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私たちの身近にありながら知らない事だらけの雷の全貌に迫る!
2024年01月29日 (月) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「ブログのネタを思い付くのはどんな瞬間ですか?」
地球のあちこちで、きらめく閃光。 その正体は、雷です。 地球上では1日に
350万回も発生。 私たちも日頃、よく出くわす、ありふれた現象です。 しかし
雷には多くの謎があります。 実は、どうして雷が起きるのか、よく分かって
いないのです。 一体、雲の中では、どんなことが起きているのか?

今回、番組では雷の意外な姿を捉えました。 空に向かって上って行く雷。
怪しく光る雷雲。その直後、上空に現れる不思議な発光現象も撮影しました。
また雷は、地球に生命をもたらした、可能性があることも分かってきました。

研究では、雷が地球の生命誕生に欠かせない物質を供給した可能性がある
ことが分かりました。 今回、番組では、世界中の専門家とともに雷の解明に
乗り出しました。 身近でありながら、謎多き雷。 その全貌に迫ります。
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ファイル-1 ストームチェイサーの挑戦
広大な平原が広がるアメリカ南部。 そこは、世界的に有名な雷発生地帯の
1つです。 ここで、雷を追いかけ続けている人がいます。 彼は、嵐や竜巻・
雷などの写真や映像で生計を立てる、プロのストームチェイサーです。

これは30年前、地元ヒューストンで初めて撮影したものです。 ここでは雷が
たくさん発生します。 それで私は、雷を撮影するようになりました。彼が撮影
した数々の雷。 その高精細な映像には、多くの科学者が注目しています。

嵐や雷は、世界で最も美しいものとして数えられます。 同じものは2つとなく
私はその美しさを、きっちりと捉えたいのです。 彼とコンビを組んで雷を追い
かけている、写真家です。 写真家の特技は気象予測図から、ベストの観測
ポイントを見つけること。 最も得意とする撮影は…。

雲の上に現れた不思議な光。 TLE(Transient Luminous Events)と呼ばれる
発光現象です。 ごくまれに、雷と同時に起こります。 TLEは、宇宙から観測
できるほど巨大で、その形状によって、さまざまな呼び方があります。

花火のように空を赤く彩るのは、スプライト。 そして、青い光のブルースター
ターとブルージェット。 ほかにもヘイローやエルブスなど、さまざまな種類が
あります。 最大のものは、ギガンティックジェットと呼ばれ、高度100キロにも
達します。

しかしTLEが、なぜ発生するのか? なぜ、さまざまな形をしているのかは、
分かっていません。 この謎を解明することは、雷の全貌に迫る手がかりと
なるかもしれません。

2021年の夏、2人は協力して、ある撮影に挑戦しました。 TLEと落雷。
同じ雲で起きる2つの現象を同時に撮影しようというのです。 私は、その頃
雷とスプライトの同時撮影に関する論文を読みあさっていました。 しかし誰も
2つの現象を、同時に撮影したことはないようでした。

雷とスプライトが同時に映っている決定的な映像はなかったのです。 そこで
彼に、試してみないか?と持ちかけました。 きっと、とても楽しいよって。

同時撮影を2人で行う理由の1つは、雷とTLEの大きさの違いです。 落雷の
稲妻は、およそ2キロ。 一方、TLEは数十キロ。 1つのカメラで撮影すると
稲妻は非常に小さくなり、詳細まで観察できないのです。

そこで2人は、二手に分かれて撮影。 稲妻の撮影が得意なストームチェイ
サーは、雷雲に近い位置。 TLEの撮影が得意な写真家は遠くから雲の上を
狙います。

お互いのカメラの時刻を正確に合わせ、電話で連絡を取りながら撮影します。
そのあと、2つの映像を並べて確認します。 TLEについては、ほとんど
分かっていません。 だから、挑戦するのです!

いよいよ決行の日。 この日、オクラホマ州上空に、大きな嵐が接近。 TLE
発生の可能性が高まっていました。 ストームチェイサーは雷雲の下、
写真家は、35キロ離れた位置で、カメラを構えました。
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“そろそろ時間だ、始まるぞ”  “光った!強いぞ!” 予想通り激しくなる雷。
“だめだ、ちょっと光っただけだ”   そして…  “強いぞ! やった!”
早速、スプライトの撮影に成功。 ところが…。

“ちゃんと雨の中にいるんだけど。 稲妻は確認できなかった。 撮れたのは
光った雲だけだよ”  スプライトは撮れたものの、稲妻が落ちたのは、カメラ
アングルの外。 捉えることができませんでした。

“カメラを、もう1台。 もっと絞ってセットしてくるよ”  “分かった。 もし、何か
あったら叫んで知らせるよ”  その瞬間… “すごい!” カメラの前に強烈な
稲妻が。  “おぉ、すごい!”  そして同時にスプライト。 撮影成功です。

2人が撮影した映像です。 ほとんど同時に出現したように見えますが、スロー
で再生してみると…稲妻が見えた瞬間、まだスプライトは出ていません。
そのおよそ0.03秒後、スプライトが姿を現しました。 スプライトは雷が落ちた
ほんの少し後に起きていたのです。

すべて彼のおかげです。 なぜなら私は、この嵐では、もう無理だと思っていた
のです。 でも彼は、いや、あと30分待ってくれと言ったのです。 そのあと、
わぁ~!っていう感じで、目の前に強烈な稲妻が落ちてきたのです。

本当に最高でした。 私は、スプライトの位置を予測し、彼は稲妻が、どこに
来るかを予測しました。 そうやって、お互いに調整して、ピッタリの位置が
特定できたわけです。

撮影された映像は、アメリカ海洋大気庁で解析されることになりました。
暴風雨研究所の物理学者です。 物理学者らは、ライトニング・マッピング・
アレイという特殊な観測装置でアメリカ国内で起こる雷を常に観測しています。

この装置は、雷が発する電波を観測し、カメラでは撮影できない雲の中でも
詳細な動きを知る事ができるといいます。2人が撮影した日時の観測データを
解析してもらいます。 すると、雷の驚くべき全貌が見えてきました。

観測装置のデータを見ると、メガフラッシュが起きていたことが分かりました。
長さ100キロを超える巨大な雷メガフラッシュです。 雷が発した電波の位置を
3Dで可視化しました。 雷の軌跡が、黄色い点で表示されます。

最初に雷が発生したのは、高さ12キロ。 そこから、一気に横に広がります。
そして、地面に落下。 ストームチェイサーが撮影した稲妻です。 さらに雷は
横に広がります。 一方で、電波の空白域が現れました。

この上空にスプライトが発生し、雲の中のエネルギーが使われたためと、
考えられています。 その後も雷は広がり続け、長さ100キロを超えるまで、
のびていました。 2人が協力して撮影した、雲の上と下の雷の姿。 それは、
巨大な一つの雷、メガフラッシュの一部であることが分かりました。

どのような雷がスプライトを発生させるのか? なぜ、スプライトが発生する
ものと、しないものがあるのか? まだ、不明なことが、たくさんあります。
スプライトが発生するタイミングを知るために、映像は非常に重要で、今後、
もっと詳しく分析することが大切だと思います。

雷は、地上・雲の中、そして、はるか上空まで、ひとつながりになっている。
2人のカメラマンと研究者が、教えてくれました。
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コズミック・チャレンジ
神出鬼没で、さまざまな姿を見せるTLE。中でも巨大な光の柱、ギガンティック
ジェットは、これまでほとんど観測された事がなく幻のTLEといわれています。
2022年の夏。 ギガンティックジェットを、高精細な映像で捉えようと、日本と
アメリカの専門家たちが挑戦しました。

日本チームの舞台は、富士山の頂上。 雲の上から遠くを見通せるため、
巨大なギガンティックジェットを狙うには最適な場所です。 リーダーの准教授
です。 こちらが、モノクロの高感度カメラになります。 10年ぐらい、もう、
この形で… 10年以上かな… やってます。

准教授たちは、2014年に、ここで、ギガンティックジェットの撮影に成功して
います。 発生したのは岩手県の上空。 高さ90キロほどになる巨大なもの
でした。 今回は研究チームにNHKが協力。 最新の機材を使い撮影を試み
ました。 最初にカメラが捉えたのは、雲の隙間から見えた雷の姿。

横や縦、複雑に駆け巡っています。 地上からは見る事のできない知られざる
雷の姿です。 こちらは、研究チームの映像。 TLEの一種、スプライトです。
さまざまな姿を捉えることに成功しましたが、目的のギガンティックジェットは、
なかなか姿を見せてくれません。

一方、アメリカで挑戦していた2人。 すごいものが撮れたと連絡が入りました。
ストームチェイサーから送られてきたのは、こちらの映像。 雷雲の上空に
放たれる、巨大な青い閃光。 TLEの一種、ブルージェットです。 その高さは
およそ50キロにもなります。

ブルージェットを、完璧なアングルで撮影したのは、ストームチェイサー自身、
初めてだといいます。 そして、写真家が送ってきたのは…。 幻のギガン
ティックジェットです。 赤く光る巨大な閃光。

しかも、2本同時に立ち上っています。 4K動画で撮影されたギガンティック
ジェット。 写真家は、世界的にも貴重な映像を捉えることに成功していたの
です。

信じられない光景でした。 想像できないくらい美しかった。 本当に驚きです。
やっと捉えることができたのですから。 今後も、彼と、多くのギガンティック
ジェットの撮影に挑みます。 私たちにとって、これは聖なる杯。 つまり究極の
雷なのです。
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ファイル-2 最大のナゾ! 雷は、どうやって起きるのか?
アメリカのニューハンプシャー大学。 雷を20年以上にわたり研究している
科学者がいます。 教授は雷の発生条件を知るため、自ら観測装置を開発。
時に、飛行機で雷雲に飛び込むなど、精力的に研究を行ってきました。 しかし
雷の根本的な謎は、いまだ解決できていないといいます。

雷は非常に大きな火花です。 空気中で火花を起こすには、1メートル当たり
300万ボルトの電場が必要です。 つまり、このくらいの距離に300万ボルトが
ないと、火花は発生しないのです。
(電場(電界):電気が存在し、電圧がかかっている空間)

しかし、何十年も多くの研究者が雷雲の観測を行ってきましたが、雷の切欠と
なるような電場は、一度も見つかっていません。 その10分の1ほどの大きさ
ですら、見つかっていないのです。

従来の説によると雷は、雲の中で氷の粒などが、ぶつかり合い、その時に
起こる静電気がたまり、発生するといわれています。 しかし雲の中には雷を
起こすほどの電気量は、見つかっていないというのです。

何がキッカケで雷が起こるのか? 科学者たちは、さまざまな仮説を立て、
研究を続けています。 一つの仮説は、こうです。 星が爆発してできる高エネ
ルギー粒子、宇宙線が時々、地球の大気圏に突入してくることがあります。

その宇宙線が雷雲に飛び込み、雲の中の電場を増強しているのではないか
というものです。 この仮説は、宇宙線仮説と呼ばれています。 星の爆発
などで宇宙線が発生。 長い距離を経て、地球に降り注ぎます。

その際、雷雲にある大気中の分子に宇宙線が、ぶつかると…。 分子にある
電子を、はじき飛ばします。 宇宙線に、はじかれた電子は光の速度近くまで
加速されるため、大きなエネルギーを持つようになります。

電子は、さらに衝突を繰り返し、飛び交う電子が劇的に増加。 そこが電気の
通り道となり稲妻が発生します。 最初の宇宙線の衝突が雷の引き金になる
というのです。

宇宙線仮説を検証している准教授です。 准教授は、雷雲から放出される
電磁波の一種、ガンマ線を観測しています。 ガンマ線は通常の環境では、
ほとんど検出されることはありません。

ところが、宇宙線が大気の分子に衝突して電子が、はじき出される際、時折、
ガンマ線が発生するといいます。 このガンマ線を観測することで、宇宙線と
雷発生の関係を突き止めようというのです。

2021年、准教授たちは、大規模な調査に乗り出しました。 これが雷雲プロ
ジェクトで活躍する予定のコガモ検出器です。 特別に開発した小型ガンマ線
観測装置、コガモ(Compact Gamma-ray Monitor)です。

コガモは、ガンマ線を出す雲が上空を通過すれば自動で検出、データを記録
します。 今回の観測では、多くのコガモを広範囲に設置。 ガンマ線を出す
雲の動きや大きさを詳細に捉えようというのです。

これまでの装置はポツ、ポツ、ポツと置かれていただけなので。 今回、ついに
大量に配布することで、そういった面で2次元的に情報が取れるようになって
より、どの雲の、どの瞬間の、どういう構造でガンマ線が生じているのか?

そういう現象が複数見えてくれば、これは雷のキッカケに、こういう現象が
関係しているのですよという、明らかな証拠になるのではないかなと期待して
います。
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観測場所に選んだのは、石川県金沢市を中心としたエリア。 実は冬の北陸
地方では、頻繁に雷が発生しています。 冬に起こる雷は冬季雷(とうきらい)
と呼ばれ、それを生み出す雷雲は、特徴的な姿をしています。

夏の雷雲は、高さ十数キロにまで成長し、地上から雲の底までは2キロほど
離れています。 一方、冬の雷雲は夏より低く地上から雲までは数百メートル
しかありません。 低く垂れこむ冬の雷雲は、准教授たちの観測に好都合だと
いいます。

一番寒い厳冬期だと、雲の底の部分、雲底が100メートルとか、それぐらい
まで来ることがあって。 そうすると私たちが今、知りたいと思っている雲から
やって来るガンマ線と呼ばれる光をですね。

普通は空気で吸収されて地上まで届かないのですけど、地上でも観測できる
という、そういう有利な点があって、そこが一番の魅力です。

観測には金沢市周辺の多くの市民が協力。 准教授たちの呼び掛けに応じ、
軒先にコガモを設置し、電源を提供しました。 最終的には、一般家庭・学校・
企業や店舗など、56カ所にコガモが設置されました。

観測開始から、およそ1カ月。 准教授がやって来たのは、金沢市内にある
神社です。 この神社に配置したコガモが、ガンマ線を検出したとのこと。

“動いてます。 おぉ~… ちゃんと動いてますね。 取れてますね。 データも
ちゃんと。 このコガモ、12月30日の朝の4時ぐらいに、これが何か検出して
いるというのが自動で、これ、送られて来てて…”

同じ時刻の全てのコガモのデータを検証したところ…5つの地点でガンマ線が
検出されていました。 こちらが、そのデータ。 グラフの山の部分がガンマ線を
検出していたことを表しています。

比べてみるとガンマ線を検出し始めた時間がズレています。 設置した場所と
雲のデータを重ねてみると、雲が移動するとともに、ガンマ線を検出していた
ことが分かります。 雷雲は、ガンマ線を放出しながら移動していたのです。

そして、コガモが捉えたガンマ線のピークは、ほぼ同じタイミングで途絶えま
した。 その瞬間の様子が、こちら。 ガンマ線が途絶えた瞬間、まさに、その
上空で雷が発生していたのです。 ガンマ線のグラフと重ねてみると…。

タイミングはピッタリ。 准教授は、宇宙線が雷の引き金になった可能性が
高いと、結論付けました。 こうした研究は、アメリカの教授も注目しています。
彼の研究は、雷雲でガンマ線が、どのように生まれるかだけでなく、雷発生の
メカニズムなどを紐解く、貴重な情報となるはずです。

少しずつ見えてきた雷発生のキッカケ。 それでは、研究者たちが考える雷の
全貌を、ご覧いただきます。 宇宙のかなたで放たれた、高エネルギーの
宇宙線。 光と、ほぼ同じ速度で、地球へと向かいます。 見えてきたのは、
雷雲です。 宇宙線が、雲の中にある分子と衝突。

すると、分子にある電子が、はじき飛ばされました。 衝突は、次々と発生。
電子なだれを引き起こします。 そして… 雷が発生。 1つの稲妻が地上へ。
雲と地面がつながった瞬間、1億ボルトにもなるといわれる大電撃が、ほと
ばしります。 すると、雲の中の電気バランスが大きく変化。

影響は、雷雲の数十キロ上にまで及びます。 巨大な発光現象、TLEです。
光の柱は、高度100キロにも到達。 ギガンティックジェットになりました。
雷の発生からTLEまでの時間は、ほんの僅か。 かなたの宇宙線と地球の
雲がもたらした、はかなくも激しい、光の競演でした。
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コズミック・チャレンジ2
冬の石川県金沢市です。 ここで起こる雷は、時に、意外な一面を見せてくれ
ます。 空を横切るように走る雷。 地上から雲に向かって伸びる雷。 上向きに
伸びるのは、雲が低い、冬の北陸地方ならではの特徴です。

冬の雷のさまざまな姿を撮影したのは、4Kハイスピードカメラ。 1秒間を、
1000コマ以上で撮影しました。 撮影した中でも特にすごかったのが、こちら。
一度に、十数本が同時に立ち上る雷です。 (映像はコズミック・フロントで!)

一冬で何回も、こうした雷を撮影することに成功しました。 一体この時、何が
起こっていたのでしょうか? 分析を、お願いしたのは岐阜大学の教授です。
教授が注目したのは、2021年12月21日に撮影された、同時に立ち上る雷
です。

これは間違いなく、スーパーボルトと呼べます。 エネルギー的には、100倍
ですね。 スーパーボルトとは、通常の100倍から1000倍のエネルギーを持つ
超巨大な雷のこと。

教授の解析によると、この時のピーク電流値は、26万8000アンペア。
通常とは桁違いの大電流の雷だったことが判明しました。 教授は、この時、
カミナリが発した電波を、詳細に捉えていました。

最初に雷が起きたのは海岸上空。 その後、海上に大きな落雷が発生。
それをキッカケに雷は一気に拡散。 カメラの前では同時に立ち上る複数の
稲妻が発生しました。 その後、雷は内陸部にまで到達。

発生から終息までの時間は、僅か… 0.4秒です。 まさに一瞬で金沢周辺の
上空を、大電流のスーパーボルトが駆け巡ったというのです。

こういうスーパーボルトというのが、立体的に、全面的に観測できたのは、
今回が初めてと思いますけども。 さまざまな姿を見せる冬の北陸地方の雷。
カメラは、強烈な巨大雷、スーパーボルトを捉えていました。
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ファイル-3 雷がもたらした生命誕生の可能性
巨大なエネルギーで、時に、大きな被害をもたらす雷。 その一方で、地球の
生命誕生に、大きな影響を与えた可能性があることが分かってきました。
その証拠ともいえるものが、アメリカのシカゴ郊外の住宅街で見つかりました。

こちらの一般家庭です。 2016年1月、裏庭に大きな落雷があったといい
ます。 裏庭に出てみると、この辺りの雪が溶けて大きな丸い穴がありました。
そして、園芸用の手袋をはめてシャベルで掘ってみると、すごく奇妙なものが
出てきたのです。

当時の写真です。 そこには、焼け焦げた、石のようなものがありました。
これは一体、何なのか? 夫妻は、近所の大学に調査を依頼しました。
やって来たのは、ウィートン大学の地質学部のチーム。 謎の物体は、大学に
持ち帰り、詳しく調べることになりました。

その物体は、今も大学に保管されています。 これです。 岩石の一種で、
フルグライトと呼ばれています。 雷が落ちた時に、土がガラス質に変化した
ものです。 木の根っこのように枝分かれした巨大な岩石、フルグライトです。

上から見ると中は空洞。 その一部は、まるでガラスが溶けたような質感をして
います。 フルグライトは、雷が地面に落ちることで出来ます。 雷の強力な
エネルギーは土や砂を超高温で溶かし、やがて冷えて固まると、まるで稲妻
のように枝分かれした、奇妙な岩石が作り出されます。

これほど大きいものは、博物館でも見たことがありません。 当時、このフルグ
ライトを分析した地質学部の男性です。 この分析で雷が地球の生命誕生に
関わった可能性を見い出しました。 証拠は、フルグライトに含まれる小さな
球状の物質です。

最初、それが何なのか分かりませんでした。  そこで、他の研究者に協力を
得て調べたところ、シュライバーサイトという鉄とリンが結合して出来る特殊な
鉱物だと分かりました。 とても珍しいもので地表には存在しないものでした。
さらに、これは生命の起源に関わる可能性があることも分かりました。

フルグライトに含まれていた、シュライバーサイトという特殊な鉱物。 そこには
大量のリンが含まれていました。 リンは生命を形づくるのに欠かせない元素
の一つ。 RNAやDNA、細胞膜を作る材料となります。 地球の生命誕生には
リンが必要だったと考えられています。

これまで生命の起源に必要なリンは隕石によって、もたらされたと考えられて
きました。 しかし現在、生命が誕生したとされる38億年前頃には、すでに
地球に、やって来る隕石は減少していたと考えられています。

そこで私たちは太古の地球で落雷によって、どれだけのリンが供給される
かを予測しました。 男性たちは、当時の環境から38億年前の雷の発生数を
シミュレーションしました。
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結果は… 年間10億~50億回。 現在の、およそ10倍にもなる 数字です。
更に、雷によって作り出されるリンの量を計算。 毎年、およそ10トンのリンが
もたらされた可能性があると、結論付けました。

この結果から、雷がもたらしたリンの総量は隕石と同じか、それ以上だと考え
られます。 私は興奮しました。 これは、生命に必要なリンの新たな供給源
として期待できるからです。

雷が作り出したリンは生命誕生に特に適していると指摘する研究者がいます。
サウスフロリダ大学の教授です。フルグライトです。砂の中から出てきました。
教授の専門は、地質学や宇宙生命学。 長年にわたり、フルグライトを研究
してきました。 世界中から集めた、フルグライトの標本を見せてもらいました。

これは、カリフォルニア州で採取したものです。 中のガラスは透き通っていて
緑色をしています。 中心から外れていくにつれて、色が薄くなっていますね。
フルグライトには、さまざまな色があるといいます。

雷に当たるとガラスが、どれほど深い色になるかを、お見せしましょう。これは
ミシガン州の青いフルグライトです。 この青い色は物理的な特性から生じて
います。 男性は、2009年に、ある論文を発表しました。それは雷が作り出す
フルグライトに含まれるリンは、水に溶けやすい特徴があるというものでした。

フルグライトに含まれるリンは、水や有機物と反応して現代の生命に見られる
ような分子を形成することができます。 それはRNAや核酸・細胞膜などです。
フルグライトのリンの性質は、ほかのリンと比べ、非常に珍しいものかもしれ
ません。 これは生命の歴史を紐解く上で非常に重要な事だと考えられます。

雷と生命誕生の物語。 およそ46億年前の地球です。 表面は赤く煮えたぎり
隕石が激しく降り注いでいました。 これらの隕石は地球に新たな鉱物を運び
今の複雑な環境を作る基礎を築きました。

しかし、地球に生命が誕生するのは、まだ先のことになります。 それから、
8億年後。 降り注いでいた隕石は減りました。 そのかわりに激しさを増して
いたのが… 雷です。 激しい落雷は、地球に変化をもたらしました。

強烈なエネルギーは地面を溶かし、フルグライトを生み出します。 中には、
大量のリンが含まれていました。 フルグライトが風雨にさらされると、リンが
流れ出します。 リンは、生命の根幹となる重要な元素の一つです。

やがて生命体が誕生。より複雑な生物へと進化します。生命は海から陸へ。
そして地球は、命あふれる惑星へと姿を変えて行ったのです。 私たちの
身近にありながら、謎を秘めた雷。

多くの偶然や人々の努力により、少しずつ、その片鱗が浮かび上がってきま
した。 その全貌が明らかになった時、雷の見え方が変わるかもしれません。

雷は時に、人を傷つけることもあります。 ですが、そのメカニズムを理解でき
れば、人々を雷被害から守ることができるかもしれません。 雷は森林火災を
引き起こす一方、生命の起源に恩恵を与えた可能性もあります。

もし、雷がなかったら、そこは、私たちが住みたい世界ではなかったかもしれ
ませんね。