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海の生き物たちの華麗なる狩りと他の種とも連携する巧みな技の秘密
2023年04月10日 (月) | 編集 |
FC2 トラックバックテーマ:「夏の計画はもう立てていますか?」
大西洋から太平洋、北極から南極の海まで、海には、華麗な技で狩りを行う
驚異的な捕食者たちがいます。 彼らは巧妙な罠を仕掛け、獲物に逃げ場を
与えません。 仲間たちと、そして時には他の種とも連携し、獲物を狙う事も。

狩りの戦術は常に進化し、環境の変化に応じて、新たな方法が編み出されて
います。 そして、その技は、後継者へと伝えられて行きます。 大海原で、
スーパーハンターたちが繰り広げる、華麗なる狩りの秘密に迫ります。

アラスカの南東部、チャタム海峡に、ようやく春が訪れました。 空を旋回する
鳥たちは、海の底から何かが上昇して来るのを察知しているかのようです。

すると… 大きく開いた、いくつもの口が、水面を突き破って現れます。
それらは閉じられると、すぐにまた、海の中へと戻って行きます。

ザトウクジラの群れです。 彼らは優れた頭脳で効率的な狩りの戦略を練り、
食欲を満たします。 大人のザトウクジラは、体長15メートル、体重30トンにも
なります。冬はハワイの海で繁殖を行い、その間6カ月間、食事をとりません。

この春、彼らが、ハワイから5000キロを旅して、アラスカの海へ来た目的は、
ただ1つ。 獲物が豊富な、この場所で食事をとって体重を増やし、次の1年を
乗り切るためです。

この海は、春になるとプランクトンの一種、オキアミが大量に発生し、華やかに
彩られます。 この湧き出すような豊かな生命から、植物連鎖が始まります。

毎年3000頭ものザトウクジラが、この海峡に押し寄せます。そして数カ月間、
クジラたちは、それぞれ、1日に1トン以上の食べ物をとります。

まるで、長い断食が明けたのを、祝っているかのようです。 いよいよ、本腰を
入れて食事に取りかかります。 通常、ザトウクジラは、単独で食べ物をとり、
旺盛な食欲を満たします。

しかしチャタム海峡では、時に、異なる群れのクジラまでもが集まり、協力して
狩りを行います。 研究から、ザトウクジラが狩りを行う際、獲物に応じて、
さまざまな戦術を使う事が分かっています。

オキアミを捕る場合。 リーダーのクジラが、オキアミの大群に突進し、最初の
一口を平らげると、仲間は、その後方へ、V字形に並びます。 そして、前方に
泳いで行くリーダーの後ろには、渦が生まれます。

その渦に、大量のオキアミがとらわれ、渦ごと、後に続く2頭の口に入ります。
これを繰り返して行く事でクジラたちは効率よくオキアミを食べられるのです。

しかし、小さなオキアミではなく魚を狙うには、戦術を変える必要があります。
彼らの好物ニシンは、オキアミよりも大きく、より機敏な獲物です。

必要なのは魚を囲い込む網。 クジラたちは網の役割を果たす泡を生じさせる
バブルネットフィーディングという技を繰り出して、狩りを行います。

ニシンは、普段は水深60メートル付近で大群を成しています。 狩りのエキス
パートにとっては、まるで、渦巻く食べ物の山。

まず、ザトウクジラの一団が深く潜り、ニシンの群れの下へ入り込みます。
群れの下で旋回し、頭の噴気孔から、空気の泡を次々と吐き出します。

泡はブクブクと円柱状の渦を描きながら上昇しニシンの群れを取り囲みます。
他のクジラたちは、群れに近づいてニシンを泡の網に囲い込み、徐々に海面
へと追いやります。

海面に飛び出すクジラの大きな口から、獲物が逃れるすべは、ありません。
ザトウクジラのオスは、不思議な鳴き声を発する事で知られています。
その声は、メスを引き付けたり、他のオスを威嚇するために利用されます。

更に、この海ではザトウクジラが狩りを統率し、魚を海面に追いやるためにも
声を利用している事が分かりました。 その声は飛行機の離陸時よりも大きい
140デシベルにも達します。

この大音響は、誰が狩りの主導権をとり泡の網を仕掛け魚を追い込み、最初
に食べるのか、仲間に狩りの役割分担を知らせるためのものだと考えられて
います。ザトウクジラは、尾ビレの模様や傷痕などから個体が識別できます。

この個体識別調査から、アラスカにやって来る何千頭ものザトウクジラのうち
バブルネットフィーディングを行うのは、限られた数十頭である事が明らかに
なりました。 彼らはチームを編成し、役割分担して狩りを行います。

このチームでは、泡の罠を仕掛けるメンバーが、ほぼ決まっています。
アルペジオ、インヤン、ネクサス、ミーズルズと名付けられた4頭です。
25歳のオス・アルペジオが、リーダーです。

仲間に、歌声で狩りの開始を呼びかけます。 すると、20分以内に仲間たちが
集合。 そして、海の奥深くへ。 最初に泡の吹き出す音が聞こえて来ます。
続いて、クジラたちの鳴き声。 互いに協力し、鳴き声で魚を囲い込みます。

しばらくして、全ての音がやみます。 およそ10秒間の不気味な沈黙。
ついに、ザトウクジラの口が現れます。 最初の2頭は、ネクサスとインヤン。
続いて、リーダーのアルペジオ。

最後は、最も深い場所から泡の網で罠を仕掛けていた、ミーズルズ。 彼らは
時に役割を交代し、ミーズルズが最初の一口を得る事もあります。

バブルネットフィーディングは、100年ほど前から観察されるようになりました。
しかし一部のザトウクジラが、なぜ、どのようにして、この狩りのテクニックを
考案したのかは、いまだに謎です。

少数のクジラだけがとる、この行動は本能的なものではなく互いに教え合って
受け継がれていると考えられています。

一部の研究者は、乱獲され、絶滅の危機に追い込まれたクジラが編み出した
生き残り術だと考えています。 この方法ならば海面で過ごす時間を少なくし、
危険を冒さずに、より多くの食べ物を得る事ができます。

いずれにせよ、この巧みな狩りの手法は、クジラの知恵から生み出されたもの
だといえるでしょう。 一方、偶然をキッカケに意外な動物たちが手を組み、
天才的な狩りの手法が生まれる事もあります。

南アフリカのバード島。 ケープシロカツオドリの群れが子育てをしています。
群れには、何万羽もの空腹のヒナがいます。 親鳥は、我が子を養うため、
ある動物の知恵を借りるチャンスを待っています。

ケープシロカツオドリは愛情深く、子育てにも熱心です。 つがいは毎シーズン
恐らくは、一生を共に過ごします。 たくさんのヒナに与える食料を得るため、
独自の情報ネットワークを張り、協力者となる動物の居場所を突き止めます。

ケープシロカツオドリの一団は、ぎこちなく離陸したあと、海上を何百キロ
メートルも飛び、あちこちに散らばります。 その後、100羽程度のグループに
分かれて着水し、いかだのように浮かんで、じっと待つのです。

いわば、いかだのパトロール隊です。 海の中では世界最大級の魚の群れが
こちらへ向かっています。 この海域で、サーディンランと呼ばれる40億匹もの
ミナミアフリカマイワシの大移動です。

お腹を空かせたヒナたちが待ち望む食べ物ですが、カツオドリの親たちが
捕らえるには、協力者が必要です。 協力者が、やって来ました。 1000頭
近い、ハセイルカの巨大な群れです。

1キロメートルもの広がりを保ちながら、一斉に獲物の捜索活動を行っていま
す。 イルカたちは海底に向けて強力なクリック音を発し、魚の群れに当たって
跳ね返る音から、獲物の居場所を突き止めようとしています。

海面に浮かぶケープシロカツオドリの群れは、捜索中のイルカたちが、すぐ
そばを通過しても逃げません。 すると、突然、イルカたちが潜り始めました。
イワシの群れを見つけたのです。

イルカが潜り出すと、近くのカツオドリの群れが飛び立ちます。 空高く上昇
した姿は、いかだのパトロール隊を組む、離れた他の仲間たちにも見えます。
それが合図となり、散らばっていたカツオドリが、1カ所に集結します。

空腹のイルカたちが接近すると、イワシの群れは旋回しながらボール状に
密集し、守りの態勢に入ります。 ボールの中心部にいるほど安全です。
しかし、イルカによる包囲網は、どんどん狭められます。
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イルカたちは、互いに鳴き声を発して、イワシの群れを囲い込み、攻撃に備え
ます。 イワシの群れは、次第に、逃げ場のない海面へと追い上げられます。
しかし、イワシの守りの態勢は、簡単には崩れません。

イワシの群れが、きらめきながら激しく旋回するため、イルカは狙いを定める
のが難しいのです。 そこへ、海面の騒ぎに気付いた空からの援軍がやって
来ます。 ケープシロカツオドリです。

彼らは時速100キロメートルものスピードで、海に飛び込みます。 急降下に
よる潜水は、僅かなミスも命取りです。 ケープシロカツオドリの体は、進化の
過程で、魚を追うのに適した形になりました。

一見繊細な細くて長い首の骨、水に入る際、強く引き締まった筋肉に守られ、
まっすぐに伸びたままです。

頭部は、鼻の突起がない、抵抗の少ない形状です。 胸の呼吸器官がエア
バッグの役割を果たし、水に飛び込む際の衝撃を吸収します。

カツオドリたちが飛び込んでくるとイワシの群れはパニックに陥ります。ボール
状の防御の壁が、ほんの一瞬、崩れ、その隙に、イルカたちは標的に狙いを
定めます。カツオドリが、最初の潜水で魚を捕らえる事は滅多にありません。

カツオドリたちは、急降下による潜水で、ボール状のイワシの群れを貫き、
海の中の状況を確認してから、やがて、狙った獲物を捕らえるための潜水に
切り替えます。

水深10メートル辺りまで潜り、逃げ惑うイワシを追いかけ、獲物をのみ込んで
海面に戻るのです。 この見事なまでのチームワークは、それぞれのハンターの
狩りの威力を高めます。

カツオドリは、魚を見つけるためにイルカを必要とし、イルカは、ボール状の
獲物の群れを切り裂くために、カツオドリを必要としているのです。

そして、彼らの巧みな協力関係は、大勢の生きものにも恩恵をもたらします。
間もなくして、サメやミナミアフリカオットセイたちが、やって来ました。 そして
深い海の奥から、突然、現れる巨大な姿。 ニタリクジラです。

しばらくして、イワシは食べ尽くされました。 ハセイルカたちは、再び、新たな
捜索パトロールへ出発します。

ケープシロカツオドリたちも、次のチャンスを待ちます。 彼らは、子供たちの
ために、1度の狩りで6匹ほどの魚を捕らえ、バード島へ戻ります。 待って
いる家族のもとに、意気揚々と帰るのです。

ケープシロカツオドリの親たちが、2カ月間に持ち帰るイワシの量は、1000万
匹にも上ります。 それらは皆、イルカとの共同作業で得たもの。 彼らのヒナも
やがて、その技を受け継ぐでしょう。

鳥類が、海の哺乳類と連携して狩りをするなど、これまで知られていませんで
した。更に鳥の中には、クジラの命を脅かすほどの知恵を持つものがいます。

アルゼンチンの海では、あるクジラが鳥によって、死の危機に見舞われていま
す。 毎年秋、5000頭以上のミナミセミクジラが、南極圏の餌場から、故郷の
海に戻って来ます。

クジラたちは、穏やかなヌエボ湾にやって来て、繁殖と子育てを行います。
その間、彼らは、ザトウクジラと同様に、6カ月間、食事をとりません。

若い母親と、生まれたばかりの子供が、海面の近くを、ゆっくり泳いでいます。
大人は10分に1回、子供は更に頻繁に呼吸をする必要があります。 しかし、
母親は海面に上昇するのを、ためらっています。

上空から、恐ろしいものが、やって来るからです。 それは、全く新手の脅威
であり、彼らには、防御の方法がありません。 母親は、直感と知能を頼りに、
何としても、我が子を守らなければなりません。

数十年前、ヌエボ湾では、死にかけているミナミセミクジラの子供たちが多く
発見されました。 原因は不明でしたが、その後、この地域のミナミオオセグロ
カモメの驚くべき行動の変化と、関連している事が分かりました。

ミナミオオセグロカモメには、死んだクジラの肉をあさったり、クジラが水面に
いる時、剥がれかけた皮膚を、ついばむ習性がありすま。 しかし、いつしか、
生きたままのクジラの肉まで食べるようになったのです。

彼らは海面に現れたクジラの背中を、くちばしで切り裂き、肉をついばみます。
このようなカモメの捕食行動は、ここ以外、世界のどこでも見られた事があり
ません。 利口なカモメたちは、幼いクジラを集中的に狙います。

恐らくは、子供の方が皮膚が柔らかく、また、頻繁に呼吸をしに海面へ現れる
からでしょう。 たった1日のうちに、クジラの子供は、1000回もの攻撃に
さらされる事があります。

多数の小さな傷は、脱水や体力の消耗、低体温の原因となります。 その
結果、命を落とす子供は少なくありません。 ミナミセミクジラの子供は母親の
母乳を、1日におよそ120リットルも必要とします。

母親は、お腹の溝に隠れている乳首を子供が、くわえたところで母乳を勢い
よく噴射します。 しかし、常にカモメを警戒していては、十分に与える事が
できません。 カモメがクジラを攻撃し始めたのは、ほんの数十年前からです。

クジラが攻撃を避けようとして潜っても、カモメたちは相手が呼吸をしに海面に
浮上する事を知っています。 母親は、子供をカモメから守る方法を見つけな
ければなりません。

20年を超える調査により、母親が独自の解決方法を編み出した事が明らかに
なりました。 最初のうち母親はスピードに頼り、カモメが寄りつけないほどの
速さで、しばしば何時間も泳ぎました。

しかし、それでは、消費するエネルギーが、あまりにも大きすぎます。 ただで
さえ母親は、赤ん坊に授乳する3カ月間で、体重が3分の1も減ってしまうの
です。 次に、母親は背中を反らせて、頭と尾だけを海面に出しました。

しかし子供には、その姿勢ができません。 またカモメたちは、すぐに、ほんの
50センチ潜れば、くちばしが大人の背中に届く事を覚えました。 そしてついに
母親たちは、よい解決法を思い付きました。

体を45度傾け、頭だけを海上に出して呼吸するのです。 ミナミセミクジラの
頭の先は、硬い皮膚の組織で覆われ、カモメのくちばしへの防御には好都合
です。子供は同じ様に真似をし、その姿勢のまま母乳を飲む事も覚えました。

この解決法は、うまく機能しているようです。 生まれた子供が死亡する例は
世界のどこよりも多いものの、その数は、この数年間で劇的に減少しました。

更に、よい兆候があります。近年の調査によれば生まれた子供のほとんどが
最初の1年を乗り切って、この海に戻って来ています。 自力で体重を10トン
ほど増やし、カモメの攻撃に対しても、以前ほど弱々しくはありません。

45度の角度で授乳する方法は、ヌエボ湾のクジラたちに広まりつつあります。
このまま行けば、カモメたちは、死肉をあさる生活に逆戻りするでしょう。
また別の鳥が、新たな、ひらめきを得るまで…。

こちらの海岸では、ある海のハンターたちの驚きの生態が上空から捉えられ
ました。 彼らの賢さ、巧妙さ、学習能力は、想像を絶するものです。

そのハンターは、毎年3月、アルゼンチンのノルテ岬周辺に現れます。
引き潮の間、浅瀬となった沿岸に集まるオタリアの子供たちを狙うためです。
生まれたばかりのオタリア(アシカの仲間)は、泳ぎ方を知りません。

海に出る数週間前から、干潮時にできる岩場のプールで子供たちは気ままに
遊びながら泳ぎを覚えます。 しかし母親は、波の向こうを気にしています。
潮の向きが変わると現れる、黒い背ビレ。 死の前触れです。

浅瀬から勢いよく飛び出し、ビーチに上陸するのはシャチです。 油断している
オタリアの子供を、ビーチから海へと引きずり込みます。 それは、あらゆる
動物の捕食行動の中で、最も息をのむ、激しいものの1つです。

毎シーズン、300匹以上のオタリアの子供が母親の目の前で犠牲になります。
しかしビーチに上陸する作戦は、シャチにとっては座礁するリスクがあります。

この狩りの上級テクニックを使いこなせるのは、世界中のシャチの中でも、
ほんの一握りの集団です。 この特別なテクニックをマスターするには、忍耐と
訓練と、指導する先生役が必要なのです。
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このシャチの群れは、上陸作戦による狩りを得意としています。 リーダーは、
研究者の間で、マガという名で知られる、40歳のメスです。 マガは、自分が
磨いて来た技を、若い世代に教える役割を果たしています。

生まれながらに、この方法を知っているシャチはいません。 シャチの狩りの
レッスンは、オタリアの子供が、浅瀬で遊び始める頃に始まります。 マガは、
いつものように、まず、お手本を示す事にしました。

今回のレッスンには、マガの娘ヴァレンと、5歳の孫エミアが参加します。
大人のオタリアは狙いません。 素早い動きで抜け目がなく、捕まえにくい
からです。 マガたちは、チャンスが訪れるのを待ちます。

案の定、オタリアの子供たちが、浅瀬で遊び始めました。 マガは、すぐさま
押し寄せ、1匹の子供をさらいます。 続いて娘のヴァレンも1匹捕まえました。
続けて2回も成功するのは珍しく、通常、成功するのは5回に1回程度です。

毎年、春には、マガのように上陸作戦を得意とするシャチが、技を持たない
仲間の分まで食料を調達します。 上陸しない、海中での狩りを得意とする
ものは、それ以外の季節に仲間を養います。

シャチの狩りのレッスンを、空から観察できるようになったのは、つい最近の
事です。 そのレッスンは、驚くほど高度なものでした。

大人のシャチが子供を浅瀬に導き、ビーチに沿って泳がせます。 打ち寄せる
波や、小石や砂が腹に当たる感覚を、子供に慣れさせるためのようです。

子供たちの中には、嫌がるものもいます。 大人たちは、無理に続けさせる
より、むしろ、そのような子供たちを、次第にレッスンから解放します。

そうした子供たちは、群れの中で上陸作戦を行わない一員として、一生を
過ごします。 一方、うまく出来た子供は、次のレッスンに進みます。 獲物が
いない状態で、浜に乗り上げる練習をするのです。

しかし、この作戦は、常に死の危険と隣り合わせです。 乗り上げたままでい
ると、太陽の日ざしで脱水し、自分の重さで体が押し潰されてしまうからです。
そこで彼らは、砂の上で体を、くねらせる方法を学びます。

この方法で、波が引くタイミングに動きを合わせて、海に戻るのです。 更に、
かつて人間だけが行うと思われていた、能動的な指導も行われていました。

生徒たちにお手本を示すばかりでなく、彼らの動きを直したり、要領を分から
せるために、道具を用いたりするのです。

マガは波打ち際で、海藻を使って、孫のエミアに狩りの練習をさせます。
波が穏やかな場所なら、小さい子供が怖がる心配はありません。

エミアがためらっていると、マガは海藻を近くに寄せてエミアの気を引くように
あやします。 こうした行動が、空から観察されるのは、初めてです。

動物が子供を教育する様子を捉えた、最も素晴らしい映像記録の一例です。
このあと、子供は実際の獲物で練習を始めます。 生きたオタリアの赤ん坊の
扱い方を学ぶのです。

今回の指導役は、マガの娘であるマイカ。 生徒は、8歳のカルートです。
共にビーチに突進し、1匹のオタリアの子供を捕獲します。 マイカの獲物は、
食料として。 カルートの獲物は、練習台として。

2頭は交代でオタリアの子供を追いかけ、もてあそびます。 残酷なようですが
これは、上陸作戦の習得に欠かせない、学習の重要なステップです。

こうした訓練を経て、子供のシャチは獲物の特徴や、その動きについて学び、
確実に捕獲する技を身につけて行くのです。 20分間のレッスンのあと、思い
がけない事が起こりました。 彼らは、オタリアの子供を放したのです。

オタリアの子供は、放心状態です。 しかし目立ったケガは無く、母親のもとに
戻りました。 狩りの技を磨き、その戦略を子供に教える能力にかけて、
シャチにかなう野生動物は、ほとんどいません。

シャチの脳のサイズは、人間の4倍。 体の巨大さを考慮しても、高い知能に
ふさわしい大きさです。 シャチは非常に賢く、独自の伝達手段や、行動
パターンを取る事が分かっており、食べ物の好みもハッキリしています。

シャチはザトウクジラを狙う事もあります。 そしてザトウクジラも、子供の命が
脅かされた時には、シャチに反撃します。

しかし、総勢何千頭ものシャチとザトウクジラが、ノルウェーの海に押し寄せた
時には、これらの敵同士は、どちらも、同じ目的を果たすために、いざこざを
起こさない事が明らかになりました。

シャチとザトウクジラは、ノルウェーの海に、同じ獲物を求めて、やって来ます。
ニシンの群れです。 およそ200億匹ものニシンの大群が、この時期、冬の
すみかである、この海に押し寄せて来ます。

ザトウクジラは、そのあとを追って、やって来るのです。 水深が十分にある
場所で、シャチの群れは、ニシンの大群を下から狙います。 

それは、彼らの近縁種イルカたちが、ニシンが作るボール状の守りのフォー
メーションを、攻略する方法に似ています。 まず、15頭から20頭のシャチが、
チームを組んで作戦を開始します。

彼らは、巨大なニシンの群れから一部を切り離し、海面へと押し上げて行きま
す。 シャチの登場に魚たちは驚き、次第に、まとまりは小さくなります。

切り離した獲物を完全に囲い込みました。 いよいよ、秘密兵器の登場です。
シャチたちは交代で、ボール状のニシンの群れの表面に沿って泳ぎ、彼らの
強力な尾ビレで、群れに一撃を加えます。

すさまじい迫力。 水面下で爆発するような音が響きます。 その衝撃波で、
ニシンは気絶し、捕まえ放題となります。

一方、ザトウクジラたちの作戦は、普段は、あまり洗練されていません。
ただ大きな口を開けて海水と一緒に魚が入って来る事を期待するだけです。
しかし、ニシンの群れが浅い海まで来た時、彼らは特別な能力を発揮します。

ドローンが捉えたのは、巨大なクジラたちが、この海の複雑な地形を利用して
魚の群れを追い込んで行く姿です。 ニシンの群れの真っ黒な塊が、逃げ場の
ない浅瀬に追い込まれて行きます。まるで樽の中で魚を狙うようなものです。

シャチの群れは、しばらくは遠巻きに眺めています。 ザトウクジラたちが、
最大の取り分を手にします。 その後は、シャチの出番です。

ニシンの群れは海岸線に封じ込められているため、シャチは何の苦労もなく、
獲物を平らげる事ができます。 ザトウクジラとシャチの集団は、ノルウェーの
海で、さまざまな知恵を働かせ合っています。

本来、敵対する動物同士であっても、目的が同じであれば、争う事はないの
です。 そして、どちらも、ある生きものの行動を、巧みに利用します。

その生きものとは、人間です。夜、ニシンの群れが海面近くに上がって来ると
漁船団が、魚の大群の周りに網を投げ入れます。 3頭のザトウクジラが、
何百トンもの魚が入った網の下で、忍耐強く待っています。

そこから数十メートル離れた場所では、複数のシャチが他の船を尾行してい
ます。 網を手繰り寄せる機械が、きしむ音を立て始めた時、クジラとシャチ、
双方の華麗なダンスが始まりました。 撮影されたのは、これが初めてです。

シャチと巨大なザトウクジラは、攻撃的な素振りを一切見せません。 網から
こぼれ落ちるニシンを、悠々と平らげます。 ノルウェーでは1970年代、乱獲
によりニシンが減少し、長年にわたり、漁が禁止されていました。

その後、一定の制限がある中で、漁が解禁され、漁船が再び現れ始めると、
クジラやシャチは状況の変化を理解し、新たな捕食行動を身につけたのです。

その素晴らしい知性こそが、彼らを、海のスーパーハンターにしている理由
なのです。 大海原のどこかで、海のハンターたちは、日々、創意あふれる
狩りを繰り広げています。

しかし、その優れた学習能力や適応能力について、私たちは、ほんの一部を
知ったばかりです。 彼らは状況を理解して、仲間と協力し、時には、種をも
超えて連携する事があります。

もし私たち人間が、海を守り抜く事ができれば、海のスーパーハンターたちは
自然界の更なる秘密を明かしてくれるかも知れません。
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カメラがとらえた決定的瞬間です!ズラリと並んで泳ぐのは、海の王者シャチ。
今回、ほとんど観察された事がなかった一列に並ぶ奇妙な行動の一部始終を
克明にとらえる事に成功しました! 映像が撮影されたのは、なんと日本!

北海道の知床です。 近年、知床は、世界有数のシャチの生息地である事が
分かって来ました。 なぜ、知床にはシャチが集まるのか?

番組では、研究者の調査に2年間、密着! すると、横一列に並ぶ謎の行動に
秘められた、驚きの理由が明らかに!

今回は、海の王者シャチの知られざる姿に、徹底的に迫ります!

第1章 シャチが大集結! 知床の秘密

ここは、知床半島の羅臼町。 冬、海は、一面の流氷に埋め尽くされます。
そして流氷がとける春から夏までの間、この海に巨大なお客が姿を現します。
今回の主人公、シャチです! 体長は、最大で10メートル。

体重は、20トンにもなります。 船と比べると、この通り! ホント大きいです!
生態系の頂点に立つシャチは、海の王者とも呼ばれています。

あっ、飛びました! 大きな体を、ものともしない、豪快なジャンプ。 さすがは
海の王者です。 シャチは家族ごとに、10頭ほどの群れを作って暮らします。
小さな子供を見つけました。

知床の海は、シャチの子育ての場になっているのです。 子供が、お母さんの
下に潜り込んで、しきりに、お腹を、つついています。

シャチは、私たちと同じ哺乳類。 お母さんに、お乳を、せがんでいるのです。
親子は、いつも一緒。 おや? お母さんの真似をして、子供も背泳ぎです。

今度は、親子で同時に、水面から顔を出しました。 仲がいいですね!
知床で多くシャチが見られるのは、4月から6月にかけての、およそ3カ月間。

その生息密度は、世界でもトップクラスだといいます。 しかも、この海では、
他では、ほとんど例のない、不思議な行動が観察されています。

いくつもの群れが合流し、100頭もの超大群となる様子が、度々、目撃されて
いるのです。 時に、横一列に並んで泳ぐ、シャチの大群。

なぜ、シャチは、知床の海に集まって来るのでしょうか? その謎に迫るため
5つの大学からなる研究チームが、2012年から調査を行って来ました。

“分かっていない事が多い。ほとんど何も分かっていない所も研究上の魅力”
私たちは、2017年から、その調査に同行させてもらいました。

調査の基本は写真撮影。 写真を頼りに、体の模様やヒレの形で、1頭1頭を
見分けるのです。

こうした地道な調査の結果、これまでに400頭を超すシャチが知床に来ている
事が分かって来ました。 しかし、シャチが水面に姿を出すのは、ほんの一瞬。

船の上からだけでは、その暮らしに迫る事は出来ません。そんな神出鬼没の
シャチの追跡を担当するのは、北海道大学の博士です。

博士が用意したのは、小型の衛星発信器。 これをシャチの体に取り付け、
行動を追う作戦です。 (研究者が正式な手続きのもとに行っています)

発信器は、自然に外れるまでの1カ月ほどの間、シャチの居場所や、潜った
深さなどの記録を知らせてくれます。

海の中で、シャチは、一体、何をしているのか?

発信器からのデータから予想外の結果が明らかになりました。 これは発信器
から送られて来た、シャチの潜水の記録です。

予想外だったのは、その深さ。 これまで、シャチの潜れる深さは260メートル
ほどと考えられていました。

しかし知床のシャチは、その深さを、頻繁に超えている事が分かります。
最深記録は、なんと736メートルにも達していました。 調査で明らかになった
シャチの常識を覆す行動。

知床のシャチは、研究者も驚く、独自の生態を持っていたのです。
“想像を超えていました。シャチって、こういうものだという概念を崩せる新しい
シャチのタイプかも知れない。 それは面白いかなと思います”

では、シャチは、一体、何のために深海に潜るのか? 研究チームは、行動を
より詳しく調べる事にしました。 用意したのは、ビデオロガーという装置。
小型のカメラや、動きを記録するセンサーが付いています。

これを吸盤でシャチに取り付け、深海での行動を、自ら撮影させる作戦です。
成功したかに思われましたが… 外れた! 何度も挑戦しますが、なかなか
思うようには行きません。 そして、試行錯誤を続ける事、数日間。

ようやく成功です! ビデオロガーは、自動的に外れるまでの3時間、映像を
記録し続けます。 果たして、うまく行くでしょうか?

無事に回収成功! 早速、見てみましょう! これは、装着の直後の映像。
2頭のシャチが、近付いて来ました。 見慣れないビデオロガーに、興味がある
ようです。 しかし、すぐに移動し始めました。

幸いそれほど気にしてはいないようです。 水面で息を吸って潜って行きます。
深海に潜ろうとしているのでしょうか? しかし、映っていたのは泳ぐ姿だけ。
映像からは、シャチが深海に潜る理由は、何も分かりませんでした。

一方、動きを感知するセンサーには、興味深いデータが記録されていました。
上の線は、シャチの動きの激しさを。 下の線は、潜った深さを示します。

シャチは、深く潜った辺りで、特に激しく動いています。 研究チームは、この
激しい動きは、獲物を追って動き回った時のものに違いないと推測しました。

シャチは、深海で、何を食べているのか?

研究チームが、次に用意したのは深海カメラ。 これをシャチが、頻繁に潜って
いる深さまで沈め、海の中を撮影する作戦です。

次第に周囲が暗くなって行きます。 水深、およそ300メートル。突然、無数の
小さな生き物が現れました。 プランクトンの仲間、オキアミの大群です。
カメラに何か張り付きました! イカです。 シャチの主な獲物の1つです。

魚もいました。 シャチが深い海に潜る目的は、研究者の推測通り、深海に
暮らすイカや魚を食べるためだったのです。 研究チームの地道な調査の
結果、世界屈指のシャチの楽園、知床の秘密がついに明らかになりました。

ちょっと待った! 深海なんて、他の海にもあるじゃないですか。
知床じゃなくても、シャチの獲物は、い~っぱい、いるんじゃないの?

う~ん、そんな事はありません。 知床の深海は、生き物が集まる特別な場所
なのです。 特別って、どういう事? 冬、知床には流氷が来ていましたよね?
流氷は、大陸から流れ出た大量の栄養分を、閉じ込めて運んでくるのです。

春になると、流氷から海に栄養分が、とけ出します。 おかげで、オキアミが
大発生するのです。

このオキアミを食べるため、イカや魚が、どんどん集まります。 だから知床の
海は春から夏、生き物が、とっても増えるのです。 うん、シャチが集まる訳だ。
更に、知床の地形にも、生き物が集まる秘密があります。

知床の羅臼海岸の海底を見て下さい。 北側は、2400メートルと深くなって
いますが、南側は、数十メートルへと急激に浅くなります。

いわば、崖のようになっているのです。 そのため、やって来た魚やイカたちは
行き場を失い、どんどん、たまって行きます。 だから知床の深海は、特に
獲物が多いのです。 1度、潜ってしまえば、魚やイカは食べ放題!

知床の深海は、シャチにとって、すごく魅力的な場所だと考えられるのです。
次は、シャチが続々と大集結! ついに大群が出現します! ずらっと一列に
並んで一体、何をしているの? その意外な理由が明らかに!
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第2章 大群出現! 一列に並ぶ意外な理由

世界自然遺産の知床。 その豊かな自然の中で、最近、特に注目されている
のが海! 間近で生き物に出会えると大人気なのです! シャチが見られる
時期は、観光船は、大賑わいです。 すごい人ですね!

ここでリポーターが、研究チームの一員でシャチ探しの達人に案内してもらい
ました。  Q: 今日、見られるでしょうか?

“最近よく出ているので、多分、見られると思います” この日は海も穏やかで
条件はバッチリ! “キョロキョロしてて下さい” シャチを探して、海を見つめて
いると…  “あっ! 目の前にいますよ!”

大きな背ビレ。 シャチです! 運が良ければ、港から出て、すぐに、こんな
群れに出会えるのですよ! シャチの方から、船の近くにやって来ました。

Q: こんなに近くで見られるとは思わなかったです…。

シャチだけではありません。 知床の海では、他にも魅力的な生き物に出会
えるのですよ! あっ、早速、何か発見!

フサフサした毛が特徴の、キタオットセイです。 大きなものでは、2メートル
にもなります。 今は、繁殖地のロシアなどに向けて、旅の途中。

豊かな知床の海で、ちょっと、一休みでしょうか? 次は、大きな生き物が
現れました! 体長20メートルもあるナガスクジラです。

世界で2番目に大きい生き物なのですよ! 更には、ちょっと意外な出会いも。
あっ、波打ち際を、ヒグマの親子が歩いています! 子グマが、カワイイ!

ヒグマも、よく食べ物を探しに海岸にやって来ます。 見つけたのは… 命を
終えたクジラ。 ヒグマにとっては、またとない、ごちそうです。 知床の豊かな
海は、陸の命も育んでいるのですね!

知床の豊かな海に集まって来る、たくさんのシャチ。 その最大の謎が、幻の
超大群。 時に、100頭ものシャチが、一堂に会するというのです。

見られるのは、僅かな時間だけ。 しかも、いつ現れるかは分かりません。
いくつかの目撃情報以外、手がかりは一切ナシ! ひたすらシャチを追跡し、
その時を待ち続けます。  そんな、ある日。

地元の船から、シャチがたくさん集まっているという連絡が入りました。
急いで現場に向かいます。 遠くに、たくさんの背ビレが、見えて来ました。
いくつかの群れが、集まっているのかも知れません。

“多分、40~50頭くらい、いるような気がしますよ…”  今まで、見た事もない
ような数です。 ついに、超大群が見られるかも知れません。

2つのシャチの集団が見えます。 どんどん近付いて… 1つの大きな群れに
なりました。 見えるだけでも、30頭近く。

通常の群れを、はるかに超える大群です。 ずらっと、一列に並んだシャチ、
キレイな隊列を保ちながら泳ぎ続けます。

こうしたシャチの行動が空から克明に撮影されたのは、今回が世界で初めて
です!  おや? 列が、崩れました。 今度は、塊になって泳ぎ始めました。

互いに体が、ぶつかりそうなほど近付いています。 こちらのシャチは、お腹を
こすり合わせています。 これは、ラビングと呼ばれる行動。

よ~く見ると、あちらこちらで、ラビングをしていますね。 シャチは、こうして、
お互いの親密さを確かめます。 数分後、シャチたちは再び一列に並びました。

何回も並び直すという行動を、繰り返しています。 大群は謎の行動を繰り返し
1時間ほどで、消えて行きました。

シャチたちは、一体、何をしていたのでしょうか? 研究チームのリーダーで
シャチを見分けるスペシャリストの博士に、この行動の分析をしてもらいます。

博士が使うのは、今までの調査で確認された400頭以上に及ぶシャチの記録。
これでシャチたちを、1頭1頭、調べます。

すると、11頭は1つの群れに属し、それ以外は、これまで記録された事のない
未知の群れの可能性があるといいます。

なぜ、別々の群れが合流したのか? 博士は、こう考えています。
“婚活パーティーみたいなものではないですかね!”   どういう事なのか?

実はシャチは適齢期になっても、ほとんど出会いがない、独特の暮らしをして
いる事が分かって来ています。

シャチの群れは、最年長のメスをリーダーとした、1つの家族。 子供はオスも
メスも、一生、群れから出て行く事はないのです。 家族だけで暮らしている
ので、そのままだと、恋の相手を見つける事が出来ません。

なので他の群れと出会うと、その中から繁殖相手を探すと考えられています。
群れが合流するのは、いわば、家族ぐるみの婚活パーティーというわけです。

そうした集まりが、時に100頭にもなるというのです。 知床で、こうした行動が
目撃されているのは、ここならではの環境が、カギになっているといいます。

“羅臼(知床)の海が、とても豊かだという事が、第1条件だとも思いますが、
そこにシャチが集まる事によって、繁殖相手を探すのにも好都合な場所”

今回は惜しくも、100頭もの超大群は撮影できませんでしたが、シャチの知ら
れざる行動の一端を、垣間見る事が出来ました。 知床の豊かな海は、シャチ
にとって、貴重な出会いの場でもあったのです。

ちょっと待った! だってシャチたちは、お行儀よく一列に並んじゃって、正直、
相手を探しているようには見えないですよ?

とんでもない! きちんと相手を見定めるには、一列になるのが1番、都合が
いいのです! えっ?どういう事? シャチの目は、どこについていると思う?

実は、体の横なのです! つまり、横に並んでいる時は、隣のシャチと見つめ
合っている状態なのです。 でも、それでは、隣のシャチしか見てないって事?

う~ん、そうかも知れません。 でも、思い出して下さい。 シャチは列を何回も
崩していましたよね? 研究者によると、あれは見つめる相手をかえる、
いわば、席替えではないかといいます。

こうしてシャチたちは、見つめ合う相手をかえながら、婚活に励んでいるという
訳です。 なるほど、こんなシャチの珍しい行動が見られるなんて面白いね。
2年間に及ぶ調査で、知床のシャチの生態が、少しずつ見えて来ました。

調査中に出会った、あるシャチの家族。子供を真ん中に、みんなで守るように
泳ぎます。 生まれて、まだ1年ほど。 この子も、いずれ知床で、素敵な恋を
するのかも知れません。 夏になると、シャチたちは、知床を去って行きます。

どこに向かうか詳しい事は、まだ分かっていません。 調査は今後も続きます。
まだまだ驚きの発見がありそうです。 知床の海を悠然と泳ぐ海の王者シャチ。

その暮らしぶりを知れば知る程、この海の掛けがえのなさが見えて来ました。
大集結するシャチたちの姿は、知床の底知れない豊かさの証しなのです。