分かりませんが、強い風は依然として観測されています。

“太陽の光のエネルギーが、ほとんど届かない海王星で、なぜ、激しい風が
吹くのか? 大きな謎です”

その謎を解き明かす鍵は、温度にあります。 海王星の平均気温はマイナス
214度。 天王星の平均気温はマイナス224度。 太陽から遠い海王星の方が
10度も暖かいのです。 なぜ暖かいのか? それは、内部からの熱と考え
られています。 その熱は、太陽からのエネルギーの2.5倍にもなります。

激しい風は、内部からの熱による、大きな対流が引き起こしていると考えられ
るのです。しかしその熱が、なぜ発生しているのかまでは分かっていません。

“時速2000kmの風が吹くのは、海王星には、固い地表がない事も、理由の
1つとして考えられます。 風の流れを止める、山や大陸などの障害物がない
からです。 そのため、風は、超音速で吹き荒れる事ができるのです”

こうして、惑星に接近しての探査は進みました。 しかし、観測された現象の
多くは、まだ仮説の域を出ていません。 解明するには、もう少し、時間が
かかりそうです。
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ファイル4 衛星トリトンの謎
ボイジャーは、海王星で、もう1カ所、探査した所があります。 凍った窒素で
覆われた衛星…トリトン(Triton)です。14ある海王星の衛星の中で最大です。

トリトンは、特に特徴のない衛星と考えられてきましたが、驚きの発見があり
ました。 間欠泉です。 こちらは、ボイジャーから送られて来た画像です。
黒い部分が噴出孔です。 トリトンは、活発に活動していたのです。

素粒子・物理学者の教授は、言う。 “トリトンの活動は、驚くべきものでした。
およそ8kmもの上空へ間欠泉を噴出させ、100kmも風下に飛散させていま
した。 この噴出は、どうして起きているのか? 実は、そのメカニズムを理解
する上で私たちは重要な事に気付きました。 間欠泉が噴出している所には
太陽の光が少しだけ当たっていたのです。 太陽の光が、表面から1m下の
内部を、温めていたのです”

もし温度差が4度あれば、凍った窒素を蒸発させ、ガス化させる事は、十分に
可能です。

“そのガスの圧力で凍った窒素の表面を突き破り、チリや堆積物を噴き上げる
間欠泉になれるのです”

太陽のほんの僅かな光が、天体が活動する大きな原動力になっていました。
トリトンの特徴は、それだけではありませんでした。 トリトンの表面に数千の
裂け目と、穴がありました。 こうした地形を作り出すには強い力が必要です。
その秘密は、トリトンの奇妙な生い立ちに、隠されていました。

“トリトンは海王星が自転する方向とは逆に回っています。 これはトリトンが
海王星とは違う時期に生まれた事を意味しています”

普通衛星は、惑星の周りのガスやチリから生まれ、惑星の自転と同じ方向に
公転しています。 しかし、トリトンは違います。

それは、トリトンが全く別の場所で出来て、後に海王星にとらえられて衛星に
なった事も意味しています。 では、トリトンは、どこから来たのでしょうか?

“トリトンもボイジャーと同じように、別の場所からやって来ましたが、海王星に
捕まってしまいました”

何十億年も昔、トリトンは、はるか遠い宇宙で生まれたという説が有力です。
故郷は、太陽系の果てにある、カイパーベルトと呼ばれる所と、考えられて
います。 カイパーベルトの発見のキッカケは、1992年。

冥王星の側で、いくつかの小さな天体が見つかった事でした。その後、次々と
似たような天体が見つかり、それらはカイパーベルトと名付けられました。
その大きさは、山くらいのものから、トリトンのようなものまで、さまざまです。

トリトンは恐らく、カイパーベルトの内側を回っていたため、海王星の重力に
引っ張られ、取り込まれたと考えられています。 そして、海王星の軌道に、
とらわれてしまったのです。

“現在、トリトンは、海王星の周りを、キレイな円を描いて回っています。
しかし最初は、楕円を描くように、海王星に近付いたり、遠ざかったりして
いました。 楕円の軌道だと、海王星から受ける重力が変化します。
重力の変化は、トリトンを引き伸ばしたり、押し潰したりして、内部で摩擦熱を
発生させていました”

その熱によって、トリトン表面のヒビや亀裂から噴火が引き起こされ、現在の
トリトンの姿になったのです。

“トリトンは、海王星の自転と逆向きに回る衛星ですが、詳しい経緯は分かり
ません。 確かな事は、間欠泉が噴き上がり、表面にシマ模様を描いている
事です”

太陽系で、数々の惑星探査を成し遂げて来たボイジャー。 太陽系の、さらに
外側を目指します。 果てしなく広がる宇宙。 暗闇の、はるか向こうに、
私たちを待っている世界がありました。
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ファイル5 太陽系最後のフロンティア 冥王星
冥王星には、ニューホライズンズが挑みました。 2006年、NASAが計画した、
最も遠い惑星への挑戦でした。 プラネタリー・サイエンスの博士は、言う。

“史上最高速度で打ち上げたのです。 秒速16キロですよ。 太陽系の果てに
到着するまで、およそ10年かかります。 誘導システムやコンピューターなど、
全て2つ用意しました。 万全を期すためです”

ニューホライズンズは、冥王星と、その先にあるカイパーベルトを探査します。
全長3メートルにも満たない、小さな探査機です。

ニューホライズンズの主任研究者は、言う。 “確実に観測を行うためにニュー
ホライズンズを眠らせる事にしました。 寿命を延ばす事ができるからです。
飛行中に探査機を眠らせるのは、初めてです”

冥王星が見つかったのは、20世紀になってからです。 ニューホライズンズの
科学者は、言う。 “農家の青年だったクライド・トンボーは、独学で天文学を
学び、ローウェル天文台に雇われ、1930年に冥王星を発見します”
※クライド・トンボー(1906-1997)

ニューホライズンズの副主任研究者は、言う。 “空が晴れた夜は、望遠鏡を
のぞき込み、写真を撮り続け、それらの写真を見比べました”

ニューホライズンズの科学者は、言う。 “そして、小さな点が動いている事に
気付いたのです”

ニューホライズンズの副主任研究者は、言う。  “冥王星発見の瞬間です”
トンボーは、ニューホライズンズ打ち上げの9年前、90歳で亡くなりました。

ニューホライズンズの主任研究者は、言う。 “でもトンボーは冥王星に自分の
遺灰を持って行ってほしいと頼んでいました”

ニューホライズンズの科学者は、言う。 “冥王星の発見者トンボーの遺灰が
実際に冥王星に行ったのだと思うと感動的ですね!”

素粒子・物理学者の教授は、言う。 “ところがニューホライズンズが冥王星へ
向かっている間に、惑星の定義について議論が巻き起こります。 冥王星は
海王星の衛星より小さい事は知られていました。 さらにハッブル宇宙望遠鏡
によって、新たな天体が、いくつも発見され、 これが冥王星の地位に疑問を
投げかけたのです”

冥王星(Pluto)は、カイパーベルトの最も内側に位置しています。 地球から
観測すると、ぼやけた画像でしか見えないのは、あまりにも遠いからです。
しかし、最新の宇宙望遠鏡によって、カイパーベルトの中に、冥王星のような
天体が、いくつも発見されたのです。

クワオアー2002年に発見。 セドナ2003年に発見。 ハウメア2003年に発見。
マケマケ2005年に発見。 エリス直径2326km。

中には冥王星と、ほぼ同じ大きさの天体もありました。そのため惑星の定義を
改める必要に迫られたのです。

“国際天文学連合は、惑星の定義を大きく3つ決めました。 まず、太陽を公転
していること! 冥王星は、およそ248年の周期で公転しています。 次に、
天体が、ほぼ球体であること! 冥王星は、ほぼ球体です。 さらに、天体が
公転する軌道上に、他の天体がないこと! 冥王星は、この点が引っ掛かり
ました。 なぜ、このような定義を決めたのでしょうか? それは、冥王星の
大きさで惑星となると、エリスやマケマケも惑星になります。 おそらく、何百
という天体が、惑星になってしまいます。 ただ私は、探査する天体が惑星で
あるかどうかは、ささいな問題だと思っています。 謎がある限り、探査すべき
なのですから!”
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2015年7月、待ちわびた日が来ました。 9年にわたる飛行を経てニューホライ
ズンズが冥王星に到達したのです。 冥王星は、太陽から、およそ49億キロ
メートル離れています。 その姿は、今まで見た事のないようなものでした。

プラネタリー・サイエンスの博士は、言う。 “冥王星を見た時は、本当に驚き
ました”

ニューホライズンズの科学者は、言う。 “あ然としました。 冥王星には近くに
行ってみなければ分からなかった世界が広がっていました”

標高4000メートルのライト山。 氷の火山です。 ナイフのような突起が続く
タルタロス・ドルサ領域(剣上地形)。 クトゥルフ領域は、3000kmにおよぶ
クジラ模様の地域です。 冥王星には5000個以上のクレーターもありました。

テラ・ベガは、光って見えるクレーターです。 最も大きいクレーターの直径は
およそ50km。 標高6000mのテンジン山など、起伏に富んだ山岳地帯も
広がっていました。 私たちは、冥王星の素顔を、初めて見たのです。

素粒子・物理学者の教授は言う。 “私は今、冥王星をイメージできる場所に
立っています。 冥王星は、特徴のない天体と考えられて来ました。 しかし
実際には表面は、マイナス230度の凍った窒素で覆われながらも活発に活動
していました。 ニューホライズンズから送られて来たデータから、驚くほど
バラエティに富んだ天体だと分かったのです。 冥王星で最も注目すべき所は
トンボー地域です。 別名、冥王星のハート”

そう呼ばれるのは、ハートの形に見えるからです。 ハートの左端は、スプート
ニク平原です。 スプートニク平原は、凍った窒素・メタン・一酸化炭素に
覆われています。

平原からは、標高6000mほどの氷で出来た、山脈が続いています。
この地域を分析すると、他の天体とは違う特徴が見えて来ました。

“冥王星の表面は、何十億年も前に出来た、クレーターで覆われています。
しかしスプートニク平原は、なめらかで、クレーターが1つもありません”

冥王星を撮影した画像を見てもスプートニク平原にはクレーターがなく、平らな
地域が多い事が分かります。 詳しい画像を見ると、謎は、さらに深まります。
五角形や六角形をした模様が、いくつもありました。 スプートニク平原は、
ハチの巣のような模様で、覆われていたのです。

“何が起きているのか?謎を解くヒントが、この画像にあります。 似た模様は
他でも見つかっています。 太陽の表面や、下から熱せられた液体です。
これは対流が起きている時の特徴です。 下が熱く上が冷たい場合、対流が
起こります。 その対流がハチの巣のような模様を描くのです。 スプートニク
平原の下には、凍った窒素を温める熱源があると考えられます。 そして温め
られた窒素がゆっくり動く事で平原の至る所に模様を作り出しているのです”

では、その熱は、どこから来ているのでしょう? 最も有力な説は、冥王星の
内部、奥深くで、放射性元素が崩壊しながら熱を発しているという説です。
その熱が、凍った窒素を温めているというのです。

“スプートニク平原の観測で、内部に熱源がある事が分かりました。
冥王星には、現在も水の海が存在していると考える科学者もいます”

その海が温かい事も、スプートニク平原に、クレーターがない理由の1つと
考えられます。 表面の窒素が、地下にある温かい海に温められて動き、
クレーターを消し去っているというのです。

しかし、なぜ冥王星は、活発に活動を続けているのでしょうか? それは昔、
大規模な衝突があったと考えられるからです。 衝突で表面に大きな穴が
開き、内部の海にまで到達したのかも知れません。

その穴に凍った窒素が少しずつ流れ込み、埋め尽くされました。窒素は、その
下にある温かい海によって温められ、ゆっくり動いているというのです。

“想像してみてください。 太陽から何十億kmも離れた場所に、海があるかも
知れないのです”

ニューホライズンズが、冥王星に最接近したのは、僅か数時間。 その間に
調査できたのは天体の半分のエリアだけでした。 残り半分は謎のままです。
しかし冥王星は、最後まで私たちを驚かせてくれました。

遠ざかるニューホライズンズが、冥王星に、再びカメラを向けると…。 表面の
大気が、暗闇の中で光っていました。 冥王星にも、青い空が広がっていたの
です。
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ファイル6 未踏の世界へ
ニューホライズンズの旅は、冥王星の探査で終わりではありません。
カイパーベルトを、およそ3年半にわたり、進みました。

ニューホライズンズの主任研究者は、言う。 “カイパーベルトは、絶対零度の
世界。 生まれた時の状態が、そのまま残されています。 太陽系の始まりが
分かる科学者にとっては、ワンダーランドです”

2019年の元日、ニューホライズンズはカイパーベルトの中を進んでいました。
地球から、およそ65億キロメートル。 人類は最も遠くで未知の物体と出会い
ました。 ウルティマトゥーレ、私たちの知る世界を越えた所、という意味から
名付けられました。

ニューホライズンズの科学者は、言う。 “我々が出会った最も原始的な天体
かも知れません。 ウルティマトゥーレは、太陽系が出来た46億年前を、思い
起こさせてくれるのです”

かつてウルティマトゥーレは、数えきれないほどの衝突を繰り返していた事
でしょう。 その中で、カイパーベルトまで、はじき飛ばされて来たのかも知れ
ません。

惑星科学者は、言う。 “太陽から、何十億kmも離れた世界には、太陽系
誕生の秘密が眠っています。 ついに我々は、その謎を解き明かすところまで
近付いたのです”

ニューホライズンズは、今も、未知との遭遇を繰り返しています。

レスター大学の博士は、言う。 “宇宙開発は進歩を続け、自分の庭に出る
ように、惑星に行ける日が来るかも知れません”

月惑星研究所の博士は、言う。 “気軽に宇宙へ行き、普通に生活が出来る
日は、近いと思います。 そのためには、探究を続ける事が重要です。

プラネタリー・サイエンスの博士は、言う。 “ようやく、惑星探査の入り口に
立ったようなものです”

ニューホライズンズの副主任研究者は、言う。 “謎は、まだ、たくさん残されて
います”

よく、ここまで来たものです。宇宙探査を始めて僅か50年。私たちは太陽系の
惑星に全て到達し、それぞれの物語を語り始めています。 目くるめく変化。
ドラマチックな生い立ち。 希望の瞬間。 そして喪失。 太陽系に僅か8個の
惑星。 真っ暗な宇宙で、私たちの地球に、生命が誕生しました。

素粒子・物理学者の教授は、言う。 “なぜ、宇宙探査をするのか?と聞かれ
ます。 今、地球にある問題を解決して行く事の方が重要ではないか?という
問いかけです。 私は、目の前の問題だけを解決しようとするのは、大きな
間違いだと思います。 自分達は、ここで何をしているのだろうと、うずくまって
いる様なものです。 世界で議論されている問題に向き合うだけでは十分
ではなく、まだ見ぬ天体に目を向ける事こそ、私たちの未来に希望を与えると
感じています。 私たちの太陽系は謎に満ちています。 今、太陽系の壮大な
物語が描かれつつあるのです。 いまだ見ぬ天体には無限の資源だけでなく
無限の美、無限の可能性があります”

太陽系の探査は始まったばかりです。 神秘に満ちた天体の謎を解き明かし
ながら、人類は、新たな物語を語り始めるのです。 あなたも、地球や宇宙に
少し興味が湧いて来ましたか?